宇宙警備隊長・冴子   作:EF12 1

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たまに他の二次小説を拝読しますが、本作は登場人物の年齢が高いですね。

他作の主役は大抵10代半ばなのに、主役が30前とかってないわー(笑)


会談④

 

     ――『ヤマト』病室――

 

 

「‥‥‥‥」

「‥‥よかった」

 

時空管理局魔導師、スターレット・タランティノは、しばらく自分に何があったのかわからずにいたが、自分を覗き込んでいる女性に気づいた。

 

(この人たち‥‥確か、執務官と一緒にいた‥‥)

 

少しずつ、頭の中で何かが繋がってくる。

確か、『タイタンⅣ』がエネミーAに攻撃されて、爆発に巻き込まれて‥‥。

 

「う‥‥!」

「動かないで!もう手術は済んでるから」

 

腹部に痛みが走り、思わず声が出てしまったが、どうやら入院している事は、自分に繋がれた点滴のチューブと、執務官補の言葉でわかった。

 

「あの‥‥あれから‥‥何があったんですか‥‥?」

 

少なくとも、自分と2人の執務官補は助かっている。悪魔とさえ言われているエネミーAの攻撃を振り切ったのか?

 

「‥‥話すと長くなるけど、大丈夫?」

「‥‥はい」

 

眼鏡をかけた執務官補の言葉に、少年は頷く。

 

眼鏡の執務官補――シャリオ・フィニーノ――は、傍らのオレンジ色がかったもう一人――ティアナ・ランスター――と顔を見合わせてから、ゆっくりと口を開いた。

 

 

 

‥‥病室でスターレット少年が目を覚ます少し前――。

 

ようやくガトランティス帝国戦役についての説明が終わった。

地球側の4人はいつもの表情に戻っていたが、フェイトは流石に大きなショックを被った様子だ。

 

――局面打開のためにガトランティス帝国本星に上陸・突入し、主動力炉破壊に成功したはいいが、突入隊員で生還したのは目の前の古代と真田のみ。

支援にあたった艦艇や艦載機にも多大な犠牲があり、『ヤマト』の戦闘機隊も、生還したのは当時副隊長の山本1人だけだった。

 

古代ら突入隊員は、全滅承知でありながら志願して出撃していったという事実に、フェイトは愕然としていた。

 

飛行場に戻る通路は、突入隊員とガトランティス兵の屍で半ば埋まり、血が、まるで沢のようにチョロチョロと流れていたという。

想像するだに恐ろしい話だ。

 

こんなの戦闘じゃない!と叫びたかった。

第3者からすれば、彼らは狂戦士化したと言うだろう。

 

しかし、地球防衛軍の軍人は、そこまでしなければならなかったのだ、と自分を納得させるしかなかった。

 

「とはいえ、この戦闘でガトランティス首都の一般住民全員が犠牲になったのは、流石に済まない事をしたよ」

 

嶋津が言うには、膨大な量の首都要塞デブリに混じって、乳幼児の遺体も次々と発見されたという。

 

それらの遺体は検視・解剖の後に火葬され、戦没者慰霊施設に一定期間保管した後、宇宙空間に散骨するのだとか。

 

「‥‥居住エリアははずして艦砲射撃を加えたつもりだったけど、自ら爆破してあんな凶悪戦艦を出すとはな。結果論でしかないが、我々も確かに甘かった」

 

古代も苦い表情になった。

その凶悪戦艦の砲撃で、地球艦隊は残存艦の大半を失い、『ヤマト』も前機関長を始め、半分以上のクルーを失ったという。

 

だが、巨大戦艦も、最期はテレサと刺し違える形で呆気なく消滅してしまったのだが‥‥。

 

テレサの力は確かに凄まじいものだ。

もし彼女が自分の前に現れれば、説得して保護するだろうが、それが彼女自身のためになると断言できる自信はない‥‥。

 

「率直にいえば、これでも相当はしょったんだが、何分、管理局といつコンタクトがとれるかわからないのでね」

 

苦笑しながら真田が言い、続いて嶋津が、確認したいことが2つあると告げた。

 

「我々が本国を遠く離れたこの宙域に来たのは、消滅の危機に瀕したイスカンダル星に住まうスターシャ女王と、一緒に住んでいる同胞を救援するためだ。

地球に生きとし生ける全ての命の大恩人が、絶体絶命の危機に陥っているのを黙って見ているわけにはいかないのでね。

‥‥ゆえに、この宙域に留まって管理局の救助隊を待つのは、現場到着から24時間以内と決めている」

「はい‥‥」

 

フェイトを直視しながら嶋津はきっぱり言い切る。

 

彼らは任務を帯びてここに来たらしいとはわかっていた。

極論すれば、自分達を見捨てる選択肢もあったにも関わらず、危険を冒してまで助けてくれたのだから、感謝こそすれ文句は言えない。

 

「‥‥既に15時間を経過したので、あと9時間以内に管理局と直接接触できなければ、我々はここを離れてイスカンダルを追跡の任務に戻る。

無論、君達にも同行してもらい、帰りにもう一度ここに立ち寄るつもりだ。

勿論、9時間以内に直接接触できるに越した事はないがね。

イスカンダル付近には所属不明の艦隊もいるという情報もあるから、最悪の場合、戦闘もあり得る。本来無関係な君達、特に子供を巻き込むのは心苦しいんだ」

「‥‥はい、覚悟しています」

 

管理局の捜索隊が間に合わず、引き続き彼らと行動を共にする場合、自分が管理局側の責任者だ。

スターレットはまだ11歳。将来のエース魔導師といわれてはいるが、それを除けば子供でしかない。

ましてやここは管理局や管理世界ではないのだ。

彼が戦闘任務にもついている事を知れば、ここの面々はいい顔はしないだろう。

 

『‥‥実はもう一つ、君に確認したい事があるんだ』

 

僅かに声を低くして、嶋津がフェイトに話しかけた。

 

「ガトランティス艦隊との戦闘中、見たこともない難破船が空間転移してきたんだ。それがこれだ」

 

真田が手持ちの端末を操作すると、スクリーンに難破船が映し出された。

 

「‥‥え、L級艦!?」

 

難破船を見たフェイトは反射的に立ち上がり、驚愕の声を上げた。

大破してはいるが、前方に突き出た2本艦首と主艦体は明らかに『アースラ』と同型だ。

しかし、フェイトを次なる驚愕が襲う。

 

艦首部を拡大したところ、文字が書き込まれている。

“ESTIA”と‥‥。

 

「‥‥そんな。どうして『エスティア』が‥‥?」

 

フェイトの声は驚愕で震えていた。

 

L級次元航行艦『エスティア』は、ハラオウン家にとっては悲しみと悔恨の対象だ。

 

フェイト自身は関与していないが、あの艦に何があったのか、リンディやレティ・ロウランから聞いている。

そう、あの艦に独り残ったのは――。

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