あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結) 作:ちゃるもん
では、どうぞ!!
ダラダラと額から汗が流れる……
目の前にいる少女はニヤニヤと笑みを浮かべ、俺に鉄槌を下そうとしている。
ここは、逃げの一手を……打つ!!
「はい、チェックメイト」
俺が駒を動かした瞬間、レミリア様が駒を動かし
俺は今、レミリア様とチェスと言う名の一方的虐殺をされています。
原因としては、
夜中目が覚め、隣を見るとテーブルの上の駒を黙々と一人で動かすレミリア様がいた。
そして、俺もしていいですか? といったのが運の付き。始めてから三十二回惨敗中だ。
チェックすら取らせてくれない。
「どうする?まだ続ける?」
「……もう一回お願いします!!」
それでも懲りずに挑戦する。せめてチェックを取る。
盤上に駒を並べていく。
コトッコトッ 駒を進めていく音が部屋に響いていく。
ふと、レミリア様が声を漏らした。
「……ねぇ、軽。貴方は今の生活が……好き?」
「……好きですよ。
元気一杯な妖精メイドたち。
あんまり喋ってないけど本が大好きな、パチュリー様。
不思議な子だけど気遣いの出来る小悪魔さん。
優しいお姉さんみたいな紅さん。
優しいけど悪戯好きな十六夜さん。
妹みたいで可愛いフランドール。
そして、俺を守ってくれた、俺に居場所をくれた、心優しい吸血鬼レミリア様。
俺は皆がいるこの紅魔館が……大好きです」
レミリア様の顔が真っ赤に染まった。
「そ、そう。それなら良かったわ」
「ところで、どうしてそんな事を聞いてきたのですか?」
そう聞くと、レミリア様は赤くなった顔を背け、小さな声でボソボソと言い始めた。
「……だって、私を含めて妖怪か妖精しか居ないじゃない、この館。人間は咲夜だけだし……」
「だからですか……意外と信用ないですか?俺」
「そんなことない!!」
「なら良かったです。ところでレミリア様」
「……なにかしら?」
今の俺は、酷い笑みを浮かべている事だろう。
俺は、そんな笑みのままレミリア様に宣言した。
「チェック。です」
「………へーふーんほーう。分かったわ軽。そこまで死にたいのなら……」
そのとき、俺は悟った。
これアカンやつや……と。
そこからは、怒涛の連撃だった。朝日が昇るまでずっと負け。その敗北数は優に五百回は超える。
チェックを取れた勝負もあの一回だけだ。
・
紅さんとの特訓から帰ってきた俺を待っていたのは、扉越しに聞こえる声だった。
『咲夜、そろそろ良いんだと思うんだけど……貴方はどう思う?』
『私もそう思います』
『ああ、長かった!長かった!!やっと……やっとやっとやっと軽をワタシノモノに出来る!!わざわざ博麗の巫女の運命を操ったんだ。お前も私のことをアイシテイルダロウ?なあ軽』
『レミィにも困ったものだわ。まさか、私まで貴女の計画に巻き込まれるなんてね。まあ、あの子は礼儀が良いし分からないでもないけど』
『私も我慢してきたのです。ああ!早くはやくはやくハヤク軽くんの苦痛にユガんだかオヲ見たい!!』
『咲夜さん!私の分も残しておいて下さいね?ヤクソクですよ?』
どう言う事だ……運命?操る?計画?
……ああ、そう言う事か……
俺が騙されていただけの事か……
十六夜さんから助けてくれたのも……
十六夜さんが反省していたと言っていた事も……
あの女がこの場所に来て、レミリア様が助けてくれたのも……
妖精メイドたちも、パチュリー様も、小悪魔さんも、紅さんも、フランドールも……
あの楽しかった日常も……!
全部!全部全部全部!!!
「演技だったのか………嘘だったのかよ!!!!」
その場から走り去る。非常な現実から逃げるために……美しかった記憶を汚したくがないために……
・
彼が逃げた後、そこには―――
―――彼を追おうとしていた四人と―――
―――彼の逃げた先を守るかのように佇む一人の少女の姿があった……
・
御読みいただき有難うございます!!
いやぁ、紅魔館……堕ちましたね!!
最後に出て来た少女は一体?!
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
これからも、
『東方 崩廻録』 と 『あの日から俺の人生は狂ってしまった。』
を、よろしくお願いします。
なんでだよ!?自分は正常だよ!?
では、また次回~