宇宙警備隊長・冴子   作:EF12 1

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邂逅③

「‥‥済まない、もう一度言ってくれないか?フェイト」

 

義妹から告げられた内容に、クロノ・ハラオウンは十秒近く呼吸を忘れた末、もう一度尋ねる選択をした。

唖然としていたのは『クラウディア』のブリッジクルー一同もだ。

 

それに対し、スクリーンに映る嶋津は予定調和だという表情だ。

 

『クライド・ハラオウン艦長‥‥クロノのお父さんが生きてて、地球防衛軍に保護されてるの‥‥先日私もクライド艦長と通信で話をしたんだ』

 

フェイトの言葉に続いて、スクリーンに画像が展開されたが、それはベッドで身を起こした男のもの。

 

「‥‥‥‥」

 

怪我のせいか、顔にやつれが見られるものの、男の風貌はクロノによく似ていた。

 

「‥‥父さん‥‥」

 

画像に見入っていたクロノは絞り出すように呟いた。

 

「‥‥クライド艦長‥‥」

 

クロノの側にいた副長のカリウス三佐も呻くように呟いた。

 

そこに嶋津の声が響く。

 

『‥‥およそ2ヶ月前、我々は侵攻してきたガトランティス帝国と戦っていましたが、その最中、大破状態で漂流する、見たこともない艦船を発見しました。

確認したところ、管理局の次元航行艦《エスティア》と判明し、同行していた工作艦で艦体の回収と内部の捜索を行ったところ、倒れていたクライド・ハラオウン氏を発見し、保護しました。

‥‥後日、直接面会しましたが、彼はリンディという奥さんと、クロノという息子さんがいると話していました』

「――――」

 

絶句するクロノに、フェイトが畳み掛けるように語りかける。

 

「‥‥それでね、クロノ。私もクライドさんと直接交信させてもらったの。

義母さんとクロノの指揮で闇の書事件が解決したことや、双子の孫のおじいちゃんになっている事を話したら、目を丸くしてたけど、嬉しそうだったよ」

「そうか‥‥」

 

眼を赤くして話すフェイトの背後で、

 

「――繋がったぞ、古代」

「では、第2段階に入りましょうか」

 

真田と古代が密談を交わしていた。

 

       ――病室――

 

『クラウディア』ら管理局艦隊との合流に成功したため、一旦戻ったスターレット・タランティノは移乗の準備に追われていた。

 

とはいえ、彼はまだ1人では歩けないため、アナライザーによって車椅子に乗せられていた。

 

「ありがとう、アナライザー」

「ドウ致シマシテ」

 

礼を言うスターレットに、アナライザーは執事のような仕草で応える。

 

「そっちの準備は進んどるか~?」

 

診察室から佐渡が来た。

 

「準備ハ終ワリマシタ。後ハオ嬢様方デスネ」

 

アナライザーが答えたところに、執務官補制服姿のシャリオとティアナが入って来る。

 

「私たちはスタンバイOKです。元々手ぶら同然でしたし」

「そうじゃったかな?‥‥間もなく『クラウディア』から迎えの船が来るからの」

「ありがとうございます」

 

一同を代表する形で、シャリオが謝意を口にした。

しかし、彼女たちには懸念がある。

自分たちではなく、直属の上官に。

 

(フェイトさんがここで移乗したら、クライド艦長としばらく通信できなくなるのよね‥‥)

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