またしばらく更新間隔空いちゃった…
前の話見返してなんでこんな展開にしちゃったか2週間くらい思い出せなかったんですけどようやく思い出したので…
では、どうぞ!!
選手たちがいる芝と観客席とのこの距離感。
なんて近さだ。
握手しようと思えばできる距離なんじゃない?ってくらいの近さだよ。すぐそこグラウンド。テンションが上がって仕方がない。
「はしゃぐのもよいが、周りに迷惑をかけるでないぞ」
「わかってるって」
満員とまでは言わないが、すでにペプシートも席が埋まりつつある。人気だよなあこの席。そろそろ席も楽しむか。
「なんか偉くなった気分だ」
「座ったとたんの感想がそれかの…」
一足先に座ったオレを見てあきれながらいう秀吉。座ってみたらわかるって。
「なるほどのう。言わんとすることがわかるぞい」
でしょ。他のプラスチック座席を知っているがゆえになおさら優越感に浸れるというか。そりゃあこの席の値段が高いわけだなあって実感してる。
『ただいまより、両チームのスターティングメンバーを発表します』
ウグイス嬢のアナウンスが聞こえてきた。いよいよスタメン発表か。
「コールにつれてベンチから選手が飛び出してくるのう」
「呼ばれたら出ていくって感じだろう。ほら、ライトが来たよ」
「うむ。何故あれほどボールをたくさん持っておるのじゃ」
「観客席に投げ入れるからだ。最初は期待しないよ。後ろに投げるだろうから」
それよりも試合中だ。ライトへのファールとか。ライトフライで3アウトになったときとか。そういう時にボールをもらえるかもしれない。もちろんファールボールも飛んでくるかもしれない。そっちがチャンスだ。
「な、なんじゃ?歓声が一段と大きくなったのう」
ライトがボールをスタンドに投げ入れるのを目で追っていたら、ドームの雰囲気に一歩遅れを取ってしまった。
「先発が発表されたのか。早川あおい、か。これはめちゃくちゃ楽しみだ」
「なんじゃ。女性選手かの」
「プロ野球史上初の女性選手だ。決して客寄せパンダなどではなく実力でこの地位を獲得している」
「そのような選手がおったのじゃな」
実際に生でプレーを見るのは初めてだ。テレビでは見たことあるが…どういうボール投げるのか。
「ほかにも2番目3番目の女性プロ野球選手もいるぞ」
「名前は何という」
「橘みずき、六道聖」
「聞いたことがないのう」
ちょっとは野球に興味を持ってほしいなあ。正直めちゃくちゃ騒がれたと思うんだけど。
「相手のほうのスタメンも発表されておるようじゃが、あちらも盛り上がっているのう」
「そりゃあ、なんていっても猪狩兄弟バッテリーなんじゃないか?」
「兄弟バッテリー?」
「ああ。兄の猪狩守がピッチャーで、弟の猪狩進がキャッチャーだ。高校時代から全国的に有名だった兄弟だな」
野球に詳しくない秀吉に解説しながらも自分で興奮しているのがわかる。早川あおいと猪狩守の投げ合いなんて見れると思わなかったからなあ。
「そのうえ、ショートの友沢亮。この選手もすげえんだ」
「語彙力がないのう」
「うるせえ。とにかくすげえんだ。走攻守三拍子揃った選手だぞ」
「実際に見てみるのじゃ」
へたくそな解説、期待外れみたいな反応をしないでいただきたい。すげえものはすげえんだ。
☆
「おぬしが元気になってくれたのはいいのじゃが、はしゃぎすぎじゃ…」
試合後、帰り道で秀吉にこうつぶやかれた。だって白熱した試合展開だったじゃん。
「それにボールを取りすぎじゃ」
「語弊がある言い方をするな。結局持って帰ってるのは自分の分と秀吉にあげたやつだけでしょ」
左バッターの強烈な引っ張る打球がペプシートに飛んでくるわけですよ。他の観客逃げるわけ。一応防具はつけてるんだけどね、野球経験者じゃないと怖いと思う。そうなれば危険がないように一足先に動いてボールを取りに行くでしょう~
「あんなに怖いんじゃな。スリル満点じゃ」
「お化け屋敷かよ」
ちなみに余分に取ったボールはペプシートにいたほかの人にちゃんとあげてます。子どもとか女性を中心に。男性には上げる必要ないでしょ。自分で取れ。
「実はのう。今日の試合観戦はおぬしを元気づけるためともう一つ意味があったのじゃ」
「もう一つの意味?」
「うむ。ワシと今日デートしてどうじゃった?」
「ぶっ…で、デート!?」
思わず吹き出してしまったが、なんて単語をチョイスしてんだお前。
「姉上とのデートの予行練習じゃ」
「な、なにを言ってんだお前!?」
「ワシは自分で言うのもなんじゃが、姉上と瓜二つじゃと思う」
そこは謙遜しなくてもホントにそっくりだから気にしないでいいと思う。
「それに、ワシの今日の服は完全な私服というよりも、おなごに見えるかもしれないギリギリのラインを狙って服を選んだのじゃ」
「なんでわざわざ…」
「2人で並んで歩いているときに視線を感じたじゃろ。ワシをおなごとして見ておる人の視線じゃったな」
確かにそうだったけども。はたから見たら絶対デートと思われているよなと思ったけども。まさか秀吉が普通にそうなるように仕向けていたのか。
「あれは姉上と並んで歩いた時のための慣れじゃ」
「慣れって言われても…確かに肩身は狭かった」
「それじゃ。そんな卑屈にならずともよいではないか」
「卑屈になってるわけではないけども…」
女子と2人きりで歩くっていう行為自体がまだちょっとね。
「やれやれじゃ」
「なにその反応」
「まだまだじゃのう」
「なにが!?」
「初々しいのじゃ」
秀吉が近所のおっさんみたいな反応をしてくる。やめてほしい。
「本来は今日いきなり姉上と2人で行ってくるように言おうと思ったのじゃが」
「そうしないでもらえて助かった。無理無理」
「遊園地で遊んだくせに何をいまさら言うておる」
「あれはなんというか、あれだよあれ」
「どれじゃ」
隣で頻繁にため息をつかれているが、仕方ないじゃないか。
「まあよい。早く慣れるのじゃよ」
「何を焦っているのだ」
「勇樹よ。姉上はじゃな、ああいう性格をしているが、見た目は男子受けがよいと思うのじゃ」
「そりゃあ、誰が見てもかわいいと思うぞ」
「なぜこういうときだけそうサラっと真顔で言えるのじゃ…本人を前に言えばよかろうに」
「何をバカなことを言っている。本人がいないから言えるんじゃないか」
そんなことしたら恥ずかしさで死にそうだわ。
「話を戻すぞい。それで、いつ告白されてもおかしくはないのじゃ」
「されてもって今でもされているんじゃないのか?」
「なんというかの。高嶺の花という感じじゃろうか。あまり手を出す人はおらなんだ。どちらかというとワシのほうに皆手を出してきておったのう」
それ優子には言うなよ…絶対怒る。というかほかの女子にすら言うな。嫉妬で狂うぜ。
「じゃが、もうすぐ合宿があるじゃろう」
「ああなんかそういう話があったな」
「あれをキッカケに仲良くなりたいと思う男がおってもおかしくはないのじゃ」
「そりゃそうだろうなあ。なんというか特別な雰囲気だよな。そういう時って」
吊り橋効果じゃないだろうけど、そんな感じでいつもとは違う雰囲気に踊らされるっていうかなんて言うか。
「お主…『嫉妬』ということをいい加減覚えぬか」
「嫉妬? ヤキモチだろ?」
「誰が言葉の意味を答えよと言うたのじゃ」
じゃあなんのはなしだよ。
「言い方を変えるぞい」
「そうしてくれ」
「おぬしはもし誰かが姉上に告白をして、何かの気の迷いで姉上がそれを了承してしまったらどうするのじゃ」
「待て待て。何かの気の迷いって優子に失礼だろ。誰を選ぶかというのはあいつ次第だからオレが口を挟むようなことじゃないだろう」
「ほんにお主は女心がわかっておらぬ」
「というのを秀吉に言われてもなあ」
ホントはお前さん女だったというオチはないよね。
「お主…本気でそう思っておるのかの?」
「秀吉。一つだけ言っておこう。オレは男女の仲なんてものはよくわからん。だからなるようになる」
「楽観的じゃのう。明久よりも厄介かもしれぬ」
「なんだそれ…とりあえず言いたいことは、優子がそれでOKしてしまうようならオレはまだ優子に並び立つ資格がないということだ」
ただ付き合えばいいというものでもない。もし付き合ったとしてどっちかが相手の足を引っ張るようなことをするなら付き合うとかしないほうがマシ。相手と一緒にいてさらに前に進んでいけるってのがいい関係だろう。ただ、オレはまだ優子の隣に立つほどの器量ではない。
「言い訳ばっかりしておって…でもおぬしが言いたいこともわかる。じゃからワシからも一つ言わせてもらうぞい」
「なんだ?」
「時間は待ってくれぬぞい」
それだけ言うと、秀吉はそれっきり無言になってひたすら歩いて帰るだけだった。
正直、野球のところはメインじゃないので大幅カット。
一度突っ込んで書き出すとキリがなさそうなので。1試合まるまる書きそうな勢いだったからやめましたw
さて一度忘れたという展開。こういうの。
実は、わかっておられる方もいるでしょうが、時系列的に次は原作で言う3巻。アニメで言うと二期の5-7話部分ですね。そう強化合宿編。
そこにつなげるためになにかほしいなあと思ってただけだったみたいです。
大した話じゃないかもしれませんが…
この秀吉の取り組みは吉と出るのかね。
感想などお待ちしております!!