ドSとドMと召喚獣   作:迷単底

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「彼らは漢か、変態か」 by 明久

明久side

 

「うわ、こりゃ酷い」

 

「まさかこうくるとはのう……」

 

教室に戻ってきた僕たちが見たのは穴だらけの卓袱台にへし折られたシャーペンやぼろぼろの消しゴムだった。

 

「ヒドイね。これじゃあ補給がままならない」

 

「うむ、地味じゃが確実に点数に影響の出る嫌がらせじゃな」

 

「あまり気にするな。修復に時間はかかるが作戦に支障はない」

 

「あ、雄二」

 

その光景を見ていた僕たちの後ろから雄二が現れてそう言ってくる。

 

「だとしてもさ、どうして雄二は教室がこんなになっているのに気付かなかったの?」

 

開始直後から教室にいたはず雄二がこの妨害を見逃すはずがないのだが。

 

「協定を結びたいという申し出があってな。調印の為に教室を空にしていた」

 

「協定じゃと?」

 

「ああ。4時までに決着がつかなかったら戦況はそのままにして明日の午前9時に再開。その間は試召戦争に関わる一切の厚意を禁止するってな」

 

「それ、承諾したの?」

 

「そうだ」

 

「でも体力勝負に持ち越したほうがウチが有利なんじゃないの?」

 

「姫路と比那名居以外は、な」

 

その一言に僕は納得して頷く。姫路さんは病弱だし、天子は体力はないとは言えないけど、連戦すると疲れも出るだろう。でも天子なら『疲れてても大丈夫よ。むしろばっちこいね』とか言いそうで怖い……

 

「あいつ等を教室に押し込んだら今日の戦闘は終了だろう。そうすると作戦の本番は明日になるな」

 

「そうだね。この調子じゃあ突っ切るのも不可能かな」

 

「その時はクラスの戦闘力よりも姫路や比那名居たちの戦闘力が重要になってくる」

 

「だから受けたの?天子や姫路さんが万全の態勢で勝負できるように」

 

「そう言うことだ」

 

だけどおかしいな……。わざわざこちらが有利になり、こちらの態勢を整えさせるような協定なんて結ぶわけがないのに……。姫路さんが病弱というのはあっちも知ってるだろうからできるだけ消耗させたいはずなんだけどな……

 

「明久。とりあえずワシらは前線に戻るぞい」

 

「……ん?ああ、そうだね。あっちでも何かされてるかもしれないし」

 

「シャーペンや消しゴムの手配はこっちでしとくぞ」

 

手を上げる雄二に背を向けて僕と秀吉は廊下に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「吉井!戻って来てくれたか!」

 

前線に戻った僕(秀吉は別の方に向かった)を須川君が切羽詰った顔で出迎えた。

 

「ごめん、待たせた。でもどうしたの?そんなに焦った顔をして」

 

「かなり不味いことになった。島田が人質に取られた」

 

「な!?」

 

それってかなりまずくない!?島田さんは今は僕の部隊の指揮をしているはずだ。指揮をしている人物がいなかったら指揮系統がメチャクチャになるぞ!?

 

「おかげで相手はたった二人なのに攻めあぐねている。どうする?」

 

「…………そうだね。とりあえず状況を見たい」

 

「それなら前に来てくれ。敵はそこで道を塞いでいる」

 

僕は須川君に続いて人垣を抜けていく。

その先には確かにBクラスの生徒二人に人質となった島田さんがいた。

 

「島田さん!」

 

「よ、吉井!」

 

『そこで止まれ!それ以上近寄ると召喚獣にとどめを刺してこの女を補習室送りにするぞ!』

 

島田さんを捕えている生徒がそう叫んでくる。

このままではこちらの士気は大きく下がる。では攻め込んだらどうなるか?島田さんは補習室送りだがそれに伴いBクラスが2人一緒に補習室送りにできる……

 

カチャリ

 

僕は無言でガンブレードの銃口を相手に向ける。ま、この距離なら撃ちぬけるだろうし、かわされて島田さんに当たってもさして問題ないだろう。

 

『ま、待て吉井!』

 

すると相手は待ったをかける。

 

『こいつがどうして俺達に捕まったと思っている?』

 

「馬鹿だから」

 

「殺すわよ?」

 

正直に自分の思ったことを言ったら島田さんに全力の殺気を向けられる。そんなんできるなら今すぐ逃げれるでしょ。現にBクラスの二人もビビってるし。

 

『こいつ、お前が怪我をしたって偽情報を流したら部隊を離れて一人で保健室に向かったんだ』

 

「え?島田さん……」

 

「な、なによ」

 

胸無しか……もとい心なしか島田さんの顔が赤くなっている。

 

「怪我した僕にとどめを刺しに行くなんて君は鬼か!」

 

超弩級のドSの幽香でもそんなことしないぞ!!

 

「違うわよ!ウチがあんたの様子を見に行っちゃ悪い!?これでも心配したんだから!」

 

「えー……普段から殴ろうとしてきてるのに……説得力ゼロだよ?そのセリフ」

 

「うっさい!!さっさと助けなさいよ!」

 

「はいはい」

 

さて、アレでも仲間だし大事な戦力だから上手く当てないようにしないとな……

 

「瑞樹のパンツ見て鼻血出したって聞いて心配したんだからね!」

 

「さて運ゲーを始めようか。十発の弾丸をテキトーに放つから三人とも頑張って避けてね」

 

「「「「おい!?」」」」

 

そう言うと後ろから一斉にツッコミが入る。うるさいなー……

 

『なんでここに来て運ゲーなんだよ!?』

 

『ちゃんと討ち取れやぁっ!!』

 

「てか三人ってウチも入ってるでしょ!」

 

「はっはっはっ。当然じゃないか。後ろに下がった僕が前線にいた姫路さんのパンツを見れないことすら分からないの?てか姫路さんのパンツが見えてたなら周りにいたウチのクラスメイトたちも使い物にならなくなるじゃないか」

 

『『『『否定はしない』』』』

 

僕の後ろにいたクラスメイトたちは一斉に首肯する。男らしいのか変態なのかよくわからないな……

 

「じゃ、ゲームスタートだ!!」

 

そう言って僅か数秒の内に十発の弾丸を放つ。そしてその結果は……

 

 

 

 

 

 

『2ーB 鈴木次郎 DEAD』

 

『2ーB 吉田卓夫 DEAD』

 

『2ーF 島田美波 2点』

 

ちっ、島田さんだけが生き残ったか……

どうやら弾丸がかすったようだな……

 

「戦死者は補習ーーっ!!」

 

『『ギャアアアッ!!』』

 

相変わらずどこからか出てきた鉄人によって戦死した二人は連れ去られてしまう。生きて帰れるだろうか……

 

「さて、じゃあ僕は前線に戻るよ。島田さんは補充試験受けてきなよ」

 

「その前に殴られなさい、吉井!」

 

「断る」

 

殴りかかってきた島田さんの拳を避けながらそう答える。いい加減じゃまだな……

 

「須川君、島田さんを本陣まで連れてっといて。その後前線に復帰してね」

 

「え、りょ、了解」

 

「すーがーわーーっっ!!放しなさああいっ!!」

 

島田さんはズルズルと本陣まで引きずられながら去っていった。さて、これで当面の危機(味方)は去ったな。

 

『明久ーっ!援護お願い!』

 

「ん、了解」

 

そして僕は天子に呼ばれた方向に向かっていった。

 

 

 




ちなみに姫路も天子も何かしら盗られてます。
天子のはとてつもなく下らないものですけどね!!
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