【完】ACE COMBAT SW ‐The locus of Ribbon ‐   作:skyfish

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はじめまして、Skyfishというものです。あらすじにも書きましたがこの作品は先にpixiv小説に投稿しているので遅れています。5話くらいもう出しているので続きが気になる方はそちらへどうぞ。

読んでおかしなところがあれば指摘していただくと助かり茄子 。これらの要素が嫌いな方、または文章に不快感を抱いた方は すぐに ≪イジェ―――――ヽ(0w0)ノ――――――クト!≫ してください


第0話「Unknown」

2007年5月19日 13:00

ノースポイント アレンフォート空軍基地

 

定時の周辺哨戒任務のため格納庫に置いてある愛機に乗り込む。

ピイィンという電子音が鳴り響き巨大な鉄の鳥が目覚めるのをコックピットから感じとりながら目の前の機器を操作してゆく。

そして自分の愛機F-22Aラプターを滑走路まで動かして基地管制塔の指示を待つ。

 

≪基地管制塔よりメビウス1へ。離陸を許可します≫

「メビウス1、了解。離陸する」

 

そうして彼、メビウス1は空へと舞いあがった。

 

≪メビウス1、高度制限を解除。メビウス2が上がるまで高度5000フィートで待機してください≫

「メビウス1、了解した」

 

短い通信を終えた後周囲を見渡した。

雲一つない快晴。北は島の山脈。南は水平線の先まで見えそうな青い海。

東は海岸線がつづき、西も同様で市街地を見下ろすことができる。

 

「……」

 

だが彼は市街地を見ないでその手前に広がる光景をただじっと見つめている。

正確には先の説明は少しだけ誤りがある。

基地と市街地の海岸線は途中で大きく寸断されている。そこには巨大な穴が開いており周辺は小高い丘のように盛り上がり、海水が流れ込んでさながら湾のように見えるが人の手が加えられておらずそこだけ他とは違い異様に空気が重く見える。

 

「(あれから今年で8年経つのに何も変わっていない…)」

 

メビウス1が見つめるそれの名はアンダーソンクレーター。

 

1999年7月8日 

地球のロシュ限界に突入した小惑星ユリシーズはバラバラに砕け、ユージア大陸に死と恐怖を降り注いだ。

 

ユージア大陸の各国家は大気圏突入前のユリシーズの欠片をさらに砕くために大陸中央の砂漠に「120cm対地対空両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲」隕石迎撃兵器ストーンヘンジを開発。効果はあったがそのすべてを破壊することはできなかった。

ユージア大陸には計8のクレーターが存在する。

 

これもその1つ。

そのクレーターの端には水没した残骸と廃墟が広がっている。

ここは旧市街地。当時の市街地の真横に落ちた隕石の被害によりそこを放棄。

離れた場所に新市街地を作り直し今はそこに人々が住んでいる。

 

メビウス1はクレーターの内側にある建設物の残骸を見続ける。

 

≪メビウス2よりメビウス1へ、離陸完了した。…おい、メビウス1?≫

「ん、ああすまん。少し考え事していた。メビウス1、これより任務を開始する」

≪珍しいなお前が考え事なんて。メビウス2、同じく任務を開始する≫

そうして2機は南の空へと飛んでいった。

 

 

 

13:30 アレンフォート基地より南沖合80km 上空8000フィート

 

≪メビウス1、この任務が終わったら何か食いに行かねえか?≫

 

任務中なのにメビウス2はそんなことを言ってくる。

まあ、自分も任務中なのに先ほどのことを考えれば人のことを言えないのだが。

 

「メビウス1よりメビウス2、それは帰ってから考えろ。あと、寿司を食べすぎるのはあまりよくない。舌が肥えて他が食えなくなるぞ」

≪うるせぇ、お前朝からあんな臭いもの食べやがって≫

「納豆まだ駄目なんだな。メビウス8は毎日食うが」

≪それはあいつの舌がおかしいんだ。俺はあんな食物認めないぞ≫

「お前が毎日食べてる発酵食品の仲間だぞ」

≪ヨーグルトはいいんだヨーグルトは≫

 

などと話していると通信が入る。

 

≪こちらスカイアイ。今は任務中だ。集中しろ≫

「すまんなスカイアイ、つい話込んでしまった。メビウス1、了解」

≪続きは帰ってからにするか。メビウス2、了k≫

 

だが、そのときコックピットの外が赤い光に包まれた。

 

「なんだ!?」

≪前が見えねえ!!≫

≪こちらスカイアイ。メビウス1、2、どうした? 何が起こった!≫

 

通信は生きてるらしく現状を報告しようとするが、光が消えた。

すぐに機器のチェックをするがすべて問題なし。

 

「こちらメビウス1、いきなり外が見えなくなったがすぐにもとに戻った。機器に異常なし」

≪なんだったんだありゃ。こちらメビウス2、こっちも同じだ、問題ない≫

≪そうか…ん? ちょっと待て≫

 

待つこと3秒。

 

≪方位150、距離120km、高度14000フィートに所属不明機がいきなり現れた。数は1、IFF応答なし。このままだとノースポイント領空に侵入する恐れがある。メビウス1、メビウス2は直ちに向かってくれ≫

「メビウス1、了解」

≪メビウス2、了解≫

 

2機は不明機のいる空域に急行する。メビウス1は回線を開き不明機に対し警告を行った。

 

「不明機に警告する。貴機の進路はノースポイント領空の侵入コースである。直ちに反転しろ。繰り返す―――」

 

「この警告に従わない場合、当方には貴機らを撃墜する用意がある」

 

交信を試みるが応答なし。ためしに別の周波数で更新を試みるが変化はなかった。

 

≪不明機の動きに変化なし。メビウス1、メビウス2、警告射撃を実施せよ≫

「メビウス1、了解した」

≪メビウス2、了解≫

 

AWACSからの指示に従い、1番機パイロットは最新のデジタル機器で構成されるパネルのそばのスイッチを入れる。

HUDの脇にある小型のディスプレイを見てある疑問を口にした。

 

「……機種不明? どういうことだ。故障か?スカイアイ、そっちはどうだ」

≪スカイアイよりメビウス1。こちらでも解析は続けているがわからない≫

≪なんだ、みんなそろって故障か?こっちでもアンノウンとしかでない≫

≪わかり次第、データリンクを通じて情報を送る。とにかく不明機への対処をしてくれ≫

 

わかり次第と言われたが、もう1分もしないうちにミサイルの射程内に入る。

再度、レーダーを確認する。映る光点は1つ。

 

「この速度…戦闘機にしては遅いな。旅客機か爆撃機か?」

≪確かに遅いな。でも旅客機にアンノウンはありえねえし、爆撃機にしても1機だけでしかも護衛機なし。なんだこいつ≫

 

不明機まで残り40km。ここでメビウス1が反応した。

 

「・・・タリホー。11時方向。やや低い」

≪メビウス2、こちらでも確認した≫

 

メビウス1が言った方向に小さいが黒い点が見える。

近づくにつれて徐々にその全容が明らかとなってゆく。

距離20kmで不明機の異様な形に言葉を失った。

 

「なんだこれは…」

≪気味が悪いぜ≫

 

それはおよそ飛行機とは似ても似つかない形をしていた。

大きさは大型旅客機の3機分、本体は三日月状の形をしており4つの垂直尾翼らしきものが確認できる。全体の装飾は黒なのだがところどころ真っ赤な点やラインがあり、それだけで禍々しさが伝わってきた。

再度警告をしようとするが不明機が赤くなるのを確認するのと悪寒を感じ動き出すタイミングは一緒だった。

 

「ブレイク! ブレイク!」

 

メビウス1とメビウス1の危機迫ったような声を聞いたメビウス2は即座に回避行動をとる。次の瞬間さっきまでいたところを赤い光が突き抜けた。

 

「…っ!!」

≪うおぉぉぉぉ!!?≫

 

緊急回避し、僚機の無事を確認する。

 

「メビウス2! 無事か!?」

≪当たり前だ! あの野郎いきなり仕掛けた上にレーザーとか、ふざけんな!!≫

「スカイアイ、不明機からの攻撃を受けた!レーザー兵器を搭載している。交戦許可を!」

≪交戦規定に基づく正当防衛と判断。メビウス1、メビウス2、交戦を許可する!≫

「了解! メビウス1、交戦(エンゲージ)!」

≪了解! メビウス2、交戦。ぶっ壊してやる!!≫

 

散開し、戦闘を開始した。

メビウス1は機体を旋回させて不明機と向きある形なる。

そして、メビウス2は上空から遅れて接近。

 

「メビウス1、FOX2」

≪メビウス2、FOX2! FOX2!≫

 

メビウス1が先にサイドワインダーを発射しコックピット部分と思われる場所を破壊。

続いてメビウス2も同様に不明機のど真ん中にサイドワインダーを撃ちこんだ。

 

爆発、不明機の正面と上部が大きく破壊されているのが確認できた。

 

≪よっしゃあ! ざまあみろ!≫

≪こちらスカイアイ、不明機の高度は変わらず直進している。≫

「なに?」

≪あれでまだ墜ちないのか!?≫

 

不明機のほうへ目をやる。2機はそれぞれ別の異常を見つけた。

ミサイルによって砕けた部分が光りながら徐々に小さくなっていく。

 

「こいつ…自分で自分を修復しているのか?」

≪エンジンが見当たらないぞ! どうやって飛んでんだ!?≫

 

メビウス1は不明機を睨み付ける。

レーザー兵器を積み、かつ被弾しても自ら修復する異形の化け物。

ふと中央、修復中の破損箇所で変なものを見つけた。

 

「(赤い…結晶?)」

 

メビウス1はそれを一瞬だったがはっきりと見た。

大きさは1mほど、球体のような形をしたルビーのように赤い結晶。

だがメビウス1にはルビー独特の情熱的な赤よりも血のような禍々しさに見えた。

 

「メビウス1よりスカイアイ、不明機の中央に妙な物体を確認した」

≪スカイアイよりメビウス1、2へ。こちらでも収穫があった≫

≪なにか分かったのか?≫

≪不明機の中心部に高熱源反応を感知した≫

「そこが動力源であり、弱点であると?」

≪断定はできないがその可能性が高い≫

「よし。俺が突入して動力部を破壊する。メビウス2は援護を頼む」

≪ウィルコ。まかせろメビウス1! あのでかぶつに目にもの見せてやる!!≫

 

2機は編隊を組みターゲットの後方上部から接近する。

 

≪食らいやがれ! FOX3FOX3!≫

 

メビウス2が中距離空対空ミサイルを放つ。不明機に向かって突っ込んでいくが、赤い光線により防がれてしまう。さらに2機に向けてレーザーを放つ。2機は回避。しかし、メビウス2の左尾翼に被弾した。

 

≪うお!『ジュウ』≫

「メビウス2、大丈夫か!?」

≪左の尾翼が溶けた! すまないが離脱する≫

「墜ちるなよ。あとは任せろ!」

 

そう言ってメビウス1は不明機へと加速してゆく。

不明機の攻撃は続いているがバレルロールと繊細な機体制御でレーザーを躱す。

 

「メビウス1、FOX2!」

 

ミサイルはそのまま直進し命中した。そして、赤く輝くものを確認する。

 

「見えた!インガンレンジ。ファイヤ!」

 

機銃を掃射。ターゲットは粉々に砕け散った。

不明機の上を交錯する。

不明機はこちらの機内からでも分かる鉄が軋む音をあげながら崩壊してゆく

 

「スカイアイへ、目標を破壊した」

≪目標の沈黙を確認した。よくやったメビウス1≫

≪イヤッホー!! さすが俺たちのエースだぜ!≫

 

味方からの称賛にわずかに頬がゆるむ―――――それは突然起こった。

 

「(ガタン!)ッ!?」

 

急に減速した時と同じような衝撃を受ける。もちろんそんなことはしていない。

すぐに機器をチェックするが正常、なのに未だ振動が続き大きくなっていく。

 

「くそ!  いったいどうしたんだ相棒!」

 

そういって自分の愛機に叫ぶ。

 

≪メビウス1、何が起こった?≫

「分からん! 機器はどれも正常だが振動が続いて――」

≪お・・・おい! あのでかぶつ縮んでるぞ!?≫

 

報告を受けてメビウス1は後方にいる不明機に目をやる。

先ほど破壊した場所、そこに黒い点が存在し周囲の空間が歪んでいる。

周辺の空気が吸い込まれているのが見て取れた。

 

「吸い寄せられているのか!?」

≪なんなんだいったいあいつは!≫

≪解析したがよくわからない! メビウス1、メビウス2は今すぐ不明機から離れろ!≫

「了解。逃げるぞ!」

≪メビウス2、了解!≫

 

フルスロットルで離脱を試みる。

 

≪メビウス1! なにをしている。早くスピードをあげろ!≫

「とっくにやっている!」

≪メビウス2、安全空域に到達した。メビウス1! 早くしろ≫

「くそ! アフターバーナー点火!!」

 

アフターバーナーに点火し、唸り声をあげるエンジン。

速度はマッハ2.4に到達する。しかし

 

「これでもだめなのか!?」

「機体が制御できない…! うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

F-22Aは制御不能となり吸い込まれてゆく。不明機にぶつかる寸前、激しい揺れでメビウス1の意識は停止した。

 

≪メビウス1! 畜生!≫

≪メビウス1、応答しろ!――――!――――!≫

 

命令違反と分かっていてもメビウス1の名前を叫ぶスカイアイ。

次の瞬間、白い光に包まれたあとそこには何事もなかったかのように平和な色をした空が広がっていた。

 

 




実はこの作品、エスコンssを読んでたら勢いで書いてました。知識なども中途半端ですのでご了承くださいm(_ _)m

自分の中で「あれ?エスコンの世界とストパンの世界、相性いいんじゃね?」みたいに思ったんですよ。

何かあればどしどし指摘してください。

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