東方 崩廻録 (完結)   作:ちゃるもん

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悪戯計画

「私は封獣 ぬえ。嫌われ者どうし仲良くしようね」

「封獣か。封獣はどうしてこんな事をしてたんだ?」

 

封獣にそう聞いてみると、封獣は苦笑いを浮かべた。

都の外ならまだしも都の中でしても退治されるのがオチだ。なら、一体どうして?

 

「私は生まれたときから一人だったんだ。薄暗い洞窟でね、その時は訳がわからなくてもの凄く寂しかった……だから私は他の誰かが居る所を探したんだ。そこで私は始めて人間と出会った。そこで、私が妖怪だと知ったんだ。ほんと間が悪かったよ。陰陽師がその村に来てたんだ、その頃は妖力の使い方も分からなくてすぐにバレたよ」

「……それで、どうなったんだ?」

「問答無用で殺されかけた。最初は逃げてたんだけど変な狼みたいなのがずっと付いて来たけどなんとか逃げられたよ」

「ならなお更こんなところに居たくないんじゃないのか?」

「……寂しいのもいやだ、退治されるのもいやだ。でも遠目に見るだけなのもいやだ。なら、怪我をさせないように驚かすのが良いのかなって思って」

 

寂しい……

頭の中をあの長い長い一人の時間がよぎる。

 

「封獣、お前帰る場所は有るのか?」

「特にないけど、寝るところも木の上だったり洞窟の中だったり……」

「なら、俺の家に来るか?説教臭いのも居るけど……どうだ?」

 

俺はこの世界に来てから焔に会えた、洞窟から出た日も諏訪ちゃんがいた。でも封獣は?生まれてからずっと一人で寂しいからと外に出てみたら殺されかける。

誰一人として助けてくれる存在は居なかった。

俺だった到底耐えられない。

 

「……本当?本当にいいの?」

「ああ、本当だ」

 

封獣の目からポロポロと流れ落ちる。

 

「……一緒にいても良いの?」

「もちろんだ。さあ帰ろうか、ぬえ」

 

ぬえに手を差し出す。

ぬえはその手を力強く握り返してくれた。

 

「うん!」

 

その笑顔はさっきまでの悲しい笑顔ではなく、とても、とても眩しい笑顔だった。

新しい家族が増えた。

同時に、俺の中のナニかが崩れた気がした。

「で、連れてきてしまった、と」

 

家に帰ると華扇がお出迎えしてくれた。だが、ぬえを見た瞬間一気に不機嫌になってしまった。

 

「ま、まあ良いじゃねえか。な?」

「あれ~お姉さん嫉妬してるの~?」

 

ぬえは何で火に油を注ぐような真似をしてるのかな?かな?

 

「だ!誰が嫉妬していると言うのですか!!」

 

華扇さんや、顔が真っ赤ですぞ。

 

「ならなんで顔が赤いのかな~」ニヤニヤ

 

ほら突っつかれた。あとそろそろ家の中に入れてください。

 

「外が暑いからです!」

「そう?むしろ肌寒いくらいだと思うけど?」

「私には暑いんです!」

「分かったから早く家に入らせてくれ……」

 

華扇はぬえを睨みながらも道を開けてくれる。

 

「ただいまー」

「お帰りなさい」

「た、ただいま」

「…………(ゴンッ!)痛ったー!」

「今日から一緒に住むんだから挨拶ぐらいしろ。ぬえも勝ち誇った顔をするな」

 

今にも噛み付きそうな華扇をなだめ、それを見て見下しているぬえを注意する。

これから騒がしくなりそうだな……

二人が言い争いをしている間に俺は寝るとしよう。それじゃあおやすみ~

「お前ら……」

 

目が覚めると腕をつかみ睨みあう二人の姿が。

え?なにこいつら朝までずっとやってたの?

 

『『ガルルルルルルッ!!』』

 

ゴンッ!ゴンッ!

 

「お前らは……いい加減にしないとゲンコツするぞ?」

「「やったあとに言ったー!」」

 

本当は仲が良いのではなかろうか?この二人。

 

「今日は報酬金を貰って……特に買うものもないな、せいぜいぬえの着替えくらいか」

 

むしろ、開業してすぐにこれだけ依頼が来るほうがおかしいんだが。アイが一口関わってるのか?

まあ、ありがたい事だし気にしないでおくか。

 

「よし、行くぞ野郎共!ぬえはその羽?翼?は消して置くように」

「うん、分かった。って、え?私も付いて行くの?」

「お前が行かなくてどうするよ。まあ、何かあったら俺と華扇で守ってやるから安心しろ」

「さらりと私も巻き込みましたね……」

 

華扇が何か言っているが無視の方向で。

 

「それなら……行ってみてもいい……かな」

「うしっ!じゃあ行くか!」

「無視……」

「ほらー華扇置いてくぞー!」

「あ!置いていかないで下さいー!」

 

そして三人で例のお魚屋さんまで来ました。

ぬえの事を封印したと報告する。

 

『それは本当かい!?でも封印したってどこにだい?』

「俺のトコ。話を聞いたら単純に寂しかったんだとさ。まあ、怪我をしないようには注意していたみたいだから大目に見てやってくれないか?もう、悪さをさせないからさ。な?ぬえ」

「えっと、その、ごめんなさい!もうしません!」

 

ぬえがお辞儀をしながら謝る。

 

『にわかには信じられないけど、アンタがそう言うんなら信じてみようじゃないか!あっはっは!もう悪さはするんじゃないよ!ほら、報酬。これでなんか美味しいものでも食べてきな!』

 

もう一度大きく笑い背中をバンッバンッと叩いてくる。

魚屋のオバちゃんが言い人で本当に良かった。

 

「有難う御座いました。また何かあれば何時でも来て下さい」

『その時は頼りにさせてもらうよ!』

 

華扇、それ俺の台詞や……

オバちゃんから報酬金を受け取りその場を離れる。

買い物は後からで良いとして何か食べに行くか。

 

「食べに行くけどドコが良い?」

「私は何でも良いですよ」

 

それが一番困るんだけどな。

 

「ぬえは?」

「えっと、あれが食べてみたい!あの白くて長いヤツ!」

 

ぬえがお店の中を指差しながら答える。取り合えず指差すのをやめなさい。

 

「うどんか。食べるのは久しぶりだな」

 

店内に入り席に着く。店内はまだ昼前だというのにそれなりに食べに来ている人が多い。

さて、何にするか。……肉うどんにするかな。

 

「決まったか?」

「私この釜揚げうどんがいい!」

「華扇は?」

「えっと、私も釜揚げうどんを」

 

店員さんに注文を済ませる。

三人で雑談している時にふっと思い出したことをぬえに聞いてみる。

 

「なあ、ぬえ。なんか最近この辺りに美しい姫様がいるらしいけどなんか知ってる?」

「話だけなら知ってるよーかぐや姫のことでしょ?」

「その話なら私も知っていますよ。なんでも、今度貴族が求婚しに来るらしいです」

「でも、今までも結構な人数が求婚しに行ってるらしいけど誰も成功してないらしいんだよねー」

『お待たせしましたー。こちら釜揚げうどん二つですねー』

 

そんな話をしていたら料理が届いた。

ぬえは始めてのうどんに目がキラッキラしている。

 

「おおー!いただきまーす!」

「頂きます」

 

二人はうどんを取りそのまま口に運ぶ。つゆにつけずに。

華扇は味の無い食べ物に慣れているから大丈夫そうだが、ぬえの顔が酷いことになっている。

 

「釜揚げうどんはな、そこの黒い汁、つゆに付けて食べるんだ」

「なるほど……」

「お味噌汁にしては黒いと思っていましたが違ったのですね」

 

これがお味噌汁に見えるとは……凄いな華扇……

 

『お待たせしましたー。肉うどんになります。ご注文は以上でしょうか。』

 

俺の料理も届き、食べ始める。

 

「それで、さっきの話の続きなんだけど。かぐや姫ってどこに住んでんの?」

「昨日私達が会った塀の先」

 

そんなに近かったんだ……

かぐや姫……ねぇ……もしかしたら会えるかな?

 

「でも、どうしてそんな話を?ま、まさか……!」

「ははーん、なるほど。私は愛人でも構わないからね」

 

顔を赤くするな華扇。そんな気は一切ない。大体会った事もないのにそんなことになるわけないでしょうが。

あと、ぬえもそんな事を言いなさんな。女の子でしょうに。

二人から顔を背けると外には行列が。店内も満席となっている。

 

「ほら、食べ終わったらさっさと出るぞ」

「はーい」

「あ、少し待ってください。すぐ食べ終りますから」

 

貴族が来るってことはまだ先だな……まあ、今日の夜にでも忍び込んでみるとするか。

 

「お待たせしました」

 

華扇も食べ終わり勘定を済ませ店を出る。

外に出ると館車が何台も大通りの真ん中を堂々と通っている。多分かぐや姫に求婚しに来た貴族達だろう。

俺の世界の歴史と同じく無理難題を押し付けられるのかな?もしそうだったら……ククク、今から楽しみだ。

 

「ねえ、華扇。彰人が悪い顔してる」

「無視しときましょう。でないと私達も巻き込まれますよ」

 

場所は昨夜ぬえと会った所。善は急げだ早速行くか。

 

「ちょっと寄る所が出来たから先に帰っておいてくれ」

「行ってらっしゃいー」

「あんまり遅くならないようにしてくださいね?」

「分かった。それじゃあ行ってくる」

 

目指すはかぐや姫のお屋敷だ!

そんなこんなで木の上から張り込み中。 

案の定貴族共はかぐや姫から無理難題を押し付けられていた。ざまぁW とか言ってはいけない。特に子持ちのヤツ、告白の場に自分の子供連れて来るってどうよ?

半年で存在するかも分からない物を貴族共は用意出来るのかね。まあ無理だとは思うけど。じゃあ俺も準備しに行きますかね。木から飛び降りる。

 

「きゃ!」

 

ん?見られちまったか。あれこの子……えっと、藤原なんちゃらの子供じゃね?

艶やかな黒い髪。意志の強い黒い瞳。着ている服は育ちの良さが分かる。

どうするか、覗いてたのばれたよな、これ。

 

「えっと、何をしていらしゃったのですか?」

 

あれ?ばれてないっぽい?これは誤魔化せるか?

 

「見ていらっしゃたんですね」

 

まあ、ばれてますよねー

 

「はい……見てました……」

 

女の子は「ふふふ」上品よく笑い、

 

「滑稽なものでしょう?女一人のためにここまで遠出しているんですよ?」

 

まあ、確かに。

 

「しかも、本気で探しに行く気なんですよ?本当に笑えちゃいますよね」

 

なんで俺愚痴られてんの?まあ、いいけどさ

 

「蓬莱の玉の枝?でしたっけ?そんな存在するか分からないものを期間付きでですよ?」

 

蓬莱の玉の枝……焔と一緒に修行していた頃に一度だけ食べたことがあったな。あれは不味かった。硬い粘土を食べた感じ。

 

「おっと。そろそろ戻らないと父様が心配しますので失礼させて頂きますね」

「おう。気お付けて帰れよ」

「ふふっ。では」

 

そう言って藤原なんちゃらの子供は小走り去っていった。と、思ったら小走りに戻ってきた。

 

「どうした?」

「いえ、あのお名前を聞いてませんでしたので」

 

気にしなくてもいいんだけどなー

 

「俺は鶴来彰人だ万屋を営んでる」

「鶴来彰人様ですね。私は『藤原 妹紅(ふじわらのもこう)』と申します。以後お見知りおきを」

 

そう言って今度こそ去っていた。

勘だが藤原とはこれからちょくちょく顔を合わせる事になりそうだ。

さて準備を始めておかないとな。問題はあの二つか……一つは諏訪ちゃん辺りに頼れば大丈夫……のはず。問題はもう一つのほうか。完全に運ゲーになりそうだよなー。

考えてもしょうがないし帰るか。明日は諏訪の国に行かないとな。ついでにもう一つのやつについて色々聞いてみるか。華扇とぬえにも聞いてみるか。

次の日。早速諏訪の国へと向かった。華扇とぬえはお留守番。

門を出て能力を発動。俺が建立っている場所とと諏訪の国までの『道』を操り繋げる。そこに『距離』を変化させ短くする。

それでは、始めのいーっぽ!

ほい到着。よくよく考えれば帰ってくるのは数百年ぶりとなる諏訪の国。諏訪ちゃん元気かなー

 

「諏訪ちゃんやーい」

『おや?どちらさまでしょうか?』

 

諏訪ちゃんを呼んだはずなのに出てきたのは明らかに諏訪ちゃんより大人びている緑髪の女性。白い蛇とカエルの髪飾りを付けている。

女性に諏訪ちゃんがどこにいるのかを聞こうとしたとき諏訪ちゃんがドタドタと慌しく走ってきた。

 

「あ!やっぱり彰人だった!久しぶり!」

「諏訪ちゃん久しぶりー背のび……てないね。ごめん」

「謝るなばかぁ!!」

 

明らかに唯の人間な俺が諏訪ちゃん、神様に対してもの凄く失礼な態度を取っているのに怒らないのを不思議に思ったのか緑髪の女性が諏訪ちゃんに俺の素性を問うた。

 

「あの、諏訪子様?この方は」

「ん?ああ彰人のこと?……なんて紹介すればいいのかな?」

「それを俺に聞いてどうしろと?まあ、俺は鶴来彰人だ諏訪との関係は……救世主……とか?」

 

うん。間違ってはないはず。

 

「まあそうだよねー」

「鶴来彰人?救世主?もしかして諏訪対戦の……え?でも諏訪対戦は何百年も昔の事じゃ……」

「ああー懐かしいな。あの時はびっくりしたなー近くの洞窟から出たら戦争してるんだから」

 

そう言うと諏訪ちゃんが頬をプクッと膨らませ不満を言ってきた。

 

「私だって驚いたんだよ。いきなり私と加神奈子の間に割って入ってきてさ、その時は全然力も感じられなかったしその後に出した弓もちょっと多いかな程度だったし。本当なんで来たのって思ってたからね」

「でも大丈夫だったろ?」

「矢のほうの魔力が圧倒的だったからね。一撃で神奈子を倒したくせにあれで本気じゃないんだからね……敵に回したくない存在第一位だよ……」

 

日本でも最強クラスの神様が顔を青くしているのを見て緑髪の女性は苦笑いを浮かべた。

 

「そういやこの子誰?霊力と神力を感じるんだけど…………ああそう言うことか」

「およ?もう分かったの?」

「霊力は元々この子が持っていて、神力は諏訪ちゃんか神奈子から借りてるんだろ?それ以外に説明がつかん」

「大正解!ちなみにその髪飾りが神力を送る触媒になってるんだよ」

「人間にそこまでしても大丈夫なのか?」

 

普通の人間だったら耐えられないと思うけど。元々がそう言う体質の子なのかな?

だが、諏訪ちゃんが言い放った言葉は俺の予想の斜め上を行っていた。

 

「大丈夫だよ。だって私の『むすめ』だから」

「ふー、ん?!MU☆SU☆ME?」

「そう。娘。言い換えるなら子供」

「お前……いつの間に結婚してたんだ?しかも子供までいるなんて……」

「結婚はしてないよ。私の余った神力を使って生んだんだ。ほら、私も神奈子も家事……出来ないからさ……」

 

そんな理由で子供、命を創るなよ……

この子は諏訪ちゃんや神奈子怨んではないのだろうか。

 

「確かに、その話を聞いたときは驚きましたが諏訪子様も神奈子様も良くしてくれるので怨んだりしませんよ。それに家事も風祝の仕事もとても楽しいですから」

「それを聞けて兄としては嬉しい限りだよ。これからも二人のことよろしく頼むな。えーと」

「誰が誰の兄だって?」

「あ、私は『東風谷 和泉(こちや いずみ)』です。どうぞ和泉とおよび下さい」

「知ってるとは思うが、俺は鶴来彰人だ。彰人でいいぞ」

「無視された!?」

 

長い挨拶も済ませ和泉に案内され居間へと向かう。

 

「私はお茶を用意してきますね」

 

和泉はそう言ってお茶を用意しに居間を出て行った。

そして、和泉と入れ替わりで神奈子が入ってきた。雰囲気が大分大人びたな。

 

「彰人。久しぶりだな」

「よっす。神奈子久しぶり」

「にしても急に帰ってくるなんて、なにか急用でもあるのか?」

「急用ってほどでもないんだけど、『仏の御石の鉢』ての知ってるか?」

「ああ、しってるよ。私の知り合いが遊びで作ったやつだな。底が光ってるぐらいしか取り得がないが、それがどうした?」

「遊びで造ってたのか……ちょっと必要でな、少し貸して欲しいんだけど……良いか?」

「全然構わんよ。ただ少し待ってくれないか?蔵の何処に直したか忘れてしまってな……」

「分かった。ありがとな」

 

これで一つ目は確保出来た。もう俺がなにをしたいのか分かると思うが。

貴族がかぐや姫に求婚が失敗したところに俺が本物(チート有り)を持っていたら面白くね?NDK?NDK?大作戦☆!!

それを実行しようとしているだけだ。

『蓬莱の玉の枝』は見たことが有るから創り出せば良い。

『竜の首の玉』は雷でも呼び起こす宝石を創り出せば良いし。

『火鼠の羽衣』は燃えない布でも用意すればいいだろう。

だが、燕の子安貝と仏の御石の鉢はどういう物かも分からないため用意のしようがない。仏の御石の鉢は神奈子から貸してもらえる事になったので、あとは燕の子安貝だけとなったのだが……どんな物なのだろうか。

燕って言うくらいだから燕の巣の中に……

 

「……と!彰人!」

「ん?うお!?近か!?どうした!?諏訪ちゃん。あともう少し離れて」

「さっきからずっと呼んでるのに反応しないから悪いんだよ?で?なにを考えてたの?」

「燕の子安貝ってどこにあるのかなーって思ってな」

 

諏訪ちゃんは燕の子安貝と顔を傾げながら問い返してきた。

 

「燕の子安貝?ソレも探してるの?」

「ちょっと必要でな。なにか知ってるなら形とか教えてくれないか?」

「教えるも何も持ってるんだけど?」

 

なにを言ってるんだ諏訪ちゃんは?

 

「いや、首を傾げて不思議そうな顔しないでよ。あとなんで私のおでこに手を当ててるのかな?」

 

いや、熱でも有るのかと思って……

あ、あとさり気無く戻ってきてた和泉ちゃんお茶ありがとう。

 

「私はいったって健康そのものだよ」

「え?じゃあ本当に持ってるの?俺、燕の子安貝探すのに半年で見つかるかなーって思っていたのにまさかの諏訪で二つ揃うとは……でもなんで持ってるんだ?」

「燕の子安貝を持っていると子宝に恵まれるって言われているんだよ。だから私が和泉を産むときに天照が持ってきてくれたんだ。きちんと返してくれるんなら貸してもいいけど?」

「まじか!?すまん。助かる」

「どうする?すぐに用意できるけど。今日借りてく?」

「まだ大分余裕も有るから今度借りにくるわ」

「分かったよ」

 

さて、これで『仏の御石の鉢』と『燕の子安貝』は確保できた。

あとは『蓬莱の玉の枝』『竜の首の玉』『火鼠の羽衣』の三つ。

こっちは割りと簡単に準備できそうだな。

半年後が楽しみだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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