あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結) 作:ちゃるもん
…………これは……キツいかな…………
では、どうぞ。
小さい妖精、ゾンビフェアリーと言うらしい。に案内されさとりさんの部屋の前へと到着した。
ゾンビフェアリーは自分の仕事が終わり、可愛らしく一礼して去っていった。
俺は扉に向き直り新しい記憶に手をつける。
お空ちゃんと燐さんに出たあの影。
こいしちゃんのあの言葉。
さとりさんに何かあったのは明白だった。
今はただ、あの予想が当たっていないことを祈るだけだ。
俺は一度深呼吸をして、扉をノックした。
・
結果的に言うのであれば……最悪の予想、既に存在しない。と言う予想は外れた。
だが、扉の先にあったものはそれでもなお俺を驚かせるには十分だった。
それもそうだ。ガリガリに痩せた体で、ベットに腰掛けボーッとしているさとりさんがいたのだから。
以前のような細くも健康的な腕は痩せ細り、赤子ですらポッキリ折ってしまえそうなほど細い。
髪はボサボサになり、顔もやつれ、変わっていないのは胸元にある三つ目の瞳のみだった。
「あぁ……あなた……でしたか……いらっしゃいませ……いま、おちゃをおだししますね?」
ベットから降り、スタスタと歩き、お茶を入れ、近くにある机の上に置いた。
と、思っているのだろう。
彼女の手には何も握られていなく、机の上にはお茶どころか何も置かれていない。
さとりさんは、お茶を入れてもいないし、歩いてもいない。そして、ベットから立ってすらないのだ。
「あれ……?さっきおちゃを……すいません……ここのところものわすれがひどく……」
そして、俺の目を捕らえることもせず……宙に喋り続けているのだ……
「さとり……さん」
無意識にその名前を呼んでいた。
「そうなんですよ……わたしはなにがしたかったのでしょうか……?こいしをたすけたかったのでしょうか……?それとも……けいが……ほしかったのでしょうか……?それが……わからないんです」
「さとり……さん」
なんで相談してくれなかったのか……
いや、相談出来なかったのかもしれない……
「わたしじゃないからわからない?……たしかにそうですよね……すいません」
「謝らなくていいんです……誰しも……失敗するものですから……」
その声に答える。
そうしないと、本当に彼女が独りになってしまう気がしたのだ。
「きにしなくていい?……ありがとうございます……でも、これがわからないとこいしもけいにもあえませんから……」
「そんな事……ないですよ……」
届かないと分かっていても……
響かないと分かっていても……
「そうですか……そうですよね……こんなわたしだったらふたりも……あいたくないですよね……」
「そんな分けない!俺は知っていますよ!!全部!全部!さとりさんがこいしちゃんの心を開くために近づいてきた来たことも!全部……全部……知ってるんですから……気にしてないですから……戻ってきてくださいよ……」
そして、奇跡は起こる……
それを奇跡と呼んでも良いのか分からないが、それは軽にとって奇跡であった。
その瞳から、一筋の涙が滴り落ちた……
『やっぱり……私でも十分程度なのに……お兄さんに頼んで正解だったよ。ありがとうね』
―――その部屋からは、二つの噛み合わない会話が響いていた……
お読みいただき有難うございます。
さとり様は精神崩壊を起こしたままです。
こいし達がその部屋に居なかったのは、長居をすると発狂する恐れがあるからです。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
これからも
『東方 崩廻録』 と 『あの日から俺の人生は狂ってしまった。』
を、よろしくお願いします。
軽くん……強くなったね……
では、また次回。