あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結)   作:ちゃるもん

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投稿です!!

人気投票モドキで決定した、犬走椛(これ かば って読むんですね。知らなかった)の番外編となります。

『平和な日々は崩れ去る』までお読み頂くことをお勧めします。
時間軸は、軽くんが椛に別れ話?をするところからの別ルートからとなっております。

では、どうぞ!!


生命の声

「椛、今まで世話になった」

 

カラン と音がする。椛が箸を落とした音だ。

 

「さすがにこれ以上椛に迷惑を……って、椛?聞いてるのか?」

 

「……ドウシテ……ドウシテ……」

 

「椛?」

 

なにかブツブツと呟いている椛に近寄る。

 

「ドウシテ!!」

「うわ!」

 

ドンッ!!と椛に押し倒された。

 

「イテテッ……椛、急にどうし――――!!」

 

た、とは続かなかった。なぜなら

 

「お前……泣いてるのか?」

 

椛の瞳から止めどめなく涙が溢れていたからだ。

 

「どうして……私、軽に嫌われるようなことしましたか……?嫌です……私は軽と一緒に居たいんです!!」

 

「離れたくない……はなれたくないハナレ―――」

 

俺は無意識に椛の体を抱き締めていた。

 

「ごめん……椛。別にお前のことが嫌いになったからとかじゃないから、取り敢えず安心してくれ」

「……なら……どうして……」

 

抱き締めていた椛を離し、きちんと話せるようにする。

 

「さっきも言っただろ?椛に迷惑をかけたくないって」

「私は迷惑だなんて思っていません!!」

「そう言ってくれると嬉しいな。でもな」

 

俺はこの妖怪の山において完全なイレギュラーだ。

 

そんなイレギュラーを庇っている椛が、他の天狗達から迫害されてもおかしくはない。

 

下手したら死刑もあり得る。現に椛は天狗たちから嫌がらせを受けているらしい。

 

他にも俺の決心を固める為の情報は沢山ある。

 

「どこで……知ったのですか」

「射命丸が教えてくれたよ」

「あいつが……アイツのせいで……」

「椛の事を守って欲しいって」

 

へ?と間の抜けた声が響いた。

 

「だから、俺が離れれば椛が助かると思った。それにあの女、博麗からの標的にもされない」

 

でも、それだけでは駄目なようだ。

 

「なあ、本当に我儘な事を言っていいか?」

 

何も言わない椛を肯定と取り、言葉を紡ぐ。

 

「俺と一緒に逃げてくれないか?」

 

「この山の上には守矢神社って神社が有るんだろう?そこに頼んでさ、二人で住める小さな家を建てさせて貰おう。多分布教の手伝いとかしないと行けないと思う―――」

  

巻くしたてるように言葉を紡ぐ。

 

 

そして、不思議思う。

 

どうしてこんなに一生懸命に椛を説得しているのだろうかと。俺が逃げれば済む話しではないかと。

 

そして、漸く気付く。

 

 

 

 

  好き   俺は、椛が好きなんだ。だからこんなにも、必死なんだ。

 

 

 

 

「……ごめん。違うわ、俺が言いたいのはこんな事じゃない。俺は―――――」

 

 

 

椛の瞳から温かい涙が流れ落ちた。

 

 

 

 

 

「もーみじ。お腹の方は大丈夫?」

「諏訪子様。はい、大丈夫ですよ。ところで……さっきオヤツ『ごめん!私用事あるから!!』あ!逃げた!!」

 

俺の耳に騒がしい声が聞こえる。

 

あの日俺と椛はこの守矢神社へと移ることを決心した。

 

最初は話しを聞いてくれたものの断られたが、何度も行き、頭を下げこの場所に住むことを許してもらえた。

 

それだけではない。博麗霊夢との話し合い場も用意してくれた。

 

博麗は最初こそ、俺を殺してでも奪い取ろうとしていたが今では大分落ち着いた。

まあ、それでも(性的に)襲ってくることがあるのだが……

 

でも、今の幸せがあるのは守矢神社の皆がいたからだ。本当に頭が上がらない。

 

「神奈子様ー天井張り替え終わりましたよ―!」

 

『軽!!早く!早くこっちに来てくれ!!』

 

神奈子様の切羽詰まった声が聞こえる。

急いで天井から降り声の聞こえた方へと向かった。

 

そこには、お腹を抑え蹲る椛と、それを心配そうに見守る神奈子様と早苗さんの姿があった。

 

「け、軽……う、うま産まれ、る?」

「今、諏訪子様がお医者さんを連れてきています!軽君は手伝って下さい!!」

「あ、ああ!!」

 

 

 

 

 

 

『おんぎゃぁぁあ!!』 

 

 

 

夕方、妖怪の山からは生命を告げる声が大きく、大きく響き渡った。

 

 

 

 

  HAPPY END

       生命の声 END

 

 




お読みいただき有難うございます!!

実はこの話自体は考えていました。ここから椛ルートに入れるんならーみたいな感じで。
でも、こうして書いていると結構変わりますね。書く前は椛の家でキスして終了でしたもの。

軽くん、椛。おめでとう。末永くお幸せに。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

これからも

『東方 崩廻録』 と 『あの日から俺の人生は狂ってしまった。』

を、よろしくお願いします。

二人に永遠の幸せが訪れることを祈っています。

では、また次回。
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