ドラえもん 未来と過去の接触   作:青狸

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金色の鈴

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ドラえもんが旅立って3週間

 

朝6時

目覚ましのベルが鳴る。

ジリリリリン ジリリリリン

いつもならまだ寝てるのに...

中学とは違うなぁ...高校は遠いからなぁ...

「のび太ー!起きなさい!」

 

ママの怒鳴り声が聞こえる

昔から変わらない声のトーンだ

 

「う...うん。おはよう...」

 

「高校生にもなって寝坊癖は直らないのね。」

 

「ごめんね。でも、早く起きられるように頑張るよ」

 

「そうね。ドラちゃんと約束したんでしょ?」

 

「うん。......ママは、ドラえもんが居なくなって、なにか気づいたことある?」

 

「そうね。家がこんなに広かったってことかしら。家族が1人いないとこんなに違うのだもの。」

 

「そっか...やっぱりそんな感じなんだね」

 

「ドラちゃんも私の子供みたいなものよ。1人自立して家を出たって考えればいいわ。ご飯出来てるわよ。着替えたらいらっしゃい」

 

「うん...ありがとね。」

 

ご飯を食べ、電車に乗る。

通学に電車なんて初めての経験だ。

通勤ラッシュ、満員電車

これからこんな生活が毎日続くのか...

慣れるまでしんどそうだ...

 

学校につき、クラスを確認する

 

「のび君。おはよう」

 

不意に肩を叩かれる。

のび君。という呼び方をするのは彼だけだ。

スポーツ万能、成績優秀。

家事も一通りこなす完璧な人間

そう、出木杉くんだ。

 

「のび君は、何組?」

 

自分のクラスは確認出来ている。

B組だ。

 

「僕はBだよ。出木杉くんは?」

 

彼のクラスも把握している。同じくBだ。

一覧を見るとのび太の名前は出木杉より下にあるので先に出木杉の名前を見る。

考えなくてもわかる。

だけど、話を続けるのになんて返せばいいのか分からなかった。

 

「僕もBだよ。しずかちゃんもB」

 

しずかちゃんのクラスも把握している。

これは目に入ったとかではなく、『探した』に近い

 

「そうか。奇遇だね、同じクラスは小学校以来かな?よろしくね!」

 

しずかちゃんと一緒なのは嬉しいが、出木杉も一緒となれば競争感が出てしまう

タイムテレビで見た将来から変わってなければいいが、中学に入ってからはタイムテレビも使っていない。自分の将来を知るのが嫌で、使いたくなかったが、今となっては見たくてしょうがない!

 

ドラえもんが戻ってくれればなぁ...

それだけ見せて欲しい!

そうお願いしたい...

 

「のびくん?」

 

出木杉の一言で目が覚める。

考え込んでしまうのは悪いくせだ

 

「いや、ごめんね。ちょっと考え事を...」

 

あながち間違ってもない言い訳を使い話をそらす

 

「そう言えば、クラブには入るのかい?」

 

「いやぁ、僕はスポーツもそんなに得意でもないし、これと言った特技もあやとりと射的だけだからね。クレー射撃部でもあれば入るんだけどね。出木杉くんは?」

 

「僕は......ほら、この前やりたいことがあるって言ってただろう?それを、ぼちぼち始めようかと」

 

出木杉があまり言いたくなさそうに顔を背けながら言う。

それが何なのかは聞きたいが、触れないほうがいいのだろう。

無言の沈黙が10秒程続き、出木杉が口を開いた

 

「たけしくんは野球部。スネ夫くんは美術部。しずかくんは吹奏楽部らしいよ、」

 

ジャイアンはまだ野球を続けているらしい。

スネ夫はデザイナーになりたいからのことだろう。

しずかちゃんが吹奏楽部というのは何となくわかっていた。

中学の時にバイオリンをやめ、ピアノに専念し始めていたからだ。

 

出木杉が続けて口を開く

 

「ところで、のびくん?ズボンのポケットについてるその鈴は?もしかして、ドラえもんの物かい?」

 

ドラえもんが旅立つ前

「そんなに泣かないでよ...のび太くん」

 

部屋にはのび太とドラえもん

のび太はドラえもんに抱きつきながら泣いている

 

「だっで...だっでぇ...」

 

「いいかい?君はこれからいくつもの苦しみや悲しみが待ってるんだ。だけどね?君はそれに打ち勝てる強さを持ってる。それなのに、ここで泣いて立ち止まっててどうするの?」

 

優しいガラガラ声だ。

のび太はドラえもんから離れ、前に座る

目には涙が浮かんでいる

 

「うん。泣き止んだ?これからは、僕がいないんだから、ないちゃダメだよ?全く...僕がいないと...誰が君を泣きやまずんだい...」

 

ドラえもんの目にも涙が貯まる

ドラえもんはそれをポケットから出したハンカチで拭き取り、のび太に言う

 

「この鈴をあげる。壊れて使い物にならない鈴だけど、僕のことを思い出してね。本当は...未来の世界ではルール違反だけど...内緒だよ?」

 

のび太は鈴を受け取り、服で涙を拭う。

 

「君なら僕がいなくても大丈夫。きっと。信じてる」

 

ドラえもんはタイムマシンのある引き出しに入り、また会おうね。と旅立った。

 

「のーびーくん?なんで泣いてるの?」

 

出木杉の声で目が覚める。

また、考えて...いや、思い出していた。

 

「いや、何でもない」

 

「そう?それじゃ、のびくん。教室へ行こうか」

 

B組へと2人は歩き出した。

のび太のポケットには金色が光る

 

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