この世界にドラクエはない   作:トッシー

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Fateの世界観が壊れたり、キャラが崩壊したり、ファンの方には申し訳ないです。
気分を害された方々には謝罪します。
しかしこれからも調子に乗ってやらかしてしまいそうなのでこの場を借りてお断りを入れておきます。

それでも良いというオカン級に寛大な方、どうぞお楽しみ下さい。



それからセイバーアンチではないです。セイバーアンチではないです。

大事なので二回言いました。むしろセイバー大好きです!


Level:5

剣の英霊( セイバー)が初めてその男を目にした時、感じた事は云いようのない悪寒だった。

彼女の優れた直感が知らせてくれる。

この男は害にしかならない存在だと。

目の前で呆けている赤毛の青年が自身のマスターに間違いない。

その後ろで悔しそうにしている美少女は他の英霊を使役する魔術師(マスター )だろう。

英霊の姿が見えない。おそらく霊体化させているのだろう。倒すなら今だ。

しかしそれよりも、

 

「おお、すげえ美少女…」

 

その口調とは裏腹にこちらを観察している男の存在だ。

 

-この男は……、ダメだ…。

 

気がついた時、弾かれたように飛び出し不可視の聖剣を男に向かって振り下ろしていた。

召喚されたばかりだというのに。自分から敵を作るような愚行を犯したのである。

しかし彼女の直感が云っていた。

この行動は決して間違いではないと。

 

男は軽々と自身の斬撃を躱すと、袖に隠した刃で構えを取る。

その一連の動作は流れるように流麗で無駄がない。

男は「なんでやねん」と不満そうに口をへの字に曲げながら後ろへ飛んで距離を取った。

 

英霊でもなければマスターでもない。

そんな男が自分の斬撃を軽々防いだのである。

セイバーの直感が早鐘のように警報を鳴らす。

それに男の動き、戦闘技術は間違いなく英霊と遜色がなかった。

セイバーは自身の直感に従い男に向かって駆けた。

そこで、

 

「止めろ!ソイツは、平塚は敵じゃないっ!!」

 

マスターの言葉で動きが止まる。

 

「マスター、何故止めるのです?それに敵マスターも居るようですし…」

「まさかいきなり戦おうとするとは…」

 

マスターである衛宮がセイバーを説得する。

こうして殺伐とした英霊召喚が完了したのである。

 

 

 

 

 

 

 

この世界にドラクエは無い

 

 

 

 

 

 

やれやれ、いきなり斬りかかられた時はどうなることかと思ったよ…。

ていうかオレが一体何をしたってんだ?普通オレじゃなくて遠坂を襲うだろ?

初対面で何もしていないのに美少女から殺意を叩きつけられるとか本気で凹むわ。

 

セイバーの召喚に成功した衛宮。

彼女に事情を説明し遠坂と同盟を結んだ旨を伝えると、セイバーは納得しマスターである士郎の決定に従う意思を示した。

 

「それからセイバーから見れば得体が知れないのもわかるけど、平塚は命の恩人なんだ。今日だけでもう二度も命を救われてる……だから」

 

「分かりました…マスター」

 

セイバーは無表情で頷くとオレに向き直って口を開く。

 

「平塚…と言いましたね?マスターの命を救っていただいたことを感謝すると同時に、先程蛮行に及んでしまった事を謝罪します」

 

「…あ、ああ…まぁ、オレも怪我はないし、良いけど…」「しかし」

 

セイバーは感情の篭もらない目でオレを見つめる。

間違いなく謝罪する態度じゃないな。

 

「ここから貴方の存在は不要です。命が惜しければ早々に立ち去りなさい。以降、この街から離れ聖杯戦争にはくれぐれも介入しないように」

 

この美少女は一体何を言ってるんだ?

どうしてここまで悪し様に言われなきゃならん。

オレ、何か悪い事したか?

この時はまだセイバー特有の直感など知らないオレはセイバーへの印象が最悪なものになっていく。

それが今後の関を更に悪化させる悪循環に陥ることも今は知る由もない。

 

思わずオレはセイバーを睨みつけてしまう。

二人の間に険悪な雰囲気が漂う。

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!一体どういうこと?二人共落ち着きなさい」

 

「いや遠坂、いきなり初対面でここまで悪しざまに言われりゃ相手が美少女でも普通に怒らねぇ?オレ何か悪い事したか?オレが悪いのか?死ねばいいのか?消えればいいのか?」

 

「お、おい平塚、何も泣くことねぇだろ?」

「泣いてない!泣いてないもんね!」

 

「いやでも…、涙声になってるだろ」

「涙は流してない」

 

オレと衛宮のやりとりに遠坂は呆れたように溜息を付いた。

 

「もう付き合いきれないわね。衛宮君、セイバーも召喚できたんだからそろそろ次に行くわよ」

 

「あ、ああ…確か教会に行くんだったな?聖杯戦争の運営を取り仕切ってるっていう…」

 

「ええ、出来れば私も行きたくはないけど、聖杯戦争について詳しい話が聞きたいでしょ?」

 

そういえば召喚前に話には出ていたな。

隣町の教会に監督役が居る話を。

これからそこに行くのか。

直ぐ側ではマスターと英霊組が話し合いをしている。

何でもセイバーはどういう訳か霊体化できないらしい。

鎧姿は目立つのでせめて武装を何とかしてほしいと言うが、セイバーは敵が何時来るかもしれない状況で武装をとくことを了承しない。

結果、上から何かを羽織る事で鎧を隠すということで落ち着いたようだ。

 

聖杯戦争か…。確かに興味深い。

出来ればオレも着いて行きたいが…。

チラっとセイバーを見ると、相変わらず無表情な目でこちらを注視している。

無表情だがその瞳の中に明確な敵意が宿っている。

 

「はいはい、帰ればいいんだろう。帰りますよ…、オレだって自分から危険な戦いに突っ込む気はねぇよーだ」

 

「え?平塚は帰るのか?」

 

「仕方ないだろ?セイバーがあの調子だし…それにぶっちゃけ聖杯には興味ないし…」

「そっか、平塚が居てくれたら心強かったんだけど…」

「マスター、聞き捨てなりません。マスターを護るのはこの私の役目だ。貴方も用が済めば早々に去りなさい」

 

取り付く島もない。

 

「けど途中までは一緒してもいいだろう?道中一緒なんだし」

「分かりました…、くれぐれもおかしな真似はしなように」

「セイバー!」

 

セイバーは衛宮の咎める声を無視して先を歩き出した。

 

「まぁ待てよ衛宮、オレはもう気にしてないから。あんな小さな娘相手に大人げないし」

 

そこでセイバーのアホ毛がぴくりと反応する。

 

「それに、いくら何でもあのダサい雨合羽姿じゃ機嫌も悪くなるって…プスーッ(笑)」

「根に持ってるな…」

「ええ、根に持ってるわね…大人げないのはどっちなんだか」

 

ええい!五月蝿い五月蝿い!コッチは危うく殺されかけた上に謂れのない悪意までも向けられたんだ。

被害者は絶対にコッチ!

 

(しかしやっぱり凄いな…、剣の英霊か…)

 

悪態をつきながらも、オレは本心ではセイバーの剣技には感心していた。

力強くも全身の動きを無駄なく剣撃に伝える技量。

放出した魔力の制御能力。

そこから繰り出される暴風の如き一撃。

それに風を纏った不可視の剣。

どれをとっても一級品だった。

本気で殺し合えば無事では済まないだろう。

 

確かに殺されかけはしたが、凛とした佇まいと騎士然としたセイバーの姿に、オレは心の底から敵意を抱くことは出来なかった。

これがカリスマ性というやつなのだろう。

そんなセイバーの姿が恐ろしくも強い竜の騎士( ディース)の姿 に重なる。

一度は“竜の力で孤独になった”あの娘の姿に…。

 

(ヤメヤメ、だいたいディースはおっぱいでかいし、セイバーとは似ても似つかんわ)

 

暫く歩いた所で道が二つに別れる。

 

「じゃあオレはここで」

 

「ああ、平塚…今日は有難う。お陰で助かったよ。必要ないかもしれないが気をつけて帰れよ」

「おう!明日からは一般人として慎ましく過ごさせてもらうさ」

「いや一般人は異世界移動できないし、英霊を退けることも出来ないって」

「それじゃあ平塚君、明日学校で」

 

 

こうしてオレは一人寂しく家路に着くのであった。

既に時刻は午後10時を周っており、周囲には人の気配が全くない。

そう、まだこちらの世界は10時。人が寝静まるには早過ぎる時間だ。

もしかしてオレ“閉じ込められた”のか?

 

「……オカシクね?全く人の気配がないとか…」

 

「……へぇ?気づいちゃうんだ」

 

それは少女の声だった。

道路の先の暗がりから流れてくる無邪気な美声。

幼い子供の声、という割にはしっかりと言葉を操るその声は違和感しか感じない。

オレはアイテムボックスからお気に入りの“雷鳴の剣”を取り出した。

丸腰で勝てる相手じゃない。

 

現れたのは2メートルを雄に越す巨躯。

鋼色の筋肉鎧に覆われた怪物だ。

無邪気な声の主がコイツじゃないのは間違いない。ていうかコイツの声とか嫌過ぎる。

 

「本当は、お兄ちゃんとリンを殺す予定だったけど、その前にアナタが死ねば、お兄ちゃんはどんな顔をするのかしら?」

 

大男の足元から姿を見せたのは白い少女。

この日本には場違いな幻想的な雰囲気を持つ妖精は優雅にスカートの端を持ち上げると、可愛らしくお辞儀をした。

 

「こんばんは、わたしはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

 

「これはご丁寧に、オレは平塚剣、気軽にケンちゃんとでも呼んでおくれ」

 

オレは平静を装いながらも挨拶を返す。

コイツはもしかしてピンチというやつではないでしょうか?

何故ならあのデカイのとチンマイのスゲエ殺気ですよ。

殺る気満々ですな。

セイバーと言い初対面で殺意向けてくるのが続々と出てくるとか、神様そんなにオレが嫌いですか?

以前、夢の中に出てきたキュウベエもどきの光に「契約せよ」と迫られた時「契約書は?」と突っ込んだのが不味かったのか?

グルグルとどうでも良い思考が頭のなかで流れていく。

 

 

「うん、それじゃあ殺すね?」

 

「やっぱり?そうなるのか?」

 

「やっちゃえバーサーカー」

 

瞬間、殺気が一気に膨れ上がった。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!!」

 

声というには程遠い、咆哮を超えた怪物の雄叫びによって戦端は開かれた。

狂戦士( バーサーカー)…、やはりこの怪物は英霊( サーヴァント)だった。

バーサーカーはその巨体から想像も出来ないような軽やかな跳躍でオレに肉薄する。

凄まじい速さの踏み込みだ。

気づいた時には、もう目の前に来ていた。

あの青い男、ランサーに匹敵するスピードだった。

振るわれるは巨大な石の斧剣、圧倒的な重量と質量はそれだけで死そのものだ。

正面から受け止めるのは愚策、間違いなく挽き肉にされる。

となれば、

 

-受け流しー

 

掠っただけでも致命傷になりかねない。

実際に音速を超えた超質量が横切るだけで肉が裂けてかなり痛い。

オレは下腹に気合を入れて目の前の敵に集中する。

このままいけば間違いなくミンチにされる。

となれば、

 

守備力増強呪文( スカラ)守備力増強呪文( スカラ)

 

連続して守備力増強呪文を唱える。

不可視の防御膜によってオレの耐久力が飛躍的に上がる。

結果、バーサーカーの攻撃の余波の影響がなくなった。

 

お次は、

 

高速稼働呪文( ピオラ)

 

呪文とともに頭がクリアになる。

神経伝達速度と共に動きが急激に加速する。

バーサーカーの動きがスローモーションになったように感じる。

 

更に!

 

攻撃力倍増呪文( バイキルト)

 

全身から力が漲ってくる。

バイキルトと同時にオレは斧剣を持つバーサーカーの指を破壊、斧剣を落とさせることに成功する。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!!」

 

「五月蝿えっ!!」

 

オレは雷鳴の剣から雷撃を放つ。

刀身から放たれた雷が無数の光線になって敵を襲う。

効いてないようだが目眩ましにはなりそうだ。

こいつを倒すには高めた闘気と魔力で一気に殺るしか無い。

バーサーカーと打ち合いながらもオレは足を動かし移動を図る。

結界の中とはいえ、もしも人が巻き込まれたら目も当てられん。

人死にを気にしない戦い方を一度でもしてしまえば、オレはあいつらの仲間も勇者も名乗る資格がなくなる。

 

「ここならいいか?」

 

移動した先は河川敷。

オレは闘いながらも高めた闘気を開放した。

 

「行くぞ!来たれ!魔界の雷ッ!!」

 

オレは召喚した黒い雷を雷鳴の剣に纏わせると上空に飛び上がった。

放たれたのは黒い雷光、

 

暗黒雷撃破(ジゴスパーク )ッ!!!!!

 

手応え有った!

放たれた極太の黒いレーザーはバチバチと電撃を纏いバーサーカーを飲み込んだ。

オレは地面に着地するとバーサーカーに剣を向けて残心した。

 

すさまじい破壊の傷跡。

土煙が舞い、刳れた地面は未だバチバチと帯電していた。

そして沈黙した巨躯の影。

煙が晴れてくると、そこには上半身が根こそぎ無いバーサーカーの無残な姿があった。

傷口は焼け焦げており出血さえ蒸発している。

 

「へぇ、只者じゃないとは思っていたけど、まさかバーサーカーを殺すなんて…ケン、アナタ本当にニンゲン?」

 

「ケンちゃんだ。答えはYESだ。それよりもずいぶんと余裕だね?君のサーヴァントは倒れたというのに」

 

「ふふ、ほんとうに驚いたわ…。でもそれ以上に不思議ね。アナタほどの魔術師なら噂ぐらい聞こえてきてもいい筈なのに…その強さは執行者さえも霞んでしまうわね」

 

「だったら早々に帰ってくれないか?子供はもう寝る時間だ」

 

「む、失礼ね。私は立派な淑女(レディ )なのよ?淑女(レディ )に対して無作法な男は一度死んだほうがいいのかしら?」

 

「君は状況を理解できないほど子供なのか?それとも君自身が戦う気か?このオレと…っ」

 

その時、イリヤスフィールの口元が三日月のように釣り上がる。

そして背後に悪寒を感じるのと同時だった。

 

「ほんとうに驚いたわ。三度もバーサーカーを殺すなんて…」

 

冷や汗が止まらなかった。

三度だけ?ていうかどうしてコイツは生きてる?

蘇生魔法?そんな大呪文何時使ったんだ…?

 

「やっちゃえバーサーカー」

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!!」

 

「な、何ぃっ!?」

 

そこには上半身を吹き飛ばして殺したはずのバーサーカーが無傷でこちらに迫っていた。

 

「今度は本気よ……狂いなさい、バーサーカー…」

 

白い妖精の無邪気にして無慈悲な声が夜空へと響いた。

 

そして戦いは終局へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く?

 

 

 

 

 

ケン

レベル99

ゆうしゃ

☆ 8

うちゅうヒーロー

 

さいだいHP:820

さいだいMP:660

 

ちから:400

みのまもり:210

すばやさ:355

かしこさ:240

うんのよさ:44

 

もちもの

 

E:雷鳴の剣

E:がくせいふく

E:しっぷうのバンダナ

E:キーホルダー

いのちのいし

 

攻撃力:480

防御力:236

 

特技・呪文

 

メラ メラミ 

ヒャド ヒャダルコ

ギラ ベギラマ ベギラゴン

イオ イオラ 

デイン ライデイン ギガデイン ミナデイン

ジゴスパーク メガンテ ニフラム

 

ホイミ ベホイミ ベホイム ベホマ ベホマラー ベホマズン

キアリー キアリク シャナク ザメハ

ザオラル ザオリク 

 

スカラ スクルト

バイキルト バイシオン

ピオラ ピオリム

マジックバリア バーハ フバーハ

マホステ アストロン

ルカニ ルカナン

ラリホー ラリホーマ

ボミオス マヌーサ メダパニ

モシャス パルプンテ

 

リレミト ルーラ トベルーラ トヘロス トラマナ

インパス レムオル 

 

火炎斬り マヒャド斬り 真空斬り 稲妻斬り 烈破斬り

はやぶさ斬り メタル斬り 魔神斬り 五月雨斬り 

疾風突き ドラゴン斬り ゾンビ斬り 剣の舞

ギガスラッシュ ギガブレイク アルテマソード

ムーンサルト 飛び膝蹴り 回し蹴り 足払い 

急所突き かまいたち 正拳突き 爆裂拳 

しんくうは  石つぶて じひびき 岩石落とし

すてみ

 

気合いため ちからため 受け流し

刃の防御 大防御 かばう 仁王立ち 

チーム呼び ダーマの悟り 

Etc…




ジゴスパークにルビふるとか中二やってしまいました。
セイバーにめっちゃ嫌われてるケンちゃん。
直感が言ってるんだから仕方がない。
しかしそんなこと知らないケンは凹んでおります。

バーサーカー戦

テンション貯めてハイテンション状態からのジゴスパークです。

スーパーハイテンションの一歩前ですね。

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