血界戦線~The Irregular at Magic High School~(改) 作:オゼル
後書きにキャロルが使っている血方と技について書いておきます。
横浜で行われているフェルメール展のオープニングセレモニーに出現したブラッド・ブリードは常闇アリヤを地面に投げ捨てると、ビルから飛び降り、そのままオープニングセレモニーの舞台に舞い降りる。
会場内では突然の惨劇に混乱した観客たちが我先にとその場から逃げようと走り押し合い、舞台上でもイベント主催者達をボディーガードが避難させ、警備員達がただ黙ってその場に立っているブラッド・ブリードを包囲する。
一方、レオとキャロルは人混みをかき分け、人の眼が入らない場所に到着すると、キャロルはレオに手を差し伸べ
「レオ、スーツを」
「はい!」
キャロルに言われレオは持っていた黒いスーツケースを渡すと、キャロルはそれを地面に置き、中心部分に足をかけると、スーツケースが可動し、中からガントレットなどの部品が飛び出し、キャロルは両手をガントレットに収め、そのままスーツケースを胸元まで持ち上げると、スーツケースはそのままキャロルの体に纏わり、ブランシュ襲撃の際にキャロルが装着していたアーマーが姿を現す。
「レオ、お前は離れて奴の忌み名を調べろ、分かったらすぐに知らせろよ」
「分かってます」
キャロルは自身が持っていた細長いスーツケースを開け、弓と矢を取り出すと、アーマーから出た翼を広げ、ブラッド・ブリードに向かって行く。
そして、イベント会場の舞台では
「現在、ここ横浜ベイヒルズタワーに突如現れた謎の男により、現在会場は阿鼻叫喚の嵐となっています!」
遠くからイベントを撮影していた一部のテレビ局のスタッフたちが、突如現れた男にカメラを向けていた
だが、
『あの、言野アナ、一体会場では何が起こっているのですか?我々には何が何やら』
TV局のスタジオから、現状が把握できていない声が聞こえ
撮影をしているTVアナウンサー言野匠は声を荒げながら、再度説明をする。
「何度言えば分かるんですか!黒いコートを着た男が高校生の女の子をビルから突き落として、今 警備員に取り囲まれてるんですよ」
『ですから!私たちには貴方と警備員しか見えていないんですよ!』
「えっ?」
「言野さん本当です、カメラにあの男、映ってません」
カメラマンの画美の言葉を聞き、言野は唖然とする、今 警備員に包囲されている少女を殺した男がスタジオの面々には見えていないという事に。
「手を頭につけろ!」
そして、舞台上では警備員達が謎の男に銃とCADを向けて命令する。
「・・・・・・」
「やむを得ん、拘束しろ!」
だが、男はただ無言でその場に立っているだけだった、それに業を煮やした警備員達は男を捕えようと手を伸ばすが、
シュン!
男は、目をカッ!と見開くと、それと同時に男の右腕が鎌の様な形に変わり、男は右腕を警備員達に向けて振るった。
「「・・・・・」」
警備員達はそのままピクリとも動かなくなり、男が右足で地面を軽く叩いた瞬間、
「なっ!」
『きゃあああああ!!』
警備員達の体が上半身と下半身が包丁で切られた魚の様に分かれ、上半身が地面に崩れ落ち、下半身の断面から大量の血が噴き出す。
『言野さん!何が起こっているんですか!説明して下さい!』
「何度も言っているでしょう!何であんた達にはあれが見えないんだ!」
「ごっ、言野さん、あれ!」
「えっ?」
完全に状況が呑み込めず、混乱する言野にカメラマンの画美が空を指さし、言野がそれにつられて上空を見ると
「なんだ、あれは?」
謎の黒い影がこちらに向かって飛んでくるのが見え、その影は舞台上にいる男の数メートル先で地上に着地すると、男を睨みつけ
「随分と遅かったな、ライブラ」
「別に手紙には時間は書かれていなかったぞ、ブラッド・ブリード」
キャロルは矢を一本取り出し、それを弓にかけブラッド・ブリードに矢を向ける。
「珍しいな、お前達がこんな人混みの中で現れるとは、人界と異界のバランスお構いなしか」
「僕(やつがれ)達は貴様等が結んだ条約など知らん、ただ自身が行いたい事をやる、それが僕たちだ」
「そうか、なら」
キャロルは矢の尻に付いている小さな刃に自身の血を付けると、血はそのまま矢の先端に届き、矢自体が赤く輝き
「阿波屋島流血弓術」
矢を射ると、矢はそのままブラッド・ブリードの右肩に突き刺さり
「爆砕 彼岸花」
それと同時に矢そのものが爆発し、ブラッド・ブリードの右半分が吹き飛ぶ。
だが、
「なかなか面白い戦い方だな」
ブラッド・ブリードの体はテレビの逆再生でも見ているように元に戻って行く。
「成程、貴様の戦い方は弓矢を使った中距離戦が得意なようだな、なら」
ブラッド・ブリードはキャロルの懐に飛び込み鎌になった右手を振り上げ
「接近戦ならばどう戦う」
そのままキャロルに向かって右手を振りかざすが、
「ちぃっ!」
キャロルは弓自体を血で固め、ブラッド・ブリードが振りかざした右手を受け止めるも、
力負けし徐々に押さえつけられていく。
「このっ!」
キャロルは足をかけ、ブラッド・ブリードの体性を崩そうとしたが、ブラッド・ブリードはその前に軽くジャンプし、キャロルから離れた。
「下り 菫!」
キャロルは真上に向けて矢を放つとその矢は上に行くと向きを変え下にいるブラッド・ブリードに向かって猛スピードで落ちて行くが
「ごほっ」
ブラッド・ブリードは軽く咳払いをすると、その矢を蚊でも追い払うように左手で払いのける、そのまま地面に突き刺さる矢は先ほどの矢と同じように爆発し、その爆風でブラッド・ブリードのコートがなびく。
「咳をしている場合じゃないぞ!」
キャロルは同時に二本の矢を放ち、二本の矢は矢じりで血でつながっており、そのまま血の糸がブラッド・ブリードを捕え、矢は舞台の土台に突き刺さり、ブラッド・ブリードを拘束する、
そして、キャロルは動けなくなったブラッド・ブリードの右腕、左腕、右足、左足、腹、胸、喉に矢を射っていき、最後に頭に向けて矢を放ち
「業火 向日葵」
キャロルの言葉と同時にブラッド・ブリードに突き刺さった矢全てが爆発し、火柱が起きる。
「少しは効いてくれよ」
キャロルは立ち込める煙を見てそう願うが、
「ぐっ!」
煙から巨大な異形の手が自分を掴み、近くの建物に向かって投げ捨てられる
「がはっ!」
ガラスを突き破り、建物に中に放り込まれたキャロルは落ちた弓をすぐに拾い上げ、煙に向けて矢を構える。
「ごほっ、ごほっ・・煙たいのは苦手なのだがな」
煙の中から矢が突き刺さった体を再生しながら、ブラッド・ブリードが姿を現した。
(レオ、レオ、聞こえてるか)
(はい、聞こえてます)
(奴の忌み名は見えたか?)
キャロルはマスクからレオに通信をかけブラッド・ブリードの忌み名が判明したか尋ねるが、
(それが・・)
(どうした?)
(見えないんです、奴の忌み名が)
(なっ!?どういう事だ、お前の眼があれば奴らの名が読み取れるはずだろ)
ブラッド・ブリードが異形の手をキャロルに伸ばすが、キャロルはそれを回避すると、
建物の中から出て、一度 空に避難する。
(それが、見ようとしても変な黒い靄みたいなのが出て、名前を隠すんです)
(黒い靄?)
(そうです、それのせいで、キャロルさん前!)
「しまっ!」
一瞬、ブラッド・ブリードから目を離してしまったキャロルはレオに言われすぐに前を振り向いたが、その時にはブラッド・ブリードの拳がキャロルを捕えていた。
「がっ!」
「うわあぁ!!」
巨大な拳に殴り飛ばされたキャロルはちょうど、言野達がいる建物の屋上に落ちていった。
「おっ、おい、アンタ大丈夫か!」
「なんだお前達、マスコミか?早く逃げろ、死にたいのか」
「それよりも、アンタは何者なんだ!それにあの男は、カメラに映らないなんてどうなってるんだ!?」
「言う必要はない!とにかく逃げろ、これ以上は巻き込まれるだけじゃすまんぞ!」
「おい!」
そう言って、キャロルは屋上から飛び降り、翼を広げると滑空する形でブラッド・ブリードに向かって行く。
「はぁ!」
キャロルはブラッド・ブリードに右足で蹴りを入れると、空中で一回転し、弓を向けそのまま矢を射る。
「爆砕 彼岸花」
そして、また矢が爆発するも先ほどと同じように爆散したブラッド・ブリードの体が元に戻って行く。
「随分と余裕だな、お前の実力なら私が射った矢の殆どをよけられたはずだ」
「避ける必要がないと判断しただけの事だ、それに」
「それに?」
「今日はお前達に挨拶しに来ただけだから、花を持たせってやった方が良いだろうと思ってな」
「ちっ!・・・人を馬鹿にするな!お前の目的はなんだ!?なぜこんな世間の注目を浴びるような事をする!」
「・・・そうだな、しいて言えば計画の為と言った所かな」
「計画の為?」
「そろそろ時間か」
時計の針を見てブラッド・ブリードがそうつぶやくと、ブラッド・ブリードはその場から飛び上がり、舞台の中央に突如出現したドアの前に降り立つ。
「血脈門!いつのまに」
「さらばだライブラ、おそらく近いうちにまた会うだろう」
「待て!」
「阿波屋島流血弓術」
「放浪 蒲公英」
キャロルはとっさにブラッド・ブリードに向けて矢を射り、その矢はブラッド・ブリードの近くで爆発ではなく白い煙を放つが、それを気にも止めずブラッド・ブリードは血脈門の中へと消えていった。
「・・・・・くそっ!」
キャロルは忌々し気にそばに落ちていた瓦礫を蹴り飛ばす。
(キャロルさん)
(何も言うなレオ、とにかく今はこの場から離れるぞ、とりあえずすぐに拠点に戻らず、陽が落ちたら戻ってこい、私もその頃に戻る)
(わかりました、キャロルさんも気を付けて)
(あぁ)
通信を終えキャロルが辺りを見回していると、先ほどのテレビ局の一同がこちらに向かって走ってきた。
「はぁ・・・お前たちまだ逃げてなかったのか」
「悪いが俺たちはテレビ屋なんでね、とりあえず教えてもらおうか、アンタとさっきの男の事を」
「黙秘権を使わせてもらう」
「まっ、待って!」
キャロルは言野達を相手にせず、翼を広げその場から飛び去って行き、イベント会場には茫然と飛び去って行くキャロルを撮っている言野達と、遠くから連絡を受け会場に向かってきている警察のパトカーのサイレンが鳴り響いていた。
そしてその夜
「はぁ、はぁ、はぁ」
「キャロルさん!」
「キャロルちゃん!」
拠点に着いたキャロルは時間が経ってブラッド・ブリード戦のダメージが出ていたのか、ドアを開けると同時に倒れこみ、駆け寄ったレオと事件を見て拠点に駆け付けた滝谷がキャロルを持ち上げ、そばの椅子に座らせる。
「レオくん、すぐに輸血パック取ってきて、すごい血だ大丈夫かい?」
「大丈夫だ、ここに戻るまで血が落ちないよう、気で固めておいた、これで足取りはつかまれん」
「そういう意味じゃなくて!本当に死にかけじゃないか」
「輸血パック、持ってきました!」
「ありがとうレオくん、とりあえず今は応急処置をしないと」
レオと滝谷は傷ついたキャロルの手当をし、2階の部屋までキャロルを運ぶと、そのままベッドに寝かせ安静にする。
「それにしても、あいつの目的は何だったんでしょうか?」
「あのブラッド・ブリードの事?僕も分からないよ、あんな目立つ事をしたうえ、ただ暴れて帰るなんて、ただ暴れたかったのか、それとも」
「計画の為だ」
「キャロルさん、駄目ですよまだ寝てなくちゃ」
ベッドから起き上がろうとするキャロルをレオが止めようとするが、キャロルは横浜でブラッド・ブリードが告げた言葉を2人に話し始める。
「奴は私に計画の為に暴れたと言っていた、だとすれば奴の行動には何か必ず理由があるはずだ、とにかく奴を止めなくては」
「無茶ですよその傷で、それに止めようにもあのブラッド・ブリードがどこに行ったか分からないんですよ」
「それなら心配するな」
「えっ?」
「種はもう飛ばしてある」
「「種?」」
そう言って、キャロルは不適な笑みを浮かべるのだった。
阿波屋島流血弓術
キャロルが使用する対血界の眷属用 弓術
矢に自らの血を送る事により、矢による爆破などを主体とする技である。
弓と矢が無くても自身の血だけで弓と矢を形成する可能な為、かなりの応用が利くが、この方法は自身の血を必要以上に使うため、長時間の戦闘は困難、その為、普段は通常の弓と矢で戦闘を行う。
なお、キャロルが牙狩本部で作成させた特注品は弓自体にも血を流すことで弓単体での接近戦を可能とした。
技名
爆砕 彼岸花(ばくさい ひがんばな)
阿波屋島流血弓術の基本技であり、矢が突き刺さった場所から血を流し込んだ爆発を起こす。
下り 菫(くだり すみれ)
上空に矢を射った後に高高度からスピードを上げた矢を撃つ技
業火 向日葵(ごうか ひまわり)
複数の矢を射る事によって、対象に射った矢の爆発を連鎖させる事で巨大な爆発を起こす技。
放浪 蒲公英(ほうろう ひまわり)
この技については次の話で解説。
アーマーの装着方法については、映画 アイアンマン2で出て来た、アイアンマンMark5
の装着方法を参考にして下さい。
PS:もし良かったら、皆さんが考えた技などを感想で送ってください。
技の詳細なども書いた上で気に入った技があれば作中にもだそうかと思います。
対象キャラクター:血方を使う血界戦線のキャラクター全て
なお、キャロルの技については日本名の花や草でお願いします。
NG花 例:チューリップ