あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結) 作:ちゃるもん
ラストスパート
もうすぐだ……もうすぐ……この物語は……完結する……
では、どうぞ!!
紫色の空間を抜けた先。
淡く輝く桜たちがその花を揺らしている。
その桜並木を歩き、目的の場所へと向かう。
歩いていると、霊達がフワフワと近付いてきて周りをフワフワと飛んでまた何処かへと去っていく。
そんな中、一人の友人の姿を見つけた。
魂魄妖夢だ。
「妖夢さん。お久しぶりです。幽々子様はどこにいるか知っていますか?」
「幽々子様は現在、紫様にお話が有るそうでまだ帰ってきておりません」
ふむ……ならもう少し庭を探索してみるか……いや、でも妖夢さんのお手伝いをした方が良いのだろうか?
てか……八雲紫も教えてくれれば良いものを……まあ、俺が戻ってきてからだったら無理もないか。何時行ったなんて知らないが。
「ん?そう言えば妖夢さんは付いて行かなかったんですか?」
「当たり前じゃないですか……こんな美味しい状況……逃すと思いますか?」
チャキリ 妖夢さんが刀手を掛けスーゥと引き抜いた。
その刀身は俺の身長と同じくらい。
少なくとも、妖夢さんがその刀を使ったら地面に付いてまともに振ることすら出来ないだろう。
それは偶然だったのか、必然だったのか……
近くにいた霊が全部離れていった。
何だろう?と、一歩、霊の向かった方向へ踏み出す。
スッ
俺が立っていた位置を一本の剣線が襲った。
轟音が鳴り響く訳でもなく、紙を撫でるかのように地面の石畳を裂いていた。
ゾクッ
今までのとは違う。
今までの恐怖や悪寒とは違う……
俺のからだを、精神を襲ったのは―――
―――明確な『殺意』だった。
「なんで避けるんですか?」
まるで、当たるのが当然。義務のように冷たく言い放たれる。
それに、避けた訳じゃない。
他だの偶然……いや、助けてもらったのかもしれない。
「……クソッ!!」
硬直していた体に命令を下し、桜の森へと逃げ込む。
一本の桜の後ろに隠れ、息を潜める。
『貴方が悪いんですよぉ?私とぉ幽々子様との世界を壊すからぁ。貴方みたいなゲスで汚ならしい男が幽々子様にちかづくからぁ』
地面の土を踏む音がゆっくりと近付いてくる。
『早く出てきてくださいよぉ~』
先ほどまで聞こえていた歩く音は既に聞こえず、その声は直ぐ後ろで聞こえた。
『……さっさと出てきてくださいよぉ~……出てこいって言ってんだろうがぁあ!!』
逃げるために前へ踏み出す、と、同時に背中に針を刺したような痛みが襲う。
その痛みのせいで足がもつれ地面に倒れてしまった。
そのお陰か、刀の刃が俺に刺さることは無く、桜の木を突き刺すだけに収まった。
刀は直ぐに引き抜かれ、桜の影から妖夢さんが姿を現す。
体勢を立て直し、直ぐに逃げ出す。
だが、目の前には妖夢さんの姿。
後ろを振り向けば……そこには誰もいない。
単純に、俺の後ろに素早く移動したのだろう。
『鬼ごっこは好きじゃないの。さっさとシネ屑が』
これが走馬灯と言うやつなのだろうか。
すべの動きがゆっくりに見える。
刀が、俺の胸の中心を狙って動く。
真っ直ぐと、真っ直ぐと、俺の心臓を突き刺すために。
…………ああ、死ぬのか……
でも……最後まで抗っても……最後くらい……『立ち向かって』も良いよな……
「くそがぁああああああアアアアア!!!」
少しだけ右にずれ、左の拳を突き出す。
その拳は刀に突き刺さり、手のひらから、肘、肩へと貫通する。
そんなことは知ったことではないと、体を無理矢理動かし、魂魄妖夢の腹に全体重を乗せたタックルをかます。
刀が更に深々と突き刺さり、切れ味の凄まじい刀は主人の手から離れ重力に従い肉を、骨を断ちながら地面へと落ちる。
そして、動きがもとの速度に戻る―――
―――――――――――――――
痛みの声をあげる暇もなく、一気に痛みが押し寄せる。
―――男が稼いだ少ない時間―――
―――その時間は奇跡を起こす事となる―――
『止めなさい。妖夢。紫、軽を早く』
赤く染まった泡を吹き、尿を漏らし、白眼を剥いているのも関わらず、その眼は赤い涙を流し続ける。
そんな状態の男を一人の女性が、何の躊躇もなしに持ち上げ紫色の空間の中へと消えた。
『少し、お話ししましょうか。ね?妖夢』
どこの世界でも、最も怒らせていけない存在はとは、何時も穏やかで怒ることが自体が全くと言っても過言ではない。
そんな人物、存在である。
お読みいただき有難うございます!!
紫様と幽々子様は、軽の今後について話していました。そして、ふと軽の事を見たら……あの惨劇が……
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
これからも
『東方 崩廻録』 と 『あの日から俺の人生は狂ってしまった。』
を、よろしくお願いします。
メインヒロインアンケートは、明日の午後7時までとさせていただきます。
皆様の投票よろしくお願い致します。
では、また次回。