神流朝海です。
前々から書こうと思ってた、史夜達の子供達のことについてのお話です。
こちらは本編“問題児と無から有を生み出す錬金術師が異世界から来るそうですよ?”のサブストーリーみたいなものなので、そちらを読まれてない方はこれを読まないほうがいいと作者は思っています。(多少のネタバレになります)
いえいえ、そちらを読んでる方にも若干のネタバレになるかもですが、そこは目を瞑って読んでいただければと。
ではでは、どうぞ
ある晴れた日のこと。
「ねえ、みんなで昔の父さんと母さんに会いに行こうよ!」
「お、それいいな!さっそく行くか!」
「えぇ、それって昔の父さんと母さんに迷惑じゃないかな…?」
「私も同意見なのだけど…」
「「えぇ(はぁ)!?迷惑に決まって(んだろ)るでしょ!」
「「わかってて行くの!?」」
「「もちろん(だぜ)!」」
元気な2人と、静かそうな2人がしゃべっていた。
「じゃあ、あいつらも呼ばないとな。俺、呼びに行ってくる」
「あ、待って!私も行くよ!」
そう言って元気な2人はコミュニティの建物に、“アルカディア連盟旗”とその他たくさんの連盟旗が飾られた本拠に入っていった。
「なんで2人ともあんなに元気なの…?」
「…私にもわからないわ」
取り残された2人は、小さくため息をつきながら、あの2人に呆れていた。
一方その頃、いつのまにかたまり場になってしまった某食堂には、金髪の姉弟がいた。
こちらは2人とも静かそうな雰囲気が感じられるが、実のところはどうだろうか?
「おーいお前ら!昔の父さんと母さんに会いに行くぞ!」
「ね、ね、2人も一緒に行こうよ!」
「えっと、それは向こうの父さんと母さんに迷惑じゃ…?」
「私もそう思うのだが」
「「そんなことは百も承知だ!」」
「「わかってていくの(か)!?」」
先ほどの2人のように呆れる金髪姉弟。
それに比べて尚元気な2人は、どうやら一番の問題児のようだ。
「となると、あと2人か」
「そうだね、あの2人の協力がないと少し厳しいし」
元気な2人は顔を見合わせ、にししと笑う。
「「…強制連行だな(ね)!」」
そして2人一緒に食堂を駆け抜けていく2人の背中を見ながら、呆れた様子で、それでも楽しそうに、
「昔の父さんと母さんかぁ」
「ふふ、私も会ってみたいな」
こちらも笑って言葉を交わしていた。
次いで活発な2人はこの建物の屋上に向かった。
屋上へ通じる階段を登り、扉を開け、屋上に出る。
そこには、どこまでも続く花畑が…って、おい!
「おいお前ら!本拠の屋上で何してやがる」
「うわぁ~!綺麗!」
「何って、もちろんお花を育てているんだよ!」
「ボクは空間を捻じ曲げるのを手伝ってるだけだけど」
コミュニティの本拠の屋上の空間を捻じ曲げてお花畑にするという発想は、おそらく誰にも浮かばないだろう。
それはともかく置いといて。
「これからみんなで昔の父さんと母さんに会いに行くって話しになってんだけど」
「それを2人にお願いできないかな~、なんて思って」
「「うん、いいよ~」」
「よっしゃ!じゃあ2人とも急ぐぞ!あいつらも待ってるからな!」
「ほらほら、さぁ行くぞ~!」
「は~い!」
「わかったよ~」
4人一緒に階段を駆け下りる。
建物の前の広場に出ると、そこにはもうみんなが集まっていた。
「「じゃあ、行くよ~」」
花畑にいた姉弟が言うと、辺りが眩い光りに包まれて、その光りが消える頃には、もう、そこに8人の姿はなかった。
「よ~~し、時空転移完了~」
「「よし、早速会いに行こう(ぜ)!」」
「「…はいはい、わかってるよ」」
「「ここが22年前の箱庭かぁ」」
「「そういえばまだ“ノーネーム”なんだったよね」」
「みんな、ギフトに変化はないか?確認しとけよ」
時間を越えてやってきたのだ。異常がないとも限らない。
各々がギフトカードを取り出し、確認する。
逆廻 一夜(さかまき いちや)
“測定不能(カウンタストップ)”
逆廻 十鳥(さかまき とうか)
“言ノ葉の賢者(カース・マスター)”
神川 史耀(かみかわしよう)
“生命の構築者(ゲノム・プログラマー)”
神川 明夜(かみかわ あや)
“虚無界の創造者(ゲヘナ・ロード)”
霧下(きりもと)・ティシ・ドラクレア
“吸血姫の手術(ヴァンパイア・オペレーション)”
霧下(きりもと)・ユイア・ドラクレア
“魔書の創作者(グリモア・クリエイター)”
御門 快明(みかど かいめい)
“軍神の親族” “時渡りの式”
御門 清海(みかど きよみ)
“祓魔の親族” “召喚士の眷属”
しかしまぁ、すごいメンバーだよな…
毎回この顔ぶれが揃うたびに俺はそう思う。
俺と十鳥の父さん、逆廻十六夜は、アジ=ダカーハを倒したし、母さん、逆廻飛鳥は“神殿構築(シュライン・クラフト)”を短時間で行うことができる。
史耀と明夜の父さん、神川史夜は無から有を生み出すし、母さん、神川耀はアルカディア連盟一の生物学者だ。
ユイアとティシの父さん、霧下結哉は魔法使いで、母さん、霧下・レティシア・ドラクレアは吸血姫。
清海と快明の父さんは、なんと驚き御門釈天だし、母さん、御門海晴は安倍晴明の子孫だ。
いくらポーカーフェイスが得意なやつでも、最初に配られたカードが5枚ともジョーカーだったら驚くだろ?
そんな感じの驚き具合だ。
「異常ないよ!」
一番最初に、元気な声をあげたのが史耀。
顔は史耀の父さんと母さんを足して2で割ったような感じだ。
ちなみに女子。
現在16歳にしてこの元気っぷりだ。
どうしたらあの静かそうな夫婦からこんな元気な子が生まれるのかが不思議だ。
ギフトも2人を足して2で割ったような感じで、生命の術式(プログラム)を組んで発動させる。
大体の生命なら具現化が可能だそうだ。
この前ドラゴンの子供を生み出していた気がする。
あ、あとグリフォンとかも。
「私もなし」
次に小さく声をあげたのが、明夜。
顔は母さんよりで、しかしギフトは父さんよりという感じ。
史耀とは双子で、同じく女子。
どうしたらこうも姉と性格が真反対になるのか気になるところだ。
虚無界(ゲヘナ)という世界を作り出すことができ、そこに悪魔や魔王を住ませて隷属させることができるらしい。あ、ちなみに悪魔王のサタンとは知り合いのようだ。
っていうかこの前、妖刀とか呪杖とか出してたな。そういう類のものも出せるらしい。
「私もないわ」
次に声をあげたのは十鳥。
顔はもっぱら母さん似。性格も母さん似。ギフトも母さん似とシンプルな感じだ。
それを言うなら、俺ももっぱら父さん似なんだけどな。
十鳥は詩や唄を詠って、その内容を具現化する、というものだ。
母さんの“威光”の、グレードダウン版でもあり、グレードアップ版でもある。
俺のは…あんま大差ない気がする。
「俺もOKだった」
次に声をあげたのはユイア。
きれいな金髪に少し父さんよりの顔で、若干ミスマッチな気もするが、これが案外似合っている。
ユイアのギフトは少し特殊で、“舞台創作(マップ・クリエイト)”や“試練創作(ゲーム・クリエイト)”といったホスト側の能力だ。
戦闘が出来ないわけじゃないが、正直、ギフトの力比べだけでいうと、この8人の中で一番下だろうと思う。
……頭脳戦なら8人の中で一番上だが。
「私も同様に、だ」
次に声をあげたのはティス。
こちらもまた綺麗な金髪で、顔は母さん似だ。性格も言葉遣いも母さんの影響を受けている。
ギフトは2人を足して2で割ったような感じで、簡単にいうと、魔法を使える吸血姫。
好きな飲み物はオレンジジュースらしい。
そこは普通トマトジュースとかそういうものだと思うのは俺だけか…?
「私もOKだよ!」
次に元気な声をあげたのが、清海。
顔も性格もギフトも母さん似といった、安部家の…何代目だっけ?
さらに驚くところは、“御門釈天”の血をひいているところだろう。
今現在“アルカディア連盟”で一番の召喚者であり、シュヴァルやリュートはもちろん、クロノスやインドラまで呼び出すことができる。
この8人の中で一番怒らせたくないやつだ。
「ボクも大丈夫」
最後に声をあげたのが、快明。
俺たちの世代では唯一、一人称に“ボク”を使っている。
どう考えても晴明さんの影響だろう。
顔は釈天さん似で、その血をひいているせいか、特異なギフトを持っている。
…ってなんで俺があいつらの自己紹介しなくちゃいけねぇんだよ!?
(いいじゃないか、一夜。このお話は基本一夜視点で書いていくつもりなんだからさ)
ん、そうなのか?じゃあ許してやる。
(いい感じに性格を受け継いだね)
にしし、本当だぜ。父さん並みに頭いいしな!
(笑い方は変わってるけどね)
気にすんな。これが俺らの笑い方だ。
「さっきからなにぶつぶつ言ってるの?一夜」
「あぁ、いや、なんでもねぇよ、史耀」
「…あ!?」
突然大きな声を清海があげる。
(ただでさえ大きいのに)
「どうした?清海」
「いや、お土産持ってこなかったなぁ、って思って」
「「あぁ!?」」
しまった。すっかり忘れていた。
勝手にお邪魔するというのに、土産の一つもないなんて失礼だ。
こういうときの最終手段―――
「現地調達でどうにかしよう!」
史耀が提案する。
そう、これこそが最終手段、現地調達だ。
まぁ、なんとかなるだろ。
「まだクリアされてないゲームがあるんじゃないか?20年以上も前だし」
「そうだよね!おもしろいゲームみつけてやろうよ!」
「はぅ…また厄介ごとにまきこまれるよぅ」
「私もそんな気がするわ…」
「ふふ、まぁいつものことだがな」
「俺は別に構わないぞ」
「私も!むしろやりたい!」
「ボクも」
満場一致。反対0。異議なしだな。
(若干怪しいのがあったが気にせずにいこうか)
「じゃあ、適当なギフトゲーム見つけて、その景品を土産にするってことでいいな?」
「「「「「「「それでいい」」」」」」」
「じゃあ、景品を取ったら念話で知らせろよ。ここに集合だ」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
「じゃあ行くぜ、誰が一番いい景品を取ってこられるか勝負だからな?」
「「「「「「「わかってる」」」」」」」
言い終えた瞬間、8人が走り出す。
そして自然と2人組みに別れ、ギフトゲームを探しにいった。
組み合わせは、
一夜 史耀。
十鳥 明夜。
ユイア 清海。
快明 ティシ。
時間はたっぷりある。
陽はまだ登り始めたばっかりだ。
8人はやらかしたと思うのですが、どうにかしてがんばりたいと思ってます。
本編のほうですが、原稿を起こしているときにちょっとだめな部分があったので、今修正中です。
もう少ししたらあがります。
問題とかありましたら感想までお願いします。
感想書いていただけたら嬉しいです。