あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結) 作:ちゃるもん
では、どうぞ!!
今日も逃げる事に失敗した。
ただ違ったのは、先生と呼ばれていた女性が出て行かずに今だに部屋にいることか。
「まったく……君は怪我人なんだ。もう少し大人しくは出来ないのか?」
「貴女こそ、見ず知らずの他人。しかも、逃げ出そうとしている奴をなんで助けようとするんですか……」
「怪我している人を助ける。それに理由が必要か?」
「必要です」
俺はそうきっぱりと言い切った。
・
「必要です」
むぅ……キッパリ言い切られるとは……
これは予想していなかった……大体こういう時は相手がうろたえて了解する物ではないのか?
まあ、ここは適当にでっち上げとけばいいか。
「では、怪我完治したら私の仕事を手伝ってもらおう。少なくとも君の治療費を稼ぐまでは逃がさんぞ」
これで納得してもらえるだろうか……少し不安だ。
・
言われたものは至極全うなものだった。
治療費を払え。
「……分かりました。治療費を払い終えるまでよろしくお願いします」
「納得してもらえたようで何よりだ。ところでなんだが、名前を教えてもらっても構わないか?」
教えたくない。
少しでもこの女に情報を渡したくない。
これが俺の率直な思いだ。
「………………」
「……まあ、私は気長に待つ事にするよ。それまでは君呼ばわりになるが、まあそこは勘弁してくれ」
無言でいたら逃れることが出来た。
「私は上白沢慧音だ。よろしく頼む……君には早くその怪我を治してもらわないとな」
ご飯の準備をしてくると言って部屋を出て行った。
どうせ、逃げ出してもまた捕まるのがオチだ。なら、大人しく怪我を治し、治療費を返してここから出て行くのがいいだろう。
紅さんに習った事を思い出しながら、完治までの時間を逆算する。
右足……殆ど動かない、だが、痛みが無いことから治るまでに大体一ヶ月も掛からないはず。
一番酷い右腕……確か紅さんのでぐちゃぐちゃになっていたハズだが、なぜだかもう動くようになっている。少しでも動かせば激痛が襲ってくるがそれでも相当な回復スピードだ。
そして、動くということはすでに骨は繋がっているということ。こちらも一ヶ月もあれば治ると思う。
一体どんな治療をすればグチャグチャになった腕を三、四日で治す事が出来るのだろうか……
食べ物を食べられることから内臓へのダメージも少ないのだろう。
少なくとも胃へののダメージは皆無だった。
「君、ご飯を持って来たぞ」
そんな声と共に上白沢が入ってきた。
三人分の料理を持って。
そして、上白沢の後ろには真っ白の髪を持った少女の姿があった。
『コイツが慧音の言ってたやつか?』
白髪の少女は部屋に入ってきてズイと俺を覗き込んだ。
「この人は誰ですか、上白沢さん」
「私の友人でな、藤原妹紅だ」
「妹紅って呼んでくれ。苗字で呼ばれるのは嫌いなんだ……」
過去に嫌なことでもあったのだろう。顔を見れば分かる。
「さっき筍を持ってきてくれたんでな、一緒に食べようという事になったんだ」
「てか、コイツ食べれるのか?」
左手で箸を握る。
元々右利きなので箸を握る形がグーだが、まあ、食べられるので問題ない。
妹紅さんがため息を付き俺から箸を奪った。
「ほら、口開けろ」
「え?」
「食べさせてやる」
その光景は以前にも見たことがあった。
あの時の、平和で、何も知らない、美しい記憶。
一体どこで間違えてしまったのか……
自然と涙が零れていた。
御読みいただき有難うございます!!
妹紅は面倒見がいい。以上!!
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします
これからも
『東方 崩廻録』 と 『あの日から俺の人生は狂ってしまった。』
を、よろしくお願いします。
開き直りやがった!!?
だは、また次回~