慎二くん転生する   作:茶ゴス

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言峰シンジ

 化け物に殺されかけて目を覚ますと地獄だった。

 いや、別におかしくなったわけではない。見慣れない部屋で目を覚ましたら、包帯を巻かれた身体に添え木を当てられている肋。

 そして、真っ赤な色をした麻婆豆腐があった。それを見た瞬間自分の状況を理解した。

 

 僕はどうやら教会に保護されたようだ、そして麻婆豆腐の傍らにあったメモによると、僕はこれを食べないといけないらしい。

 食べなかったらどうなるかだって?そんな物、英雄王に殺されるだけだろう。

 

 よし、どっちにしても死ぬんだったら少しでも生き残るほうが高い方にかけよう。

 なに、岸波はこれ以上に酷いものでも食えていたんだ。それに、僕はまるごしシンジ君に似ているって言っていた。つまり、僕もあのバーサーカーの料理を食べれるってことだ。ただ辛いだけの麻婆豆腐が食えないはずはない。

 

 震える手でレンゲを持って見るからに辛そうに見える真っ赤な麻婆豆腐を掬う。

 

 

 

 よし、落ち着け僕。こういうのは一気に食べたほうがマシなんだ。幸いにもせめてもの慈悲なのかはわからないが、湯気の立っているお茶がある。これを用意した奴は鬼だと思う。

 

 か、覚悟は出来ているかい僕?なに?死にたくない?じゃあ食べなきゃいけないね。

 

 

 

 

 

 

 

 僕は今日2度死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、死んでたまるか!!」

 

「……まさか完食するとは思わなんだ」

 

 

 うぅ、口の中がヒリヒリする。少し涙目になりながらいつの間にか部屋にいる英雄王と言峰綺礼を睨む。

 何か楽しそうに笑う英雄王に不思議そうな顔をしている言峰綺礼。

 

 対照的な二人だけど、どっちも腹立たしい。

 

 

 でもまあ、助けてくれたのは事実だ。これには感謝しないと……

 

 

「シンジ……我はお前を見直した。貴様の覚悟、しかと見せてもらった。愉悦部平部員の称号を与えてやろう」

 

「いらないよ!なんだよ!愉悦部って!!」

 

「む?愉悦を味わうための部活だが?」

 

 

 なんだよ、愉悦って……いや、意味がわからないわけではないけど……

 

 

「因みに我は部長で言峰は副部長だ」

 

「部訓は他人の不幸は蜜の味、だ。覚えておくがいいぞ、少年」

 

「ほんとにあんたらいい趣味してるよ!!」

 

「そう褒めるでない」

 

 

 皮肉だよ!!

 ってなんで僕こいつらにツッコミを入れているのだろう。落ち着くんだ僕。僕はもっとクールだったろう?

 

 

「ああ、因みに少年。君の名前はこれから言峰シンジだ」

 

「いきなりすぎる!いや、何でかってのはわかるけども!!」

 

 

 間桐臓硯が死んで崩壊する僕は既に間桐ではいられないからだろう。だけど、まさか言峰だなんて……

 全く予想付けられなかったんだけど……

 

 

「うむ、我も玩具(シンジ)が来て道化ぶりを見せてもらうのを愉しみにしておる」

 

「……今変なふうに呼ばれた気が…って道化?」

 

「当たり前だろう、玩具」

 

「もはや隠す気がない!?」

 

「ふはははははは!!」

 

 

 本当にぶっ飛んでるんだけど!!

 この二人とこれからずっといなきゃいけないの!?

 

 

 僕死ぬんじゃないかな……あ、2回死んでたか。

 

 

 

 

 

「ああ、それと少年にはこれから1年間聖堂教会に行ってもらう」

 

「唐突!?僕小学生だよ!?」

 

「シンジ、貴様は阿呆の道化だが賢しい部類に入っておる。貴様なんぞ既にそこいらの雑種よりはマシであろう」

 

「悪い気はしないけどさ……その協会ってところで何をするんだ?…」

 

「少年、君には代行者となって貰う。なに安心するがよい。私も同行してその肉体をこれでもかという程に虐め(鍛え)ぬいてやる」

 

「何言ってんのさ!それにアンタ遠坂の師匠じゃないのかよ!」

 

「ふむ……気にするな、遠坂凛は優秀だ。それに師匠ではなく妹弟子だ。故に教える義務もない」

 

「アンタ最低だな!」

 

 

 何故か僕の罵倒に笑みを浮かべる言峰、この笑みはマゾヒストってわけじゃない。遠坂が苦しむのを楽しんでるんだ……こいつ、変態だ!!

 

 

「では行くぞ、既に飛行機は手配している」

 

「勿論、最高級のもてなしだろうな?」

 

「抜かりはない」

 

「ならばよい」

 

 

 やめ、まだ僕怪我治って無いんだぞ!!

 はなせ!!

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