ソードアート・オンライン 銀閃の覇王(仮)   作:茜酒向

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さて、今回はアニメのコピー回+αです。
そして、ひたすらに長いです。




第四話 攻略開始

「聞いてくれ皆、俺から言う事はたった1つだ。──勝とうぜ!」

 

攻略会議から早三日が経ち、ついにボス攻略当日となった。

参加するプレイヤーたちは皆それぞれに自分なりの準備をしていた。

 

アズサもまたその一人であった。

彼はこの三日で、無茶なレベル上げをひたすら行い、レベルはこのメンバー中最も高いであろうレベル15にまで上昇していた。

・・・キリトのみこの事実に気付いてはいるが、あえて突っ込んだりはしていない。

そして彼は敏捷値をひたすらに高め、その次に投擲系スキルをのばしていた。

余談だが、その次は筋力値である。

 

武器はツインダガー。

単に双剣とでも思ってもらえればいいのではないだろうか?

念のために言っておくが、二刀流ではない、断じて違う。

 

 

目の前にあるのは鋼鉄製とみられる重厚な扉。

それはまるで、来る者を拒んでいるかのようであった。

 

「行くぞ――」

 

 ディアベルが先頭を切り、鉄の扉は重々しい音を立てゆっくりと開き、ディアベルの後にプレイヤー達が続いた。

 

そして部屋に入ると、扉が閉じ、天井や床から幾何学的な色が浮き上がるようにして辺りを照らし出した。

 

部屋の最奥には3mはあるあるかという少々胴が太めの・・・犬?のような《イルファング・ザ・コボルドロード》とその取り巻きである《ルインコボルド・センチネル》が見えた。

 

視界に映ると同時に赤い巨体とその取り巻き達は一斉に攻撃を始めた。

 

ちなみに、アズサたちの仕事はセンチネルの方を片付けることだ。

 

戦法はいたってシンプル。

まず一人がセンチネルの武器であるポールアックスを打ち上げ、残りの二人が瞬時に《スイッチ》し、センチネルに確実なダメージを入れていく、というものであった。

打ち上げ係はアズサになった。

確実だからかどうかは知らないが、結果そうなった。

 

 

このまま全て順調に行くように思われた。

アズサ達が八体目のセンチネルを相手取っているときであった。

 

ついにコボルドロードのHPが四段目に突入。

ここで曲刀カテゴリのタルワールに代わる───はずだった(・・・・・)

 

確かに武器自体は変わった。

ただしタルワールではなく、野太刀に。

しかし、ディアベルは一人前に出て、最後の一撃を狙う。

 

「ダメだッ!全力で!後ろに飛べッッ!!!」

 

キリトは叫ぶ。

しかし間に合わず、コボルドロードは眼前にまで迫っていたディアベルを切り裂いた。

ディアベルのHPはみるみるうちに減少し、既に危険域に入っていた。

キリトはディアベルに駆け寄る。

 

「どうして一人で・・・。」

 

キリトはポーションでディアベルを回復させようとしたが手で制された。

次いでディアベルが口を開いた。

 

「お前も・・・β上がりなら・・・分かるだろう・・?」

 

キリトはすぐに分かった。

 

「・・・ラストアタックボーナスの・・・レアアイテム狙い・・・・。お前もβテスターだったのか・・・。」

 

ディアベルはその後、ボスを倒し、後々はゲームをクリアすることをキリトに頼み、ポリゴン片となって消滅した。

 

 

 

   ◆   ◆   ◆

 

「チッ・・・!」

 

俺はディアベルがやられるのをみて少し焦っていた。

今までこの討伐隊を率いていた司令塔がいなくなったことにより、士気が下がるのではないかと。

 

「(最悪、一人でどうにかするか・・・。)」

 

そう思っていると、キリトとアスナが俺の横に立った。

 

「俺も行くぞ。」

 

「キリト・・・・・。」

 

「私も。」

 

「アスナ・・・。」

 

ちょっと感動したぞ・・・。

 

「二人ともありがとう。頼む。」

 

 

俺たち三人は同時に走り出す。

俺は右手の剣を鞘に収め、右手に投擲用のナイフを持つ。

 

 

俺はスキルのモーションに入る。

 

「・・シッ!」

 

そして、手に持ったナイフを投擲。

投げた直後に右の剣をもう一度抜く。

 

投げたナイフは、コボルドロードの野太刀に阻まれ届かない。

 

「手順はセンチネルと同じだ!アズサ!武器のはじき上げは任せた!」

 

「おう!」

 

「アスナは俺と一緒に攻撃頼む!」

 

「ええ!」

 

 

 

コボルドロードもこちらに向かいつつスキルのモーションに入る。

俺はそれにあわせ、左右一対の双剣を指定の位置に構え、モーションを起こす。

 

「ハァァァァアアッ!!!」

 

クロスするようにしての太刀を受け止め、思い切り上にはじき上げた。

 

「スイッチ!!」

 

俺が下がると同時、キリトとアスナが同時にソードスキルによる剣戟を叩き込む。

再び前に出てもう一度野太刀を弾き上げる。

 

そしてもう一度キリトが、攻撃しようとしたところに野太刀が振られる。

 

「しまっ──」

 

浅く切られたキリトは後方に吹き飛ばされ、アスナにぶつかる。

 

「キリトッ!」

 

「・・大・・・丈夫・・・。」

 

HPはまだ注意域にも入っていなかったため一安心する。

アスナとキリトが座り込んでいるところにコボルドロードは容赦なく野太刀を叩き込もうとする。

 

「(まずいッ!間に合わない!!)」

 

キリトたちに当たると思われた刹那、キリトたちの頭上をメイスのスキルのエフェクト光が通り過ぎた。

そして今まさに振り下ろされんとしていた野太刀を弾き、ノックバックでコボルドロードは後方へ下がる。

 

「グルルルルルルル・・・・・」

 

コボルドロードは飛び上がり上からスキルを叩き込もうとする。

しかし・・・

 

「危ないッ!」

 

キリトが空中で奴を切りつけ、体勢の立て直しを相手にさせる。

キリトは着地し、そのまま走り出す。

 

 

「最後の攻撃。アスナ、アズサ。一緒に頼む。」

 

「任せな。」

 

「了解!」

 

 

俺とアスナもそれにあわせて走り出す。

 

まずは手順どおり。

俺がコボルドロードの野太刀を弾く。

そこにキリトが剣戟を叩き込み、次いでアスナが鋭い突きを入れる。

 

コボルドロードが隙を突いてキリトを切りつけようとするが、俺が防ぐ。

 

そして・・・・

 

 

「ウォォォォォォオオオオッ!!」

 

キリトが脇腹から右側頭部までを切り上げる

そして・・・・・。

 

「グウォオオォォォオオオオッッ!!!」

 

イルファング・ザ・ゴボルドロードは断末魔の悲鳴を上げて消滅した。

 

 

 

─── Congratulation ───

 

 

 

「や・・・・・」

 

「「「「やったぁぁぁあぁぁぁぁあああ!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

俺と大柄な男・・・エギルとアスナはキリトの元へと向かう。

 

「ナイスファイト、キリト。」

 

「お疲れ様。」

 

「見事な剣技だった。Congratulation.この勝利はあんたのもんだ。」

 

三者三様の労い。

 

「いや・・・。」

 

キリトは否定するが、共に戦った者達はキリトを労う。

 

・・・・だが。

 

 

 

「なんでや!!?」

 

声を上げたのは攻略会議の際、元βテスターに対して謝罪と賠償を求めたキバオウだった。

 

「なんで・・・ディアベルはんを見殺しにしたんや!?」

 

「見殺し・・・?」

 

キリトは謂れのないことを言われ困惑していた。

・・・・・俺か?

明らかな嫌悪感を丸出しにしてそっぽを向いておいた。

目が合うと面倒くさそうだったから。

 

「そうやろが!自分はボスの使う技知っとったやないか!最初からあの情報を伝えておけば、ディアベルはんは死なずに済んだんや!」

 

その声に周囲がざわつく。

みんなディアベルの言葉を鵜呑みにして、キリトに不信感を抱いているようだった。

 

「きっとあいつ、元βテスターだ!!だからボスの攻撃パターンも全部知ってたんだ!知ってて隠してたんだ!」

 

キバオウの取り巻きの一人がそんなことを言う。

 

「くっ・・!」

 

キバオウは恨みがましそうな目で、キリトや俺たちのいる方向を見ている。

 

「他にもいるんだろう!βテスター共!出て来いよ!!」

 

その発言に、再び周囲はざわつき、雰囲気が険悪になっていく。

 

さすがにマズいか・・・・。

 

 

「おい、お前・・。」

 

すかさずエギルが止めに入る。

だが、そのとき。

 

「あははははははははは!」

 

「うおッ!?」

 

・・・何だ?

 

 

 

・・・ってキリトェ・・・・・。

急に横で笑い出すのやめてくれ・・・。

だがキリトは、何か思いついたようだ。

 

 

「元βテスターだって?俺をあんな素人連中と一緒にしないで欲しいな。」

 

「な、なんやと!?」

 

おいキリト・・?

 

キリトは立ち上がり、歩き出す。

 

「SAOのβテストに当選した千人のうちのほとんどは、レベリングのやり方も知らない初心者だった。今のあんたらの方がまだマシさ。」

 

「・・・・。」

 

「でも俺はあんな奴らとは違う。」

 

俺たちとキバオウのちょうど中間あたりでキリトは立ち止まる。

 

「俺はβテスト中に、他の誰も到達できなかった層まで上った。ボスの刀スキルを知っていたのは、ずっと上の層で刀を使うモンスターと散々戦っていたからだ。他にもいろいろ知っているぜ?情報屋なんか、問題にならないくらいな。」

 

「な、なんやそれ・・・。そんなんもう、βテスターどころやないやんか・・・?もうチートやチーターやろそんなもん!」

 

その言葉に再び周囲がざわつきだす。

 

「そうだ。チーターだ!」

 

「βにチーター・・・だからビーターだ!」

 

ビーターとかなんか上手いこといった奴がいるな・・・。

 

「ビーター。いい呼び名だな・・・それ。」

 

「なっ・・・。」

 

キリトはアイテムストレージを展開し、何か操作をし始める。

 

「そうだ。俺はビーターだ。これからは元テスターごときと一緒にしないでくれ。」

 

キリトがストレージのアイテムの一つを選択すると、黒いコートがキリトの身体に現れた。

 

「・・・フッ。」

 

キリトは踵を返し、ボス部屋の扉に向けて歩きだした。

 

 

 

キリトが俺の横を通り過ぎる。

俺はキリトの肩に手を置いた。

 

「・・・・すまない・・・キリト。」

 

「いや、どの道誰かがやることにはなる。それを俺がやっただけだ。気にするな。」

 

「しかし・・・。」

 

「また生きて会おうな。」

 

キリトは俺の手を振り切って再び歩きだす。

 

キリトが階段を上り出し姿が見えなくなる直前、アスナが俺の横を通り過ぎた。

 

 

何を話しているとかあまり興味はないが、大方名前を呼んだことについてだろう。

 

 

 

キバオウや他のメンバーはキリトの態度に憤りを感じているみたいではあるが、俺には関係ない。

 

「エギル。」

 

「あ、あぁ。なんだアズサ?」

 

「こんなところに長居はしたくない。俺は行くぞ。」

 

「・・・・わかった。気をつけろよ?」

 

「あぁ。ありがとな。また会おう。」

 

俺もキリトの向かったほうへ向かい歩き出す。

途中でアスナとすれ違った。

 

「アスナ、俺もいく。達者でな。」

 

「・・・ソロプレイには絶対的な限界があるってキリト君が言ってたけど・・・。あなたもソロプレイで行くつもり?」

 

「当分はな。もし誰か気の会う奴がいたら、そいつと組むさ。」

 

そんな奴がいるかどうかに関してはあえてノーコメントだが。

 

・・・・ちょっとまて。

こいつの視線がやたらと俺の頭部に集中している気がするのだが・・・。

なんとなくいやな予感が・・・。

 

「ねぇ・・・。」

 

「・・・・なんだ?」

 

「あなたの髪って・・・地毛?」

 

「・・・・あぁ。」

 

「染めては・・?」

 

「いない。」

 

 

やっぱり髪か・・・!

そりゃ銀髪なんて珍しいから気になるだろうけどな!

 

「そっか・・・。」

 

ほらみろ!

微妙な空気になっちまったじゃねぇか・・・。

 

 

「じ、じゃあ、俺は行くぞ。」

 

「あ、うん。気をつけて。また生きて会いましょう。」

 

「あぁ、お前も気をつけて。」

 

 

そして俺は、最初のボス攻略を終え、ボス討伐隊の面子とはなれた。

 

 




長くなってしまい申し訳ございませんでした。
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