「(熱い・・・・)」
事切れた筈の男、衛宮士郎はあまりの熱さに目を開けた。
「な・・・・」
目に入ってきたのはいつか見たことのある真っ赤な炎。
幼い子供が『衛宮士郎』になった災害による地獄絵図だった。
「なんでさ・・・・」
英雄となり、世界との契約で英霊に生まれ変わる筈だった彼は何故だか分からないが過去に戻ってきていた。
「俺はまた繰り返すのか・・・・・」
彼はこれから起きるであろう事に悔しさをにじませる。
「くそぉおおおおおっ」
彼は声を上げながらそばにあったコンクリートの壁に拳を叩きつける。
・・・・・・自分を痛みで頭を冷静にする為に起こした行動だったはずだ。
「へっ・・・・?」
目の前にあった筈のコンクリートは一部だけ綺麗に穴が開いていた。
「英雄の力も有るのか・・・?」
今気がついたが、過去に、いやこれからの未来に世界と契約した英雄、『衛宮士郎』の力を自らの肉体に感じていた。
「・・・投影開始・・・・」
彼がそう呟くと手の中に自分が愛用していた汚れの一つない白と深い青色をした双剣が現れる。
「投影完了」
手の中にあるその夫婦剣を眺めつつため息をつく。
「これまで投影できるのか・・・・」
その双剣を見つめていると後ろに人の気配がしたので慌てて双剣を固有結界内にしまいそちらを振り向くと今だに覚えている義父の顔が見えた。
「・・・・・・」
「っ!!大丈夫かっ?」
やがてその男は士郎の存在に気が付くと士郎に向かって走ってきた。
士郎はこちらに向かってくる男に向かって動こうとする自分の体を必死に止め、その場に立ち続けていると、そのまま男は士朗を抱き締めた。
「あぁ、良かった・・・・。本当に良かった・・・・」
涙を流して自分を抱き締めてくれているこの温もりにまた触れれたことに士郎はにじみそうになる涙を必死に堪えていた。
「キリツグ~、こちらには残念ながら見つけられませんでした~」
遠くから聞こえるかわいらしい少女の声が聞こえてくるまでは。
「あ、ああ、アルトリア。こっちには一人だけだが子供を見付けた」
「よかったですねキリツグ」
凛とした声で男と会話を交わしているのはよく知っている少女をそのまま小さくしたような女の子。
「な、なんでさ・・・・・」
士郎はこの状況に唖然としながらぼそっと呟いた。