ドSとドMと召喚獣   作:迷単底

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「ちなみに古典が最低点でした」 by 明久

明久side

 

「さて、相手は……君かい、久保君」

 

よりにもよって僕の相手は学年次席の久保利光君である。

 

「まあ風見さんからの指示でね。本当は僕が姫路さんの相手をするつもりだったんだけど、風見さんが相手をするからここに出てって言われてね……」

 

なるほどね……幽香は僕の苦手科目知ってるから、古典狙いで文系で学年次席の久保君を出してきたのか……

 

「科目を選択してください」

 

「古典でお願いします」

 

やっぱりか……

 

「はは、やっぱ僕の苦手科目で来たか……」

 

「悪いね、これも勝負だから」

 

「いいよ別に。それは僕たちも分かってるし。それに君が何の科目を選ぼうと僕の勝ちだよ」

 

「へえ……随分と自信たっぷりだね」

 

「うん、だって隠してたけど実は僕………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両利きなんだ」

 

『『『『『『いや、それ関係無いだろおおおおっっ!!』』』』』』

 

すごい、両クラスのほとんどの生徒の声が揃ってる。

 

『確かにすげえけどだからどうしたんだよ!!』

 

『テストには全く関係無いだろ!』

 

『久保君!そんなふざけた奴やっつけちゃえ!!』

 

おお……今度はすごい罵声

 

「静かにしてください。あと久保君と吉井君は召喚してください」

 

「すいません。試獣召喚(サモン)っ!」

 

そう言って呼び出された久保君の召喚獣は黒いローブに鎧をしていて武器は大きな鎌二つだ。

 

「じゃ、こっちもいくよ。試獣召喚(サモン)

 

そう言って僕も召喚獣を呼び出す。

 

「吉井君、悪いけど僕は今回古典が一番出来たんだよ」

 

古典

 

『2ーA 久保利光 423点』

 

確かに久保君の召喚獣の点数は高い。

だけどさ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『2ーF 吉井明久 468点』

 

全力の僕には、敵わないんだよ?

 

『『『『『『はあっ!!??』』』』』』

 

その表示された点数にみんなから驚きの声が上がる。正面にいる久保君も口を開けて驚いている。

 

『ど、どういうことだ!?』

 

『久保君より高いじゃないの!!』

 

『カンニングか!?』

 

「よ、吉井君、その点数は……」

 

「両利きだからね。両手で解いた」

 

さも当然そうに言う。ま、それだけじゃないんだけどね……

 

「だ、だとしてもそんな点数にはならないんじゃないのかい?両手で別々の事を書くなんて至難の技だよ」

確かにそれはそうだ。普通の両利きの人が僕と同じ事をやろうとしてもできないだろう。

 

「ま、それは僕のもう一つの特技、『並列思考』があれば問題ないのさ」

 

「並列思考……?」

久保君は首を傾げてそう聞いてくる。ま、そんなのには縁が無いだろうしね。

 

「簡単に言うと僕は思考回路が二つ以上あるんだよ。それを使えば僕の頭は倍の働きをする。そうすれば頭が二つに手も二つ、普段の倍の点数が取れるって寸法さ」

 

「そんなことが……」

 

「ま、信じるか信じないかは君次第だよ?ああ、ちなみにこれは補充試験でしか使わないと明言しておくよ」

 

「どうしてだい?それを使えば学年一位だって夢じゃないのかい?」

 

「ま、そうなんだけどね……」

 

正直言って補充試験でこれを使うことにすら抵抗があるんだけどね……

 

「理由は二つ。一つは疲れるから」

 

さっきは簡単に言って見せたけど脳も手も酷使するからかなり疲れるんだよね、これ……

 

「そしてもう一つの理由としてはこれを使うのは申し訳ないから」

 

「どういうことだい?」

 

「この技術ってのは普段の倍の点数を取れるだけで頭が良くなるわけじゃないんだよ。今回も僕は久保君より点数が上だったけど久保君より頭が良いわけじゃないんだ」

 

僕がやったのは無理やり体と頭を二つにしただけ。それだけなので頭の良さは変わらない。

それを使って良い成績を取ったら他のキチンと努力してる人たちに申し訳ないから、成績に関係のない補充試験でしか使わないと決めてるのだ。

 

「そうかい……、でもなんでここまで使わなかったんだい?少なくともBクラス戦の時には使えたんじゃ……」

 

「ま、切り札は最後まで隠しながらとっておくタイプだからね」

 

そっちの方が何よりも面白いからね

 

「それでは両者準備はよろしいですか?」

 

「構いません」

 

「いつでも」

 

「それでは……始め!」

 

その言葉により戦闘が開始されることとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いけど決めさせてもらおうかな」

 

さて、じゃあ早速腕輪を使わせてもらおうか

 

「天上輝く星々の光 光結びし星座の力 今、ここに集いて我が力と成らん」

 

僕はこの言葉を言いつつ腕輪を発動させる。ランダムと指定があるけど今回はランダムで良いだろう。

さて、出てきたオーラの色は……灰色、つまりは山羊座か……

これなら戦い方は……

 

「何かされる前に決めさせてもらうよ!」

 

そう言って久保君も腕輪を使って風の刃を飛ばしてくる。

 

「甘いね」

しかしそれを軽くジャンプしてかわす。

 

「そうくると読んでたよ!」

 

「おっ」

 

そう言うと空中にいる僕の召喚獣めがけて鎌を振ってくる。

しかし僕はその攻撃を空中を蹴って(・・・・・・)移動することでかわす。

 

「やるねえ」

 

「なっ!?今空中を蹴った!?」

 

「驚いてる暇は無いよ!」

 

そう言うと再び空中を蹴って真上からの飛び膝蹴りを決め、さらに回し蹴りをしてから着地する。

 

「ふふふ、これがこの状態の時の能力『空中跳躍』さ」

 

「空中……跳躍?」

 

「そ。空中にいる間は3回までなら空中を蹴って移動できるんだ。そして地面に足がついたりするとリセットされてまた3回跳べるようになる」

 

「厄介だね……なら!」

 

そう言ってまた風の刃を飛ばしてきたのでまたジャンプして避ける。

 

「ふっ!」

 

「また同じ手?」

 

そしてまた鎌を振り上げ攻撃してくるのでそれを空中を蹴ってかわす。

 

「まだまだあっ!!」

 

しかしもう片方の鎌で叩き落とそうとしてくるがまた空中を蹴ってかわす。あと一回しか跳べないし後ろに逃げておこう。

 

「ならこれでっ!!」

 

「ぬっ!」

 

そう言って今度は腕輪を使って風の刃を飛ばしてくる。これは避けるしかない

でも下に逃げても当たるだろうからここは……

 

「じゃあ前だ!」

 

あえて久保君の方へと逃げることで腕輪の攻撃を封じる。この状態だともう避けられないからね

 

「これなら当てられる!」

 

そして空中にいる僕に向かって両手の鎌で挟み込むように斬りつけてくる。さすがにこれは避けることも防ぐこともできないだろう。

 

 

 

ただしそれは普通ならばだ。

 

 

「残念」

 

「なっ!?」

 

その攻撃を体を回転させてガンブレードで弾く。さらにすぐさまその回転を利用して蹴りを放つ。

 

「ど、どうして……」

 

「さすがは学年次席、一度行動を見ただけで僕の動きをあそこまで予想するとはね」

 

本当に心底驚かされたよ。でもそれじゃあ僕を倒せないんだよね……

 

「ご褒美にさっき何をしたか教えてあげよう」

 

今度は召喚獣を走らせながら接近させる。

 

「ここならっ!」

 

そしてある程度接近したら鎌をコンパクトに振ってきて攻撃してくる。ギリギリ避けられるかどうかといったものだろう

 

「ほっ」

 

「なっ、また……」

 

しかしジャンプさせて、さらに空中を蹴って加速して飛び膝蹴りをお見舞いする。

 

「さっき僕は並列思考ができるって言ったよね?それを使ったんだよ」

 

「は?い、意味が……」

 

「分からないかい?だろうね。並列思考ができる人にしかできないことだからね」

 

僕は笑いながら言う。ま、これは結構疲れるんだよね……

 

「召喚獣は召喚者の意識を命令として操作されている。僕がやったのは操作命令の高速切り替えさ」

 

「切り替えだって?」

 

「そう、例えばさっきのは思考回路Aで『走って接近して攻撃』から思考回路Bの『ジャンプして攻撃』へと命令を切り替えたのさ」

 

「そんなことが……」

 

「そしてそれを瞬時に行えればあんな動きができるってわけさ」

 

「つくづく厄介だね……」

 

「そりゃあこれこそが僕の本当の武器だからね」

 

そう、僕の本当の武器は点数でも腕輪でもなく、磨きぬかれた操作技術とこの高速操作切り替えである。

そしてその操作切り替えを連続で行うことにより可能になる技、それこそが戦技である。

 

「さて、フィニッシュだ」

 

戦技 ー 穿ち削る雹(デリート・ハイル)

 

この技の操作組み合わせは『刺突』と『刺突』

同じ組み合わせだけどこれなら超連続での突きが可能だ。

普通にやって防御なんて間に合うはずかない。ジワジワと点数が削られるだけだ。

 

「くっ、これじゃあ……」

 

「はいトドメ」

 

そして一際大きな突きが久保君の召喚獣を貫く。

 

古典

 

『2ーF 吉井明久 438点』

 

VS

 

『2ーA 久保利光 DEAD』

 

「勝者、Fクラス!!」

 

そして高橋先生の宣言の後、一瞬静寂が生まれ……

 

『『『『うおおおおおおおおおっ!!!』』』』

 

『『『『うわああああああああっ!!』』』』

 

歓声と絶叫に教室が包まれる。

そういや今回の消費は腕輪の発動だけでダメージを受けてない。つまりは……

 

「完全勝利っ!!」

 

僕の完勝である。




いかがでしたか?他のSSとは違う明久の『強さ』のアプローチは

明らかに右手使って問題解いてる(挿絵、アニメ、漫画などで)のに左利きってことで両利きにして、さらには並列思考、というおかしなものをつけてみました

ちなみに並列思考が目覚めた経緯は

明久が勉強教えてと幽香に頼む

幽香が大量の問題集を机に置き「一週間で全てやれ。さもなくばコロス」と言う(ちなみに幽香は『とにかく数こなせばいいだろう』という考えだったので別に多少残ってても許してた)

しかし明久は本気にしてしまい、極限状態になるまで解き続ける

結果、並列思考と両利きに目覚め、全ての問題集を解ききる

って感じですね。ちなみにこれはバカ……もとい単純で純真で常識はずれな明久だからこそできたわけで、他の人物だとまずできないらしいです
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