この世界にドラクエはない   作:トッシー

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ランサー戦に突入ですw
命の石って良いですよね。


Level:2

「テメェッ!!!一体何者だッ!!!?」

 

「そりゃコッチの台詞だ!部外者そっちだろ不法侵入!警察呼ぶぞッ!!」

 

衛宮から逃げおおせた次の日の放課後、全身青タイツに襲われました。

なんでやねん。

 

 

 

 

この世界にドラクエは無い

 

 

次の日、悠々と登校してきた俺を待っていたのは虎と化した我が担任教師、藤村大河。

熱い説教の後、放課後も更に居残るように言い付けられ、罰として衛宮と弓道場の掃除をするように申し付けられる。

何で野郎と二人きりで貴重な放課後を過ごさにゃならんと憤慨しつつ虎の猛威に敢え無く敗北。

夜遅くまで居残る事に…。

その時、遠坂とは正反対の悪い意味での有名人、通称ワカメが嫌味を言いに来たが衛宮にしか興味が無いようなので放置。

黙々と作業するが勝手が分からん。結局掃除が捗らず逆に足を引っ張ってしまい余計に時間がかかってしまった。

 

「こんなことなら一人でやったほうが速かった」

 

お人好しのはずの衛宮に毒を吐かれながら、校門を目指す。

しかしその時、俺は不穏な気配を感じ取った。

金属のぶつかり合う音、濃密な殺意。

間違えるはずがない。これは戦いの気配だ。

衛宮も気づいたらしく、冷や汗を流し、恐怖で肩が震えていた。

視線の先には赤と青の光が超スピードでぶつかり合い、交差し、飛び交う。

 

「遠坂…」

 

士郎の視線の先には我が校のアイドル遠坂凜。

ていうか気づくの速いなコイツ。

赤い方は、昨日の放課後見た奴だ。

青い方は知らん。

全身青タイツで紅い光を放つ禍々しい槍を振るっている。

漢にモテそうな兄貴風な男だ。正直関わりあいになりたくない。

気づかれる前に退散するか。

衛宮を促し帰ろうとしたその時、

 

ペキリ、

 

なんと衛宮が後ずさり、底にあった小枝を踏みつぶしたじゃありませんかい!?

 

「誰だっ!!?」

 

はい気づかれました。

俺は衛宮を連れて駆け出した。

 

「お、おい!?平塚…ってうわっ!?」

 

レムオルもしくはルーラで逃げようと考えたが、衛宮や遠坂に見られたくないので除外。

レムオルは認識された後では無意味だろう。

あまりスピードを出し過ぎると衛宮が危険、こりゃ逃げられそうにないな…。

グングンと殺気が背後から近づいてくるのを感じつつ俺は周囲を渡す。

 

「おい!平塚!降ろせよ!」

「うるせえ!俺だって男を抱えて走りたくねえよ!少し黙ってろいっ!」

「けどっ!」

「面倒臭え!ラリホー」

「う……、ぐうっ…」

 

文句をいう衛宮にラリホー一発、校内を縦横無尽に駆けつつ三階の廊下へ侵入。

脇にある教室に衛宮を放り込むと教室の扉を背にして相手を待つ。

そして、

 

死が訪れた。

 

シュッという空気の掠れる様な音と閃光が光線となって俺の心臓へと伸びる。

常人では間違いなく知覚出来無い程の速さの刺突。

鋭く速く正確無比な死の一撃は正しく急所突きのようだ。

その攻撃を身を反らせて躱すと回し蹴りと肘を叩き込む。

 

「何っ!?」

 

男の口からは驚愕の声が上がる。

俺は敵の動揺に付け込む様にもう一歩踏み込む。

男の顔がはっきりと見えた。

青い髪を逆立てた猛犬の様な風貌、無駄なく引き締まった戦士の肉体。

そして真紅の魔槍。

目の前の敵は間違いなく強敵だった。

なにせ踏み込みと同時に放った正拳突きを槍の柄で防いでいたのだ。

完全に意表を付いたと思ったのだが。

 

「丸腰はキツイ…」

 

俺は再び迫ってくる魔槍に向かって腕を突き出す。

ギィン、という鈍い音が廊下に響く。

 

「何かしこんでやがるな?」

「正解」

 

制服の袖から刃が奔る。

剣はキラーピアスを装備した!

翠風の如き二つの刃が暗闇を照らし左右から青い男を襲う。

 

「ちぃっ!!?」

 

ギィン!キンッ!カッ!キィンッ!!!

 

音速を突破した斬撃と刺突が交差し火花を散らす。

何十合と撃ちあう内に男の口から笑みが漏れ始める。

 

「ハハッ!ハハハッ!テメエ、一体何者だっ!!?」

 

強者との戦い。

それは現代では有り得ない神代の戦い。

青い男は目の前の侵入者の正体よりも、その強さに魅了され始めた。

何故なら自身が望む全てが其処にあったからだ。

目の前の男は自分と同類ではない。間違いなく人間だ。

だというのに俺と対等に戦っている。

面白い!もっと戦り合おうじゃねぇかっ!!!

 

「そりゃコッチの台詞だ!」

 

「同感だ!けどもうどうでも良いっ!今はこの戦いを楽しもうやっ!!」

「断るっ!!」

 

こんな奴に付き合うなんて冗談じゃない。

此処は早々に撤退だ。

隙を突いて、若しくは隙を作って衛宮を回収!んで退却だ!

 

「…逃げればもう一人を殺す。お前は逃げれてももう一人はどうかな?どのみち目撃者は消さにゃならんのでな。二人揃って生き延びるには俺を倒すしか道はねぇぞ」

 

「……てめえ」

 

「つまらん偵察任務に殺し、だがここに来て僥倖だ。まさか現代にお前のような戦士がいたとはな…」

 

「バトルジャンキーかよ」

 

本当にうんざりする。

異世界で出会ったあの男と同類とは…。

 

「そう嫌うなよ。そろそろ奴らも来る。その前に決着といこうや」

 

瞬間、真紅の魔槍が更に禍々しい光を放ち始めた。

 

「俺の名と槍の真名、手向けとして受け取りな」

 

 

 

刺し穿つ、(ゲイ )

 

槍から放たれる殺意が空間を侵食していく。

まるで即死呪文(ザラキーマ )の様な死の気配に俺は息を呑む。

 

死棘の槍(ボルグ ) ッ!!!

 

槍は真紅の光線となり不規則な軌道を描きながら凄まじいスピードで俺へと襲いかかる。

確かに速いが捉えきれないほどじゃない。

俺は全神経を槍の動きに集中、狙いは俺の心臓。

 

「ここだっ!!」

 

俺はキラーピアスを交差させて魔槍を払い落とした……筈だった。

 

「な、何…?」

 

何が起きたのか分からなかった。

俺は間違いなく槍を切り払ったのだ。

にも関わらず、魔槍は俺の胸に深々と突き刺さっていた。

 

「終わりだ。誇っていいぜ。まさか英霊でもない魔術師でもない奴に宝具を開放する事になるとはな…」

 

槍が俺の胸から引き抜かれ、男は背を向けて教室へと向かう。

衛宮を殺すつもりなのだろう。

 

「させるかっ!!」

「な、何っ!!?」

 

俺は隙だらけの無防備な背中に向かって跳んだ。

火炎と冷気をそれぞれ纏ったキラーピアスを敵に向かって叩き込んだ。

 

はやぶさ斬り

 

一瞬でほぼ同時に繰り出される四の斬撃は空気を切り裂きながら無数に増え続ける。

四、八、十六、三十二、六十四、百二十八。

鮮血が舞う、

激しさと鋭さを増していく無数の斬撃が目の前の男の全身を切り裂いていく。

思った通りだった。

どういうカラクリか分からないが、目の前の男は通常の攻撃が一切効果がなかった。

実際、先ほどの立ち会いにおいて何度か良い一撃が確実に入っていたのだ。

しかし男は平然と反撃を繰り出してきた。

物理攻撃無効化とかチートかい!しかも先程の魔槍の一撃。

常備していた命の石が無ければ間違いなく死んでいた。

俺は内心焦りまくりだった。

そこで戦い方を変えることにしたのだ。

物理攻撃を主体とした戦いから魔力を用いた戦いにシフトチェンジしたのだ。

結果はご覧の通り、

 

「はあああああああああああああっ!!!」

「ごはああああああっ!!?」

 

反応が遅れた男は俺の連続して繰り出されるはやぶさ斬りに為す術もなく八つ裂きにされていく。

冷気と炎を纏った双刃、攻撃力は低いがこの狭い通路において効果は抜群だった。

 

「トドメだ!」

 

キラーピアスが男の喉元に迫る。

殺った!そう思った瞬間、男はその場から忽然と姿を消した。

 

「…っ、転移?リレミトの類か?」

「た、助かった…のか?」

 

衛宮が教室から這い出すように現れる。

 

「起きたのか?」

「ああ…って、違うっ!平塚!お前、魔術師だったのか!?」

 

「はぁ?魔術師?何言ってんのお前」

 

「恍けるな!さっき魔術使ってたじゃないか!?」

「落ち着けよ衛宮、俺も正直混乱してるんだ」

「けど!!」

「取り敢えず、俺はお前の言う魔術師じゃない。それに俺達の疑問には本物の魔術師が答えてくれると思うぞ」

「…それって?」

「なぁそうだろ?遠坂凜」

 

「こんばんは平塚君、衛宮君。疑問という意味でなら私の問にも勿論答えてくれるわよね?」

 

廊下の暗がりから現れたのは先程まで運動場のトラックで赤と青の戦いを堂々と観戦していた美少女。

遠坂凜は優雅な佇まいで、しかし昼間の優しげな表情から程遠い殺気を纏った空気を放ちながら現れた。

その横には先程の紅い男の姿。

 

「ビルの上の次は夜の学校でデートか…ずいぶんと物騒なデートだな…」

 

「……やはり見えていたな」

「そっちこそ」

 

一触即発の空気が廊下を満たす。

紅い男は両の手に白と黒の双剣を出現させ、遠坂は魔力を孕んだ宝石を構える。

そこに士郎が割り込んでくる。

 

「ちょっとまってくれ!これから話し合うんじゃなかったのか!?落ち着けよ!」

 

両者は視線を交差させた後、同時に武器を下ろした。

士郎は漸く溜息を絞り出した。

 

「取り敢えず、河岸を変えて話をしないか?」

「そうね、その前に平塚君、これだけは答えて」

「なんだい」

 

「貴方は何者…ううん、貴方はナニ?」

 

虚言は許さない。

遠坂凜の眼光がそう言っていた。

剣はバンダナを締め直すと、溜息を付いた。

 

「ナニって聞かれてもなぁ…遠坂の納得できる答えが出せるとは思えないけど……そうだな、異世界帰還者、じゃ駄目か?」

 

頭をボリボリと掻きながら剣はカミングアウトするのだった。

俺の言葉に遠坂の眼が釣り上がった。

なんか分からんが気に触ったようだ。

 

 

 

「異世界、ですって?私を馬鹿にしているの?」

 

「やっぱりこうなったか」

 

まともに答える気が無い。

遠坂は俺の答えをそのように受け取ったようだ。

 

「だから河岸を変えようっていったんだ」

 

込み入った話をしなければならなくなるし、この世界のファンタジーな情報も出来れば知りたい。対処法も含めて。

 

 

「ていうかさ、遠坂…」

「ナニよ?」

 

怒りで肩をワナワナさせている美少女。

うん、何時ものミス・穂村原とは似ても似つかんな。

 

「それがお前の素か?さっきから衛宮が怯えてるぞ?」

 

 

「遠坂……」

 

「遠坂の本性は凶暴っと…柳洞の言うとおりだったな」

 

「凛、話が逸れている」

 

ここで初めて紅い男が口を開いた。

中々のイケメンボイス。

 

「そうね……じゃあ衛宮君と平塚君、家はどっちが近いのかしら?」

「ん?遠坂ん家は含まれないのか?」

 

「お生憎様、魔術師が他人を家に招くわけがないでしょう?」

「そういうものか?」

 

「じゃあ俺の家に来ないか?」

 

士郎が手を上げて主張した事で一行は衛宮家へと向かう事になったのであった。

 

 

 

厄介な事になってきたな…。

俺はキラーピアスを袖に隠しながら今日で何度目かになる溜息を付くのだった。

遠坂は異世界の話、信じてないみたいだし、最終的にはルーラで異世界に連れて行けば信じざるをえないのだろうけど、出来れば俺以外の人間を連れて行きたくないんだよな…。

 

俺は異世界に独占欲のようなものを感じていた。

あの世界に行っても良いのはこの世界で俺だけだ的な…。

それに今回のような非日常が続くなら、もっと強力な武具も持ち込みたいし…。

 

 

「着いたぞ。此処が俺の家だ」

 

思考の海に入り込んでいる間に衛宮の家についたようだ。

 

「おお、武家屋敷……ん、これって結界か?」

 

「みたいね」

 

「ああ、侵入者を知らせてくれる簡易なやつだよ」

 

士郎はそう言いながら鍵を開けて玄関に上がった。

 

「さあ上がってくれ」

 

「お邪魔します」

 

士郎の案内されて俺達は居間へと通された。

 

そして互いに向かい合うように座布団に座る。

 

「さて、今度こそ話を聞かせてもらうわよ」

 

「はぁ…、分かったよ。じゃあ何から聞きたい?」

 

こうしてこの世界の魔術師との初の対話が始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く?

 

 

 

 

ケン

レベル99

ゆうしゃ

☆ 8

うちゅうヒーロー

 

さいだいHP:820

さいだいMP:660

 

ちから:400

みのまもり:210

すばやさ:355

かしこさ:240

うんのよさ:44

 

もちもの

 

E:キラーピアス

E:がくせいふく

E:しっぷうのバンダナ

E:キーホルダー

 

 

攻撃力:410

防御力:236

 

特技・呪文

 

メラ メラミ 

ヒャド ヒャダルコ

ギラ ベギラマ ベギラゴン

イオ イオラ 

デイン ライデイン ギガデイン ミナデイン

ジゴスパーク メガンテ ニフラム

 

ホイミ ベホイミ ベホイム ベホマ ベホマラー ベホマズン

キアリー キアリク シャナク ザメハ

ザオラル ザオリク 

 

スカラ スクルト

バイキルト バイシオン

ピオラ ピオリム

マジックバリア バーハ フバーハ

マホステ アストロン

ルカニ ルカナン

ラリホー ラリホーマ

ボミオス マヌーサ メダパニ

モシャス パルプンテ

 

リレミト ルーラ トベルーラ トヘロス トラマナ

インパス レムオル 

 

火炎斬り マヒャド斬り 真空斬り 稲妻斬り 烈破斬り

はやぶさ斬り メタル斬り 魔神斬り 五月雨斬り 

疾風突き ドラゴン斬り ゾンビ斬り 剣の舞

ギガスラッシュ ギガブレイク アルテマソード

ムーンサルト 飛び膝蹴り 回し蹴り 足払い 

急所突き かまいたち 正拳突き 爆裂拳 

しんくうは  石つぶて じひびき 岩石落とし

すてみ

 

気合いため ちからため 

刃の防御 大防御 かばう 仁王立ち 

チーム呼び ダーマの悟り

 




ランサー、令呪によって離脱?

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