東方 崩廻録 (完結)   作:ちゃるもん

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新しい家に行くまでの閑話となります。

今まで以上の無理やり感、駄文となっております。

それでも良いと言う方はどうぞ!!


閑話
告白


都を出て、諏訪子の所を訪れた。

 

「右から、封獣 ぬえ、茨木 華扇、藤原 妹紅」

「よろしくー。封獣ぬえだよ。ぬえって呼んでね~」

 

ぬえはフレンドリーに手を振り挨拶をする。

 

「ぬえ。お世話になるのだからもうちょっとだな……」

「華扇。説教は後で良いから自己紹介」

「ああ、私としたことが。失礼しました。私は茨木華扇と申します。これからしばらくの間ご厄介になりますがよろしくお願いします」

 

華扇は綺麗にお辞儀をし、挨拶を済ませた。

 

「えっと、藤原妹紅です。お世話になります」

 

妹紅も挨拶を済ませて、神奈子が口を開く。

 

「ああ。よろしく頼む。ぬえに華扇に妹紅。私は八坂神奈子だ。神奈子とでも呼んでくれ」

「私は洩矢諏訪子。諏訪子でいいよ」

「東風谷和泉です。おもに家の家事をやらせて頂いてます。わからない事がありましたら聞いてくださいね」

 

みんなの自己紹介が終わり家の中へと上がる。神奈子に捕まり戦ってくれと言われたが軽く捻り潰しておいた。

和泉ちゃんに俺の部屋の場所を聞いているとき諏訪ちゃんから声を掛けられた。

 

「なあ、俺の部屋は何処になるんだ?」

「彰人様の部屋は、此処を真っ直ぐ行って右手にある一番手前の部屋です。あっ」

 

和泉ちゃんの「あっ」と言う言葉と共に背中に誰かが飛びついてきた。

 

「あーきと。今回はどれくらい居るの?」

「長くても一ヶ月だな。あんまり迷惑を掛けるわけにもいけないし」

「彰人”なら”全然迷惑じゃないよ!!」

 

”なら”の部分を強調しながら諏訪ちゃんが否定してくる。

 

「俺はきちんとした理由がない限りは、家族を置いていくような真似は絶対にしない」

「えー。私はその家族に入ってないの?」

「入ってない。どちらかと言うと……」

「言うと?」

 

諏訪ちゃんを家族以外で例えるなら……

 

「妹……かな?割と何でも頼めるし」

「妹か……まあ、今は良しとしようかな」

 

はあ、転生者ってのは……そういう体質なのかね?

諏訪ちゃんを背負ったまま和泉ちゃんに案内され部屋へと向かう。

案内してくれた和泉ちゃんにお礼を言って部屋に入る。部屋は六畳ほどの和室だ。

 

「で、諏訪ちゃんはいつまで引っ付いてるの?」

「うーん。さあ?」

「さあ?ってお前な」

「そんな気にするようなことでもないでしょ?私重くないんだし」

「いや、それなりに重いんだけど?」

「嘘だッ!!」

「取り合えず居間にでも行ってみるか。誰か居るかもしれない」

 

諏訪ちゃんを背負ったまま居間へと向かう。

居間には神奈子と和泉ちゃんが行た。華扇が来ていそうなものだが。

 

「連れは山に向かったぞ?」

 

なるほど……あんまり無理しなければいいんだが。

 

「難しそうな顔をしてどうした?妹紅、だったか?の事が心配しているなら大丈夫だろう。残りの二人、華扇とぬえだったな。うん。の二人は実力者なのだろう?」

「だから心配と言うか……華扇の事が心配と言うか」

「心配なのは妹紅じゃなくて華扇の方なのか?」

「あー。まあ、かくかくしかじかでだな」

「これこれうまうまと言うわけだったんだな。華扇の奴も堅物なんだな。いや、見た目通りか」

 

和泉が昼食の準備をしてきますねと出て行き、三人で雑談をする。

雑談をしている途中にふと思ったことを聞いてみる。

 

「そういえば、華扇とぬえは妖怪だけどそんなあっさり境内に入れてもいいものなのか?」

「うーん……この神社自体が特殊な存在だからね。私も昔は生贄を捧げさせて信仰を得ていたわけだしね」

「それに、神の中にも妖怪に似たような神もいる。いわゆる邪神だな。最近で言うと八岐大蛇だな。あいつは妖怪に近い存在だったが、生贄を定期的に運ばせ長い時を生き、天災を収める神へと成った。まあ結局はスサノオノミコトによって殺されたがな。長々と話したが大きな害を与えなければとくに問題はないということだな」

「八岐大蛇か……ちょっと見てみたかったな」

「見てみたかったて、頭が八つある大きな蛇だよ?それを言ったら数千年ぶりに出てきた九尾を見てみたいけどね。前は見る前に殺されちゃったからな~」

 

九尾……山であった八尾が進化したのかな?

 

「ふーん。確かに九尾の尻尾を触ってみたいな」

 

その時和泉ちゃんから、食事の準備をしますね。出切れば華扇さん達も呼んできてくださいますか?と言われたので、式神を十体ほど召喚し華扇たちを探す。

華扇たちはすでに山を降りてきているようで、あと十分もすれば戻ってくるだろう。

 

和泉ちゃんが食事の準備を終えると同時に華扇たちも帰ってきた。

 

「おう、おかえり。あんまり無茶させてないだろうな」

「大丈夫ですよ。今回は霊力ではなくて肉体面の修行をしましたから」

 

華扇はドヤ顔をするが俺はその後ろにある後景に目を奪われていた。

俺は後ろを指差し華扇に聞いてみた。

 

「で、その結果がその有様か?」

「へ?」

 

後ろにある後景を見て「なんで?」と小さく呟いた。

 

「下山している途中で足がもつれて上手く歩けないようだったから私が背負って来たんだけど?華扇、貴女は周りを注意深く確認するようにしようね?」

「ぬえに……ぬえに諭された……」

「そんなとこで項垂れてないでさっさと上がって来い。妹紅、食べれるか?」

「少し……休ませてもらっても、いいですか?」

「お、おう。ぬえ、部屋まで連れて行ってやってくれ」

「えーしょうがないなー」

 

ぬえは文句を言いながらも行ってくれた。

ショックを受けている華扇にチョップを喰らわせ現実へと引き戻す。

 

「そうだ……きっと夢なんゴフゥ!!」

 

チョップをモロに喰らった華扇は変な声を上げながら倒れる。しかし、少ししたら立ち上がってきた。

 

「おはよう」

「えっと、おはようございます?」

「飯だからさっさと座れ」

 

俺と河川は席に着く。席に着いたところでぬえも戻ってきて席へと付いた。

 

「やっと揃ったな。それじゃあ」

 

『『『いただきます』』』

「ごちそうさま。美味しかったよ。いやぁー食った食った。和泉ちゃん料理上手だな」

「お粗末さまです。まあ、毎日作っていますしね。いまでは趣味の一つになってます」

「私が何か作ろうとすると怒る程なんだよ」

「怒られたくないんなら台所を溶かさないで下さい」

「溶ける!?溶けるってなに!?」

 

あれか?ダークマター的な物を実際に作り出したって事なのか!?

うちのやつ等は割と何でも出来るからそう言う場面に出くわしたことがない。華扇、妹紅に加え、なんだかんだぬえも出来るのだ。ぬえがそつなく朝食を作っていた時はとても驚いたものだ。

そして、前世で一人暮らしをしていた俺も家事は出来るほうだ。

 

「あの時は本当に大変でしたよ。何処に捨てるかで大騒ぎになったりして……」

「結局どうしたのですか?」

「騒ぎになっている間に蒸発していました」

「蒸発、ですか?」

「蒸発、です」

「どんな物なのかちょっと気になるね」

「私は二度と懲り懲りですよ。あんな体験。もう止めて下さいね諏訪子様」

「うう……はい……」

 

本当にナニを作ったんだ諏訪ちゃんよ。

諏訪ちゃんがアレなら神奈子はどうなのだろう。神奈子もヤバイ側の存在なのだろうか?

 

「神奈子は料理できるのか?」

「ん?私か?私は出来ないな。ただ、諏訪子ほど酷くもないぞ。お粥や味噌汁程度なら作れるぞ」

 

その言葉を聞いた諏訪ちゃんが真っ白になった。

 

「そんな……神奈子は同類だと思ってたのに」

 

それを聞いた神奈子はドヤ顔で諏訪子にこう言い放つ。

 

「すまないな諏訪子。私はお前とは違うのだよ」

「くっ……!そうだ!彰人は、彰人は出来ない……よね?」

 

諏訪ちゃんが上目遣いで聞いてくる。が、スッと目をそらす。

 

「な、なら!ぬえは!?ぬえは出来なさそう!」

「ひどくない?それに私も家事はそこそこ出来るよ」

 

諏訪ちゃんが今度こそ真っ白になった。

俺は真っ白となった諏訪ちゃんの肩に手を置き、振り向いた諏訪ちゃんにとてもいい笑顔で

 

「ドンマイ!」

「うるさいうるさいーー!!うわぁぁん!!」

 

トドメを刺してしまった。狙ってはなかったんだけどなぁ……

諏訪ちゃんは和泉ちゃんのところに走って行き慰めてもらっている。

 

「和泉~皆がいじめるぅ」

「よしよし。怖かったですねー。(私もいじめた側なのですが諏訪子様)」

 

これは、やり過ぎたな。トドメを刺すつもりはなかったんだけど。

 

「悪かった。今度一緒に料理作ろうな?」

「ぐすッ……本当?彰人教えてくれる?」

「ああ。もちろんだ!」

 

諏訪ちゃんは泣き止んでくれたものの和泉ちゃんを離そうとはしない。

その日の夜。

 

「ねえ、諏訪ちゃんが手に持ってるソレは何かな?」

「……キノコ?」

「それは見れば分かるんだ」

「綺麗なキノコ?」

「ドクテングダケっていう毒キノコなんだ覚えておこうね」

 

「ねえ諏訪ちゃん。俺はお米を研がおうって言ったんだけどその手に持っているものは何かな?」

「砥石だけど?」

「それで何を研ぐつもりかな?」

「お米……だけど?」

「OK分かった。まずは基礎を教えよう。お米を研ぐと言うのはお米を洗うこと……石鹸を持つな。石鹸で洗うんじゃなくて水でいいんだ」

「諏訪ちゃん。それは入れすぎ」

「火が強い」

「その手に持った洩矢の鉄の輪じゃ野菜を切るには厳しいかな」

 

諏訪ちゃんにアドバイスをしながら料理を作っていく。

結果できたのは

 

薄いお味噌汁

魚の焦げた塩焼き

固めのご飯

 

の三つだ。

この三つを作るのに約五時間ぐらい掛かった。そして今は夜の十時。外はすでに真っ暗だ。

霊力で光源を得ながら料理を居間と運んでいく。

 

「お待たせ」

 

居間では皆が雑談をしていたようだ。

 

「お、待ってました」

「おーやっとご飯だ」

「お腹すきました。楽しみです」

 

料理を並べていく。

料理を並び終え手を合わせる。

 

『『『いただきます』』』

 

皆黙々と料理を食べていく。

 

『『『ご馳走様でした』』』

 

皆が食べ終わり諏訪ちゃんが恐る恐る口を開く。

 

「ど、どうだった?」

 

まず、始めに口を開いたのは和泉ちゃんだった。

 

「正直に言います。不味いです」

「そ、そうだよね……」

 

諏訪ちゃん俯き、手を握り締め唇を噛んでいる。

頑張ったもんな……

諏訪ちゃんの手をそっと取り握る。諏訪ちゃんの手には沢山の瘡蓋が出来ていてカサカサしている。

 

「ですが、見込みはありそうです。今度一緒に作りましょう。諏訪子様」

 

諏訪ちゃんはバっと顔を上げる。

 

「え?」

「その時は私の分も作ってくれよ諏訪子」

「私の分もお願いします」

「わたしも~」

「私も食べたいです!」

「み、みんな……私、頑張るから!!」

 

今日の晩御飯は大団円となり終わった。

次の日となり今は大体深夜一時頃。

他の皆が寝静まった頃に俺は一人で縁側に座り諏訪ちゃんが作ったお味噌汁とご飯を混ぜた猫飯を食べながら月を見ていた。

教えた立場としても、家族と言う立場としても、せっかく作ってもらった物を無駄には出来ない。そう言うわけで余ったご飯を夜食とし月を見ていたわけだ。

味は薄いが不味いという事はない。冷めているのが悲しいが。

その時後ろから声を掛けられた。

 

「なあ、何を食べてるんだ?」

 

後ろを振り向き声の主を確認する。

 

「神奈子か。晩御飯の残りを猫飯にした物だ」

「私にも貰えるかな?少し小腹が空いてな」

「少し待っとってな」

 

鍋に入っている猫飯を別のどんぶりをに入れ神奈子に渡す。

 

「ありがとう。いただきます」

「それはいいんだが、寝なくて大丈夫なのか?」

「なに、一日ぐらい寝なくても大丈夫だろう」

「そうか」

 

俺達を静寂が包む。唯一の音は猫飯を食べる音だけ。

 

猫飯を食べ終わりどんぶりを置く。ちょうど神奈子も食べ終わったようだった。

 

「ご馳走様でした」

「ご馳走様」

 

そして、また二人を静寂が包み込む。体に当たるそよ風が心地よい。

そんな、静寂を破ったのは神奈子だった。

 

「彰人は、次住むとことろの目星はもう付いているのか?」

「まあ、大体は。此処からそこまで遠くないから、都にいた頃に比べると来る頻度は増えると思う」

「そうか…………諏訪子、すまん」

 

神奈子は胸に手をやり深呼吸を始め、何かを決心したのか此方に向き直る。

 

「彰人、笑わずに聞いてくれ」

 

俺も神奈子に向き直りその目を見つめる。

 

「私は……お前の、鶴来彰人のことが、好きだ。一人の異性として鶴来彰人の事が大好きだ」

「……そうか」

「私の気持ち、受け取ってくれないか?」

 

好き、大好き。

その気持ちが分からない。

 

「神奈子、すまん」

「そうか……せめて理由を教えてもらってもいいか?諏訪子が好きなのか?それとも彰人の連れのなかに恋仲がいるのか?」

「一度に聞いてくるなよ……」

「す、すまない」

 

どう答えたものか……正直分からない。出来るだけ過去を教えたくないのだが……諦めるか。

 

「俺には、その『好き』と言う感情、恋愛感情が分からない」

「?どういうことだ?」

「まあ、分からないだろうな。俺は『精神欠陥者』と言う障害者なんだ」

 

神奈子は何を言っているのか分からないのか首を傾げている。

このまま、俺がこの世界の住人じゃないことがバレなければいいんだけど。

 

「障害者ってのは精神や身体に障害を持つ人のことを指す。例えば、片腕がなかったり、足がなかったり、俺のように精神に異常がある人の事を指す」

 

「それで、精神欠陥者って言うのは、障害者のなかでも精神に異常がある人を指す。まあ、俺の場合は欠陥と言うよりも増大って言ったほうが合ってるらしいけどな」

「どうしてなんだ?」

「俺は『家族愛』の感情が常人に比べて異常なほどに高いらしい」

「らしい?」

「そういわれても自分じゃ分からないものだろ?」

 

初めて病院に行ったあの日、俺の精神が壊れた。

 

「さすがに最初の頃は酷かったと思うけどな。家族って聞くだけで所構わず誰だろうと殺そうとしてたからな。でも、今ではその行動が悪いものだと思えるようになっても罪悪感は生まれないけどな」

 

「今では大分我慢できるようにはなったけど、殺す、とか死ね、とか聞くと殺しに掛かるな」

 

それでも、俺の中には罪悪感などの感情が生まれてくることはない。

 

「まあ、それとこれとがどう繋がってるかって言うとだな、食い潰されてるんだよ。家族愛にな。自分じゃ分からないし、恋をすれば変わるのかも知れないけどな」

「そうか。なら、私にもまだ可能性が有ると言う訳だな」

「そう捉えるのか」

「可能性が有るならそれに掛けてみたいものだろ?さて、私はそろそろ部屋に戻らせてもらうよ。おやすみ彰人」

 

そう言って神奈子は立ち上がる。そして帰り際に

 

「ああ、それと、私はそれ以上聞かないからな」

「……ああ。おやすみ」

 

俺には、それが何に対して、どういう意味を含んでいたのかは分からなかった。ただ、一つだけ分かった事がある。

 

「神奈子、お前は俺には勿体無いほどの良い女だよ」

 

いつか、俺にも好きな人が出来るのだろうか。

 

空に浮かぶ月は今日も美しく輝いていた。

それから一ヵ月後

 

「世話になったな」

『『・・・・・・』』

 

ああ、皆の視線が痛い。此処一ヶ月この視線のままだ。

 

「私としてはずっと居てもらいたいところだがな。どうだ?」

「それは無いって何回言えば気が済むんだお前は。あと離れて貰っていいですかね?暑苦しいんですが」

「そう連れないことを言うな。お前と私の仲だろう?」

「……当たってるんだけど」

「私は気にしないぞ?」

 

もうお気づきでしょう。そう、神奈子が俺の腕に抱きついているのだ。

 

「だーもう!もう行くからな!」

「ああ。いつでも帰ってくるといい。いってらしゃい」

 

行くと言った瞬間腕を解放し、いってらしゃいと言った。

 

「……ああ、行って来ます」

 

そして、諏訪の国を出た所でメンドくさい事になってしまった。

肩を掴まれ後ろを振り向くと

 

『『『どう言う事か説明してね(下さいね)?』』』

 

今頃神奈子も同じ目に合ってるんだろうな~

だが、そんな事を思っても阿修羅を消すことは出来なかった。

 




御読みいただき有難うございました。

凄い無理やり感ですね……やりたかったんや……

次回は来週の日曜日午後七時に投稿させていただきます。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

ではまた次回~
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