明久side
「おはよー」
『『『『死ねえええっ!!』』』』
「え、何いきなり!?」
Dクラス戦の翌日、僕は教室のドアを開けると多数のクラスメイトに殴りかかられる。
「ちょ、どうしたのみんな!?」
『黙れ異端者!』
『朝から女子二人をはべらかしながら登校しおって!』
『ヒャッハーーーッッ!!異端審問の時間だああっ!!』
なるほど……確かに今朝も天子と幽香と一緒に登校したけどさ……
それだけで嫉妬っておかしくない?
「とりあえず……邪魔」
『ぐえっ!?』
『『『『ぬごおっ!?』』』』
教室に入るのに邪魔だし一番近くの奴を適当に集団に向かって投げ飛ばした。
ほとんどの生徒を巻き込むことに成功して怯んでいる。
「明久、とおしてくれません?」
「ああ、ごめんごめん」
そう言って後ろの天子に道を譲る。
すっかり忘れてたな……
じゃあ僕もそろそろ席に……
「死になさい、吉井!」
「おっと」
席に着こうとしたところで島田さんが殴りかかってきたので首を傾けてよける。
「危ないじゃないか。いきなり殴りかかってくるなんて非常識だよ」
「うるさいわよ!黙って殴られなさい!」
「断る。殴られる理由がないからね」
「じゃあ、あんたは殴られる理由があれば素直に殴られるっていうの?」
「それが正当な理由だったらね」
「私はいつでもウェルカ…」
「でも理不尽な理由なら殴られないよ」
天子の相変わらずの爆弾発言を遮ってそう言う。
天子……空気読んでよ……
「理由ならあるわよ!他の女子にセクハラしようとした罰よ!!」
「そうですよ、吉井君……」
そう言って姫路さんまでが近づいてくる。本当なんなんだよ……
「じゃあ聞くけど僕が何したっていうの?」
「昨日比那名居と風見を保健室に連れ込んでたでしょ!」
「そうです!その時にエッチなことしてたんです!」
『『『『何いっ!?』』』』
「いや、その時僕気絶してたんだけど……」
それにあれってどっちかというと天子と幽香に連れ込まれたようなもんだし。
「その後にセクハラでもしてたんでしょ!」
「そうです!そうに決まってます!」
『『『『吉井を殺せええっ!!』』』』
そう言って向かってくるいつの間にか覆面集団になったクラスメイトたちに姫路さんと島田さん
「さっきから……うるさい!!」
いい加減うるさいので近くのクラスメイトに飛び蹴りをかます。こうなったらとことんやってやるよ!!
「そっちがその気なら上等だ!!全員まとめてかかってこいやぁ!!」
『『『『生きて帰れると思うなよ!!』』』』
「吉井!覚悟なさい!」
「吉井君!オシオキです!!」
その言葉とともにFクラス内の死傷戦争(誤字にあらず)が始まった。
「ふう……ざっとこんなもんかな」
そう言って僕は倒れ伏すクラスメイトを見つめる。あの後僕は襲い掛かってきた全員を投げ飛ばし、蹴り飛ばし、殴り伏せた。幽香の暴走を物理的に止めるよりも簡単だ。
あ、ちなみに島田さんと姫路さんは女子なので足引っ掛けて倒しただけだよ?
『『『『ううっ……』』』』
「これに懲りたらもうしないこと。いいね?」
『まだだ……まだ俺たちは戦える!』
『そうだ、俺には……俺たちにはやるべきことがあるんだ!!』
『そのためだったら何度でも立ち上がれる!!』
「そうよ、ウチだって……」
「私も……まだいけます!!」
そう言って立ち上がってくるクラスメイトたち。
これだと僕が悪役に見えるんだけど……
「おいおい、お前ら落ち着け」
そう言って今まで傍観していた雄二が前でパンパンと手を叩く。
『何だ坂本!止めんのかよ!?』
『お前は吉井を処刑したくないのか!!』
『殺らせてくれよおっ!!』
そう言って懇願してくるクラスメイトたち
なんでうちのクラスはこんなんばっかなんだよ……
「落ち着け、俺だって明久を処刑したいと思う気持ちはお前らと同じだ」
なるほど、代表がこれならクラスメイトがアレなのも納得だ。
いや、ダメなんだけどね?
「だがこいつへの処刑はもうすぐ半自動的に始まる」
『どうゆうことだ?』
『え?何かあんのか?』
そう言ってくるクラスメイトを落ち着かせながら諭すように雄二は語りかける。
「実は一時間目の数学の補充試験の監督の教師なんだが……」
あ、嫌な予感が……
「船越先生なんだと」
「さらばだっ!」
『『『『逃がすかあっ!!』』』』
一瞬で入り口に回り込まれた!?
チッ、なんでこんな時は連携がすごいんだよ!
『吉井ぃ……ちゃんと補充試験は受けろよ?』
『絶対逃がさねえぞ……』
『人生の墓場へと送ってやらあっ!!』
くっ、こうなったら頼れるのは天子と秀吉だけだけど……秀吉は部活の朝練でいないし……
(天子、ヘルプ!ヘルプ!)
(……貸し一つよ?)
(オッケー!)
天子にアイコンタクトで素早く会話して救援を求める。
この際貸しの一つや二つ、安いもんだ!
(じゃあ船越先生は私がどうにかしとくわ。あんたは座ってなさい)
よし、これでなんとかなる……はずだ
「はい、そろそろ数学の補充試験を始めますので席についてください」
そしてそこで船越先生がFクラスに入ってきて着席を促す。そしてクラスメイトたちはニヤニヤとこちらを見ながら席に着く。
「えー……それで吉井君、昨日呼び出した理由ってのは……」
いきなりきたよ!!
どんだけ結婚願望強いんだ、この人!?
「あ、それなんですが私から説明させてもらってもいいですか?」
「どうしたんですか、比那名居さん?」
「実は昨日は明久……吉井君を通してうちの独身の使用人を船越先生に紹介しようと思ってたんですよ」
「!?ほ、本当!?」
そういや普段はそうは見えないけど天子って良家のお嬢様だったな……
当然使用人の一人や二人くらいいるっけ
「はい、詳しいことはまた今度話しますので……」
「分かったわ」
そう言って船越先生は納得してくれたんだけど……
(天子、いいの?そんな勝手なことして)
(いいのよ。適当に食事させて断らせればいい話だし)
(まあ、それもそうか……)
(それに怒られるのは私だしね。役得みたいなもんよ)
こいつ……何でこんな時まで……
狙ってやってるのか?
「はい、それでは数学の補充試験を始めます」
そして船越先生の言葉にハッとして前を向き、試験を受けるため気合をいれた
今回は本気出さないとな……
「うーん……、やっと終わったか……」
あれから数学を含めて四つのテストを受けて今は昼休み、やっとお昼の時間だ
「うーし、飯食いにくかー」
「どうする?また屋上で食べるの?」
立ち上がった雄二にそう聞く。ちなみに今日も僕はお弁当だ
「そうだな、また昨日のメンバーで屋上で食うか」
ガラッ
そして昨日と同じようにドアが開けられ、幽香が入ってくる。手にはお弁当を持っているようである。
「明久、今日は一緒に食べれるかしら?」
「雄二、大丈夫なの?」
もしまた作戦会議でもするなら遠慮してもらわないとな……
「あ、ああ、大丈夫だぞ……」
そう若干震え声で答える雄二。
昨日何があったのか本気で気になってきた……
「あ、屋上で食べるんだって。行こうか」
「分かったわ」
そう言うと僕たちはそろって屋上へと向かった
「じゃ、早速食べようか」
そう言うとみんなは弁当箱を開ける。
一応みんなにとられる分も想定して今日は多めに作ってきた
「あ、吉井君。昨日言った通り今日は自分でお弁当作ってきたので勝負してくれませんか?」
「ん?いいよ」
「あ、ありがとうございます」
そういやそんな約束もしてたっけ……
「で、お弁当は……」
「あ、これです」
「「「「おおっ」」」」
そう言うと姫路さんは弁当箱を開け、その中身にみんなが感嘆の声をあげる。
中身はおにぎりやエビフライ、ミートボールにポテトサラダなどお弁当の定番とも言えるおかずが詰まっている。
「おお、なかなかすごいね……。ちなみに姫路さんのオススメは何?」
「そうですね……、このエビフライでしょうか?」
「じゃあせっかくだしこのエビフライ貰うよ」
「あ、はい」
「いただきまーす」
そう言うと僕は口にエビフライを入れた
「っ!?あれ、ここは……」
「あ、明久起きたのね。良かったわ……」
「天子……」
なぜか目を開けると目の前に頬を僅かに染めた天子の顔があった。その後ろには空が見えるし、後頭部には何か柔らかくて温かいものがあることから、多分ここは屋上で天子が膝枕をしてくれているのだろう。
でもなんでこんな状況に?エビフライ食べてからの記憶がないんだけど……
「ああ、それなんだけど……」
「ん?」
そう言って天子は前方を指差し、僕もその方向を見てみると……
・何かをやり遂げた顔をしている幽香
・痙攣して倒れている姫路さんと島田さん
・怯えている雄二、秀吉、ムッツリーニ
……………………何このカオス
「……何があったの?」
「えっと……実は姫路さんのお弁当のエビフライにはなぜか硫酸が使われていて……」
…………は?
硫酸って……明らかに劇薬なんだけど……
「他にもミートボールには水酸化ナトリウム、ポテトサラダには硝酸、おにぎりには塩化ナトリウムが使われていたみたいで……」
「いや、塩化ナトリウムは大丈夫でしょ」
だって食塩だもんね
「それを聞いた幽香がブチギレて『食べさせてあげるわね♪』ってイイ笑顔で言って
「そ、そう……」
うん、さすが幽香。容赦も慈悲も何もないな
「あれ、でもそれなら姫路さんはともかく島田さんは関係ないんじゃないの?」
「あー……それなんだけどね……」
どういうわけか天子は顔を赤くしている。えっと……なんかやったっけ?
「実は明久がエビフライ食べて倒れた方向が私の方で……その、なんか押し倒すような形に……」
「え、えっと……それは、ごめん」
天子は幽香と違ってあんまり力がないし突然のことに押し返すようなことは無理だったのだろう
「で、それを見た島田さんが明久に殴りかかろうとしてきてそれにカチンときた幽香が……」
「オッケー、理解した」
うん、ほんと下らないなこれ
「あら、明久いつの間に起きたてたの?」
「おう、起きたのか」
「よかったのう」
「……無事でなにより」
他の四人も気づいたようでこちらに挨拶をしてくる。
「じゃあ明久も起きたし、処刑も済んだことだしお昼ご飯の続きにしましょうか」
「いや、この二つの死体(?)の処理が先だからね?」
結局、姫路さんと島田さんは保健室に連れていってからお昼ご飯は再開された……
タイトル見て甘々回だと思いましたか?ゆうかりんがデレたと思いましたか?
だが実際はUSCが降臨しただけでしたね
読者の皆様の予想が外れていると信じますね