帰還編第2話です。
母性と言ったら……一人と一匹でもんの凄い悩んだ。
では、どうぞ!!
約三年ぶりの我が家。
昔ならたった三年と感じていたであろう時間が今ではとても長く感じられる。
以前、この世界に来る前の俺を受け入れてくれた……以前の友人たちと同じように。
本当に俺は……恵まれている。そう、つくづく思う。
引き戸に手をかける。
もし、この先に誰もいなかったら……
なんて、不吉な事が頭を過る。
それを頭を振り、彼女たちは強い。そう言い聞かせ頭から振り払った。
扉を開き、何時もと同じように……その幸せを噛み締めながら声を出す。
―――ただいま―――
すると、何時ものように帰ってくる明るい声。
―――お帰り―――
今は、目的など忘れこの幸せのなかに浸かりたい。
でも、彼女たちを守るためにも、この世界を守るためにも……俺はまだ浸るわけにはいかないのだ。
何時か……何もかもを忘れて、この幸せのなかに浸る。
そんな日が来てくれれば良いものだ。
・
「ただいまー」
「お帰り。久しぶりだな」
「藍。ただいま。他の奴らは?」
「華扇、ぬえ、妹紅は修行。聖たちもそれに同行しているな」
笑顔で出迎えてくれた藍以外、全員出掛けているのか……
こう、妹紅とかぬえがダーって走ってきたりとかを想像していたぶん少し寂しく感じた。
「なんだ?私では不満だったのか?お爺ちゃん?」
「お爺ちゃんは余計だ。それに不満にも思ってない……ただ、あの騒がしい声を聞きたいと思ってな」
「そうか」
優しげな微笑みを受けべる藍。
俺のほうが圧倒的に長く生きているはずなのに……敵わない。そう感じた。
これが、母性とか言うやつなのだろうか。
「立ったのもなんだ。簡単に摘まめる物を作るから居間でゆっくりしているといい」
「それじゃあお言葉に甘えて」
靴を脱ぎ、家の床を踏む。
足の裏にヒンヤリとした木の冷たさが伝わり、少しくすぐったい。
居間も殆ど代わり映えしていないが、家具などに年期が入っていきたように感じる。
「一杯どうだ?」
「真っ昼間から酒か……」
藍からお猪口を受け取り、並々に注がれた酒を一気に煽る。
「と、言うわりには飲むのだな」
「そりゃあな」
摘まみをを口に運びながら一言だけ答える。
静寂が部屋を包み込む。しかし、不快感を感じない。
なんとも言えない安心感や充実感が心のなかを駆け巡る。
そんn静寂のなか藍が口を開く。
「……旅はどうだった?」
「進展はあんまりなかったな。でも、面白いものを見てこれたぞ」
「ほう……それは是非とも聞きたいのだが?」
「皆が帰ってきてからな」
「連れない奴め」
静かで、賑やかな二人だけの宴会。
さっきは、あの賑やかな声が聞きたいと言ったが……こう言うのもなかなかに良いものだ……
俺は、お猪口に入った酒を煽りながらそんな事を感じていた。
お読みいただき有難うございます!!
今更ですが……この小説にリアルの歴史は関係ないです。(間違えて消す前は書いたんだけどね……)
そして、母性は藍しゃまが勝ちました。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
『あの狂る』後日談(タイトル未定)と
『弱いから』の最新話をこの後投稿します。よろしければそちらもどうぞ。
では、また次回~