明久side
「勝ったよ」
「明久お疲れ〜」
帰ってきて興奮冷めぬ様子のみんなをほっといて天子とハイタッチをかわす。
「明久、お前……」
「驚いたでしょ?これが僕の全力だよ」
「ああ、全くな」
そう言ってフッと笑いかけてくる雄二。これで勝った甲斐があったというものだ
「ちゃんと繋げたからね。次は雄二だよ。大丈夫なの?」
「大丈夫だ、問題ない」
どうしてだろう?こんなにも自信に満ち溢れている顔してるのに不安感が拭えないんだけど……
「じゃあ行ってくるわ」
そう言って雄二は前に出る。いよいよ次は雄二の番なんだけど……
そして霧島さんも前に出ていよいよ最終戦の準備が整う。
「それでは科目を指定してください」
「小学生レベルの日本史のテスト、上限ありの100点満点だ」
雄二のその言葉にAクラス側がざわつく。
「わかりました。それでは問題を用意しますので別室に移動してください」
そう言って高橋先生を先頭に雄二と霧島さんが教室の外に出る。
「明久、坂本って勝てると思う?」
「いや〜、正直言って心配なんだよね……」
雄二たちか試験を受けているなか、僕と天子はそんな会話をしている。
ちなみに他の人たちは問題文の出てるモニターに釘付けになっている。
『で、出てるぞ!!』
『よし、これで俺たちの机は……』
『『『『システムデスクだ!!』』』』
「あ、どうやら出たみたいだね」
「そのようね」
「明久」
「あれ、幽香どうしたの?」
そしてそこに幽香が近づいてくる。
「差し支えがなかったらでいいんだけど、そっちの代表はウチの代表にどう勝つつもりなのか教えてくれないかしら?」
「ん?まあいいけどさ」
別にあれはこの作戦限りのものだし教えても問題ないだろう。
「……そんな手で勝つつもりなの?」
「らしいわよ」
幽香は若干呆れながらそう言う。
「さっきFクラスが喜んでたのはそれだからなのね」
「ま、勝てるとは思ってないんだけどね」
「え、どうしてよ?」
天子は僕にそう聞き返してくる。幽香も口には出してないけどそんな顔をしている。
「だってさ、こんな手を使うって自信満々に言い出してる時点で
「いや、でも所詮は小学校の問題よ?」
「普段から勉強してないやつが油断している時点でもうダメなんだよ」
そしてどうやら採点が終わったようで点数がモニターに表示される。
《日本史限定テスト結果》
2ーA 霧島翔子 97点
2ーF 坂本雄二 53点
「ほらね?」
僕はモニターを指差してそう言った。
「……殺せ」
「いい覚悟だ。殺してやる!!」
教室になだれ込んだ僕たちは雄二を取り囲んでそんなことを話している。
ちなみに今雄二の胸ぐらを掴んでるのは須川君だ。
「あー、須川君。とりあえず雄二の腕を掴んどいて。僕の『再起不能キック』お見舞いするから」
「了解です」
「ちょ、明久!?さすがにそれ食らったら本気で死ぬ!!」
「うっさいよ。だいたい53点って何?」
「おれの実力だ!!」
「胸張って言うな!!」
「あぐっ!?!?」
そう言って軽めに股間を蹴りあげる。ふう、多少はスッキリしたな
「……でも雄二が、所詮小学生の問題と油断しなければ負けてた」
「でも油断してたから負けたんだよね、ウチのアホ代表は」
さっきの一撃で屍と化した雄二の代わりに僕が答える。
「……じゃあ約束していた命令」
「ま、こっちが負けたんだし常識の範囲内ならお好きにどうぞ」
その言葉にウチのクラスの連中がビクッと反応する。
『ムッツリーニ!何か手伝うことは?』
『照明ここでいいか?』
『レフ版はここで?』
『一枚いくらだ!?』
『手伝うから割引を……』
その言葉を聞いて何かの撮影の準備を始めるクラスメイトたち
君たちは一体何の期待をしてるんだい?
「……じゃあ雄二、私と付き合って」
「「「「は?」」」」
その言葉に撮影の準備をしていたクラスメイトたちの動きが止まる。
「お、お前まだ諦めてなかったのか……」
雄二が痛みに耐えながらそう言う。
「……うん、私はずっと雄二が好き」
おお……みんながポカンとした様子で霧島さんと雄二を見てる。
「……今からデートに行く」
「拒否権は?」
「……ない」
「雄二、負け犬に口なしだよ?黙って従っときなよ」
「くそっ、離せっ!あんな約束無効だああっ!!」
そう言いながら霧島さんに連行される雄二
そしてそれと入れ替わるように筋肉教師こと鉄人が教室に入ってくる。
「さて、Aクラスとの試召戦争お疲れであった」
「どうしたんですか西村先生?いきなり教室に入ってきてそんなことを言うなんて」
「なあに、我がFクラスの面子を改めて見に来ただけだ」
『ど、どういうことだ?』
『聞き間違い……だよな?』
鉄人の「我がFクラス」という言葉にみんながポカンとしながらそう言う。
「お前たちはよくやった。確かに勉強だけでは勝ち上がれないと証明してくれた」
しかし、とそこでそう声を荒げて鉄人は続ける。
「勝ち上がるにはやはり一定以上の学力はやはり必要だ!!貴様らをバカのままで居させるわけにはいかん!!」
ごもっともです、西村先生
「と、いうわけで俺がFクラスの担任となって貴様らをみっちりとシゴきあげることになった」
『『『『な、なにいいいっ!!』』』』
「差し当たって明日より毎日2時間の補習を設ける!」
『『『『理不尽だああああっ!!』』』』
いや、そんなことないと思うけど?
成績が悪いのは自分たちのせいなんだし
「とりあえず今日は解散だ!明日の補習を楽しみにしておけ。以上!」
そう言って鉄人は教室を出て行く。
「じゃ、明久。今日は暇なのよね?」
「え?どうしたの突然?」
近くにいた幽香がそう聞いてくる。
確かに今日はこの後はもう予定がないけど……
「いや、暇だったら明久に何か奢ってもらおうかな、と思ったわけで」
「え、なんでいきなり……ってそんな怖い目向けないでよ!」
睨まないで!えっと確か何かそんな約束は……
「あっ!そういやそんな約束してたね」
確か一緒にお弁当食べれなかった時のあれかな……
「そ。で、暇なの?」
「うん。特に予定はないからね」
「じゃ、私もついてっていい?」
「ん?天子も?」
「ほら、明久にはあの借りがあるでしょ?船越先生のアレが」
ああ、アレか……
「ま、いいよ。ただあんまり高いものはちょっと……」
「そういや新しいお寿司屋が出来たのよね?」
「他にもスイーツが有名なお店も……」
「話聞いてた!?」
今月本気でピンチなんだけど!?
「冗談よ冗談」
「もう、付き合い長いんだからそれくらいわかってよね」
そう言って幽香と天子は僕の腕を掴んでくる。
「さ、行きましょ」
「今日は食い倒れるまで食べ続けるわよ!」
そう言って僕の腕を引っ張ってる二人は笑顔で、とても楽しそうであった……
次回はオリエンテーション編
ストックが尽きかけてる……