東方 崩廻録 (完結)   作:ちゃるもん

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第弐章 探し物 諏訪編
神様戦争


んー

背伸びをする。

 

焔と別れた後俺は小さな洞窟で修行を始めた。先客がいたが愚痴を聞いたら出て行った。

それから多分四千万年ぐらい?その洞窟で暮して、仲間の大切さを悟ったよ。三年ぐらいまでは何とかなった。水も食料も酸素もどうにかなった。

でも、たった一つの存在が無くて俺の心は折れた。そう、『仲間』の存在である。

まあ、そのおかげで某生贄ゲーム?の魔法が完成したけど。

 

で、今は四千年ぶりに外に出てきている。

そこで見たものは

 

「ロリが戦ってるけど…なんで?」

 

周りを見たら武装した集団(大蛇が圧倒してるけど)がいることから戦争をしているのだろう。

どっちがこの土地の主なんだ?

近くにいた避難中の少年に聞いてみた。『早く逃げろ』と言われたがスルーだ。

少年いわくロリの方が『洩矢諏訪子』と言ってこの地を治めているらしい。

相手は大和の戦神『八坂』と言うらしく。今洩矢を圧倒している。金属を錆させる力を持つのか洩矢が持つ鉄の輪が崩れていく。

いちょ助けますかね。

二人はなにか話している。負けを認めて国を明け渡せとか言ってるのだろう。

 

「洩矢の最終兵器登場!」

 

その二人の間に割って入る。

 

『なんだ!貴様!』

『だめだよ!早く逃げて』

 

八坂は神力?を出して威嚇してくる、対して洩矢は俺を守ろうと前に出ようとする。そんな彼女からはほとんど力は感じられない。

 

「今は真面目に相手するつもりは無いからさっさと回れ右して帰ることをお勧めするが?大和の戦神様?」

『はっ!貴様一人になにが出来る!』

「ふーん、じゃあ強制的にお帰りいただこう」

 

手に霊力を集め弓の形を作り出す。

 

「洩矢俺の後ろにいろ」

『え?あ、うん分かったけど…』

 

それじゃあ

 

弦を持ち、矢が現れたのを確認し引き絞る。もちろん的は目の前の戦神だ。

 

「ばいばい」

 

矢を放つ。

矢は戦神を貫くことは無く(神力で守ったのだろう)地面を抉りながら吹き飛ばした。すでにその姿は見えくなっている。

あの様子だと死んではいないだろう。虫の息かもしれないが。

 

「うし、もう大丈夫だぞ」

「あ…」

 

洩矢は緊張が解けたのかそのまま気絶してしまった。どうすりゃいいのこれ?どの家か分からないんだけど。

山の中部辺りにある大きな神社が洩矢の家らしい。さっきの少年が教えてくれた。ただ泣いてお礼を言うのは止めて欲しい。

少年に別れを告げ神社に向かった。

 

side out

 

side ケロちゃ…洩矢

 

っく…!強い!でも…!

私はこの国の人達を守るためにも勝たなくちゃいけないんだ!

 

「洩矢の鉄の輪!」

 

私の持つ神具、本来は戦いに使うものではないけど…どんな物でも刈る事が出来る。

これで…!

私は鉄の輪を八坂に向かって投げる。数も一つではなく四つもあるんだそう簡単に避けられるはずが無い!

ハッキリと見えた八坂の口には笑みが浮かべられていた。

鉄の輪が八坂に当たろうとした瞬間。

 

「うそ……どうして…」

 

鉄の輪が崩れ去った…かろうじて一つは残っているものの錆が酷く、刃もボロボロになっており到底使える状態ではない。

 

「すまないな。私は金属を錆びさせる事が出来るんだ」

 

不適で、此方を嘲笑うかのような笑みを浮かべながら此方を見ている。

…もう…私に残された攻撃手段は無くなってしまった。

それでも…!

 

「うわぁぁぁ!!」

 

がむしゃらに八坂に殴りかかる。

 

「はぁ…そろそろ諦めたらどうだ?」

「ガッ!」

 

案の定避けられ背中を蹴られ、追い討ちの御柱で背中を殴られ地上に落とされる。

なんとか受身を取る事ができたが、体のいたるところから血が流れているのが分かる。

八坂に向き直おったら、八坂から「そこでだ」と話しかけられた。

 

「貴様が国を明け渡せば民の安全は保障しようじゃないか。もちろんお前の事も助けようじゃないか」

「そんなこと出来るわけ…」

「なら、私を倒して見せろ」

「それは…」

 

私はこいつに勝てない…民の安全は保証すると言っているのだ、なら私が諦めれば全ては丸く収まる。

私が決意を決め口を開こうとしたとき、私と八坂の間に一人の人間が出てきた。

 

『洩矢の最終兵器登場!』

 

何をしているんだこの人間は!?死にたいの!?

 

「なんだ!貴様!」

 

八坂がイラついた声を上げる。

だめだ!

 

「だめだよ!早く逃げて!」

 

くそっ!前に出ようとするけど上手く体が動かない。

人間は私を守るかのように立ち逃げる気配は見せない。

それどころか、喧嘩を売っている。

 

『今は真面目に相手するつもりは無いからさっさと回れ右して帰ることをお勧めするが?大和の戦神様?』

「はっ!貴様一人に何が出来る!」

『ふーん、じゃあ強制的にお帰りいただこう』

 

そう言った人間の手には霊力で作られた弓が握られていた。明らかに人間の域を超えた霊力の量…という訳でもない。

本当に何をしにきたのだこの人間は。

 

『洩矢俺の後ろにいろ』

「え?あ、うん分かったけど…」

 

元々後ろにいたので言うとおりにする。

人間が弓の弦を持つ次の瞬間…そこにあったのは全てを凌駕する一本の矢だった。

明らかに人間の持っている霊力の量じゃない!

その矢は解き放たれ八坂を穿つ。矢は八坂を貫通することは無かった。とっさに神力で防いだのだろう。

私は民が助かったのを理解し意識を手放した。

 

side out

 

side 彰人

 

少年に教えてもらった神社(家)に着いた。

洩矢を中まで運び布団を探すため不謹慎ながらも家の中を物色させてっ貰った。

今では布団の中で規則正しい寝息を立てている。

 

「ふぁぁ…」

 

ここ一週間ほとんど寝ていなかったせいか眠い…

今は日が沈み始めている時間、大体五時半ぐらいか?

…寝よ…

 

side out…zzZ

 

side 洩矢ケロちゃん

 

「なんか馬鹿にされた!?てっ…あれ?なんで家にいるんだろう?それにふと…ん!?」

 

なんであの人間が隣で寝てるの!?あっ、寝顔かわいい…じゃなくて!

 

「えっと、起きてーおーい起きろー」

 

全然起きない。ちなみに今は顔をつねっている。

 

それから人間が起きたのはお月様が真上に昇ってからだった。

 

side out

 

side 彰人

 

…どうやら爆睡していたらしい。今の時間は大体0時回ってないくらいか?

 

「あ、起きたんだね」

 

後ろから声が掛かる。後ろを振り向くとそこにはお盆を持った洩矢がいた。

 

「おはよう、いや今はこんばんはになるのか」

「どっちでもいいんじゃないかな?こんばんは。はい、お茶」

 

洩矢が苦笑いしながらお茶を渡してくる。

 

「ありがとう」

「じゃあ、まずは自己紹介からだね。私は『洩矢 諏訪子(もりや すわこ)』祟り神さ。まあ、好きに呼んでよ」

「おう、よろしくケロちゃん」

「ケロちゃんってなに!?」

「いやだって、帽子が…ねっ?」

「ねっ?…じゃぁなーい!」

「でも好きに呼んでくれって言ったじゃん」

「確かに言ったけどさ!他に無かったの!?」

「うーん・・・」

「考えないといけないの!?」

「よし!良いのがあった!ケロちゃんにぴったしのが!」

「お!」

「ロリ」

「却下で…なんで驚いてるのさ!?意味が分かるのかだって?分かんないけど…とにかく嫌だ!」

「じゃあ諏訪ちゃんで」

「…まあ…許そう」

 

諏訪ちゃんが「で、本題だけど」と続ける。

 

「で、貴方は何者?」

「鶴来 彰人。性別は男。年齢約26億7000万歳。種族は『異端者(ヒト)』件『不老不死』。能力も知りたいんなら教えるが?」

「ちょっと待って。色々処理が追い付いてない」

 

諏訪ちゃんが頭を抱え頑張っている。かわいいと思ってはいけない。

処理が終わったのかとてもいい笑顔で…

 

「あからさまな嘘を付くんじゃないよ!」

 

殴ってきました。嘘じゃないのに…イタイ…

 

「で?本当は?」

「本当なのに…」

「ありえないよね?26億7000万歳?不老不死?明らかに嘘じゃない!」

「でも本当だしなぁー。年齢は無理だが不老不死なら証明できるけどどうする?」

「証明ってどうやって?」

「こうやって」

 

手を手刀の形にして首元まで持っていき ズシュ 

ゴトッ 頭が胴体から離れ地面に落ちる。

 

「…え?」

 

ブシャぁ 首から噴出した血が諏訪ちゃんの体を汚す。そして胴体も地面へと前のめりに倒れた。

 

「…(パクパク)」

 

どうやらショックが強くて声が出ないようだ。

そしてここでネタバラシ。

胴体と顔が近づいていき引っ付く。傷は治りすでに血も出ていない。

 

「どうだ、これで俺が不老不死なのが証明されたろ?」

「・・・」

「あれ?もしもーし…返事がないただの屍のようだ」

「勝手に殺すな!え?生きてるの?でもさっき確かに真っ二つに…」

「うん。なったね。もう一回しようか?」

「全力で遠慮します」

「そう、じゃあ信じたってことでOK?」

「おーけーってのが何か分からないけど、信じるよ。さすがにあんな物を見せられたらね」

「とりあえずお風呂入ってくるね」

「一緒に入るか?」

「・・・」

 

諏訪ちゃんは部屋から出て行った。無視された…

戻ってくるまでに部屋を綺麗にしときますかね。

 

諏訪ちゃんが戻ってきたのはそれから二十分後くらいが経った頃だった

部屋をキョロキョロしているが部屋が汚れていないのが気になるのだろう。

 

「彰人が綺麗にしたの?」

「まあ、自分で汚したんだしそれが筋ってもんだろ。明日、明後日は多分安全だと思う。相手の実力者を一発で吹き飛ばした相手がいるんだからな」

「また急に真面目な話を始めたね…一つお願いがあるんだけど良いかな?」

「なんだ?」

 

諏訪ちゃんは膝をつき頭を下げる。土下座だ。

まあ、なにをお願いするかは大体は予想できるけど。

 

「私と一緒に民を守るために戦って欲しい」

「言わなくてもそのつもりだ」

「あり…がとうッ…!」

 

諏訪ちゃんはその言葉を聞いた途端泣き始めた。

今までも一人で頑張っていたんだな…

 

「諏訪ちゃん、明日さ大和に行こうか。取り敢えずは話し合いからだ」

「………分かった。でもその間にこの国が襲われないとは限らない」

「迎撃の対策なら諏訪ちゃんが風呂に入っている間にもう終わったぞ。諏訪の国の周りに罠を仕掛けた。これから三日間外に出ないように言ってもらえるか?」

「分かった。そのぐらいならお安い御用だよ!」

 

見ても無いのに信じるとは…別に手を抜いてるわけではないけど。

ちなみにわなの詳細は『敵意』っと名づけている魔法だ。一定範囲内に敵意を持つ存在が入ってきた場合焔をモデルとしたドラゴンの式が召喚される。このドラゴンは敵意を持つ存在のみを攻撃するように設定されている。

 

「ああ、それと諏訪ちゃんが使ってた鉄の輪貸して」

「いいけど…錆が酷くて使い物にならないよ?」

「いいから貸してみ」

 

諏訪ちゃんから鉄の輪を受け取る。確かに錆が酷いが『変化』で鉄の輪が錆が取れ刃も研がれている状況に『変化させる』。すると、錆びてボロボロだった鉄の輪は錆びも取れボロボロだった刃も元通りになった(正しくは新しい状態に『変化』した、なんだけど)。

あとは、鉄の輪が錆びの『変化』が起きないようにして準備完了なり! 

 

「良し、これで元通り。あと錆びないようにしたから。本当は他の三つも直してやりたい所なんだが直すためには触媒…つまり、直す物の何かが必要なんだ。すまんな」

「気にしないで。本当は一つも使えなっかったのが使えるようになったんだ。むしろ有り難いぐらいだよ」

「さて、明日は大和に乗り込むんだ少しでも長く寝ておこう」

「そうだね」

 

俺は敷いてあった布団に潜り込み瞼を閉じた。

なんか諏訪ちゃんが何か言ってるけど気にしない気にしない。

 

side out

 

side 諏訪ちゃん

 

え、ちょ

彰人が布団に潜り込んで眠り始めてしまった。それ自体は別に問題ない…問題ないのだが…

 

「この家布団一式しかないんだけど!?」

 

そう、この家には私しか住んでおらず、民も生贄を捧げに来る時ぐらいにしか来ない。故に布団は一つで事足りるのだ、今の状況を除けば。

 

「え?どうすればいいの?」

 

彰人を見ると人一人分くらいスペースが空いおり、枕代わりかと言わんが如く腕が伸ばされている。

・・・一緒に寝ろと?

いや、別に嫌いというわけじゃないけど…でも寝なきゃだし…床は嫌だし…

 

葛藤の末

 

「お、おじゃましマース」

 

布団に潜り込んだ。腕を枕代わりにして布団からはみ出さないように未着する。

私は恥ずかしさを隠すために瞼を閉じた。

 

「おやすみ、彰人」

 

明日は大和に攻め込むというのに安心して眠ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

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