――『ヤマト』第1艦橋――
「当然、俺達は参加するぞ!」
「俺達もだ」
古代が持ちかけた敵首都要塞強襲作戦の突入メンバーに名乗りを上げたのは、空間騎兵隊の中隊長である斉藤 始とコスモタイガー隊の加藤三郎。
だが、加藤には先のイスカンダル行きで愛を育んだ妻の真琴と一人娘の琴海がいる。
それを知っているからこそ、ブリッジクルーの顔が曇る。
「加藤、お前‥‥」
だが、加藤は問いたげな古代を制し、ニヤリと笑いかけて言う。
「心配するな。琴海の婿を1発殴り、曾孫抱くまでくたばる予定はないぜ、俺は」
「おま――」
その言葉に呆れ苦笑する一同。
そして、もう一人志願者が。
「俺も行くぞ。機械の事は俺がいないとどうにもならんだろう?」
と、真田志郎――。
突入隊は『ヤマト』『ペリリュー』『アッツ』から出撃し、他艦は支援と妨害排除を行うが、問題は都市要塞内部への突入口確保だ。
艦艇や戦闘機の発着口があればそこから突入するのだが、まだ特定できていない。
水星軌道上に潜伏していた護衛艦4隻が敵都市要塞に接近しているが、まだ連絡はない。
残存地球艦隊は、各衛星基地で急ぎ修復を済ませた艦艇を加えたため、戦艦10、戦闘空母2、戦闘巡洋艦15、哨戒/嚮導巡洋艦14、駆逐艦40、護衛艦57(ワープ可能付きは15)、雷撃艇母艦2。
強襲揚陸艦は『ペリリュー』『アッツ』に続いて『タラワ』『ノルマンディ』が合流し、4隻になっていた。
――『テシオ』――
「敵首都星偵察の『バオバブ』から入電!‥‥『敵首都要塞ノ艦船発着口ヲ特定ス』です!」
すかさず土方が下令する。
「データを関係艦に送れ。全艦3分後にワープする!
本作戦名は『クズ1号』。語源は『くたばれズォーダー』だ」
各艦がドッと沸く。それは『テシオ』も例外ではなかった。
「ワープ!」
「ワープ!!」
『ワープ!!』
間もなく、『テシオ』以下の地球艦隊はワープに入った。
――某宇宙空間――
――ガトランティス帝国第3遊動機動艦隊は、首都星が侵攻した天の川銀河まで約22万光年の宙域を最大戦速で航行していた。
「‥‥‥‥」
旗艦たる大型空母に座乗する都督・ナグモーの表情には、隠しようがない焦りと疲れが浮かんでいる。
テレザート星で首都星が深いダメージを受けたとの報せを受けたナグモーは、駐留していたアンドロメダ銀河を発って首都星の後を追っているのだが、片道200万光年超の長旅は将兵達を著しく消耗させていた。
たった1隻の戦艦にゴーランド艦隊が殲滅させられたと知った時は、俄には信じられなかったが、その後、ゲルンとバルゼーまで討たれ、首都星も大ダメージを受けたとあっては完全に認識を変えざるを得ない。
どこが辺境の弱小惑星だ?ガミラスを退けただけの事はある。辺境ではあってもれっきとした強国じゃないか。
ひょっとしたら相討ちに近い状態になるかも知れない。兵士達には悪いが、急がなければ。
「都督!」
「何だ?」
ナグモーは内心の焦慮を隠し、慌てた様子で近づいてきた幕僚に向き直る。
「補給艦隊が奇襲攻撃を受けています!物資の2割以上が失われました!!」
「何!?どこの奴らだ?」
補給艦隊の護衛には2個艦隊をつけてある。なのにいきなり2割以上の物資が失われたというのはただ事ではない。
「攻撃を仕掛けてきたのはデザリアム帝国軍です!」
「デザリアムか‥‥。やむを得ん、全艦反転!艦載機発進急げ!」
デザリアム帝国。あの機械化国家は事あるごとに嫌がらせを仕掛けてきたが、ここまでこちらを叩きに来るとは――。
補給部隊には首都要塞推進機関の部品等、征服地では容易に調達できない重要物資が積み込まれている。それを失う事は、首都星が身動きできなくなる事を意味する。
「急げ!帝国の命運がかかっているのだぞ!!」
ナグモーは焦りを露わにして叫んだ――。