血界戦線~The Irregular at Magic High School~(改) 作:オゼル
話の中で某有名画家の名前が出てきますが、特に意味はありません。
「抵抗はするなよ、こちらも無駄な労力は使いたくないのでな」
キャロルは弓に矢をかけると、それを司に向け忠告する。
「抵抗はするなだと?状況を理解できていないようだな」
「司波!」
「分かっています」
司はあっけにとられていたがすぐに余裕の笑みを浮かべ、それと同時に十文字のファランクスを強化された男達が跳ねのけると、キャロルに向かって走り出し、達也はとっさにCADを男の一人に向け、引き金を引き、男の右足の太ももの中心を貫通するが、男はそれを気にもとめず、なおキャロルに襲い掛かろうとする。
(やはり効果はないか)
「やれ!殺せ!」
「甘いんだよ!」
「なっ!?」
キャロルはすぐに体の向きを変え、男の一人に向けて矢を射り、矢が突き刺さってもとびかかろうとする男が右腕を振り上げると同時に男の懐に飛び込み、もう一度、男の右腕に向けて矢を放ち、男の右腕を貫通し、天井に突き刺さる。
「ははっ・・愚かな、そんな攻撃は効かないと何度言えば」
(いや、違うあれは・・)
が、やはり男には効いておらず、それを見て司はほくそ笑みが、後ろで見ていた達也は男の貫通した右腕に赤いフックの様な物が付いている事に気づき、その瞬間、男の体が上に向かって吊り上げられる。
「なにっ!?」
「まだだ!」
キャロルはさらに連続で3本の矢をそれぞれ男の左腕、右足、左足に向けて射ると、矢は右腕と同じように男を貫通し、そのまま天井に突き刺さり、男はまるで天井に吊り下げられた操り人形のように天井にぶら下がる。
「くそっ、だが、まだこちらには一人」
司がもう一方の男に目を向けると同時に衝撃音が響き、もう一人の男は十文字のファランクスで押さえつけられていた。
「十文字会頭」
「今度は手加減なしだ、それでも持つかどうか分からんが」
「そのまま」
キャロルはその場に割って入ると、ファランクスで動けない男の眉間に向けて矢を放ち、矢が男の眉間に突き刺さると同時に、爆発が起き男の頭部が吹き飛ぶ。
「こちらも手加減できないのでな」
「あっ・・・あぁぁ」
その光景を見て、司は腰を抜かし、その場に倒れこむ。
「倒れるのはまだ早いぞ」
「ひぃっ!」
「私と一緒に来てもらおうか、貴様には色々聞きたい事がある」
キャロルは司の胸倉を掴み、その場から離れようとするが、
「待て」
達也と十文字がそれぞれ、攻撃態勢を保ちながらキャロルを睨みつける。
「心配するな、こちらの用が終われば警察に引き渡す」
「そんな事はどうでも良い、こちらも貴方には聞きたい事ある、全て話してもらおうか」
「お前は親に人と話すときに武器を向けろと教わったのか?それとそこのガタイの良い男も何か喋ったらどうだ?」
「協力には感謝する、だがこちらも貴方が何者なのか知る必要があるのでな、一緒に同行してもらおう」
「お前達は学生だろう、私を拘束する権限もなければこんな場所に来てテロリストと戦う必要もない、こちらにも都合があるというのに正直言って迷惑だ」
「そうか、だがこちらにも色々と理由があるのでな、拘束させてもらう」
達也はそう言って引き金を引こうとしたが、
「遅い」
「「!!」」
「それじゃあな」
「待て!」
「ひいぃぃぃぃぃ!!」
突然、天井裏に突き刺さっていた矢の一つが爆発し、達也と十文字の注意が上に向いた隙を付き、キャロルの装着している鎧の背中から機械の翼が広がり、そのままキャロルは司を連れて最初にぶち抜いた天井から去って行く。
「お兄様!」
「深雪」
唖然としている2人の後ろから爆発音などを聞きつけ深雪が部屋の中に入ってきた。
「お兄様、お怪我は?」
「大丈夫だ深雪、心配ない」
「ですがお兄様、例の男は?」
「それが・・連れ去られてしまった」
「連れ去られた!一体誰に?」
「分からない、だが今は」
達也はそう言って天井でもがいている男に目を向け
「警察の到着を待つとしよう」
そして、司を連れて行ったキャロルはブランシュの基地や一高から離れた場所に着地すると、司を無造作に地面に叩きつける。
「ぐはっ!」
「さて、さっそくで悪いが色々と話してもらうぞ」
「なっ、何なんだお前は?一体、誰の指示で?」
「誰の指示でもない、しいて言えばお前に聞きたい事が合ったので来てもらっただけだ」
そう言ってキャロルはトラックの男達から取り上げた錠剤とブラッド・ブリードの写真を見せつけ
「この中の誰かがお前と会ったはずだ、誰と会ったのか言え」
「なっ、何故お前が彼女の事を?」
「彼女?なるほど、つまり右の写真の奴と会ったのか、その時にエンジェル・スケイルでも買ったのか?」
「おっ、お前達は彼女が何者か知っているのか!?彼女はな!」
「吸血鬼だろ」
「!・・しっ、知っていたのか?」
「無論だ、連中とは切っても切れない縁があるんでな」
「では、お前が彼女の言っていた牙狩・・いや、あの薬の事を知っているという事は・・・まさか!お前があのライブラ!?」
「質問を質問で返すな、とにかく今はこの女だ、こいつとはどういった経緯で知り合った?」
キャロルから発せられる威圧感に恐怖し、司は事の顛末を話し始めた。
「我々が、一高の襲撃をする少し前に突然、こちらを支援したいという連絡があり、半信半疑だったが、こちらが出向くと、彼女がいた。最初は私も笑っていたが・・彼女は私にその本性を見せたんだ・・・今、思い出しても震えが止まらない・・あれに比べたら魔法師なぞ赤子同然だ・・だが、彼女はこちらを支援するという話は本当で、その証としてあの薬を少量だが我々に提供してくれた、それ以降 彼女とは会っていない、本当だ!!」
「そうか、では」
「えっ?ぐあっ!」
司の目を見て、これ以上 情報は得られないと思ったのか、、キャロルは司の顔面に思い切り拳を叩きこむと、司はその場に倒れ気を失う。
「レオ、その男をそこら辺の木に縛り付けておけ」
「はっ、はい!」
物陰に隠れていたレオはキャロルに言われバンから縄を取り出し司を木に縛り始める。
「滝谷、時間を置いた後に警察にこの場所を伝えておけ、後 足取りがばれないようにしろよ」
「分かった」
「ふぅ・・・久々に着てみたが、思っていたより反応が良い、良く手入れしてくれたらしいな」
スーツのマスクを取りキャロルは一息つくと、滝谷に礼を告げる。
「そりゃまぁ、友達の頼みだからね、それに手入れしてて僕も楽しかったし」
「あの人、縛っておきましたよ・・あれ?キャロルさん、背中に何か付いてますよ」
「背中?」
「ほらこれ、何だろう手紙みたいですけど?」
レオがキャロルの背中に付いていた手紙を剥がし、それをキャロルに手渡す
「廃工場で付けられたのか?だが誰が・・・!!」
「どうしたんですか・・・これっ!!」
2人はその手紙の内容を見て驚く、その手紙にはこう書かれていた。
親愛なるライブラ諸君
この度はブランシュ日本支部の殲滅おめでとう、殆どの敵は高校生の彼らが倒したとはいえ、あの強化した連中を簡単に倒すとは、さすがは我々の天敵だ、そこで君たちに敬意をこめて、来る一週間後の正午、横浜ベイヒルズタワー屋外で行われるフェルメール展のオープニングセレモニーの生中継の見学ができるチケットを二枚、お送りします。
このイベントはあらゆる意味で世間の注目を浴びるイベントになると思われますので、かならず起こし下さい。
古き友人たちより
PS:もし来ない場合は、季節外れの赤い雨が降る恐れがあるので、お気をつけて。
「これって・・・やっぱり」
「舐められたものだな、おそらくあの場で誰にも感知されない程のスピードか、因果律でも操作して私の背中に付けたんだろう、ずいぶん洒落た事をするな、ブラッド・ブリード」
「この赤い雨が降るって、どう考えても」
「・・・滝谷!」
「!・・どうしたの、急に大声上げて」
「確かお前、芸術関係にも興味もってたよな、横浜で行われるフェルメール展のオープニングセレモニーがいつか分かるか!?」
「えっ?それなら知ってるよ、あいにく僕は抽選に外れちゃったんだけど確か、4月29日だから6日後だね」
「6日後か・・急いで準備した方がよさそうだな」
「どうしちゃったの?さっきから手紙を見て焦ってるけど、何が合ったの?」
「そうだな、しいて言えば」
キャロルは手紙に挟まっていたチケットを取り出し、
「パーティーの招待状をもらった」
ブランシュ事件から5日がたった夜、真由美は家の自室で友人のアリヤと携帯で話していた。
「そうなの、十文字君から聞いたんだけど、ブランシュのリーダーは捕まって、壬生さんや他の生徒も洗脳化にあったって事もあるから、罪には問われそうにないって」
『そうか、それは良かった、しかし大変だったな討論会中にテロが合ったなんて、行かなくてラッキーだったよ』
「ラッキーって、ちょっと不謹慎よアリヤ」
『そんな気にすることでもないだろ、それより真由美』
「?なに」
『本気で生徒会役員の一科生のみの制度の改定をするつもりか?』
「当たり前じゃない、どうしたの変な事聞いて?」
『いや、なにお前の真意を聞いておきたかっただけだ』
「真意って、ちょっと傷つくな、3年近い付き合いで私の事分かってないなんて」
『そんな本気になって怒るなよ、とりあえずお前の本音が聞けて良かった』
「うん、それじゃあ今度は休み明け学校でね、バイバイアリヤ」
『そうだな真由美・・・さようならだ』
「えっ?」
電話が切れる最後にアリヤが言った言葉にふと疑問を抱いた真由美だったが、特に気にせず、携帯を置くのだった。
そして、翌日
4/29 横浜ベイヒルズタワー フェルメール展 オープニングセレモニー屋外会場
屋外に設置された会場内では、多くの観客と、マスコミがオープニングセレモニーが始まるのを待っていたが、その中でブラッド・ブリードから手紙を受けたキャロルとレオは注意深く辺りを見回していた。
「どうだ、奴はいるかレオ?」
「駄目です、どこにもいません、本当にいるんですかねブラッド・ブリード」
レオはサングラス越しで辺りを注意深く観察するが、今のところブラッド・ブリードは発見できずにいた
「あの手紙が私たちをおちょくるだけの手紙なら、それはそれで良いんだが、とにかく気を緩めるな、連中が何をするか分かったものじゃないぞ」
2人が他の観客に不審がられないようにしながら辺りを見回していると、オープニングセレモニーが始まるアナウンスが鳴り、2人は屋外会場に出向き、チケットに書かれている指定席に座り、少し経った頃にオープニングセレモニーが開始される。
オープニングセレモニーは今回の展示に関わった人物とテレビ用に用意されたであろう芸能人のゲストのトークショーなどが行われていた。
「本当に何も起きませんね」
「できればこのまま何も起こらないでほしいが」
2人はそんな少ない可能性に賭けるが
「さて、それでは続きまして」
「おい、何だあれ?」
「えっ?」
観客の一人がタワーの上を指さし、それにつられ大勢の人間がタワーの上に目を向け、キャロルとレオも上を向くと
「あれって、人?」
「何やってんだあいつ、あんな所で危ないな」
殆どの人間がタワーの上に現れた男に注目しているが、その男を見たレオから冷や汗がこみ上げ、それを見たキャロルは直感でその男が何なのか分かった。
「レオ、あの男が見えるか?」
「はい・・間違いありませんあいつは・・」
レオの眼には男の背中から血を思わせるような赤い羽根が纏わっている光景が映っていた。
「ブラッド・ブリードです」
ブラッド・ブリードはタワーの上から“それ”を会場に向けて落とすと、それはそのままオープニングセレモニーの会場のちょうど真下に落ちる。
「なっ、何だ?」
「えっ?あれって・・・」
「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
落ちて来たそれの正体が分かると、会場中から悲鳴が鳴り響く。
「そんな・・あれって」
「悪趣味にも程があるぞ」
タワーから落ちて来たそれは、人だった。
衝撃のショックで骨が体を突き破り、足は真後ろに折れ曲がり、体から流れた大量の血は当たりに散乱していた。
レオは、その少女に見覚えがあった。
正確には少女が着ていた服にだ、少女が着ていた服は、レオ達が日本に来てから監視などの為に2度訪れた場所の生徒が着ていた服
国立魔法大学付属第一高校の生徒が着ていた制服だった。
そして、一方でテレビで偶然、横浜ベイヒルズタワーのイベントを見ていた真由美は落ちて来た少女を見て、愕然としていた。
「そんな・・どうして」
なぜならその少女は、
「アリヤ?」
自分と同じ一高生であり、友人の常闇アリヤだったからである。
突然ですが、一章におけるイメージOPとEDを書いておきます
OP 魔法科高校の劣等生 OP Rising Hope
ED ドクターX〜外科医・大門未知子〜 第4シーズン 主題歌 99
個人的な話ですけど、EDはドラマの様に話のラストで流れる感じで考えてくれるとうれしいです。
それと第一章については3話~4話で話がまとまると思います。