シーーン
雄二の宣言の後、クラスのみんなは黙り込んでしまう。
それも当然だろう。普通に考えて
『いや、無理だろ』
『勝てるはずがない』
『これ以上設備を落とされてたまるか』
『姫路さんが居ればなにも要らない!!』
『天子さん!付き合ってください!』
最後の奴殺……黙れ
いやでも、反対するのも無理はないかもね
文月学園のテストは上限がない、1時間以内に解ければ何問でも解いていいからね。
つまり必然的にAクラスとFクラスでは点数差が激しい。
だけど雄二には何かしらの勝算があるのだろう
「そんなことない、勝てる、いや、俺が勝たせてみせる」
『無理に決まってんじゃん』
『そう言われても、なんの根拠もないしなぁ……』
ずいぶんと弱気だな……
「根拠ならある、このクラスには勝てる要因が揃ってる、それを今から説明してやる」
そして雄二は教室に目を張り巡らせてある一人の男子生徒を見る
「おい、康太。いつまで姫路のスカートを覗いている」
「……!(ブンブン)」
雄二が指摘すると、康太は慌てて体を起こして首を高速で左右に振る
「は、はわわ!?」
今更か……
「紹介しよう、この男こそかの有名な、寡黙なる性職者……ムッツリーニだ!」
『なに!?馬鹿な……奴がそうだというのか?』
『見ろ!まだ証拠を隠そうとしているぞ……』
『ああ、ムッツリの名に恥じない姿だ……』
「??」
姫路さんはわからないか
土屋康太、別名ムッツリーニ
本名はあまり知られてないが、この名前は全学年の全生徒は知っているだろう
男子からは畏敬と畏怖の念を込めて、女子からは侮蔑の念を込めて呼ばれている。
まぁ、名前の由来はムッツリスケベなんだけどね。
「姫路の事は皆その実力をよく知っているはずだ」
「え? わ、私ですか?」
「ああ、ウチの主戦力だ、期待している」
『ああ、俺たちには姫路さんが居る!』
『彼女ならばAクラスにも引けをとらない!』
『彼女さえ居れば、何もいらない!』
最後の奴誰だ?
「それに、木下秀吉だって居る」
「ワシもか?」
『演劇部のホープ!』
『あぁ、確か双子の姉が・・・』
『Aクラスの木下優子だっけ?』
「それに比那名居だって成績はAクラス並みだ!」
『おお……』
『そういやそうだった』
『天子さん!付き合ってください!』
最後の奴いい加減にしろよ?
「当然、俺も全力を尽くす」
『そういえば、坂本って小学生の時は神童と呼ばれてなかったか?』
『これならイケるんじゃないか!?』
「よっし!やってやろーぜ!!」
「それに吉井明久だっている!!」
シーーーン……
しかし雄二が最後に言った言葉により、教室の空気が止まる
雄二め、僕をオチに使ったな
『吉井、誰それ?』
『えーと、あれだよほら、あれあれ』
こいつらもう忘れたのか!?
一話経ったら忘れてるって酷くないか!?
「雄二、僕はみんなみたいに有名じゃないよ」
「そんなことないだろ?お前はなんてったって観察処分者だからな」
こいつめ……
『観察処分者?それって確かバカの代名詞だろ?』
『いや、問題児の代名詞だろ』
『いやいや、クズの代名詞だな』
酷い言われようだな……
隣の天子も珍しく若干怒ってるし
「ああ、だがこいつは教師の雑用で召喚獣を操作してきたから操作技術は学年一位だ。敵の足止めにこいつほど向いてるやつはいない」
『おお……それならいけるんじゃねえのか?』
『ああ!Aクラスにだって勝てるかもしれねえ!』
クラスメイトたちも納得してしまったようだ。
やれやれ、負けるのは嫌だけどAクラスとの戦争も嫌なんだよな……
本気出すと疲れるし
「よし!それならば野郎共、
「「「「「そうだーー!」」」」」
「よしいくぞてめえら!」
「「「「「おおーーっ!」」」」」
そうして僕たちはまずDクラスに試召戦争を仕掛けることとなった。