明久side
「さて諸君、補充試験ご苦労であった」
全科目の補充試験が終わり、教壇の上から雄二がクラスメイトたちにそう言ってくる。
「では次はBクラス戦となるわけだが……」
そう言って雄二は僕をちらりと見てくる。
まさか……
「宣戦布告は明久、お前が行ってこい」
やっぱりか……まあ予想はしていたけどね
「はいはい分かりましたよ」
「ほう?まさか反論しないとはな」
立ち上がる僕を雄二は訝しげに見てくる。素直に行こうとしている僕を不思議に思ってるのだろう。
「どうせ断れないだろうしね……。あ、開戦は午後からでいい?」
「ああ、それで頼む」
「りょうかーい」
そう言うと僕は教室を出ようとするが、ガシッと袖を掴まれる。いったい誰だろうか?
「明久、私も……」
「留守番してなさい」
天子、こうゆう時くらい落ち着いてね?
「じゃあ今度こそ……」
そう言って今度こそ教室を出ようとすると肩をガシッと掴まれる。結構力が強いな
「吉井、前回も素直に行ってくれればウチはボコボコにされなかったのよ!!何で前回は素直に行かなかったのよ!」
「島田さん、人生何事も経験だよ?他クラスの人たちから袋叩きにあうっていう良い経験を積めたじゃないか」
「何良いことみたいに言ってんのよ!そんなこと良い経験って言う奴がいるわけないでしょ!!」
天子は良い経験って言いそうなんだけど……
「まあ気にしないでよ。今回は僕が行くからさ」
そして肩を掴んでた手を振り払うとドアを出てBクラスへと向かった。
「吉井ーーッ!!ボコボコになって帰ってこなかったら許さないわよ!」
それは理不尽じゃないだろうか?
ガラッ
「失礼しまーす」
Bクラスに僕が入ると訝しむ視線を向けられる。『観察処分者がここに何の用だ?』って感じかな?
「えー、突然だけど我々FクラスはBクラスに試召戦争を申し込みます」
その言葉にBクラス内は騒つく。
まあ、当然なんだろうな……
「開戦は午後からでよろしくお願いします。それでは」
そう言ってそそくさにBクラスから出ようとしたらガシッと肩を掴まれる。
やっぱりきたか……
『おい、下位クラスから宣戦布告しといてタダで済むと思ってんのか?』
『ちょっとストレス発散に付き合ってもらうぜ?』
(しょうがないな……)
そう思って肩を掴んでる手を振り払うと思い切り壁をグーで殴りつける。ドゴン、という鈍い音がBクラス中に響き、襲いかかろうとしてきた生徒が驚いて後ずさる。
「そっちがそのつもりならこっちもいくけどいいかな?」
『な、な……』
「ほら、どうしたの?殴ってきなよ。ただし、殴ってくるようなら正当防衛という名目でこっちも反撃するけどね」
『う、ぐ……』
「殴られてボコボコにされたくなかったらさっさと引きなよ」
そう言って脅すと誰も襲いかかってこようとはしない。よし、これで……
『舐めんじゃねえぞ!!』
しかし立ち去ろうとしたときにそう言って殴りかかってきた生徒が一人。しょうがないな、わざと肩で受けて後ろに衝撃を逃がして……
「殴ったね?殴ったんなら……」
振りかぶった拳を鳩尾に思い切り叩き込む!
「やり返すっ!!」
『グフウッ!?』
そして食らった生徒はバタリと倒れこむ。
『く、黒田あっ!?て、てめえよくも黒田を……』
「いや、一応やり返すって言っといたんだけどね?」
『う、うるせえ!やっちまえ、お前ら!』
『『『『おおうっ!!』』』』
そう言ってほとんどの生徒が殴りかかってくる。大丈夫か、このクラス……
「だらっしゃあっ!!」
『グエッ!?』
とりあえず手近にいた生徒の頭を掴むと壁に思い切り後頭部を叩きつける。
手を離すとズルリと倒れてしまう。一応ちゃんと手加減したし大丈夫だろう、多分。
「……まだやる?」
『うっせえ!』
そう言ってまた殴りかかってくる。いい加減面倒くさいし、僕すらも使うのを恐れた秘技を使うしかないか。とりあえず正面から肩を掴んで……
「でいっ!」
『うごっ!?』
股間に膝をいれる。俗に言う金的というやつだ。
食らった生徒は痛みに悶えながら倒れる。
『『『『うわあ……』』』』
その光景を見たBクラス男子一同は皆一様に股間を抑えて内股になる。
「……で、どうするの?まだかかってくるんなら全員再起不能にするよ?二重の意味で」
『『『『いえ!どうぞおかえりください!!』』』』
そして僕はBクラス男子一同の敬礼(ただし全員内股)に見送られてFクラスへと帰還した。
「ただいまー」
「おっ、帰ってきたのか……って無事なのか」
「無事に帰ってきたのに残念そうな顔ってどういうことかな?」
普通は友人の無事の帰還を喜ぶべきだと思うんだけど……
「吉井!何で無事なのよ!なんであんたはボコボコになってないのよ!!」
「うおっと」
しかしそこで突然後ろから島田さんが殴りかかってくる。まあ、簡単に避けられるけどね
「ちょっとばかし正当防衛という名の反撃をしただけだよ」
「吉井、暴力はダメなのよ!」
「その言葉そのまま返すよ」
今しがた僕を殴ろうとした人の言葉とは思えないんだけど……
「これはオシオキなのよ!暴力じゃないわ」
「はあ……じゃあ島田さん、何に対してのオシオキなの?」
「えっと……それは……」
その言葉を聞くと島田さんはしどろもどろになる。
「理由がないなら暴力になるからね?」
「…うるさいわよ!とにかく殴られなさい!」
そう言って殴りかかってくるが片手で受け止める。本気で顔狙ってたな、今の……
「島田、とりあえず座れ。今から
そう言って雄二が島田さんに着席を促す。
「でも坂本……」
「だから座れ。一分一秒も無駄にできないからな」
「……わかったわよ」
そして島田さんは渋々といった感じで着席する。
「明久も座れ」
「はいはい」
そう言って僕も座ると天子がアイコンタクトで話しかけてくる。
(ちなみに明久、どんなことしたの?)
(ん?Bクラスでのこと?腹パンしたり顔を壁に叩きつけたりしただけだよ)
さすがに金的のことは言えないね
(そう……)
天子、羨ましいなって顔してないで雄二の話に集中しようね?僕もだけどさ……
そうしてブリーフィングは終わっていって、いよいよBクラス戦が始まる。
次回からは遂にBクラス戦!
明久が本気出します!ただし全力ではないですけどね
あ、ちなみに明久の全力は天子曰く「完全に反則レベルだけど反則ではない」、幽香曰く「自分のせいでアレが目覚めるとは予想してなかった」といった感じですね。
読者の皆様は明久の本気をどんなものと予想いたしますかね?多分正解する人はほぼいないんじゃないかと思いますね(いたらすごい)