あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結) 作:ちゃるもん
軽くん……最近本当に主人公をしてるね……嬉しいよ……
では、どうぞ!!
「俺は帰ります」
「そうですか。分かりました。では早速……」
「の前に、少し条件を付けても良いですかね?」
「あまり無茶なものでなければ結構ですよ」
結構簡単に許すんだな。
まあ、こっちからしたら好都合なのだが。
「多分、そんなに無茶な話ではないと思います。俺を元の世界に帰すのに時間制限を付けても良いですか?」
「時間制限?どういう事でしょうか?」
「そのままの意味ですよ。一時間なら一時間後、二時間なら二時間後に幻想郷に戻れるようにして欲しい。
もう少し我儘を言うのなら一年か二年に同じ条件で良いので戻りたいですね。勿論、向こうの世界に幻想郷の事を漏らすような真似は絶対にしないと誓います。どうでしょうか?
ああ、それと条件を呑んで頂けるのなら博麗霊夢に子種を渡すことを約束します」
分かる範囲で逃げ道は潰した。
後は……これで妥協して貰えるかどうか……
顔は冷静に、焦りを出すな。
緊張を表に出すな……!!
そんな思いを込め、机の下で自身の足を強くつねる。
布が刷れる音、遠くの鹿威しの音までもが耳に聞こえた気がした。
そして、その口が開かれる。
「…………畏まりましたわ。その条件呑ませていただきましょう」
「有難うございます」
まだ気を抜いてはいけない。
相手は八雲紫なのだ。他に条件を付けられてもなんら可笑しくはないのだ。
「一つ……お聞きしても良いかしら?」
「なんでしょうか」
「貴方は、私のせいで人生を狂わされた。何度も裏切られ、傷つけられた。なのに、どうして帰ってくると言う選択を取れるのか……ここで、暴言を吐きながら帰っても可笑しくないのに……」
……どうして、か。
「一つは、皆に恩を返したいから。
後は……忘れられないから……ですかね」
「忘れられない?」
「ええ……どうしても……頭から離れないんです」
「それは人里の賢者の事かしら?」
上白沢さん……か。
まあ、忘れられない……よな。
あんな別れ方をしたんだし忘れろって言われた方が難しい……そう言えば二回忘れたか……
でも今は……あの姿が……どうしても忘れられない……
上白沢さんとは違う……自分でもどう思っているのかが分からない……いや、好きなんだろうな……
――――――の事が……
「違いますね。上白沢さんは好きでした。でも、元々振られるのが分かっていましたし、涙も流しましたから」
「私には泣くなと言って、ご自身は泣かれているのですね」
「俺は、泣く意味を考えろ。俺の前では泣くなとしか言ってません。俺が居ないときならどれだけ泣こうと俺は口出ししませんし、出来ません」
「あれ、そうだったかしら」
そう言って、薄く微笑む八雲紫。
そこには、力強い絶対的な強者である、美しい女性の姿しかなかった。
「……何時か、私の謝罪を、妖怪の賢者としてじゃなく、一人の女の謝罪を受け取って貰えるかしら」
「それは一体いつになるんでしょうね」
「あら、連れない。そうだ、一つ条件を付けようかしら。ああ、謝罪とかは関係ないわよ」
良かった。もしこれで謝罪を受け取れだったら、また何処かの部位が無くなっていたかもしれない。
「そう言う事なら構いませんよ」
「なら、貴方の好きな方をお教えいただきましょうか?」
「――――――です」
「案外さっくり答えちゃうのね」
そりゃそうだ。
だって―――
『誰かを好きになるのも、愛するのも、当然の事で、誇らしい事ですから』
お読みいただき有難うございます!!
好きになる 愛する それは当然の事で とても 誇らしい事。
それが、人物でも動物でも物でも、既に存在していないとしても……
それは、とても誇らしい事なのだ。
紫様なら幻想郷がある。もっと大切に、もっと愛してあげてくださいね。
皆様には、有りますか?
無いのなら、家族に、友人に、何時も使っている道具に、既に亡くなってしまった人に……
ありがとう
言ってみてください。
恥ずかしいのなら、一人で呟くだけでもいいです。
その一歩が……大切なのですから。
その一歩が……何時か届きますから。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
これからも
『東方 崩廻録』 と 『あの日から俺の人生は狂ってしまった。』
を、よろしくお願いします。
では、また次回。