朝の内に民達に話をし終わった俺達は大和へと向かっていた。
能力で大和付近まで飛んでもいいのだが、すでに進軍している可能性も有るので飛翔して大和まで向かっている。
それから十分程移動を続けて俺達は大和へと着いた。
「来たのは良いけどこれからどうすの?」
「もちのロンで」
『正面突破!』
俺は諏訪ちゃんの襟を掴み力が集まっている場所に向かって急降下する。
「え、ちょ!ちょょぉぉおおおッ!?!!」
ズガァアアンッ!!!
『な!何事だ!?』
おーおー煙で何も見えねぇW
天井ぶち破ってきたんだし仕方ないけど。
『貴様ぁ!此処をどこだと思っている!』
煙が晴れ一人がそう聞いてきた。
驚いている者の中には八坂がいる事から敵の本拠地なのが分かる。
「良かった…これで違ったらどうしようかと…」
「なにが良かっただよ!死ぬかと思ったよ!」
「それは悪かった」
「ホントだよ。まったく…」
『お久しぶりですね彰人さん』
この声は…お前か
「ああ、三千八百万年ぐらい前か?天照」
「そのぐらいですかね。で、今日はどうして此処に?」
「ちょっと話し合いにね。見て分かるだろう?俺は洩矢側だからな」
「……貴方が敵に回るのですか……勝てる気がしないのですが……」
「なら、引いてもらえるか?」
「此方にも引けぬ理由が有るのですよ」
「だよなぁー」
多分こいつ等の目的は信仰を獲られる土地を手に入れることと、日本を大和に統一することだろう。別に戦わない方法も有ることには有るのだが、そうしたらこいつ等は絶対に付け上がるのが目に見えてる。有利になるためには全力の大和との戦争に勝つ。これが一番手っ取り早い。最終兵器を出してもいいし。
なら、戦線布告と行こうじゃないか。
諏訪ちゃんにはあらかじめこうなる事は言っておいたので、目配せをしたら頷いてくれた。
「俺こと、『鶴来 彰人』と」
「『洩矢 諏訪子』は」
『『大和に宣戦布告する!!』』
「もちろん、受けてくれるよな?あと、前みたいに八坂だけとかやめろよ?天照なら分かると思うけど」
天照は何も言わない。
「それじゃあね~。行くぞ諏訪子」
「うん」
最後に天井の穴を塞ぎ帰った。
さて、最終兵器を呼んどくかね。
「諏訪ちゃん…勝つぞ」
「当たり前だよ!」
・
・
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あの日から一週間が経った。向こうも実力者を全員集めるのに必死なのだろう。
此方も準備は整った。最終兵器には俺の式と共に天照と八坂以外の全てを相手してもらう。諏訪ちゃんは八坂を、俺が天照を相手する。
民達は戦争が始まったら村から出ないようにと言っている。村から出なければ俺の能力で守れるからな。
次の日大和が進軍してきた。
見た感じ相手は数十万の軍勢、に対して此方の勢力は俺てと諏訪ちゃんに最終兵器(序盤に出る)+式(ドラゴン数頭)。
では早速最終兵器を切らせていただこう。
「いけぇぇ!!」
俺が声を上げると…
『ギャァァァ!!!』
数十万の軍勢の前に現れたのは一頭の赤い鱗を持つドラゴンだった。
ドラゴンは軍勢をその巨体で薙ぎ払い、炎で焼き払う。
大和の軍勢はすでにパニック状態になっている。この様子だと式は必要なかったかもな。
「すごいねあの子」
「ああ。俺よりも強いんだ当たり前だろ。それより、お出ましだ」
此方に飛んでくる二つの人影。
ガキィィンッ!
御柱で殴りかかってきたのを腕に霊力をまとわせ受け止める。
「いきなり随分なごあいさつじゃないか?八坂」
「貴様には借りが有るんでなぁ!ここで死んでもらうぞ人間!」
「俺が人間だったらどれほど良かったか…それに、お前の相手は俺じゃない。アッチだ」
ドガッ!
鍔迫り合い(鍔じゃないけど)をしていた八坂の体が横に吹っ飛ぶ。殴ったのは諏訪子。
「あたしを忘れんてもれちゃ困るよ!さぁ決着を付けようじゃないか!」
「ほざけ!」
ガキィンッガキィンッ!
「それじゃあ俺達も始めようじゃないか。なあ天照」
「そうですね。始めましょう」
天照は刀を構える。
「そうだな…久しぶりの再開なんだ俺の切り札の一つを
俺は右手で右目の位置まで持っていき
ぐちゅ
「がぁああぁあぁあ!!!」
ずるり
「はぁはぁはぁ…んっ…ふぅー」
痛みはすぐに引いていく。脳が危険だとシャットアウトしたからだ。
残った左目で天照を見るが目の前が赤く点滅しておりハッキリと見えない。
俺は右目を握った血まみれの右手を前に突き出し詠唱を開始する。
「ソノ刃は八ツノ首ヲ喰ラウタ穢レタ剣デアリ同時ニ希望を与エル剣ナリ」
「故ニ道ヲ創ル剣ナリ。我ノ右目ヲ喰ライテ此処ニ顕現セヨ」
『
「今此処ニ!我ノ勝利エノ道ヲ創リ出セ!」
右目を握っていたはずの右手には剣が握られていた。剣は肉のようなもので出来ており、刃の部分は肉とは思えないほど鋭く滑らかだ。そして最大の特徴としては柄の部分についている巨大な眼だろう。今俺はこの眼と視力を共有している少し不便だが後ろも見れるのは良いことだ。天照は剣に目が釘付けになっている。
聖剣にしろ魔剣にしろ人を魅せる力を持っている物だ。そして行き過ぎたらどうなるか……それはご想像にお任せしよう。
天羽々斬、スサノオノオミコトがヤマタノオロチを殺す際に使った剣の名前である。多分この剣が出てくるのはもう少し先になるのだろう。
「さあ殺り会おうか」
俺は天照に天羽々斬で突進する。
ガキィン!
「まあ、止められるわな」
一回……
「(くっ!重い!)}
「おら!どんどん行くぞ!」
ガキィガキィガキィンッ!!
「その剣……もしかして……」
「お?気づいた?」
「力の吸収……もしくはそれに似たものもですね」
「半分正解だな。教えといてやるよ。天羽々斬は八回しか攻撃できない。そしてその攻撃が当たらなければ当たらないほど力を溜める武器だ。7回後は……楽しみにしておくんだな」
ガキィンッ!
「なら全ての攻撃を避ければ良いだけのこと!クッ!(どんどん攻撃が重くなっている!)」
ガキィンッ!ズガアァァァ!!!
天照は俺の攻撃を真正面から受け止め地面を抉りながら吹き飛ばされる。
「俺がそれを許すとでも?」
天照との距離を一気に詰め剣を振り上げ一気に振り下ろすが ガキィンッ! 天照はそれを受け止める。
「?」
天照は不思議な顔をしている。
「だから言っただろ俺の切り札をの一つを
「まさか……」
天照の顔から血の気が引いていく。
「想像が出来たようで嬉しいよ。さあ、道を創ろうか」
剣の剣先を天照に向ける。天照は炎で受け止めようとしている。
さあ、詠唱を始めよう。
「七ノ穢レヲ喰ラウタ剣ヨ、八ノ穢レヲ喰ライ、今此処ニ我ノ勝利ヘノ道ヲ創リ出セ!」
天羽々斬が薄紫色のオーラを纏う
『
薄紫色のオーラを纏った天羽々斬を振り下ろす。
パッァァァンッ!!
薄紫色のオーラが一本の光となって天照を喰らい尽くさんと襲い掛かる。
天照の炎の壁を喰い千切り天照の胸、心臓の部分を貫く。
「まあ死にはしないから安心しろ」
「カヒューカヒュー…むし…ろ…このていど…で…かみが…しぬ…とでも…?ゴフッ……ハァハァ…」
まじか…死ぬどころか気絶すらしないなんて…!?
俺と天羽々斬は繋がっている。故に離すことが出来ない。さらに、天羽々斬のオーラは相手を喰らい尽くすまで消えることが無く、今から自分でオーラを消そうにも十秒程度掛かる。
天照はオーラを掴み、その体からは神力が溢れ出しす……そしてそこには神々しく輝く太陽が其処にはあった。
神力が…太陽が全てを払わんと神々しさを増す。
『せめて……一矢報いてみせる!!』
ああ……とんでもない奴だよ神って奴は……たく……油断大敵だな。
諏訪ちゃんは勝ったのだろか……そして
俺の体は蒸発した。
・
・
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・
目が覚めるとそこには涙を流している諏訪ちゃんの姿が。
「……勝てたのか?」
そう聞くと諏訪ちゃんは涙をゴシゴシと拭いて笑顔で答えてくれた。
「彰人の……おかげで……グスッ……勝てた……よ……ばかぁぁぁ」
最後に堪え切れなくなったのか泣いてしまった。
八坂を倒したのはお前の実力だ。もちろん口には出さない。
俺は泣いている諏訪ちゃんを抱きしめ頭を撫でる。
「心配かけたな、悪かった」
「……グスッ……ホントだよ……!いくら不老不死だからって……もう無茶しないで!」
それは無理な話だ。でも……
「分かった。出来る限り努力する」
「……ホントに?」
「出来る限りで良いんならな」
諏訪ちゃんは「分かった」と言って天照と八坂に向き直った。天照は上手く立てないのか八坂が肩を貸している。
「この戦は私達の勝ちだね。なら、敗者は勝者の言うことを聞いてもらうよ」
「分かりました」
「なら、諏訪の国を大和の国の一部にして貰う」
その後の話し合いの末決まったのは、
諏訪は大和勢力に入る。
戦に介入するかは『洩矢 諏訪子』が決める。
八坂を守屋神社の表向きの主神とする。
の三つである。
それと、この事は諏訪の国の民達には伝えるそうだ。
・
・
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・
あれから数百年年の年月が過ぎた。
俺は今でも諏訪ちゃんの家に住んでいる。
神奈子の奴、(八坂のことな『
にしても、長いこと諏訪ちゃんにはお世話になったものだ。色々な事があったものだ。
出てきたらいきなり殺し合いしてて、
神奈子をぶっ飛ばして、
戦線布告して、
天照を倒したと思ったら反撃されて負けた。
で、今現在、神奈子をふるぼっこ中。
「ほーらほーらどうした神奈子ちゃ~ん。あったてねーぞ」
「っく!これなら、どうだ!」
神奈子は御柱に神力を集めリーチを伸ばしてきた。
「リーチが伸びたな。でも、使えるの?」
俺がそう言った理由。それは、此処は室内だからだ。
ガスッ!
案の定天井に刺さっている。
「うぉおおおお!」
「ちょちょちょぉぉお!?」
こいつ!無理やり振り下ろしてきやがった!
「ふっ!どうだ」
一体なにが「どうだ」なのだろう。俺は掠ってすらないのに。
そして、上を見れば天井が無残なことに……直すの俺なんだろうなーアハハハ
「少しは俺の苦労を考えろやぁぁ!」
俺は神奈子の腹を殴る。手加減しないと仕事が増えるのが悩みだ。
「ぐふッ」
「ねぇこれ直すの誰だと思ってんの?一回や二回ぐらいならまだ良い、いや良くはないが、でもこれだ何回目だ?もう十回は優に超えてるんだぞ!それも1日でだ!もう勘弁してくれよぉ……めんどくさいんだよぉ」
『変化』で直すことは出来る。だがメンドクサイ。あれだ、他の人が使うキャラをひたすらレベリングするよう感じ。自分には得が無いのにやらされる、しかも、数百年間ずっと、毎日五回以上は何かを直している。その、殆どが神奈子のせいなのだ。
「あれか?お前は俺に嫌がらせをして楽しんでるのか?それとも、まだ数百年年前の事を怨んでるのか!?」
「いや……別に楽しんでるわけじゃ…」
「なら……壊すなよぉぉぉ!!」
「悪かった!私が悪かったから泣かないでくれ!」
「……今日はお前が自分で直せ。分かったな……グスッ……」
神奈子は分かったと言って部屋から出て行った。
俺は目を擦り涙の後を隠し、諏訪ちゃんを探す。
基本的に諏訪ちゃんは居間でゆっくりしていることが多いのでそこを目指す。
居間には予想通り諏訪ちゃんがいた。
「おー彰人どったの?今の時間は神奈子の奴と戦ってるじゃなかったけ?」
「神奈子が天井を壊したから後片付けさせてる。まあ、そんなことよりも、話が有るんだが時間、大丈夫か?」
「うん、今日は特に予定もないし大丈夫だよ。で?話って?」
「明日この家を出て行こうと思う」
諏訪ちゃんは驚いた顔をして問い詰めてくる。顔が近い……もう少しで唇と唇が重なるぞこれ。
「どうして!?私なにか彰人の嫌がる事した!?」
「違うから、もう少し離れてくれ」
「ご、ごめん……でも、どうして出て行くなんて」
「俺には俺の目的が有るんだ。分かってくれると有りがたい。でもまあ、永遠に会えないって訳でもないし、ちょくちょく帰ってくるよ」
「分かった……いつでも帰ってきていいからね彰人。待ってるから」
待ってくれている人がいる……か……
それだけの事なのに安心できるのだから不思議だ。
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次の日の朝、俺は諏訪ちゃんと神奈子、諏訪の国の人達に盛大に見送られた。超ハズイ。昔、一人暮らしをすると言って家を出て行くときに爺ちゃんと婆ちゃんに号泣されながら見送られた時ぐらいハズイ!
さて、どこに向かおうか……取り合えず諏訪の国の人に教えてもらった『妖怪の山』と言う所に行ってみようかな。
俺は足を前へと動かした。
俺は前に進むことが出来たのだろうか?