あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結)   作:ちゃるもん

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三話で……UA数1,900……お気に入り件数19……だと!?

嬉しいッ……!!

『東方 崩廻録』も読んでくれると嬉しいなー |ω・`)チラ

今回はヤンデレ成分少な目です。

どうぞ!


逃げ出した先には

「はぁ……はぁ……み、みず……」

 

額からだらだらと大量の汗が吹き出て視界を塞ぐ。

あれから、かれこれ三時間は歩いただろうか?

空には雲ひとつ無く太陽の光が俺から体力を奪っていく。

逃げた先が森の中だったから良かったものの、これが整備された道などだったらすでに倒れていたことだろう。

 

それとは別に二つ要因がある。

一つは俺の歩を遅めているこの重石だ。何十キロ有るのだろうか。

 

もう一つは靴だ。最初こそは良かったものの、今では靴底は磨り減りもはや靴の役目を果たしていない。

血がだらだらと流れ一歩踏み出すたびに激痛が襲ってくる。

おかげで何度も倒れてしまった。今は上着を足に巻きつけ移動している状態だ。

こうでもしないと歩くことすらままならない。

 

ただ、良かったこともある。

いまだに、一匹も妖怪とやらに遭遇していないのだ。

誰かが裏で手引きしているのか……兎に角逃げる分には有り難い事だ。ここは便乗させてもらうとしよう。

 

 

さらに三十分ほど歩いたところで、耳に音が聞こえてきた。

 

しゃーしゃー

 

顔をガバッと上げる。

 

「みず……!!」

 

ゆっくりと確実に音に近づいていく。

森を抜けるとそこには。

大きな川があった。

 

足が痛いのも忘れ、力強く川へと近づき顔を水の中に突っ込んだ。

そのまま、犬のようにがぶがぶと水を飲む。

 

「ぷはぁ!はぁはぁ………助かった。ようやく逃げ出せたのに死ぬ羽目に合うとはな」

 

水も飲み終わり立ち上がる。

立ち上がった瞬間足に激痛が走り前のめりに倒れてしまい バシャン と川の中に倒れてしまう結果となった。

その時になってようやく自分が足が血まみれになっていることを思い出した。

 

「……洗うしか……ないか」

 

腕の力だけでなんとか起き上がり川岸に腰を下ろす。

足に巻いていた布を外し口に咥える。

そして、ゆっくりと足を水の中に付け―――

 

「んんんんッッッ!!!」

 

―――た瞬間、足からに掛けて全身を鋭い痛みが駆け抜けた。

目からは痛みによってとめどなく涙が溢れてくる。

 

それから、十秒ほど叫び続けていると感覚が麻痺したのか足から痛みが遠のいていった。

川から足を上げる。痛みは有るものの先程よりは大分マシにはなった。

 

足にもう一度布を巻きつけゆっくりと立ち上がる。

向かうところも決まってないので取り敢えずは川を上流に向かって歩いていこうと思う。

 

それから、三十分ほど歩いたところで大きな滝を見つけた。

滝の裏に洞穴でもないかと期待したのだが現実はそう甘くはなかった。

小さくため息を付き崖を上れるような場所がないのか探そうと後ろを振り向く。

目の前に剣先が突きつけられていた。

 

「……へ?」

『人間……ここは天狗の領地だ。即刻立ち去れ。さもなくば殺す』

 

剣を持つのは、頭に犬耳、腰には白い尾を持つ女だった。

胸の奥から暑い物がこみ上てくる。

気づくと目から涙が零れ落ちていた。さっきとは違う嬉し涙だ。

 

『泣いて同情でも引こうとしても無駄だ。即刻立ち去れ』

 

天狗……と言ったか。この女天狗は俺が同情を引く為に泣いていると思っているようだ。

だが、我慢しようとしても涙は次から次へと溢れ出してくる。

俺は、泣き止むのを諦め目を擦りながら声を絞り出した。

 

「……うれ、しくて……」

 

だめだ、声が震えている。上手く聞こえているのだろうか?

 

「まともに……話せて、嬉しくて……」

 

漸く、涙が止まり始めた。

 

「少しの間で……いいんだ……洞穴でも、牢獄でも、何処でもいい。あの女から……」

 

その時、女天狗の右眼が黒色から赤色に変わった。

女天狗は額に手をやり小さくため息を吐いた。

 

『まったく……あの巫女はまた勝手に入ってきて』

 

巫女と言う言葉にビクッと身体が硬直するのが分かった。

硬直した身体を何とか動かし女天狗の肩を掴む。

 

「そ、ソイツの……その巫女の容姿を……教えてくれ……」

 

肩を掴まれた女天狗はびっくりしていたが、律儀に教えてくれた。

 

『容姿も何も、幻想郷には二人しか巫女がいませんから知っているはずでは?』

 

女天狗の口から出た名前を俺は良く知っている。

 

『博麗ですよ』

 

それもそうだ。毎日毎日その名を呼ばせられていたのだから。

 

『博麗 霊夢です』

 

その、忌々しい名前を。

 

ああ……また、俺はあの暗く狭い部屋で―――

 

そこで、俺の意識は現実から引き離された。

 

 

 




お読みいただき有難う御座います。

疲れがピークだったのか気絶してしまった主人公君。
完璧に名前を出すタイミングを逃した……(´・ω・`)どうしよ……

まあ、そんなことはクズカゴにでも放り込んでおいて。
枯れの運命やいかに!!?

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

ではまた次回~
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