コール・オブ・カンピオーネ!名状しがたき魔王様! 作:黑米田んぼ
そのため割りと不定期なので暖かい目でゆっくりとお楽しみください。
―――――人々は知らない、この世には人間には到底立ち向かう事が出来ない深淵の奥底に住む『邪悪』が存在する。
――――――しかし、
「はぁっ、うっ、ああ、はぁはぁ」
一人の声、声の主は少年だ。
全身を大火傷し、それも重度の焼死体になりそうなほどのであり。手足の2本が真っ黒の黒炭になっている。
側には一本の剣だ。その手の専門化であれば古代に使われた古刀であると分かるだろう、しかしながら時代と考えるとそんな物が作られたのか?とも考える。―――そして、そんな物が現代まで残っている物だろうか?とも思ってしまう。
『・・・まさか、人間ごときに』
声が聞こえる。本来は人間には決して聞こえるはずは無い。――しかし、少年にはその声は聞こえる。―――いや、聞こえてしまったと言うべきかも知れない。
―――本来ならその声を聞き精神が崩壊するほどのそれほどの差を少年と声の主との差が大きかった。
―――声の主は巨大な炎の塊だ。それが二つに分断されている。
――――本来なら決して勝てるはずは無い宇宙の深淵に潜む生きる炎。たかが人間の少年ではそれが現れて瞬間焼死体になっていただろう。もし、生き残れたとしてもその姿に恐れを抱き絶望し、精神が崩壊していただろう。もし、偶然少年が手に取った剣が普通の剣ならその剣ごと少年は無謀にも挑み、そして哀れにも焼け死んでいただろう。
―――しかし、そこに奇跡が現れた。
―――全ては偶然だ。――しかし、万にも満たない偶然が奇跡を引き起こした。
「フフフ、酷いざまですねクトゥグアさま?」
『貴様・・・ああ、また負けたのかそれも奴らでも無く、忌々しいあの混沌でもなくこんな人間風情に』
「それが人間なのですよクトゥグアさま何時の時代も常識をひっくり返して神々を屠る。ああ、何てすばらしいのでしょうこの世界で始めて生まれた新しい子」
炎の塊に話しかけるのはピンク髪ツインテールの少女だ。見た目はまだ幼さを残しているが艶めかしい『女』を体現していた。
「フフフ、苦しい?安心してその苦しみは新しい自分になるのよ新生のための苦しみなのよ」
「あっ、ああ」
『・・・ああ、感じるぞ我の魔力が小僧に流れているのを・・・クククこの光景奴が見たら腹を抱えて笑っているのだろうか?忌々しい。しかし、これが奴ならこれもまた一興と思うのだろうか?』
「はぁ、はぁ」
少年は徐々に呼吸を整えている。少年を『始まりの女』パンドラは少年に膝枕をしている。
それでもなお少年は炎の塊、旧支配者の一柱『クトゥグア』をにらめつけていた。
『ああ、何とすばらしい目だ。まるで火だ。敵を滅ぼすために挑もうとする狂信者の目だ。・・・なるほど貴様らがあれほどに敵視しているのが今なら分かる気がする』
「さあ、皆様!この子に祝福と憎悪を与えて頂戴!この世界に生まれた初めての神殺しに若くして救世主となり支配者となり地上に君臨する運命を得たこの子に、聖なる言霊を捧げて頂戴!!」
『我が身を殺した事を後悔せよ!この炎が人間には過ぎた物だという事を後悔して無様に死ぬが良い!!しかし、何としてもあの忌々しい混沌だけは決して負けるな!我が焼き殺す代わりに奴を焼き殺せ!!何時か世界の真実を知ったその時狂い死に屍を晒せ!!』
フォーマルハウトよりやって来る旧支配者は憎悪と宿敵の抹殺を託し世界から姿を消した。
こうしてこの世界に初めて神殺しが生まれた。
―――――こうして始まる。旧支配者を外なる神を旧き神を宇宙の真理を焼き殺す魔王の物語を