とある補給艦娘の物語   作:h.hokura

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演習三日目です。




ましゅうと第六駆逐隊の響さんですか!?-演習三日目-

演習三日目・E-117岩礁近海

演習最終日。今日は昨日出来なかった艦隊運動から始まりました。

「ましゅうさん大丈夫ですか?」

相当酷かったのでしょうか吹雪さんが心配そうに聞いて来ます。

「ええ何とか・・・」

昨日の響さんとの事で私は一睡もしませんでした。

艦娘は眠らなくても二三日は大丈夫だそうですが、流石に心労があればそうもいかず、先ほどからふらふらでした。

お陰で艦隊から外れる事数回。事情を知っている妙高さんは何も言わないですが、

他の妙高型の方々は心配そうに見ています。

第六駆逐隊の方々は相変わらずです。暁さんは響さんを演習の始まりの時から無視、

雷さんは何も言わず二人を見つめ、「はわわわ。」と電さんは見ているこちらが可愛そうに思うほどうろたえていました。

艦隊行動にもそれは現れており第六駆逐隊の隊列はばらばらです。

そしてこれがこの後の事件の伏線になるのですが。

「付近を哨戒中の艦隊より警報だ。これは・・・機雷だと?」

通信を受けた那智さんが妙高さんに報告します。

「演習を一旦中止します、各艦警戒を。」

妙高さんが皆に指示を出し、私達は妖精さん達の協力の下付近の海域を警戒します。

そして・・・

「左舷機雷らしきもの・・・早い!」

私の艤装上にいた見張り妖精さんが叫びます。

そちらを見た私は急速に流されていく機雷とその向う先にいる艦を見つけ・・・

「響さん進路を変えてください、左舷後方から機雷が・・。」

それが響さんと気付き彼女に警告したのですが。

「え・・・」

心此処に在らずだったのでしょうか反応が後れます。しかも潮の関係で舵の危機が悪く避け切れそうもありません。

「くっ!」

私は機関を全開にします。皆さんと違い立ち上がりの早さを生かして響さんと機雷の間に侵入し・・・

「ま、ましゅうさん!?」

「危ないましゅうさん!!」

吹雪さんと妙高さんの叫び声が、

「な、なんでましゅうさん?」

響さんの狼狽する声が・・・重なり。私と機雷が接触しました。

 

結果的に言えば、機雷は爆発しませんでした。私の艦体に一メートルほどの傷を付けただけで。

機雷はその後、足柄さんと吹雪さんの射撃により爆破されました。

そして演習が中止され皆さんが岩礁に上がったところでそれは起こりました。

「一体あれはどういう事なんだい!?」

険しい顔をしながら私に詰め寄って来たのは響さんでした。

私は落ち着いた声で答えます、そうあの時の様に・・・

「それは貴女が駆逐艦で私が補給艦だからです、艦隊の貴重な戦力と言えば当然そうなると思いました。」

「な・・・そういうことじゃない、こんなことされて私が喜ぶとも思ったのかい?」

「そうなんです響さん、そんな事をされても貴女も・・・暁さんも喜べませんよね。」

「あ・・・」

私の言葉に響さんは目を見開きで絶句します。聡明な彼女はようやく気付いてくれた様です。

自分の為に誰かが犠牲になったとしたら、そんな事を喜べる者などいません。

「私は貴女の悲しみを理解してあげられません、その人の悲しみはその人にしか分かりませんから。」

見開いた目に涙を貯めて響さんは私を見ます。

「でも響さんはまた絆を結ぶ事が出来たじゃありませんか。それを貴女から断ってしまったら・・・今度は貴女が受けた悲しみを暁さん達が受けてしまう、そんな事をしては駄目です。」

私は響さんを見つめながら言います。

「もう二度と結べない絆だってあるんですから・・・」

「あああ・・・」

膝を折り響さんは泣き始めます、そんな彼女を見て雷さんと電さんが駆け寄ります。

私はそれを見ると響さん達から離れテントへ向おうとして、暁さんの傍を通り過ぎようとして彼女に話しかけられます。

「お礼を言わせてもらうわ、レディーとしてね。」

「・・・私は礼を言われる事はしてませんよ。」

響さんの罪悪感を付く様な事をしてしまいました。威張られる様な事ではありません、と自嘲気味に答えます。

「それでも言わせてほしいの、ありがとうましゅうさん。あの娘を救ってくれて。」

雷さんと電さんに慰められる響さんを見つめながら暁さんは言います。

そうか暁さんも分かっていたのだ、だから余計許せなかったのかもしれません。

「はい。」

私がそう答えると暁さんは響さんの元へ向います。

もうあの四人は大丈夫でしょう、響さんを囲む三人を見て私は思いました。再びの絆がきっとあの四人を和解させてくれる筈です。

多分もう私には取りもでせないだろう絆と違って・・・

響さんはそれに気付くのが遅くなっただけなのだから。

「ましゅうさん・・・」

吹雪さんが私を心配そうな顔で迎えます。私は微笑むと彼女の肩を叩き言いました。

「いきましょうか吹雪さん。」

「・・・はいましゅうさん。」

笑い返してくれた吹雪さんと共に私達はその場を離れたのでした。

 

 




次回で今回の話は終了です。

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