神々の狂乱   作:初代小人

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昨日は1日更新をせず、今日更新してみました。
最近は結構モチベ上がりますね。
いつまで持つかわかりませんが頑張ります。
それでは本編をどうぞ!


竜人

ロキとラオがダンジョンを攻略して外に出て最初に見たものは、空を覆う気色の悪い怪物、遠くで学校を囲む同様の怪物、そして広範囲に降り注ぐ大量の岩石だった。

「いや、待て、オイオイオイ、ダンジョンは攻略しただろ?ここ、地上だよな?怪物はダンジョンにお帰り下さい?」

思わずツッコミを入れてしまうほど異常な状態だった。不意にパキン!と何かが割れるような音がした。

そっちを見てみると、学校をドーム状に囲んでいた結界に人ひとりが通れる程度の大きさの穴が空いていた。

即座に修復され、穴は塞がったが、怪物が一体入り込んでしまった。

生徒達は酷く怯えていて、隅で固まって震えることしか出来ない。

教師達がそれぞれ武器を構え、交戦するものの、攻撃に威力がなく、今にも全員吹き飛ばされてしまいそうである。

俺は紅い焔の翼を使って急加速し、腰に差していた愛剣である大太刀、天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を鞘から抜き、そのままの勢いで怪物のイソギンチャクのような触手を数本斬り裂く。

思わぬダメージに驚き、怒った怪物は狙いをこちらに変えて、襲いかってくる。

突進とともに伸ばしてきた右腕である大きなハサミを左に半歩動いて躱して、今度は胴体を切りつける。

竜の鱗すら容易く斬り裂いてしまうその切れ味は恐ろしく、ウミガメの甲羅のようなその硬い胴を袈裟に斬ってしまう。

胴体を半ばまで斬られた怪物は当然怒り狂い、左手の触手、右腕のハサミをがむしゃらに振り回し、タコのような足を伸ばしてこちらを蜂の巣にすべく次々に突撃を加えてくる。

一分の隙もないその攻撃にロキの攻撃の手は止まり、それらをいなし、捌ききることに刀を使ってしまう。

怪物の狙いはそこにあった。

攻撃が来なくなったその瞬間、ロキの背後の地面より生え出た怪物の足が伸び、ロキの背中を突き刺す。

グサリ、と体が貫かれる嫌な音が響く。

周りで手を出せなかった教師たちはロキを救うためにそれぞれ攻撃を仕掛けるが、一本のタコ足で全て薙ぎ払われてしまう。

そしてようやく捕まえた獲物を逃がすはずもなく、怪物はロキを突き刺してタコ足で持ち上げ、さあ貫かんとロキの周りに何本もの触手、タコ足、そしてハサミを構える。

それらがロキの身体に迫った時だった。

ボウ、と紅蓮の焔が上がる。

ロキを突き刺そうとしていた全ての怪物の体の先端に火がついていた。

そしてロキの体も燃え上がり、焔に包まれる。

このままでは自分が消し炭になってしまうと悟った怪物はロキを貫いていたタコ足を抜き、なおかつ燃え上がっている先端部分を切り離す。

ドサッと落ちるかと思われたロキはそのまま浮き、足を下にして地面に降り立つ。

そしてその紅蓮の焔が消えた時、そこにいたのは、発達した顎、鋭い牙、長い二本の角、蛇のような瞳、蝙蝠のような形の焔の翼、刺されれば無事では済まない長い爪、そして長くて太い尾を持った、白銀の竜人のような装甲に身を包み、白銀の輝きを放ち、太刀の形をとる聖剣・天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を腰に差したロキだった。

竜騎士、とでも形容すべきその姿は堂々とした威厳があった。

流石に焦ったように怪物が数本の触手による攻撃を放つと、ロキは跳躍し、体を捻り、空中で一回転しながら上向きに刀による一撃を放ち、それらをすべて弾く。

慄いたように怪物の動きが止まる。

竜人として覚醒したロキは、「グルァァァァァァァ!」と吼え声を上げる。

()()()()で怪物は吹き飛んだ。

喩えではない。

本当に宙を舞い、地面に衝突したのだ。

これは竜王の咆吼(ドラグ・ロアー)と呼ばれる竜人特有の技で、本来、相手に身動きが取れない程度の物理的な圧力をかけて、動きを止める技なのだが、ロキの力が強すぎて、圧力どころか相手を吹き飛ばしてしまったのである。

だが、両者はそんな事を知らない。

生徒達を怯えさせていた怪物は今度は怯えさせられ、攻めるロキはここぞとばかりに手から焔弾を放り投げ、刀で怪物の体を斬り刻む。

竜騎士は敵に情けをかけない。

その焔弾は容赦なく怪物を焼き尽くしていく。

何本もの触手を焼かれ、堅かったハサミは今や欠けて凹み、タコ足の半分以上はちぎり取られた。

今にも死んでしまいそうな怪物は必死に水弾を作り、打ち出そうとする。

しかし、竜騎士として覚醒し、竜の眼(ドラゴンアイ)を発現したロキは本来不可視であるはずのその術式を視認し、天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)でその中枢叩き斬る。

天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)魔術殺し(マジカルキラー)が発動し、その術式の発動を阻止する。

最後の活路を奪われた怪物は、せめてこの場にいる数人を巻き添えにして自爆しようと、体内に水を生成し、圧力を掛けて封じていく。|

その圧力が解放され、怪物の体が破裂すれば、確実に死人が出るだろう。

あくまで解放されれば、であるが。

それを見たロキは怪物を焔の渦の中に封じてしまう。

こうすることによって、怪物の体内の水を瞬時に沸騰させ、当たったところで怪我をしない水蒸気に変える。

更に、怪物の体を高温によって強制的に炭化させ、怪物が破裂したところでその衝撃でボロボロと灰になって崩れるようにしたのだ。

怪物はしばらくの間は体を振ったり曲げたりして苦しんていたが、動かなくなり、焔の渦が完全に消え、そこに残ったのはもはや生きていたのかもわからない程の白い灰だった。

 

 

 

「先生、どうなってるんですか?」

戦闘を終えたロキは、ラオと共に担任の教師に詰め寄っていた。

担任の説明曰く、

「君たちがダンジョンに挑戦していた頃、地上(こちら)では、この学校を中心とした半径2キロを、さっきロキくんが倒したような魔獣、『キメラ』が取り囲んだ。

現在はMSFが全ての人員を使って対処している。」だそうだ。

「そうですか。」と俺は答えて、再び背から焔の翼を生やして、そこから焔を吹き出し、ドーム状の結界の頂点まで一気に飛翔する。

竜の眼(ドラゴンアイ)を起動し、外の戦場を見渡すと、岩石の魔術の術者の位置が分かった。

どうやら彼が今のところ戦闘の指揮を取っているようだ。

そして学校からやや離れたところに、透明のとても大きな術式が見えた。

その術者は…サラだ。

術式の完成具合は98%、あと数秒で完成といったところか。

おや、降っていた岩石が止んだ。

どうやら足止めだったようだ。

普通に突破されていたが。

そしてサラの極大魔術が発動した。

大きな波が起きる。高さは10m程度だろうか。

その波はぐんぐんこっちに来て、キメラたちを全て飲み込んで、凍てついた。

全体に行き渡ってから凍結したので高さは低くなっているようだが、それでも目方で2mはある。

キメラを氷漬けにするには十分すぎるほどの厚さの氷ができた。

だが…

ピキッビキビキッビキビキビキッ、バキバキッ、ドカーン!

その氷はキメラの動きを封じるには不十分なものだった。

キメラたちは氷漬けにされたことに対する怒りの進撃を始め、MSFの隊員達は落胆と絶望で呆然とし、サラは術式の反動でぐったりとして動けない。

しかし、MSF隊員にも匹敵する実力を持つ竜騎士が、生徒の中に一人だけ居た。

灼熱地獄(インフェルノ)」と唱え、怪物がいる範囲をすべて火の海にする。ちゃんとMSFの隊員を含め、人間には燃え移らない様にしておいた。

そして容易く結界の外へと出て、空中から大きな声で吼える。

「おい、誰に断ってこの学校に攻めてんだ?このバケモノ共が!」

最強の天才竜騎士と人工のキメラとの凄絶な闘いが始まった。

 

 

To be continued…

 




ロキ君が強過ぎる…
天叢雲剣の威力もチート級だしキャラインフレして潰れなければいいけど…

批判、罵倒、賞賛、コメントをお待ちしておりますよ。
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