明久side
「それでは両者準備はよろしいですか?」
「……はい」
「問題ない」
「それでは第1戦目の方は出てください」
あれから色々と交渉はしたものの、結局一騎打ちは7戦やることになった。ちなみに1、3、5、7回戦の科目選択権は僕たちが、2、4、6回戦目は相手が取ることとなっている。
さらには負けた方が勝った方へ一つ命令ができるというおまけ付きだ
「よし島田、頼んだぞ」
「オッケーよ」
え?島田さん?勝てるとは思えないんだけど……
「雄二、なんで島田さんを?」
「まあ言っちゃ悪いが捨て駒だ。あとは相手に油断させるために出しておこうとおもっただけだ」
なるほどね……確かに島田さんは数学ならBクラス並だけど、Aクラスには勝てないだろう。
「勝者、Aクラス!」
やたらと早かったな……まあ予想どおりだったけど
「ごめん、負けちゃったわ……」
「構わん。次は秀吉だ、行ってくれ」
「うむ、承知した」
「へえ、秀吉が出るならアタシが出るわ」
そう言ってこちらからは秀吉が、相手からは姉である木下優子さんが出てくる。
「では科目を選択してください」
「英語でお願いします」
「それでは英語、承認します」
「「
さすが双子というわけか息ぴったりに召喚する。さて、秀吉は勝てるかな……?
英語
『2ーF 木下秀吉 68点』
VS
『2ーA 木下優子 375点』
あ、無理そうだこれ……点数差が6倍近くあるんだけど……
「それでは勝負始め!」
「さっさと終わらせるわよ、秀吉!」
そう言って木下さんは召喚獣を動かしてランスを突き刺そうとしてくる。
「そういえば姉上、
「なっ!?」
しかし秀吉のその言葉を聞いた瞬間に木下さんの召喚獣はピタリと動きを止めてしまう。
「いや〜、それにしても良かったのう。一緒なクラスに入れて」
「あんたねえ……!!」
「いやはや、毎日のように龍夜殿のことを話してきてのう。仲睦まじいようでなによりじゃ」
「秀吉いいっ!!」
お、なんか木下さんの召喚獣の動きがメチャクチャになってる。秀吉もいやらしい手を使うなあ……
「うむうむ、今回も龍夜殿に良いところを見せたいじゃろう?」
「そ、それはそうだけど……って何言わせるのよ!!」
「ほっほっほっ、今のは姉上が勝手に言ったのじゃろう?」
『2ーF 木下秀吉 68点』
VS
『2ーA 木下優子 237点』
おっ、点差が縮まってきている。
「ほっ、隙ありじゃ!」
そしてさらに秀吉が攻撃を加えて点差を縮める。これならなんとか……
「それにこの前の日曜なんか……」
ブチッ
「ヒデヨシ……アンタ死ニタイヨウネ……?」
あ、ヤバイ。木下さんがなんかヤバイ。
なんか言っちゃいけない言葉だったの?
「あ、姉上……?」
「クタバリナサイ。クタバリナサイ。クタバリナサイ」
なんかロボットみたいに同じこと呟いてるんですけど!?
「ちょ、これは……」
あ、秀吉が守勢に回り出した。もうこりゃダメかな?
「クタバリナサイ。クタバリナサイ。クタバリナサイ……クタバレエエエエッッ!!」
そして一際大きな声とともに放たれたアッパーパンチは秀吉の召喚獣を天井近くまで吹き飛ばしたのであった……
『2ーF 木下秀吉 DEAD』
VS
『2ーA 木下優子 119点』
「そこまで!勝者、Aクラス!」
「クタバレクタバレクタバレクタバレクタバレクタバレ……」
「あ、姉上!?いい加減に……」
試合が終わったというのに木下さんの止まる気配はない。ヤバイ、このままじゃ秀吉が……
「クタバレクタバレクタバレクタバレクタバレ……はっ!」
あ、正気に戻った。
良かったね、秀吉……
「秀吉、後でお姉ちゃんとオハナシしましょうか?」
いや、良くなかったようだね。秀吉は絶望に満ちた表情をしてるし……
「す、すまぬのじゃ……」
「あ、ああ、気にすんな。あれはしょうがない。うん、しょうがない」
雄二がそう慰めている。うん、あんな状態になってたんだもん。しょうがないよね
でもこれで二戦二敗か……厳しいね、これは
「それでは3戦目を始めます」
「………(スクッ)」
こちらからは出るのは保健体育の帝王、ムッツリーニだ。
「へえ〜、君が噂のムッツリーニ君なんだね。じゃあ僕が行こうかな?」
そう言ってAクラス側から出てきたのは緑髪のボーイッシュな女の子であった。
あんな子見たことないんだけど……
「初めまして、一年の終わりに転校してきた工藤愛子です。特技はパンチラ、好きな食べ物はシュークリーム、スリーサイズは上から78・56・79です」
なんか今この子変なこと言わなかった!?
いや、落ち着け……きっと隣にいる
「明久、今私をバカにしなかった?」
「……気のせいだよ?」
相変わらず幽香は勘がいいな……
「明久、今私を罵倒しなかった?」
「妄想に浸ってないでさっさと試合見ろバカ野郎」
「そう、ありがとう」
うん、やっぱり工藤さんは少なくとも天子よりはマシだな
「じゃあよろしくね、ムッツリーニ君♪」
「……土屋康太だ」
「ムッツリーニ君でしょ?」
「…土屋康太」
「ムッ「土屋康太だ」あはは〜、じゃあ康太君って呼ばせてもらうよ」
何遊んでんだ、あの二人は……
「それでは、科目はどうしますか?」
「……保健体育」
「ムッツリ「土屋康太」ー二君、やっぱり自分の得意科目で来たね、でもボクだって保健体育は得意科目なんだ……もちろん、実技でもね♪」
そう言って工藤さんはスカートをチラッとムッツリーニだけに見せるようにする。
「……(ポタポタポタ)」
ムッツリーニ、何やってるのさ……
いや、しょうがないか?
「そっちの吉井君だっけ?君にも教えてあげようか?」
「いや、別に「吉井君にはそんな機会永遠に来ないので必要ありません!」「そうよ!必要ないわよ!」酷くない?二人とも」
姫路さんに島田さん、僕だって頑張ればきっと……無理だな。
「じゃあ私は明久に教えてもらおうかしら?教材は明久のベッドの下の本で」
「おい天子!?何ヤバげなことカミングアウトしちゃってんの!?」
一応僕のトップシークレットなんだけど!?
「じゃあ私も教えてもらおうかしらね。教材は明久の本棚の裏に隠してある本で」
「幽香まで!?てかなんで知ってんの!?」
本気でエロ本の隠し場所変えないとな……
「外野は黙っていてください」
「「「「ハイ……」」」」
高橋先生に怒られて僕たちは黙り込む。まあこれで僕のトップシークレットの情報はシャットアウトできたし……
「そろそろ開始してください」
「はいは〜い、じゃ
「……
そして2人の召喚獣が姿を現わす。ムッツリーニは忍者装束に小太刀二刀流、対する工藤さんは……
『な、なんだあのバカでかい斧は!?』
『あんなので斬られたらひとたまりも無いじゃないか!』
工藤さんの召喚獣はセーラー服に身の丈ほどもある大斧、しかも腕輪までついている。これはさすがのムッツリーニでも厳しいか?
保健体育
『2ーA 工藤愛子 418点』
「それでは試合開始」
その宣言と同時に工藤さんは腕輪を発動させ、武器に電気をまとわせる。
「実践派と理論派、どっちが強いか見せてあげるよ!バイバイ、ムッツリーニ君」
『『『『ムッツリーニ!!』』』』
そしてそのまま飛びかかり、斧を振り下ろす。
しかし……
「……加速」
ズパッ
「え?」
ムッツリーニが何かつぶやいた後、何かが切り裂かれる音がする。
そして……
「……加速終了」
そしてムッツリーニがその言葉を発すると同時に工藤さんの召喚獣が倒れ、2人の点数があらためて表示される。
保健体育
『2ーA 工藤愛子 DEAD』
VS
『2ーF 土屋康太 587点』
「勝者、Fクラス」
『『『『うおおおおっ!!』』』』
すごい、あの点数は僕の全力使ってもあんなにいける教科は少ないぞ……
「そ、そんな……。ボクが保健体育で負けるなんて……」
工藤さんは膝をついて悔しがっている。そしてそんな工藤さんにムッツリーニが近づいていった。
「……機に止むことはない、工藤愛子」
「ムッツリーニ君……」
「……土屋康太だ」
慰めるつもりなのだろうけどこのままじゃ漫才になりそうだな……
「……俺に負けたのならまた俺に挑んでこい。今回は勝てたが次はお前が勝てるかもしれないだろ」
「……康太君」
「……フッ、やっと名前で呼んでくれたな。また戦えることを楽しみにしている」
「……うん、またねっ!」
満面の笑みで工藤さんがそう言い、その言葉を聞くとムッツリーニは何も言わずに背中を向けて手を挙げる。
どういうことだ!?ムッツリーニがカッコよく見えるぞ!?
「おう、お疲れムッツリーニ」
「ムッツリーニ、お疲れさま」
「……何てことはない」
そうクールに答えるムッツリーニ。今日のこいつは一味違うな……
「で、ムッツリーニはなんであんなこと言ったの?」
「確かにそうだな。アダ名呼びも頑なに拒否したりして」
「……特に意味はない。それよりも次は誰に行かせるんだ?」
あっ、分かりやすいほどに話そらしやがったぞ。さっきまでのクールさはどうした?
「ちっ、まあいい。そうだな次は……」
雄二は顎に手を当てながらそう答えたのであった……
今は一勝二敗、ムッツリーニが勝ったとはいえ厳しいな……
龍夜君は優子のカップリングのオリキャラです。
そのうち出てきますのでお楽しみに