IS インフィニット・ストラトス 黒い刃と白い刃 作:ウサ黒
自己紹介か。やだなぁ・・・・・
「全員そろってますねー?それじゃあSHL始めますよー」
黒板の前でにっこりと微笑みながら少し間延びした声で話すのは、女性副担任こと山田真耶先生。さっき自己紹介してた。
「それでは皆さん、これから一年間よろしくお願いしますね!」
「・・・・・・・」
先生が明るく話すが、誰も返事を返すことをしない。なぜか教室に変な緊張感が漂っているからだ。
「じゃ、じゃあ、出席をとりますね。えっと、出席番号で」
ちょっとうろたえた先生が、小動物みたいでかわいい。
俺だけでも反応しようと思ったが、そんな余裕なんか砂漠の砂、一粒たりとも無い。
なぜ?なぜかって?そんなの簡単だ。
俺と、隣にいる友達、織斑一夏以外のクラスメイトが全員、女子なのだ。
今日は高校の入学式。世間で言う新しい世界の幕開け、その初日だ。それ自体は別にいい。日本の至る所で入りたくても落ちてしまった奴が居るのだ。
それを思えば、喜ぶべきことだ。
だが、問題はとにかくクラスに男子が俺等二人だけということだ。
席は、通路側から二番目の上から二番目。結構、視線が集まって辛い。
だから俺は、顔を伏せて現実逃避を試みる。
「げぇ、関羽!!」
パァン!!
何かが破裂するような音と共にトーンが低めの声が耳に入る。
「誰が、中国の英雄だ。馬鹿者」
その声に俺は、伏せていた顔を上げて声の主を目視する。
目に映るのは、出席簿をもち、吊り目ですらりとした長身、黒のスーツに身を包んだその人は
「・・・・・千冬さんじゃん。」
パァン!!
その日二度目の破裂音が教室に鳴り響く。
「織斑先生と呼べ。」
何で一夏の姉がここに居るんだ?職業不詳で、月に一、二度くらいしか帰ってこない一夏の実姉が。
「あ、織斑先生!もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」
うお、俺や一夏でさえ聞いたことのない優しい声だ。
「いえー、副担任ですからこれくらいはしないとぉー・・・・」
さっきまでの涙目はどこへやら、副担任の山田先生は若干熱っぽい声と視線で担任の先生に応えている。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物にするのが私の仕事だ。私の言うことはよく聴きよく理解しろ。できない者には出来るまで指導してやる。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」
なんという暴力発言。これは間違いなく千冬さんだ。
だが、その発言で教室から返ってくる反応は困惑のざわめきではなく、黄色い声援が響く。
「キャー本物の千冬様よ!」「私、お姉様に憧れてこの学園にきたんです!北九州から!!」
とかいろいろ聞こえてくる。
そんな光景を千冬さんは本当に鬱陶しそうな顔で見つめる
「・・・・・毎年、よくもまあこれだけ馬鹿者が集まる者だ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ集中させるのか?」
これはポーズなんかじゃない。本当に鬱陶しがっているのが千冬さんクォリティー。もうちょっと優しくしましょうよ。なんて思った人は考えが甘い。氷砂糖くらい甘い
「で、挨拶も満足にできんのか?お前は」
どうやら、さっきの破裂音は挨拶がまともに出来なかった弟。つまり、一夏に対してのツッコミ?を込めた、出席簿の一撃だったようだ。
「い、いや千冬姉、俺は」
パァンッ!!本日三度目。
「織斑先生と呼べ」
「・・・・・はい、織斑先生」
このやりとりがあって、クラスに一夏と千冬さんが姉弟だとばれて、千冬さんがその場を納めたのは言うまでもない。
そして、自己紹介は俺の番になり再び注目の的になる。
「えー、っと。黒崎遊騎です。趣味は音楽鑑賞と、映画鑑賞。それから、ネットと読書です。他にもいろいろあるけど、とりあえず今言えるのはこれだけです。好物は、コーラです。これから一年、よろしく。」
普通?な挨拶と共に、俺と一夏の波瀾万丈な?学園生活が始まる!?