あの日から俺の人生は狂ってしまった。 (完結)   作:ちゃるもん

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投稿です!!

これも主人公補正なのだろうか……

では、どうぞ!!


運命

一つの部屋に、五人。

 

一人は壁にもたれ掛かり

一人はカツカツと足音をせわしなく鳴らし

一人は男の手を握りしめ

一人はベットの上で顔色を悪くし

 

 

一人は……その顔に憤怒を浮かべた。

 

 

そして、男が目を覚ます、と同時に扉がキィと音を鳴らし開いた。

 

扉の先に佇んでいたのは……一人のメイド。

 

メイドはさも当然と言う風に部屋の中に入り、ベットで横になっている男へ近付いた。

 

 

 プツンッ

 

 

そんな音が聞こえた気がした。

 

動いたのは、チャイナドレスを着た女。

 

その足取りはゆっくりで、その一歩踏み出すたび七つの色が美しく揺らめき、彼女の感情を現すかのように激しさを増していった。

 

メイドはその姿を不思議そうに見つめ、不思議そうに顔を傾げた。

 

そして、メイドの顔に驚愕が生まれる。

 

チャイナドレスの女が握った拳を後ろに引き、メイドの顔に向けて放ったのだから。

 

 

 バアァンッ!!

 

 

そんな、音と共に拳は動きを止めた。

 

拳はメイドの鼻先まで迫っており、少しでも止まるのが遅ければその拳はメイドの顔を抉っていたことだろう。

 

だが、止めたのは彼女の意思ではなかった。

 

彼女の手首と腕を掴む二つの手。

一人は、背中に一対の蝙蝠の翼を持ち、一人は身の丈二メートルはありそうな大男だった。

 

チャイナドレスの女は二人を睨み付ける。

 

だが、それに臆することもなく反論したのは大男だった。

 

大男は首を振り、それでは意味がない。と女に告げた。

 

女は歯を噛み締めながら、しぶしぶといった感じでその腕を下ろした。

 

男は、今だに目を白黒させ戸惑っているメイドに、ベットで寝ている男を指差し、話せば分かる。と、告げた。

 

メイドは、その言葉の通り自身の愛しき人を見た。

 

チャイナドレスの女は、私の代わりに頼みます。と言って、窓際へと移動した。

 

窓から見える空には、美しい星ぼしと、一際光を放ちその圧倒的な存在感を示す美しい三日月があった。

 

 

そして、そんな美しい夜に一人の男の感情が刃となった。

 

 

最初は意地悪をしてくる優しい人。

もし、姉がいたらこんな感じだったのかもしれない。

 

本当に家族のように思ってた……あの時も貴女が反省したと言っていたから信じた。

 

あの計画も、自身の事を愛してくれていた証拠なんだと思う。

 

だから、自身からも歩み寄ろうと……もう一度あの関係に戻れるかも知れないから……

 

でも、今では貴女が怖い。

 

俺は止めてって言ったのに……助けてって言ったのに……

 

それでも貴女は俺の体を自分の所有物かのように扱った。

 

水で俺から酸素を奪い、木馬に乗せ俺の悲鳴を楽しみ、焼きごてで俺に消えない印を押し、ナイフで俺の体を貪った。

 

貴女は俺と相思相愛とかほざいてたけどな……そんな一方的なモノが愛だと言うのか?

 

ふざけるな……!!

 

相手の気持ちも考えずに愛だ愛だって言って……

 

なあ?俺の気持ちを考えた事が一度でもあったのか?

 

俺は、あんたの事を何度も考えたぞ?

 

なあ?考えた事があるのか?

 

ないんだろ?

 

なら、教えてやるよ……

 

俺は、今の十六夜咲夜が―――

 

 

 

『嫌いだ』

 

 

 

 

メイドは、その言葉を聞きフラフラと自分の部屋へと戻っていた。

 

彼女の頭のなかには、彼の言葉が何度も何度も繰り返されていた。

 

 

『俺の気持ちを考えた事があるのか?』

 

『そんな一方的なモノが愛だと言うのか?』

 

『十六夜咲夜が嫌いだ』

 

 

女は部屋の中で崩れ落ちた。

 

 

雪の中で死を待っていた、あの頃と同じ。

 

誰にも必要とされない……

 

もう……全部終わってしまったのだ……

 

あの時は……お嬢様が拾ってくれたのだったか……

 

 

でも、奇跡は起こらない。

 

 

 

何故なら、それは―――

 

 

 

『咲夜』

「おじょう……さま」

「なんて顔をしているの。折角の美人が台無しよ」

「私は……取り返しのつかない事を……」

「ええ、そうね。私も、貴女も失敗したわ」

「……はい」

「確かに、私達は彼と望む形にはなれないでしょう。現に私は振られちゃったわ。でもね、彼はまた、来てくれるって言った。彼は何度も折られてきたのでしょう。そんな彼がまた来てくれる。歩み寄って来てくれる。

 彼は『今の』貴女は嫌いって言ったわ。貴女は変わる勇気もない臆病者だったかしら?

 まだ、戻れる可能性があるのに立てもしないのかしら?」

「私……は……」

 

立とうとする……でも……足に、体に力が入らない。

 

「まったく……ほら。私の手を掴みなさい」

 

その差し出された手は、あの時と同じで、私に光をくれるものだった……

 

 

 

 

 

―――奇跡などではなく『運命』だったのだから

 

 

 

 

 

いつか、見れるかもしれない。

 

三人が、いや、この館全員が笑い会える……あの運命のような光景が……

 

 




お読みいただき有難うございます!!

こうやって、互いが繋がっていくののかもしれませんね。
もしかしたら……あの運命は……

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

これからも

『東方 崩廻録』 と 『あの日から俺の人生は狂ってしまった。』

を、よろしくお願いします。
……この、先に待つ光景だったのかもしれませんね。

次回、地底か人里 どっちがいいか……

では、また次回~
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