ラブライブ! A Return Hero A Return Legend 作:リベリオン
結果、なんか1万字を超えそうなのでキリの良い所でいったんカット。今回はまきりんぱなと絡みます。
第8話 ことりじゃないです、ミナリンスキーです
「はぁっ!」
軽く跳躍し、空中から打ち下ろすようにパンチを放つ。
コンクリートを軽々と粉砕できるその一撃は、ポヨヨ~ンというなんとも脱力感漂う音と共に跳ね返された。
「っ…!」
押し返されて崩したバランスを急いで立て直しつつ、目の前の怪人に舌打ちした。
青と黄色の……見た目は猫の姿をした怪人。ただ二足歩行な上にメタボみたいに膨れ上がっている。アメリカにいた時もあんなファットマンを見かけたことがあるけど、ここまで(見かけよりは、がつくけど)機敏じゃなかったぞ!
おまけにその脂肪は伊達じゃないらしく、どれだけ殴ってもどれだけ蹴っても衝撃を吸収してしまう。
「打撃がダメなら……」
『ブレイド!』
「これならっ!」
『ロック・オン! ブレイドアームズ! ソード・オブ・スペード!』
戦極ドライバーに装填していたクウガに代わり、ブレイドロックシードをセットするとブレードを倒してキャストパッドが展開すると頭上からアーマーパーツが降り、被さると同時に展開する。
現れた長剣、『ブレイラウザー』を手にファットキャットを斬りつけるが、肉の鎧にあえなく跳ね返された。
「剣も通じない…くっ!」
『ギャウ!』
まさに歯が立たないならぬ“刃が立たない”展開に動揺して隙を晒してしまった時、ファットキャットのフックのような一撃が直撃して弾き飛ばされる。
転がり衝撃を流したが、頭の中では苛立ちと焦りがごちゃ混ぜになってパンクしそうだった。
斬撃も打撃も通じない。こんな相手にどう戦えばいい……っ!
『シャアッ!』
「っ! しま――!」
思考の渦に沈みかけた時、ファットキャットはマウントポジションを取ってくるとそのまま遮二無二腕を振るい殴りつける。
辛うじて両腕でガードするが、ファットキャットの尋常でない重さから脱出が出来ない。
「っ……メタボネコが図に乗るなよッ!」
『ブレイドスカッシュ!』
一方的な蹂躙に俺の中で何かが音を立てて切れ、ガードを解いてベルトのブレードを1回倒す。
すると2枚の青いカードが浮かび上がって『ブレイライザー』に取り込まれると、刀身を激しい電流が帯びて逆手に持ったそれをファットキャットの腹に突き立てた。
激しいスパークが起こり、電撃が内側から暴れ狂いファットキャットが悲鳴を上げ、僅かに拘束が緩んだ隙を突いてどうにか脱出する。
抜け出すためとはいえ、自分の繰り出した攻撃がいくらか返って来た。おかげで少し身体に痺れがあるが、この程度ならまだいける。
だが、問題はこのファットキャットをどうやって倒すかだ。斬撃も打撃も通じないなら、後は何がある?
「(フォーゼのロックシードなら……)」
息を整えながら考えを巡らせたところで、ふと思い出す。
こいつはシュバリアンと似たタイプだ。硬いか柔らかいか、その違いに過ぎない。あのドリル状のエネルギーを纏ったキックの貫通力ならば、あの肉壁を貫けるはずだ。
けど問題は、あの機敏な相手に命中するか? ということ。ロケットドリルキックはモーションが大きい上に小回りが利かない欠点を持つ。
だとすれば代案……別のロックシードしかない。
「……試してみるか」
呟き、俺は新たなロックシードを取り出す。それはオレンジの複眼が特徴的な、どこかメカニカルな雰囲気のフェイスデザインがキャストパッドにデザインされていた。
『ファイズ!』
開錠スイッチを押すとブレイドアーマーが消滅して頭上にクラックが出現し、新たなアーマーパーツが下りてくる。
『ロック・オン! ファイズアームズ! ミスター・ジャスティファイズ!』
やたらとハイテンションな音声に加えて、おまけにゴングの音まで鳴り響かせて降ってきたアーマーパーツを被ると展開し、装着される。
手にはエネルギーを帯びたバイクハンドル型の剣、『ファイズエッジ』を握り、起き上がったファットキャットを垂直に斬り上げる。
飛び散る火花。それはブレイドで戦っていたときよりも明確なダメージを与えられたと言う証拠。それと同時に血飛沫やオイルではなく、なぜかメダルが飛び散った事に疑問を抱いた。
「メダルの……怪物?」
つい呟いてしまうが、仕組みなんてどうでもいい。これ以上騒ぎになる前に……片付ける!
「はっ! ふっ! せいっ!」
右手首のスナップを利かせて、さらにファイズエッジの連撃を浴びせる。その度にファットキャットの体表から火花が散り、メダルが零れ落ちる。
何度も攻撃を加えるとやがてダメージが蓄積されてきたのか、ファットキャットの動きが鈍ってきた。
それを見計らい、俺は助走をつけて前蹴りを放つが、案の定脂肪に阻まれる。更にファットキャットは突き出した俺の右足を両手で掴み、ニヤリと笑ったような気がした。
「……………」
『ファイズスパーキング!』
その嘲笑を無視し、俺は素早くブレードを3度倒す。すると赤いラインが右足に走り、瞬間足先から真紅のエネルギーが発射されてファットキャットを突き放した。
エネルギーは形を変え、円錐状に変化すると中心をぽっかりと空け、まるでドリルのように回転してファットキャットの動きを拘束する。
なるほど……これがファイズロックシードの特徴か。パワーこそ弱いが機動力に優れ小回りが利き、その上必殺技には相手の動きを拘束する効果を秘めている。
「文字通り風穴開けてやるよ…!」
屈んで腰を落とし、右足に重心を乗せて力を溜め、その状態からジャンプして前方に1回転するとマーカーの中へ突っ込むように飛び蹴りを放つ。
ぐんぐんマーカーに迫り、あと少しという所で視界が突如暗転。しかしガリガリと何かを削るような音だけは聞こえ、次の瞬間には地面が見えて着地する。
振り返ると……ファットキャットの腹に大きな風穴が開いていて、重なるように「Φ」のマークが浮かんでいたが爆発と共にファットキャットは消滅し、代わりに四方へ盛大に銀色のメダルを飛び散らせた。
「……ふぅ」
今回の相手も中々厄介な手合いだった……そう思いながらどうにか勝てたことに安堵して息を吐く。
「それにしても……なんだこれ?」
足元に落ちていた銀色のメダルの1つを拾い上げ、裏返したりして調べてみる。
ゲームのコイン……にしては大きい。それにその類なら店名が入っているはずだが、代わりにこれは……ライオンのマークか? 他のメダルには……トラかな、これ。こっちはチーター? 関連性はさっぱりだな……。
「まあ……なんだって良いか」
戦いには勝ったことだし、これ以上人目につく前に脱出しよう。俺はフォーゼのロックシードに交換すると、右腕と一体化したロケットを使ってその場から飛んでいった。
/
「天城せーんぱいっ」
「っと……」
アキバの街を歩いていると、突然後ろから声を掛けられて背中を叩かれた。
振り返ると随分ご機嫌そうな星空さんがいて、後ろには小泉さんと西木野さんの2人の姿もある。
「3人とも奇遇だね。どうしたの?」
「凛たち、これからラーメン食べに行くんだにゃ! 天城先輩はこんな所でどうしたの?」
「俺は昼何食べようかなって散策してた所だよ」
家で食べれば安上がりになるが、たまには外で食べたくなる時があるのは俺だけじゃないと思う。
まあ、特に何が食べたいと言うわけでもないので外食以外は完全に未定だが。
俺がそう答えると、星空さんはぱぁっと顔を輝かせる。
「じゃあ、天城先輩も一緒にどうかにゃ? 凛、おいしい所知ってるんだよ」
「えっと……2人はいいの?」
「わ、私はいいですよ……」
「別に反対する理由も無いし、いいんじゃない?」
2人も俺が入ることに異論は無いようで、ならばと同行させてもらう事にする。
聞けば星空さんはラーメンが大好きで、この辺り一帯のラーメン屋は全て知り尽くしているらしい。
そんな彼女の薦める場所なら期待してもいいだろう。そう思いながらいざ目的地のラーメン屋に向かい――
「にゃあああああああっ!!!!!」
まるでこの世の全てに絶望したかのような星空さんの絶叫が響き渡った。
/
「……………」
「「「……………」」」
この世の終わりみたいに突っ伏する星空さんを、俺たちはなんとも言いがたい同情の目で見ていた。
場所は世界中にチェーン店を展開する某有名ファーストフード店。テーブルに置かれているのはハンバーガーとそのセットメニュー。
「げ、元気出してよ凛ちゃん」
「そうよ。営業停止だったんだから仕方ないじゃない」
どうにか星空さんに元気になってもらおうと小泉さんと西木野さんがあれこれ手を使い励ます。
何故こんな事になっているのかと言うと……俺たちが向かったラーメン屋が営業していなかったからだ。
その理由は「怪物に店内を荒らされ、食材まで食い尽くされてしまった」と言うもの。
昨日、再び奴ら――大ショッカーの怪人が出現し、アキバの繁華街で暴れまわっていた所に駆けつけて、戦いに勝ったけど……とにかく、その怪人の行動は奇妙としか言いようがない。
その行動と言うのは飲食店に手当たり次第入り込んでは食料品を全て喰らいつくしていくと言うもので、俺が駆けつけてきても完全無視。どうにか店から引っ張り出して、最後はファイズアームズので片付けたが……。
被害を受けた店舗は当然店内も破壊され、おまけに食料品まで食い尽くされて当面営業停止になっているのは言うまでもなく、その中に星空さんお気に入りのラーメン屋が入っていた……と言うことだった。
「楽しみに……楽しみにしてたのに……凛はこの先何を糧に生きていけばいいにゃ~っ!」
「大げさねぇ……」
があーっと吼える星空さんに西木野さんはやれやれと溜め息をつく。
「……ごめん」
「…? どうして天城先輩が謝るのよ」
「そうにゃ! 悪いのはぜーんぶあのお店を荒らした怪人だよ!」
その光景につい謝罪の言葉が口をついてしまい、謝られる理由に心当たりがない2人は不思議そうにする。
はっとなって慌ててなんでもないと誤魔化すと自分のポテトを口に運ぶ。
ままならない……内心歯がゆい思いだった。
今度は上手く戦い、誰も悲しませずに……と思ったところで結局こんなザマだ。情けない……。
「でも……なんなんだろうね、あの怪人とか仮面ライダーとか」
ポツリと呟いた小泉さんの言葉に暗闇に沈み込もうとした意識が引き戻された。
スマホで何か操作していた彼女は、俺たちに見えるように画面を見せてくる。
SNSで調べていたのかそこには1枚の画像が張られていて、それは変身した俺が怪人と戦っているワンシーンだった。
「ネットだと色んな説が出ていて、コラとかパフォーマンスって言われてるけど……」
「凛たちは実際に見たんだから、アレって本物でしょ? 仮面ライダーが来てくれなかったら学院も天城先輩も大変な事になってたにゃ」
「どうかしら。どちらにしても私たちにはいい迷惑でしょ?」
「めい…わく?」
オープンキャンパスの事を思い出し、西木野さんは不愉快を露に辛辣な意見を述べる。
ただその一言は俺の胸に深く突き刺さるものだった。
「そうよ。私たちも学院も、天城先輩だって危険な目に遭ったんだから。正直仮面ライダーとか言うのも疑わしいものよね」
「えー? 仮面ライダーって怪人と戦ってやっつけてくれたんだよ?」
「確かにそうだけど、私たちの味方とは限らないでしょう。そもそも奴らが何者なのか、その目的すらも分からないじゃない」
西木野さんの言い分は……正直、正しい。
戦っている俺にも大ショッカーの目的は分からない。自分が変身する仮面ライダーという存在すらも。
俺は大ショッカーとは戦っても、人と戦うつもりはない。だけどそれを示す事はできなくて、結果こうやって好き勝手言われている。
それでも俺は戦えるし、戦わなければいけないんだ。この世界で大ショッカーと戦えるのは俺だけなんだから。
それに……何も知らない彼女たちがこうして普通に接してくれている限りは、俺は折れる事はないと……そう思いたい。
「天城先輩……どうかしました? 神妙な顔してますけど」
「えっ……ああいや、なんでもないよ。ちょっとした考え事かな」
俺がずっと黙り込んでいるのに気づいた小泉さんが不思議そうに首を傾げ、ふと我に返ると慌てて誤魔化す。
けどそれで他の2人も気づいたらしく、2人の目が俺に向けられた。
「少し顔色悪いみたいだけど……大丈夫?」
「大したことじゃないよ。昨日学校の課題に時間がかかって、寝るのが遅くなったからかな?」
「UTXってやっぱり勉強も大変なんですよね……」
「けどどれだけ時間がかかっても自分で終わらせようとするその姿勢は、どこかの誰かにも見習ってほしいわね」
「うっ」
感心する小泉さんとは対照的に、まるで誰かに言い聞かせるように言った西木野さんに星空さんはびくりと反応し、気まずげに目を逸らす。
ああ……星空さん、苦手なんだ。
「……………」
「そんなに哀れむような目で見ないでほしいにゃ!」
「ちなみに凛の苦手教科は英語よ」
「英語? なんで?」
「日本人なら日本語だけ使えればいいんだよー! 海外に行く事なんてそうないし…」
「えっと……天城先輩は帰国子女だよ?」
「にゃにゃっ!?」
小泉さんの指摘に星空さんはショックを受け、まるで親の敵のように俺を睨んでくる。いや、そんな風に見られても……。
「UTXに通ってるって事は、当然頭も良いわけよね?」
「良いか悪いかは分からないけど……数学や英語なら問題ないかな。文系は壊滅的だけど」
「まあ帰国子女なんだし……古文とかついていけるの?」
「学校の友達が教えてくれてどうにかね……」
事実、隣の席の成績優秀で愛嬌もある上にトップクラスの人気を誇るスクールアイドルのリーダーにしてセンターの美少女が時間があれば教えてくれているし。
なぜ教えてくれるのか理由を聞くと、「だって天城くん眉間に皺寄せてテキストと睨みっこしてて面白いんだもん」との事。からかい半分、半分お節介なのだろう。
実際彼女の教えは分かりやすく、古文のこの字も知らない俺ですらすらすら覚えていくほどだ。
――意外なことにあの一件以降も綺羅さんは、綺羅さんだけでなく統堂さんと優木さんも変わりなく接してくれていた。それは有り難くもあったが……。
「(気を使ってくれてるのかな……)」
そんなつもりであの話をしたわけじゃないんだが、どうにも申し訳なく感じてしまう。だからと言って変に気を使ってくれるよりも全然いいから贅沢な悩みだろう。
そんなことを考えていると、星空さんはじっと俺を見た後、羨むように溜め息を零した
「にゃー……どうやったら天城先輩みたいに勉強も運動も両立できるのかにゃ?」
「俺の場合は……そうだな。言い方はあれだけど『餌』をぶら下げられていたから、かな?」
「『餌』?」
「そう。『きちんと勉強の結果を出している限りダンスを続けて良いし、他のことも認める』って。だから必死に勉強してたんだよ」
「単純だけど効果的な方法ね」
俺のやり方に西木野さんは納得して頷く。
正直、これが勉強をしない人への効果的な方法だろう。
「凛ちゃんの場合は……やっぱりラーメン?」
「それって凛に死ねって言ってるも同じにゃ!?」
「ラーメン絶たれる位で大げさでしょ……」
「甘いよ真姫ちゃん! 凛にラーメン禁止って事は、かよちんにごはん禁止って言ってるも同然にゃ!」
「ご、ごはん食べちゃダメなのぉ!?!?」
……なんだかどんどん話が妙な方向にずれている上にエスカレートしている気がするのは気のせいかな。
っていうか2人とも、花の女子高生なのに食べ物の話ばかりって言うのはどうかと思うんだけど……あ。身近な所に同類が居たな。
「要するにきちんと結果を出せば誰も文句言わないってことじゃない。天城先輩はそれを実践しているんだから」
「うぅ~……凛には難しいにゃぁ」
「そこまで追い込まれでもしない限りは俺みたいなやり方はしなくていいと思うよ。俺はそうしないとやりたい事ができなかったってだけだから」
「け、結構大変だったんですね…」
「大変……かぁ。どうだろう?」
尊敬の眼差しで見る小泉さんに俺は首を傾げ苦笑する。
大変と言われればそうだったかもしれないし、別段そこまで苦労した記憶もあまりない。
両親は放任主義……とまでは言わないが本人の自主性を可能な範囲で尊重してくれている。ただそこに1つだけ条件をつけていただけだ。
「凛も天城先輩を見習ってやってみたらいいじゃない。そうすれば毎回テストで泣きつかなくて済むわよ」
「えぇ~?」
「そんな露骨に嫌そうな顔しないでよ……」
結局俺のやり方は星空さんにはハードということで却下となるのだった。
/
「えっと……ここだよな」
数日後、炎天下の中で俺は手に持っていたスマホに目を落とした。
放課後になって絢瀬先輩からメールで「ライブについて相談がしたいからここに来てほしい」と指定された住所を、スマホのナビゲーションで検索して表示されたルートガイドを辿って歩く事十数分。
場所はアキバにしては静かな所で、雑居ビルの前でナビが終了する。立て看板には店名と店舗がある階層が書かれていて、メールに書かれていた店名と一致する。
「しかしまた……なんだってこんな場所に?」
ちょっとした疑問に俺は首をかしげた。
いや、ライブについて相談するのは別段構わない。むしろ俺も積極的にストリートライブに参加するよう勧めていたから。
オープンキャンパスこそ予定外のトラブルであんな結果に終わったが、彼女たちは『ラブライブ!』に出場する事を諦めていない。むしろあんな結果に終わったからこそ、『ラブライブ!』に出場して広く名前を知ってもらおうと意気込んでいる。
俺も本格的に関わるにあたって色々と作戦を練っており、その中の1つが積極的にライブを行うと言うものだった。
確かに練習も大事だが、『ラブライブ!』の大会はスクールアイドルランキング上位20組までがトーナメントに進める性質上、より積極的に存在をアピールする必要がある。
同時に今のμ'sに必要な事は人前に立つことに慣れることだと俺は考えていた。
本戦に進めばオープンキャンパスの時以上に不特定多数の人間が集まり彼女たちを注目する。中には好意的ではない目を向けられるかもしれない。
そんな状況に慣れる為に、ひいてはランキング上昇の為に俺は積極的にライブを催す事を提案した。
もちろん校外でやれれば更に効果が期待できる。場所についても都内各所にフリースペースが設置され、申請さえすれば気軽に使えることも調べてある。
……って話が随分逸れたな。俺が気になったのはどうしてこの場所を選んだのか、と言うことだ。
打ち合わせならチャットでも出来るし、会うにしてもここよりハンバーガーショップの方が地理的にも分かりやすい。
考えてもそれらしい答えは思い浮かばず、首を捻りながら店のドアノブに手を掛け、開け放つ。
来店を告げるカウベルが鳴り、音に気づいた店員さんがすぐに駆けつけてきた。
「お帰りなさいませ、ご主人さ…ま……」
脳がふやける様な甘い声。が、俺の姿を認めた店員さんはピシリと石のように固まった。
いや、それは俺も同じことで、目の前の店員さんに今まで考えていた事だとかもう色んな物が吹っ飛んで頭の中が真っ白になる。
腰まであるベージュの髪を左側の一部を纏めて、黒のロングドレスと白のエプロン、そして頭につけたフリルつきのカチューシャ。
これは……アレ、だよな。所謂メイド服とか言う奴。いやそれよりも、そのメイド服を着たメイドさんと言うのが俺にとっては重大で。
「……なにやってんだ、ことり……?」
「ぴいいいぃぃぃっ!?」
頭の中が真っ白になりながらもどうにかその言葉を搾り出すと、とたんにメイドさん――と言うか俺の幼馴染みの南ことりさんその人だったんですがこれはどういうことなんでしょうか――は鳥の嘶きみたいな悲鳴を上げる。しかも結構な大音量で。
ああ、これも日頃からのボイストレーニングの成果か……間近で大音量を叩きつけられて俺は仰け反り、そのままひっくり返った。
……なんか、つい数日前にも似たような悲鳴を聞いたんですけど。あっちは猫だけど。
最初は戦闘を盛り込むつもりはなかったけど、この調子じゃいつ全部のロックシード出し終えるか分からないから急遽差し込んでみました。
あと、今回の敵はオーズのネコヤミーです。まきりんぱなとどうやって絡ませようかと考えた結果こいつになりました。
……打撃も半端な斬撃も通じないなら肉質なんて(クリスマで)貫けばいいじゃない、的な理論。(MHでスラッシュアックス使い続けた影響
あと、Twitterなるものを始めてみました。まだやり方把握してないけど。
https://twitter.com/vividreadhearts