Fate/Zero【人間賛歌の魔王】 作:Red_stone
「私を忘れてもらっては困ります!」
青い左半身、赤い右半身のロボット──彼こそは
「超竜神! なぜ──」
「Gストーンが導いてくれた。私たちも戦います──同じ勇者として!」
「……超竜神」
「まずは爆発を消し飛ばす! イレイザーヘッド……射出ゥ!」
超竜神の半分ほどもある巨大な白い弾丸が打ち出され、ツァーリボンバーの威力がどことも知れぬ上方へと消えていく。
「仲間の力──なるほど勇者に相応しい。ならば、俺も応えよう! あんめいぞ──いまデェェウス!」
急段顕象……さらに己を強化する。そして。
「──終段・顕象──」
神を呼び出す。
「百鬼空亡!」
現れたのは堕ちた龍神。死と破壊の属性を持つ純粋な力の塊──龍脈そのもの。それは自然現象そのものの顕生であり……そして究極の形の災害そのもの。幸いにして、ここは夢界。この神を倒しても地球が滅んだりしない。
「オン・コロコロ。センダリマトウギソワカ──」
これには意志がない。あるのはただ皆殺しという方向性のみ。この神龍そのものと言える半ば腐った龍脈から百鬼夜行が自然発生し、そして龍神の怒りに震えてなりふり構わず逃げ出す。その通り道に何があろうと関係なく。
「六算祓エヤ滅・滅・滅・滅・亡・亡・亡ォォォ!」
腐った龍神は殺意のみを持ち、動き始める。
「……この数は抑えきれない……!」
超龍神だけでは対処しきれない。そこに、新たな声が響く。
「マイクもいるもんね!」
愛らしいマスコットのようなロボットが登場。
「……バリバリーンチェンジ! ディスク・オン!」
変身、そして、ギターを持ち、マイクで歌う。物質の固有振動数を解析することにより理論的にいかなる物質でも破壊できるソリタリーウェーブを放つ。
「ディスクX!」
百鬼夜行が崩壊する。しかし、百鬼空亡までは届かない。ソリタリーウェーブそのものを魔振で破壊している。
「この私もお手伝いします!」
紫色のロボットが登場した。
「──ボルフォッグ! お前も来てくれたのか」
「行きます! メルティングサイレン」
魔振を相殺する。
「まだ終わりじゃねえぜ!」
さらに、新たに風と雷を操る機械の龍まで登場する。
「──撃龍神!」
「唸れ疾風、轟け雷光!
雷と風の龍が堕ちた龍神を縛り付ける。
「勇気は、終わりなんかしないんだから!」
女性型のロボットだ。
「そう、あたしらの腐れ縁は切れちゃいないよ!」
「こんなところで倒れてもらっては困るな、勇者」
最後には、ガオファイガーすら超える巨大ロボットまで登場する。
「天龍神! ジェイアークにルネか! お前まで」
「「だあらっしゃあああ!」」
乙女とカップルの懇親のパンチが堕ちた龍神をぶっ飛ばした。
そして、その最後を見届けた甘粕は──
「……素晴らしい」
感動に打ち震えていた。これこそ真なる勇者の姿、仲間とともに危機を切り開いていく──その姿は正に甘粕の肯定する人間たる輝きだ。この光を見るために彼は魔王になったのだ。だから。
「見せてくれ。恐怖に! そして絶望にうち勝つお前たちの姿を──」
彼は更なる試練を課す。
「──
ここに極大の恐怖が現出した。其は邪龍──月をも飲み込む暴食の黒龍。その破滅的な咆哮と龍振は──
《ガアアアアアアアアアアアア!!!》
生命の魂を根底から揺り動かし粉砕する。
「──これは」
「なんだ、この気持ち──」
「……恐怖?」
「死にたくなってくる、ような」
「我々の戦いなど、しょせんは無駄なあがきだったと言うのか……?」
「勇気が──」
「砕かれる……ッ!」
神の力──Gストーンすらも凌駕する終末の力だ。9人の心の力は60億の絶望には届かない。
「そんなことはないよ」
「そうだ。僕らの戦いがここで終わるはずがない」
10人目、11人目の幼い声が届いた。傷つき、倒れてもなお──砕かれたガオファイガーの上に己の足で立っていた凱に手が添えられる。
「あなたたちには私たちがついている。それを忘れないで」
護、戒道、命──そして
「凱兄ちゃん、届けに来たよ」
「これは──」
新たな力。それは。
「……ファイナルフュージョン! ジェネシック・ガイガイガー!!!」
勇気の極限。創造を産む破壊神が誕生した。
「やっちまえ!」
「我々の未来を君に託す!」
そして、GGGからの声援。
「「「俺たちは──勇者だ!!!」」」
邪龍の恐怖を跳ね返した。
「ああ、ああ、ああ──もはや言葉にしようもない! だが、心は折れずとも、身体が砕ければどうなるかな!?」
甘粕の試練は止まらない。そもそも、こいつにはストッパーと言うモノが存在しないから、終わりがない。
「
永遠の過程──こいつは己が滅ぶまで、人の輝きを愛し続ける。ゆえ、災厄は元を断たねば終わらない。
「
次なる試練は最上位の破壊神──世界新生のため文字通りに“世界を平ら”にする極大の破壊である。金銀鉄の三都市を滅ぼした三ツ又の槍トリシューラを撃ち放つ。
「勇者たちよ──まさか、これだけとは思わんだろうな?」
そう、甘粕はこれだけやってもまだ止まらない。
「雷鳴る裁きよ、降れィ……雷──ロッズ・フロォム…………ゴォォォォッッッドォォォォ!!!」
衛星軌道上に千を越える戦略爆撃兵器を生み出し、核爆弾に匹敵する威力をまとめて叩き込む。
「手を貸しな、J、天龍神! 槍はあたしらが任された!」
諦めを知らぬもの──ルネが最初に飛び出す。
「まったく、その猪突猛進癖は何とかならないの? ──内臓弾丸X!」
「すべての力をこの一撃にかける。手を離すなよルネ、行くぞ。ジェイ・フェニックス!」
己と敵の全てを燃やし尽くす最終最後の兵器、さらに己自身を弾丸としてすべてのエネルギーを叩き込む究極の必殺技がトリシューラと相殺する。
「撃龍神と私で雷を受け止めます。マイク、お前はその間に全て消し飛ばせェ!」
ボロボロになって落ちて行く彼女らに続いて、仲間も。
「スーパーノヴァ!」
「
出力120パーセント。決死の力でわずかに拮抗状態を生み出す。最大出力を超える力で己の身すら滅ぼしながら。
「ディスクX!!!」
ソリタリーウェーブが神の雷を砕いて行く。しかし──
「っぐ。ぬおおおおお!」
「は。負けんじゃねえぞ、轟龍神──ッ!」
火花が散り、負荷が全身の神経回路を焼く。それでも倒れないのは──仲間を信じているから。耐えている間にマイクが雷を砕いてくれると信じて。絶大な負荷に膝も腕も砕けて、それでもなお立つ。だから、間に合った。
「負けないッぜ! 友達ががんばってるんだ──マイク一人で諦められない!」
指がボロボロになっている。それだけではない……身体が崩れかけている。絶大な威力を持つソリタリーウェーブは諸刃の剣。使えば自分さえも滅ぶ。
二度と立ち上がることのできない傷を負いながらも、ロッズ・フロム・ゴッドの威力を消し飛ばすことに成功した。
「──ほう」
本来なら、ロッズ・フロム・ゴッドが押し勝つはずだった。耐久勝負──これは相手が砕けるまで耐えられれば勝つ。単純に数と威力では優勢だったのだが……これも勇気かと甘粕はほくそ笑む。
意志のない弾丸に踏みとどまる勇気などないのだから。
「だが、これは止められんぞ? もうそろそろ完成する──ラグナロクが」
更に上……天上にて節操なしに召喚された神々が殺し合っている。そして、その殺し合いが発する余波が世界を滅ぼす。力を使い果たした勇者たちに勝ち目は──
「我々を忘れないでいただきたい!」
どこからともなく声が響く。透明化していた。
「この声……ボルフォッグか! どこにいる? 何を見せてくれる──ッ!?」
そういえば、ボルフォッグはこのせめぎ合いに参加していなかった。そして、ゴルディーマーク。なによりも凱が消えている。眼下に横たわる勇者たちは信じて託した、ということか。
「上だ!」
そう、ボルフォッグはすでに──姿を消してラグナロクの更に上、宇宙空間まで凱を運んでいた。先のせめぎ合いに負けていたら、彼らはそのままロッズ・フロム・ゴッドの威力で消し飛ばされていた。
「──それは!?」
甘粕はそこに鉄槌を見た。それは──ああ、なんと……
「でかいな。なるほど──それが勇者の器か。ああ、俺の器はこれほどに小さかったのか……盧生などしょせんはその程度……己の器のなんと矮小なことよ」
鉄槌は発動しかけている神々の黄昏ごと甘粕を叩きのめす──
「ゴルディオン・クラッシャァァァァァァ!!!」
ふ、と甘粕は微笑んで──
「なるほど。仲間が後ろにいるから戦える──日常があるからこそ、守るために立ち向かうことができる。安穏と生きる彼らこそが、お前たちを輝かせていたのだな……」
「そういうことだ。お前が一番弱い。誰よりも──お前が侮った“弱者”よりも。お前は弱い。だから耐えられなかったんだ、普通でいることに! 弱さという強さを受け入れる強さを持っていなかった!」
「くく。はっはっはっはっは! なるほど、面白い。確かに俺は弱い。お前の言う通りだ、そんな強さを俺は持てなかった。もっとも──“ここ”で倒れようと、俺は止まらん。輝きが日常の中でしか生まれなかろうとも……日常の中ではその輝きは星の光にかき消される。太陽よりもまばゆく輝いてもらうため、俺はどこにでも現れるぞ。勇者」
「──好きにしろ。俺たちの前に現れたら、また止めるだけだ。人々の平和を守るのが俺たちの仕事だ」
「お前は本当に素晴らしい勇者だ。だが、済まないな──俺はどうやら魔王失格らしい。お前たちを元の世界に帰してやることはできん。まあ、なんとか方法を見つけてくれ」
「そんなもの、心配されるまでもない。俺たちの勇気で未来を切り開くだけだ」
「ふふ。さらばだ、勇者──また会おう」
そういって、甘粕は満足そうに光の中へ消えて行った。
仲間が来た理由? 考えるな、感じろ。ということで。
最期がドタバタして原作知らないと誰? というような感じになったのが残念。自分の表現力の限界を感じます。一々描写してもだれるでしょうし……上遠野浩平くらいの表現力が欲しい。