そのおかげか?
Aクラス戦が終わります。
では、どうぞ♪
Fクラスの集団から離れ、ディスプレイが見える場所にあるゲスト用席みたいなところに腰かけた。すげえなAクラスの教室。椅子までもがふっかふかやん。
「なあ秀吉」
「なんじゃ?」
1人にさせるのは不憫だと思ってくれたのかな。集団に戻らず、一緒に椅子に座ってくれた秀吉に声をかける。声をかけるんだが、あくまで視線はディスプレイのほう。
「なんだ…まあ言いにくいが…そのしゃべ ー いや何でもない。また話すわ」
「中途半端なところできりおって…気になるではないか」
「んー話し始めたら終わらなさそうだから今日のところはひとまずな」
再会した時から気になっていたことを言おうとしたが、こんな時に聞くもんじゃねえ。まずはこの試召戦争の行く末をしっかりと見届けんと。
「そうかの。とにかくゆっくりくつろぐのじゃ。Aクラスの椅子を堪能できるのはまたとない機会じゃからのう」
「勝てば毎日楽しめるんだがな」
「そうじゃった! それは楽しみじゃのう」
「もう勝つこと前提かよ」
ホントにワクワクしているんだろうなあというのが声だけでもわかる。声に表情つけるのがうまいなあ。
☆
オレの敗戦ののち、吉井が瞬殺され後がなくなったFクラス。土屋と姫路がAクラスもびっくりの点数でAクラスのメンバーを倒すと、最終戦に代表同士の戦いが組まれていた。坂本が教科選択で、「小学生の範囲の日本史の上限100点満点テスト」という謎の言葉を発した。何か仕組んでいるのは確実だろうが…
「しかし小学生の日本史の問題ねえ」
「流石に用意はしておらんかったようじゃの」
「そんなことまで読んでいたらウチの先生陣恐ろしいわ」
高校において今までそんなものに需要はなかったであろう、小学生の日本史の教科書。なぜ高校にあるかが不思議でならないが、誰か日本史の教師が持っていたんだろうな。高橋先生が職員室に連絡すると日本史の教師がそれを見ながら早速問題作成に取り掛かるそうだ。
「霧島相手に小学生の日本史の問題か…」
「それがどうかしたのかの」
「小手先の動揺を誘う作戦ではなかろうけども」
想像がつかない。そういえばあいつは霧島のことを翔子って呼んでなかったか? それに、あいつとかなんとか聞いたことあった気がする。2人は知り合い? いや、幼馴染なのか? それならば小学生の日本史の問題で確実に間違える問題を知っている可能性だって。
『準備が整いましたので、代表者はついてきてください』
高橋先生が日本史の教師から連絡を受け取ると、2人を連れて別室へと連れて行った。ディスプレイにはその教室の様子が映し出されているみたいだな。
『 ー では、はじめてください』
その声と同時に霧島は問題を解き始める。坂本はふっと一息ついてから問題に取り掛かる。お、ディスプレイにも問題が映し出されたぞ。何なに? 年号問題が主か。まあ、手軽に作れるしな。
「ところで何で連中は騒いでいるんだ?」
「む。それはじゃな」
と秀吉が語ってくれた内容は至極だった。
霧島は大化の改新の年号を625年と覚えているそうだ。それを坂本が自信満々に語っていたらしく、それが勝敗を分けるカギとなると宣言していたからだそうだ。
「これでワシらFクラスの ー 」
「それフラグだろうに…」
「何の話じゃ」
フラグの意味を説明しろという意味ではないだろうが、確実にフラグだよなこれ!? この戦から帰ったらプロポーズするよとか言ってた男が戦死する並のフラグだよな。
「まあ何というか…坂本を信頼していないわけではないが」
「うむ」
「勝ちが決まるまで喜ばねえほうがいいな」
そもそもその問題を霧島が間違えたからといって、坂本はどうなんだ。全問正解できる自信はあったのかいね。もしくは、霧島がそれを克服していたらどうなんだい。
☆
結論から言おう。大敗北だ。何が97点vs53点だ。あれだけ期待持たせておいてそれはないだろ。せめて僅差とか。惜しかったね~で終わろうぜ。相手の弱点狙っておいて自分から落とし穴にはまるのかよ…だせえぞおい。
「お主の言う通りじゃったの…」
「ここまでとは予想はしていたなかったが」
「他の連中は坂本を殴り殺さんばかりの勢いだな」
「期待しておった分反動が大きいんじゃろう」
あほらし。まあ何もしていないわけではないが試召戦争でちょっちょっと活躍したくらいでAクラスの教室とか望むなよ。これでもし勝ってたら何か申し訳ねえ気持ちになってたわ。いや使うけどね。もしそうなっても遠慮して ー とかはないよ。申し訳なかったなあと思いながらAクラスの教室を使うけどね。ま、どのみちFクラスに逆戻りか。
「終わったな。下剋上もあっけなく」
「そうじゃのう。また3か月後かのう」
「またやる気かよ…もう奇襲はいい加減成功しないぞ」
と秀吉と話していると教室が静まり返った。え、なになに。何が起こったの。話題に乗り遅れたんだけど。一気に教室内の温度が下がったような気がした。
「……もう一度言う。雄二、私と付き合って」
霧島の告白だった。中学3年間見てきて一度もそういった浮いた話は聞かなかった霧島が坂本に告白しているだと?
「またその話かよ。拒否権は ー 」
「ない」
「ちょ、離せおい!!」
霧島は坂本の首根っこをつかむとスタスタと教室から出て行った。
「いったい何だったのじゃ?」
「それはこっちのセリフだよ」
「女の子が好きだと噂されていた霧島がのう」
「そんな噂あったのかよ。初耳」
どっちかというと既に決めた相手がいたという感じだったがな。それが坂本だったわけか。しかしどうして坂本はあまり嬉しそうでなかったな。しかも”また”その話かと言っていたが。以前にも告白されたのに断っていたんだな。なんでだろう。まあ、人の恋沙汰なんてあずかり知らぬところだ。余計な首は突っ込まないでおこう。それよりも自分だよ。
「おーそういえば秀吉は相手いるのか?」
「む。お主からそのような話題をふられるとはの」
「ダメだった?」
「そういうわけではないが…ただ意外じゃった」
なんだよ。オレだって高校2年生の人並みにはそういうの興味あるわ。意外ってなんだ。
「それでどうなのさ」
「おらぬのう。よく男からラブレターをもらうのじゃが…」
「へーラブレター貰えるって流石だな」
「ワシは男じゃぞ!?」
「男だなんだ関係ねえだろ。好きになったやつが好きになったやつというものじゃねえのか? オレにはよくわからんが」
そういうと秀吉は今までにない最高のびっくりした顔を見せてくれた。なに、幽霊でもいたの。オレ背後霊ついてんのか?
「お主、かわったの」
「かわんねえよ。昔のガキのままだ」
「そういうことにしておこうかの」
「なんだその意味深な件」
「それで、勇樹のほうはどうなのじゃ? 姉上はどうなのじゃ」
おいおい攻守交代かよ。それに弟として姉を他の奴にやるのはアリなのか?
「どうって言われてもな」
「小学生の頃はお主憧れておったじゃろうに」
「……憧れじゃないって言ったらうそになるな。目標にしていた。いつか追い越してやる。そう思ってたな。今日だってその夢がかなうかと思ったが簡単にはいかねえや」
さっきの戦闘シーンが頭をよぎる。最後の一撃、どうしていたら勝てたのか。ほんの数ミリ急所からずれていたんじゃないか。いっとき夢で出るなこれは。
「お主は本当に自分しか見えておらぬのじゃな」
「それは視野が狭いということか?」
「いや、そういう意味では気配りの出来る男じゃが、ある意味では盲目というかの」
どういう意味だろ。秀吉の言っていることはたまに意味不明なことがあるんだよな。深いのか?
「とまあ、そんなことよりあの教室からさらに設備がワンランク下がるってどうなるんだ」
「青空教室かのう」
「雨の日もか」
それ教師の方も大変だな。傘さしながら授業するのかよ。教材が濡れて使い物にならんな。
「代表が連れ去られて統率されなくなったFクラス」
「さも他人事のように言わずとも」
「Aクラスはもう終わったと言わんばかりにぞろぞろと自分の席へ戻りだしたが」
「ワシらもはよ戻らねばなるまい」
邪魔者扱いされる前に ー ってもうされてる気がしないでもないけれどもさっさと教室へ帰らんとな。
「Fクラスさん、どうぞお引き取り願えますか?」
あー言われてしまったか。勝ち誇った顔…絶望感に打ちひしがれるFクラスの面々。何とも弱肉強食の世界を表しているなあ。
「すまないな。ありがとう。お前ら教室帰るぞ」
連中の最後尾に立ち、早く教室から出るように催促する。そして、教室のドアを閉める前に優子と目が合う。一瞬の間をおいて、ドアを閉めた。
「当面の目標が出来たな」
「姉上を倒すことかの」
「ああ。待たせるわけにはいかねえからな」
今度はどういう形で勝負できるかはわからんが、そうなったらまた全力で戦おう。
「カッコいいんじゃが…なんだかのう。この2人はまだまだかかりそうじゃの」
ちょっとずつ回り出したんじゃないかなあ。
まずは雄二と翔子。原作通りの展開だがこの後どうしようかなあ。
そして勇樹と優子。うーん、悩む。
次話何にしよう。順番だと清涼祭かな。何か短編系あったっけな。
まあかんがえましょう。
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