東方 崩廻録 (完結)   作:ちゃるもん

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妖怪の山編
妖怪の山


諏訪の国を離れ、俺は今妖怪の山を流れる川の下流にいます。妖怪の山につくまで天照が二度目の引きこもり事件を除けば何事もなく妖怪の山まで来れた。

とりあえず、この川を上って行こうと思う。あわよくば天狗に会って見たいものだ。

 

川を上り始めて五分程が経った頃、川魚を焼いています。いや、よくよく考えたら朝ごはん食べてないんだよねー。なので少し遅めの昼飯を食べようかな、と。

どんな味かなー、と、ちょっとワクワクしながら焼いているときにそいつはやってきた。

 

ビュオーン!

 

『そこの人間!此処は天狗の領地です今すぐ立ち去りなさい!』

 

風を纏ながら飛んできたのは1人の翼を持つ少女。

そして、彼女が通ったのは……

 

「俺の朝飯兼昼飯がぁぁぁ?!!」

『ちょっと?聞いてるんですか?』

 

俺の朝飯兼昼飯がぁ ガクッOrz 

はぁ…また捕まえればいいか……それより、翼が付いてるってことはこの子が天狗?にしては服装が想像と違うんでけど…

黒いフリルの付いたミニスカートと白い半袖シャツ、靴は一本下駄なのだが異様に長く、頭には変な赤い帽子を被っている。落ちないのそれ?

 

「えーと、天狗であっているのかな?」

「見て分からないのですか?それよりも、此処は我々天狗の領地です。今すぐ立ち去りなさい。さもないと……命の保障はしませんよ」

 

少女は殺気を出し脅迫してくる。

だが、俺にも譲れないものが有る。

 

「それは出来ない。俺にも目的があってこの妖怪の山に来ているんだ」

「なら、死んでもらいますよ」

 

天狗の少女が八での葉の扇子をゆっくりと振る。

 

 ヒュン

 

俺の頬から血が流れる。

攻撃が見えなかった……カマイタチか……天狗だもんな。

 

「どうした?殺すんじゃなかったのか?」

「最後の警告です。此処から立ち去りなさい」

「俺の答えは変わらんぞ、じゃあな」

「そうですか…では、今度こそ死んでもらいます」

 

うーん、このまま無視しても良いんだけど……ビュンビュンうるさいしなぁ右腕千切れてるし。

 

「なんで?!なんで死なないのよ?!」

 

あと、さっきから出てる血が目に入って邪魔だし、なにより痛い……かすり傷とか小さい切り傷とかって地味に痛いよね……

と言うわけで……

 

「そろそろ反撃するけど……良い?だめって言ってもするけど」

「え?ちょ、きゃあ!」

 

俺は天狗の少女の腰に腕を通し肩に担いだ。

 

「よいしょっと。んじゃ案内よろしく」

「誰が案内なんか!早く降ろしなさい!さもないと……」

「殺すってか?出来なかったからこうなってんだし、今、風を起こせないよ?」

「え?!」

 

天狗の少女は ブンブン っと扇を振るが風は発生しない。

それもそうだ、なんせ『変化』で『俺の範囲5メートル以内の意図的な風の変化をなくす』ようにしているから。少女限定にしなかったのは、他の天狗が襲撃してこないとは限らないからだ。

少女は諦めたのか扇子を振るのをやめる。

と思ったら……

 

「ちょ!髪はやめろ!」

「うるさい!早く目的地を言いなさい!」

 

早く何か言わないと!

 

「あそこだ!あそこ!」

「あっちです」

「俺まだ言ってないよ?!」

 

まあ、滝にいくつもりだったが……後で行けばいいか……俺の頭皮のためにも。

連れて来られた所はこの少女が住んでいるという村、いっぱい天狗がいるね!羽が生えるのはもちろん、犬耳と尻尾が生えてる奴もいる。あれも天狗なのだろうか?

でだ、この少女が此処に連れてきた理由、それは今、俺の目の前に広がっている。

村の入り口にいるのだが……超睨まれてる……手を出してこないのはこの天狗の少女を担いでるからだろう。

まあ、ちょっち聞きたいこともあるし、話掛けてみますかね。

 

「あーちょっとお尋ねしたいんだが、この中に村長はいるか?」

『『・・・・・・』』

 

……返事が無いただの屍のようだ。

 

『この集まりはなにごとじゃ?騒いでるわけでもないしのぅ』

 

と、思っていたら随分と可愛らしい声なのにジジイ言葉のロリっ娘(焔より小さい)が他の天狗たちを掻き分けながら出てきた。着ている服が他の天狗達と違い黒を基調とした着物を着ている。

 

「ほう……人間か、その肩に担いでいるものは……なるほど、どうりでこのような事になるわけじゃな」

「悪いな。なんか気づいたらこんな事になってた。ところで、あんたは此処の村長か?」

「いかにも、我がこの村の村長じゃ」

「なら、この山を探索させてくれないか?」

 

って、言って見たのは良いけど、無理だよなー

 

「うーん……その様な事をいわれてものぅ……出来ればすぐにでも出て行って欲しいのじゃが」

 

まあ、そりゃそうだよな…

 

「ならさ、勝負しようよ。ルールはそっちの得意な分野でいい。人数もな。なんだったらこの場所にいる奴ら全員対俺でもいいぞ」

「……お主、馬鹿にしておるのか?」

 

冷静をよそをっているけどバレバレだよ?青筋たってるもん。

天狗はプライドが高いらしいから、これで勝てば絶対約束は破らないだろう。多分……

 

「さあね、で、するの?しないの?しないんなら勝手に入るけど?」

「うーむ……(最近つまらんからのぅ…部下達は堅物ばっかだから遊べんしのぅ)良し分かった。人間よその肩に担いでいる子を降ろしてやってくれんか?」

 

ああ、そういや担いだまんまだった。

俺は肩に担いでた少女を地面に降ろす。

 

「すまんな。お主が戦ってもらう相手はこいつじゃ」

「ん?1人で良いの?もっと多くても良いんだけど」

「ああ、1人で構わん。お主には妖怪の山を日が沈むまでに一周してもらう。それがそちら側の勝利条件じゃ。此方の勝利条件はそちらを日が沈むまで足止めし、ここに辿り付かせない事じゃ」

 

今は大体3時から4時のあいだくらい、ならあと3時間ぐらいだろう。

 

「分かったら、始めるぞ」

「ちょっと待ってくれ」

「どうかしたのかの?」

「今から戦うんだろ?名前くらい知っときたい」

「『射命丸 文(しゃめいまる あや)』です。早く始めましょう、天魔様」

「まあ、そんなに急かしてやるなよ。俺は鶴来 彰人だ。よろしく頼むな射命丸」

「・・・」

「あいさつは済んだようだの。では、位置に付いてくれ」

 

俺は村の入り口に立つ。射命丸は俺が出発した後に出発するらしい。まあ、今回は殺し合いな訳でもないし……『変化』と『み・ち』使おうかな……戦闘で使わないからなぁ……まあ、危なくなったら使うことにしよう。

 

「それでは……始め!」

 

村長から始まりの合図が出された。

 

「ふあぁぁあ~、ん~!良し、行くか」

 

めっちゃ睨まれとる……はいはい行きますよ。

俺は足にグッと力を入れ

 

「よーい……ドンッ!」

 

ダアァァンッ!

一歩で半分届きました。ただ、無理やり方向転換したから体がグチャグチャになちゃったけど。

今は景色を楽しみながらゆっくりと歩いてます。

 

「なにを……してるんですか!!」

 

お、追いついたか。

 

「まさかまだこんな所にいたなんて……気づかずに一周しっちゃったじゃないですか!」

「そりゃご苦労さんなこって」

 

それじゃそろそろ……

 

身体能力を『未知』数に、上昇状態に『変化』固定。

 

「がんばれよー」

 

俺は一歩軽く踏み出す。

 

トンッ

 

「え?どこ行ったの?え、えー!?」

 

スチャ

 

「はい、到着。俺の勝ちだね」

 

能力解除。

 

「……は?いや、お主どこから沸いて来た!?」

「どこって……普通に走って来たけど?」

 

それより、今気づいたけどさ……クレータが…直しとこ。

 

「逃げるなぁぁ!!!」

 

射命丸が追いついてきた。すっごい剣幕で…

そのまま突っ込んできたので、扇子を構えている手を掴み、勢いを殺さず一本背負いの要領で叩きつける。

 

「ガッ!」

「もう勝負は終わってるけど、殺し合いをお望みなら相手になるが?」

 

俺は殺気と霊力を垂れ流しながら射命丸に聞く。地形が変わっても困るので大分手加減してるけど。

 

「そのあたりにしといてやってくれんか」

「……俺も本気じゃねえよ。意味も無く殺しをしたい訳じゃないからな。唯、殺り合いたいなら容赦はしないがな」

「それは勘弁してほしいの。今日はもう遅い、我の家は泊まれんのでな、この山にいる間は射命丸の家に泊まるといい」

「勝手に良いのか?」

「構わん構わん。そいつは一人暮らしだしの。負けた相手だ文句は言うまいて。誰か案内をするのじゃ」

 

その後、案内され射命丸の家まで来た。案内してくれた茶髪の女の子は「文に手を出したら承知しないから」と言って帰っていった。

玄関の引き戸を開け家の中へと入る。手前の部屋を無視し廊下を真っ直ぐ行くと台所に着いた。その隣の部屋に入る。どうやら居間のようだが、床には大量の資料が大量に散らばっている。

下手に触ってあれが無いこれが無いと言われても困るのでもう一つとなり、手前にあった部屋へと入る。此方は客間なのか綺麗に片付いている。

中央に有る机を端っこにどけて、そこに射命丸を寝かせ、居間から布団一式を持ってきて、敷いた布団の上に寝かせる。女の子をずっと床に寝かせるのもあれだしな。

 

ぐうぅ~

 

よくよく考えれば朝飯も昼飯も食べてないんだよな……なんか獲ってくるか。

書置きを一応して…っと。

良し、行きますか!

 

……天狗って蛇食べるのかなぁ~

 

食料を求めて20分位が経った頃に1匹の鹿を見つけた。群れとはぐれたのだろうか?

事前に『変化』でナイフ状にしておいた石を持ち、狙いを定める。

・・・

・・

 

「シッ…!」

 

俺がナイフを投げた瞬間、鹿は此方を見るが ザクッ! 脳天にナイフが刺さる。一発では死ななっかたようだ。暴れて ガンッガンッ っと木にぶつかる。三回目は頭からぶつかり グチャ という音と共に絶命した。

ズルズルと絶命した鹿を引き摺り昼間の川を目指す。出来るだけ川の近くで張っていたので三分位で川へと着いた。

 ズチュ っと嫌な音と感触を味わいながら石のナイフを鹿から抜く。ナイフを抜いたら血が溢れて来る。

後は長年の経験を活かし鹿を捌いていく。今でこそわりとぱっぱと出切るが最初の頃は酷かった物だ、まず殺せなかったし、殺せたとしても捌くところで戻してしまったり…。そう考えると俺も成長したもんだ。

……誰かに見られてるな……それも二人か…一人は茂みの中、今逃げたな。バレたか?もう1人は……

俺は何気ない仕草で前に手を伸ばし、見えない服を掴む。

 

 ひゅい?!

 

「そろそろ姿を見せてくれないか?」

「まさかバレてるなんてね、まだまだ研究不足か」

 

姿を現したのは翡翠の髪と眼を持つ青っぽい服を着た女の子だった。なによりも目を引くのは背負っている大きなリュックだ。

 

「にしてもなんで分かったんだい盟友」

「盟友?」

「うん、盟友は人間だろ?だからさ」

「いや、良く分からんが、人間ではないな」

「えっ?じゃあ妖怪かい?」

「妖怪でもないなぁ」

「神様?」

「でもないなー。俺は異端者(ヒト)だ。人間でも妖怪でも神でもない」

 

俺は少しだけ妖力と魔力と霊力を出す。

 

「とりあえず、今日はもう日が暮れるから明日また来るよ。俺は鶴来 彰人だ」

「私は『河城 (かわしろ) にとり』だよ。にとりって呼んで。よろしくね彰人」

「ああ、これからよろしくな、にとり。それじゃあまたな」

「うん、またね」

 

俺はにとりに別れを告げ射命丸の家へと戻った。

この時代に冷蔵庫なんか有るわけもなく、半分近くは干し肉にする予定だ。

俺は台所で鹿肉を干し肉にする準備を整え、作業を始めていく。塩水に付けた所で台所に射命丸が入ってきた。

射命丸は水を溜めている壷から、水を汲み一気に煽る。ふぅと息をつくと

 

「なんで私の家にいるのですか!!それにその大量のお肉はどこから持ってきたのですか!!」

「これからお前の家に住む事になったから。村長の許可は貰ってるから。あと、この肉はさっき狩ってきた鹿の肉。今は干し肉の準備中だ。良し!取り合えず下準備は完了だな。後は明日醤油やらみりんやらで味付けして干せば完成だな」

 

下拵えを終わらせ、後ろを振り向くと、項垂れている射命丸が……そこまでか……ちょっと悲しいぞ。

 

「えっと……まあ、飯にするから居間を片付けて来い……聞いてる?後お米と野菜使っていい?」

 

 コクン

 

1度頷き(?)居間へと戻っていく。

射命丸が居間を片付けている間に晩御飯の準備を進める。米は使っていい、頷いてたし……うん。

先に米を炊く、晩御飯用の肉は一緒に下準備していたので後は焼くだけだ。付け合せの野菜をサラダにって…もやししかねぇ!肉と一緒に炒めるか。そんなこんなでご飯が炊けるのを待ちながら準備を進めていく。

 

始めチョロチョロ中パッパ、てね

 

大体15分でご飯は炊けた。後は盛り付け居間へと持っていく。

居間は綺麗に片付けられていた。とてもではないが先程までの散らかった部屋には見えない。

俺は机の上に料理を置き、すでに座っている射命丸の対面に座る。

俺と射命丸は手を合わせ、

 

「「いただきます」」

 

肉に箸を伸ばし肉をとる。その肉を口に入れ……ようとした所で射命丸が話しかけてきた。

 

「で、何が目的なんですか」

「目的って……なにが?」

「わざわざ私の家に泊まろうとする目的です。ハッ!まさか私をめちゃくちゃに!?」

「うるせぇガキ」

「ガキぃ!?私のほうが年上ですよ!」

「ほぅ……今何歳だ?」

「もうすぐ100歳です。ふふん!人間が妖怪に年齢で勝てるとでも!……なんだか言っていて悲しくなってきました……」

「俺は億超えてるぞ」

 

そういった瞬間

 

「……ぷっ……くふふ……なにいって……るんですか、くふ……そんなわけあるわけないじゃないですか、ぷっ……アハハハハ!」

 

堪え切れなくなったのか目に涙を浮かべる射命丸だが、俺はそんなこと気にせず能力を使用し、家に訪れる『変化』をなくし、霊力と妖力、ついでに魔力を三割ほどを解放する。八坂と洩矢の前で一度だけ全解放したこと有るけど目を開けたまま気絶してからな。それ以来誰かの近くではしないようにしている。

そして今の状況。

 

「( ゚д゚)ポカーン」+ガチ泣き状態

 

さすがに可哀想なので力を止め、『変化』も解除する。

止めたのは良いんだが、泣き止む気配が無い。

 

「あ、えっと、その……ごめんなさいっしたOrzズサァ!その……泣くとは思ってなくて……」

 

土下座をしている為、表情が見えないが、多分涙の後を隠すために擦っているのだろう。ゴシゴシって聞こえちゃってるし。

少し間が開いた後

 

「な、泣いてなんかいません!目にゴミが入っただけです!」

「うん。そうだな」

 

ここで指摘すればめんどくさい事になりそうなので大人しく頷く。

 

「…にしても凄い量の霊力と魔力と妖力ですね。……ん?『霊力』と『魔力』と『妖力』?」

「ああ、俺は三つ持ってるんだよ」

「え?でも、そんなの物理的に無理じゃ…」

 

射命丸が言った物理的とは、体が持たないというわけではない。まず二つ以上の力を持つのは有り得ないのだ。妖怪は妖力、人間は霊力、魔法使いは魔力、神は神力の力を持つ。二つ以上を持つのは妖怪と人間のハーフ、など違う存在同士の子供がまれに霊力と妖力を持つことが有る。(DNAの二重螺旋構造を想像してくれれば分かりやすいと思う)なら、この子供が魔法使いと子供を作った場合、霊力と妖力に加え魔力を持って生まれるかと聞かれれば、答えは否だ。この場合『霊力と魔力』『霊力と妖力』『妖力と魔力』もしくはどれか一つだけ、の四つに分けられる。

ただし神力は神にならないと得られないもので、人間が神になったら霊力は消え、代わりに神力を得られる。そして神と多種族のハーフなら高確率で神力を持って生まれてくる。生まれる前から信仰されていることが多いからだ。

 

俺は自分が不老不死で『異端者(ヒト)』と言う存在、最古参の生き残りなのを話した。

 

それから、射命丸に色々質問されながらも晩御飯を食べ終わった。今は食器を片付けている。

射命丸は俺から聞いた情報をまとめている。食後のお茶を入れ射命丸に渡す。

 

「ほら、お茶」

「……あ、すいません、ありがとうございます」

「にしても、お前も物好きだよな」

「天狗には割と多いんですよ?情報を集めるが好きな天狗は」

「ふーん(さっきまでの態度とは大違いだな……なるほどカモか)」

 

ズズッ お茶うめぇー

 

「なら、文屋とか合ってるんじゃねえの?」

「文屋…ですか?」

「そ。ま、そのへんは自分で決めな。俺が口出しするようなことでもないし」

「そうですね…考えておきます」

 

それから、射命丸の作業は一時間近く続いた。

 

「ふぅ」

 

カタンッ と射命丸がペンを置いた。

 

「おう、お疲れ」

「あれ?まだ寝ていなかったのですか?」

「家主より早く寝るのは、ちょっとな」

 

諏訪では寝てたとか言ってはいけない。

 

「すいません。お待たせしました」

「良いって良いって。とこれで、さ…この家布団何組有るの?」

 

俺の覚えが正しければ…

 

「……一組しかないですね…」

「ですよねー知ってたもん。じゃあ俺が床で寝るわ」

「べつに一緒でも構いませんよ?それともあれですか~さっきガキとか言ってたくせに恥ずかしいんですかぁ~」

 

もの凄くイキイキした笑顔で迫ってくる。可愛いがウザイ

 

「じゃあ一緒に寝るか」

「へ?」

 

俺は客間に移動し、すでに敷かれている布団に入り端に寄る。

どうせテンパッて早く出てけとか言うからそれに乗ればいいだけ出し。諏訪ちゃんは妹っぽい感じがするから大丈夫。

 

「え、え?」

 

案の定テンパッている射命丸の声が。そうだ!そのまま俺を布団から追い出せ!……Mではないからな?

だがその後に聞こえたのは想像の真逆を行っていた。

 

「えっと……失礼し……ます?」

 

疑問系で言いながら射命丸が布団の中に入ってきたのだ。さらに ピタッ と背中を合わせてくる始末。

もぞもぞと射命丸が布団の中で動くたび、首に髪の毛が当たりくすぐったい。

出るに出れず、俺は現実逃避をする為に目を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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