「全員揃っていますねー。それじゃあSHRはじめますよー」
……今、俺はIS学園に生徒としている。
何故こうなった……
元々俺は県立の通信制高校に進学し、救国活動(という名の女権団襲撃活動)に従事するつもりだった。
だが受験後、買い物ついでに、エラそうに踏ん反り返っているだけの無能を消そうと思って大型ショッピングセンターに寄ったのが運の尽きだった。
ボーっと三階の吹き抜け近くを歩いていたら何者かにブン投げられ、吹き抜けにそのまま墜落。なぜか一階にISが展示してあって激突。
気付いたら……IS纏ってた。
俺自身何言っているのかよくわからねえ。
あと休み時間に刺さる女子からの視線が痛かった。
内訳は興味五割憎悪四割性欲一割(俺の感覚調べ)
今月に行われる東北地方東部女権団幹部会襲撃に参加したかったなー。
とりま、回想と無駄な思考は横に置いといて、と。
今何やってんだ?
教室で行われていることをよく聞き、またよく観察してみる。
ふむ、相川清香とか畦元光音とか聞こえてくるし、席を立っている娘もいる。
如何やら自己紹介のようだ。
自己紹介。大抵コイツで第一印象は決まる。
俺は女尊男碑思考の人間は好きじゃない。むしろ嫌いだ。ソイツ等を近づけないために先手を打つべきか、それとも穏便に事を済ますべきか……。
ってヤベ、次俺じゃん。ままよ、わんざくれ!ってなんで江戸弁?
「織斑一夏だ。たった一人の男子だがあまり気にしないでくれ。あと俺は女尊男碑主義者が嫌いだ。下らないことで一々突っかかってくるようなことがあれば容赦はせん。取りあえず一年間よろしく。以上」
ふっ、どうよこの自己紹介。これで自発的に俺に関わろうとする人はゼロのハズだ。
学園内ではぼっち街道を突き進んでやる。
……そう思っていた時期がありました。
「「「「「キャー――――――」」」」」
ぐおー、耳が、耳がー。な、なんだこれは、新型の、音響爆弾かー。
しかも恐怖の悲鳴じゃなくて、黄色い声、だとー。
「か、カッコイイ」
「こ、これは、男じゃなくて漢!」
「躾けて、私を」
「私を、私をセフレにして」
「あなたのものにして!」
ヤバいのばっかり聞こえてくるぞオイ。
なんか皆感性狂ってない?俺絞りとられる運命なの?何が、とは言わないけど。
「なんだ、この騒ぎは」
ふと、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
おそるおそる振り向くと、黒のスーツにタイトスカート、すらりとした長身、よく鍛えられているが決して過肉厚でないボディライン。組んだ腕。オオカミを思わせる鋭い釣り目。
住居不定、職業不詳の我が姉、織斑千冬である。
こんなところで教師なんてやっていたのかよ。てっきり日本代表やドイツ軍IS教官時代の給料使って酒飲みながらほっつき歩いているとばかり思っていた。
いつか問題起こすと思ってテレビから
『昨日未明、元IS日本代表の織斑千冬さんが逮捕されました』
って流れるのを待っていたのにな~。つまらん。
ガッコッ
鈍い音が響く。如何やら俺のこの考えに気付いたらしい千冬姉が出席簿で攻撃してきたので拳で迎撃したのだ。
ったく、出席簿で攻撃とか、どこの落・乱の土井先生だよ。
で、結果として……
出席簿がヘコんだ。
千冬姉が「おかしいな、ISの装甲用金属を使っているんだが……」とか呟いているけど関係ない。
むしろ破壊できなかったことのほうがショックだ。
「さて、気を取り直して自己紹介するとしよう。
諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私たち教師の教えることはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。何か分からない物や出来ない物があったら職員室まで持って来い。これから一年間、よろしく」
おお、あの暴君だった千冬姉がしっかり教師やっているよ。意外。
それに教師なら家にあまり帰ってこなくても納得できる。結構ブラックな職場だし。
まあ何?お手並み拝見てところかな。面白そうだし。
あと千冬姉の自己紹介の後、女子の黄色い声による音響爆弾が炸裂し、俺に愚痴を零したのはまた別に話。
次は8月中に投稿します。