東方 崩廻録 (完結)   作:ちゃるもん

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教官、初めてとお仕事

さてさてやって参りましたお仕事のお時間です。

俺の初めてのお仕事は?依姫ちゃんのフルボッコとなっております!

 

いや、意味わかんねえよなんでこんなことになってんだよ…

 

『さあ、はったはったぁ!!新教官は4倍!依姫嬢は二倍だよ!』

『新教官に4!』『依姫嬢に3!』

 

おいこらそこ、賭けしてんじゃねえ! はぁ、依姫は自分の方が倍率が低くてご満悦の様子。昨日と同じ子だとは思えんな。あんなに怯えてたのに。

どうやら、そろそろ始めるようだ。豊姫が右手を上げ

 

    『始めッ!!』

 

始まりと同時に依姫は走り出す、と思ったのだが予想は外れた。刀を構えたまま動こうとはしない、こちらの動きを伺っているのだろう。

俺は堂々と腕を組み仁王立ちをしている。逆行して突進させ、突進してきた所にカウンターを入れようと思っていたのだが、そこまでバカじゃないらしい。

 

「来ないのか?」

「あからさまな隙を見せている相手に馬鹿正直に突撃すると思うか?」

「あっそ」

 

一応聞いてもみたがそこまで馬鹿じゃないらしい。俺は諦めて拳を構える。『変化』で補正しているとはいえ此方は初心者も同然だ、だが、わざわざ相手の土俵で戦わなくてもよいだろう。突進してくれうのが一番手っ取り早いけど。

 

俺が構えたと同時に依姫が突っ込んんでくる。結局馬鹿だった。速さを利用しての袈娑斬りを左に一歩ずれることで避け、そのまま手首を掴む。

 

確かに人間にしては力も強く、なにより速い。だが二十六億年ずっとサバイバル&特訓をしていたんだ、こんな小娘なんかより強い奴らとはいくらでも戦ってきた。

一週間に三回は死んでいたと思う。

腕に力を入れて、

 

「飛んどけ!」

 

バガァァアンッッ!!

 

依姫を観客に向かってブン投げる。すると、ボーリングのように何人も吹き飛ばしながら壁に激突した。あらかじめ生物に訪れる『死』の『変化』をを操り無くしているので死ぬことは無い。痛いのに変わりは無いけど。

 

吹き飛ばされた依姫を見る。そこには、剣を杖代わりに血だらけになっても立ち上がろうとしている依姫がいた。正直凄いと思った。壁にはヒビが入り人型、依姫のくぼみがその威力の凄さを現している。普通だったら痛みを感じることも無く潰れているであろう痛みを全て感じてなお立ち上がろうとする。

ぶつかった観客達は皆気絶している。

俺は依姫に近づき、

 

「ッく…!」

 

もの凄く殺意の篭った目で睨まれたが気にせず、体を持ち上げ片に担ぐ。

 

「なに…を…ッ!」

「医務室に連れて行くだけだ。大人しくしてろ」

「敵の…情けなんかッ…!」

 

五月蝿かったのでデコピンをして気絶させる。

 

「豊姫。医務室まで案内頼んでもいいか?」

「分かりました。こっちですよ」

 

豊姫に案内され医務室まで行き、そこに依姫を置いて俺は職務にへと戻った。

 

 

 

本来は明日からの勤務なので今日は訓練風景と一人ひとりの能力を見た。

 

途中暇で何でもありのバトルロアイヤルを起こしたのはしょうがない事なのだ!(願望)

死人は出さないようにちゃんと能力は使ってたんだからね!それ以外には使っては無いです。

 

とりあえず分かった事としてはこいつ等の動きが真正面からの特攻が多い事だ。全員ではないのだが四割が特攻を仕掛けてきた。さすがにこれは多すぎないか?

 

そんな事を考えながら向かっているのは医務室。依姫を連れて帰るためだ。なんか先に帰らせた豊姫が不機嫌だったけど……俺は鈍感ではない。それだけは言っておこう。なぜだ……

 

それは後々考えるとして、このこのじゃじゃ馬娘をどうにかせねば……医務室に付いたのは良い。そこで一人で歩いて帰るのは無理らしいので車椅子を借りることになり、俺が押して帰ることになったのだが……

 

「貴様の手なんか借りるか!!」

「いやだから無理じゃん!一番ひどいのが手なんだから。俺が原因なんだけどさ」

 

直すことも可能なのだが、ここでは手狭すぎるし自分でしておきながら言うのもあれだが能力に頼ってばかりでは肉体が衰えるのであまりお勧めは出来ない。さすがに今回は酷かったからやるけど。

 

「あぁもう!無理すんな!たくっ」

 

依姫は腕が使えないので足でどうにか出来ないのかと試行錯誤している。

俺は無言で近づき車椅子を押すことにした。

 

「貴様!」

「家帰ったら直してやるから大人しくしてろ」

「誰が手伝えと言った!私は一人で行ける!」

 

こんなことなら豊姫に付いて来て貰うんだった。

俺は依姫に文句を言われながら医務室を後にした。

 

・

 

帰路の途中に依姫が話しかけてきた。

 

「……お前はどうしてそんなに強いんだ?……どうしたそんな驚いて」

「いや、お前の口から嫌味以外が出て来ない事に現在進行形で驚いている」

「……私も驚いてるよ……自分が男に対してこんな事を言うなんてな」

「で、俺が何だって?」

「どうしてお前はそんなに強いんだ?」

 

俺が強い、ねぇ……

 

「俺って強いのかな?」

「窓からお前の戦闘は視ていた。五十人近くを圧倒したんだ、そんな奴を弱いと言えるのか?」

「どうなんだろうな。確かに俺は力が有るんだろうさ、でも、力が有るだけでそれは強さに直結するのか?俺は思わない。力は使い方次第で暴力にもなるからな。お前が見た今日の俺が良い例だろ?」

「なら力が無い者はどうしたらいいんだ……!」

「うーん……それは分からん。でも、弱者は弱者ゆえの戦い方がある。強者は牙を、弱者は知恵をってな。でも、どうしてそんな事を?」

「それは……」

「いや、言いたくないんなら良いんだ」

「いや……聞いてくれ頼む」

 

始めの頃からは想像が出来ないほどに友好的になってんな……帰ったら一波乱起きそうだなこりゃ。

 

「私は元々師匠の家に住んでたわけではない」

「ならどうして今は一緒に住んでるんだ?」

 

いや、もう分かっている。俺だってそうだったのだから。

 

「私の両親は『殺された』」

「…そうか」

「私はその時ちょうど帰ってきた時でな家に入ったら血の海が広がっていて、父さんと母さんは一人の男に殺されていた。そして私はその男に捕まった。幸いだったのは姉さんが居なかった事ぐらいだな。ここじゃ汚れるからと寝室に無理やり連れて行かれて、そして私は、その男に犯された。何度も愛を囁かれた。何度も奴に出された。今でも吐き気がする……!気がついたら私は病院の別途の上にいた。そこで私は奴の目的を知った。案の定私の身体が目的だったそうだ。……私のせいで両親は殺された。それから私は強くなる為に努力をした。自分自身を偽り続けた。姉さんを守るために、自分自身を守るためにな」

 

だからか……

お前は強いよ……俺よりも圧倒的に……

だって俺は……しようとすらしなかったんだから。

 

「その男はどうなったんだ?」

「追放され、後日死体で発見された」

「泣いたのか?」

「泣く、か。そんな事は考えたことは無かったな」

「なら、泣いとけ」

「いまさら遅いさ……」

「遅いことなんて無いからさ」

「そうだな……部屋で泣かせて貰おう」

「おう、そうしろ」

 

そうして俺達は帰路を急いだ。

 

その日の夜……

 

「どうしているんだ?依姫」

 

風呂から上がって来た俺を待ち構えていたのは布団の上で正座をしている依姫だった。怪我は治したので包帯は取っている。

焔は今日から永琳と一緒に寝ることになったのでこの部屋にはいない。

 

「部屋で泣かせてもらうと言っただろ」

「自分の部屋じゃないのか?」

「誰もそんなことは言ってないだろう?」

 

それはそうなんだけどさ…ここは男の俺より姉の豊姫か保護者の永琳あたりに行くのが普通じゃないのか?焔には席を外して貰って。

 

「はぁー分かったよ」

「すまないな」

 

依姫は俺の胸に顔を埋め声を殺して泣き始めた。

相当溜まってたんだろうな……強い自分を維持するためにも泣けなかったんだろう

俺は依姫の頭を撫でながら泣き止むのを待った。

 

 

「落ち着いたか?」

「ああ、すまなかったな時間を取らせてしまって」

 

二時間近く泣いていたのにケロッとしたもんだ。眼は充血してるけど。

 

「どうする?部屋まで送ろうか?」

「……そ、その……一緒に寝てはダメ、だろうか?」

「別に構わないけど、依姫は大丈夫なのか?その、昔のこととか」

「お前なら、彰人なら大丈夫だ」

「そういえば自己紹介がまだだったな。鶴来彰人だ」

「『綿月 依姫(わたつきのよりひめ)』だ」

 

俺はもう1セット布団を用意した。

 

「もう遅いから寝ようか。お休み依姫」

「お休み彰人」

 

 

『もう悲しませない……だから裏切られる前に……』

 

・

 

朝、女の子が布団に潜り込んで来ると言うなのラッキーイベントは

 

「……発生するんだなこれが」

 

俺の右腕に抱きついている依姫の姿が。

 

「おーい起きろー朝だぞー」

「んにゅ?あぁもう朝か」

「起きたか?なんで俺の布団に潜り込んでるんだ?」

「その……昔の夢を見てな……」

「そうだったのか……怖くなったらいつでも頼れよ」

「ありがとう」

「早く着替えて来い」

 

朝ご飯を食べ終わり、依姫と豊姫と一緒に職場に向かう。

豊姫がもの凄い不機嫌な事以外は何事も無く無事に着いた。今日明日あたりかなぁー

そんなこんなで皆起きてきました。

 

「では、今日やる訓練メニューを伝える!」

『『はっ!』』

「今日やる訓練メニューは鬼ごっこだ!」

『『はっへ!?』』

 

返事がおかしくなったが気にしない気にしない。

 

「鬼の人数は10人、捕まったら鬼と交代。最後まで鬼だった者にはステキなお仕置きメニューが待ってるから覚悟しろよ♪」

『『・・・((((;゜Д゜)))』』

「ルールは、先ほども言った通り10人だ。場所は森林場内。各自ひとつまで武器もしくは防具を持っていても良いこととする。鬼は武器、盾で相手を触れてもそれは無効とする。逃亡者側は鬼のタスキを取る事が出来れば一分間鬼を先頭不能にできる。そしてこの鬼ごっこは何でもありだ、複数人で一人を狙ったり、隠れてやり過ごす、罠を貼る。自分の有利になるように事を進めていけ。それと言い忘れていたが、鬼は十分に一度逃亡者の居場所が分かるアイテムが与えられるからな。タスキとそのアイテムはロッカーに入れて有るから準備をしとくように。次の集合は十分後に森林場に集合だ!では、解散!」

『『はっ!失礼します!』』

 

 

 

三分前には全員が集まっていた。その中にタスキをつけた者はいない。タスキは身に付けていればどこに隠しても良い。と書置きをしていたからだ。そしてアイテムだがこれもポケットに入れている者が多いだろう。

俺はもう一度ルールを説明して「三分後に開始するので各自好きなところから森林内に突入せよ、合図はこちらでする」

 

そして、もうすぐ三分が経つので俺は手を上に構えて魔力の塊を発射する。

 

ドォォォン!!

 

魔力の塊は空中で大きな爆発を起こし、ゲームが始まった。

 

あらかじめ飛ばしておいた式と意識をリンクさせ森林場全体を見回す。すでに何人かは捕まってしまっているようだ。早いな……

 

あれから十分が経とうとしている。もうすぐアイテムが敵の位置を知らせる時間だ。

3、2、1!手に持っている小さい機械(クリスタル)から森林場のマップと敵の位置を示している。この世界の科学どうなってんの……?

 

なんでもその世界の最初の人類(後の主になる生命体)はなにか一点に特化するらしく、この世界は科学に特化してるらしい。前の世界?あぁ娯楽らしいよ。

クリスタルがきちんと起動しているのを確認してちょっとテンションが上がりつつ式を通して状況を確認する。

三人で鬼を迎撃している所や、罠を作っていたりと自分に有利な状況を作っている。

 

 

 

~最終結果~

依姫及び残り9人罰ゲームけってーい

今日のバツゲームはー?

 

「このペットボトルを持って倉庫までGO!」

 

箱の大きさは500mlのペットボトル(水入り)が三個。

 

「それだけで良いのですか?」

 

依姫が聞いてくるがもちろん細工がしている。

そうとも知らず喜んでいる鬼達がペットボトルを持とうとする。

 

『あれ?ふぎぎぎぎ!重っ!』

 

重さを変化させてるからね!ざっと一つ八十倍ぐらいにしてるから相当に重い。ママチャリ二台分×3だから120キロぐらいかな?

 

「ズルしたら三倍だから頑張ってね~」

 

俺はその場を後にした。持ち運びやすいようにはしてるし大丈夫でしょ。

 

 

その日の夜、豊姫に呼ばれた。

 

「きたぞー」

「どうぞ彰人さん。散らかっていますが」

 

豊姫の部屋は余計な物は置いていない質素な和室。

 

「どうぞ」

「あ、悪いな。ありがとう」

 

ズズッ…あっこのお茶うまい。

…はぁ…付き合うのメンドクセェ…ネムネム…

 

『不老不死でも薬は効くんですね』

 

『貴方が悪いんですよ?依姫を、私の可愛い妹を悲しませようとするから…』

 

『貴方は私がきちんとカンリシマスカラネ?』

 

 

 

目が覚めたら両手足を鎖をベットに固定されていた。

ヤンデレ恐えぇぇー

霊力は使えないのね。普通に逃げ出すことは出来るけどどうせ今日は暇だし豊姫が来るのでも待ってよ。

俺はもう一眠りするために目を閉じた。

 

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