友成「銃を下ろしてください・・・。」
僕は瑞鶴さんにお願いしてみた。
瑞鶴「いやよ、それにこの銃をどこで手に入れたか聞きたいわ。」
まぁ、下ろしてくれるはずもなくさらには伊勢さんを除く全員が敵意丸出しである。
こんなhardなことになるなんて誰が想像しただろうか。
とにかく彼女たちにとっては敵の艦長がホイホイ捕まってくれて有難いと思っているはずだろう。
みらい「艦長!CIWSの発砲許可を!」
友成「ダメです!誰かが死ねば立場が悪くなるだけ・・・その人の命も無駄になる!」
僕が経験したからこそ皆さんには経験して欲しくない。
大切な人が目の前で死ぬ姿を見るという経験を。
友成「瑞鶴さん、伊勢さんは今は危険な状態にある、助けるためには貴方に銃を下ろして頂く必要がある。」
瑞鶴「そんな口車に私が乗るとでも?」
やっぱり聞かないよね、もう最終手段を使うか。
友成「そうですか・・・では。」
瑞鶴「!」
僕は瑞鶴さんの持つ64式を自分の眉間に押し当てた。
友成「どうぞ、遠慮なく引き金を引いてください、そうすれば僕も父さんに会うことが出来ます。」
日向「どういう気だ、こわくないのか?」
日向さんが僕に聞いてくる。
友成「恐い?そりゃ恐いですよ、でも今ここで無駄な血が流れて誰かの家族が死ぬくらいなら自分から命を絶ちますよ。」
加賀「どういう事かしら。」
友成「僕は目の前で本当の父親を殺されました、母親は僕が生まれてからすぐに亡くなりました。」
僕の一言で全員が黙る。
友成「目の前で殺された父さんは一言言い残しこの世を去りました、今でも父さんの体温が冷たくなっていく感覚を覚えています。」
みらい「艦長・・・。」
友成「そんな状況を作り出すくらいならみらいさんの臨時艦長で貴方達を引き止めている僕を撃ち殺して逃げてしまった方が僕達にも、貴方達にとっても良い。必要最小限の血が流れるだけで済む。瑞鶴さんが銃を下ろさないのなら残された未来の中では良いとは思いませんか?僕も父さんに会えますし。」
僕は瑞鶴さんに微笑みかけた、ここで瑞鶴さんが引き金を引いても恨む気はない、そうなる可能性が高かったそれだけだ。
あとは瑞鶴さんが決めてくれる。
瑞鶴「何よ、そんな話されて撃てるわけないじゃない・・・。」
瑞鶴さんは64式を落として立ち尽くし、僕は64式を拾い上げた。
友成「今の話は本当ですが万が一嘘だったらどうするつもりですか?」
瑞鶴「嘘をついている人が普通泣く?」
やっぱり・・・出ちゃうんだよなぁ。
友成「ははは、兎も角、貴方達が抵抗しない限り我々からは危害を加えません。ご理解とご協力をお願いします。」
武蔵「・・・良いだろう、貴様のその度胸を認めて指示に従うことにする。」
友成「ご協力感謝します、みらいさん!桃井一尉を呼んでください!」
みらい「了解!」
こうして被害を受けた艦娘の収容と治療が始まった。
友成「・・・・ふぅ。」
蒼龍「大丈夫?」
僕が医務室で伊勢さんが起きるのを座って待っているとき不意に蒼龍さんに声をかけられた。
因みに服装はこの艦に飛ばされた時に着ていた半袖の白地に黒字で「笑ったら負け」と書かれたTシャツと黒の薄手の半ズボンに「みらい」の識別帽をかぶっている。
友成「蒼龍さん、大丈夫ですよ。」
蒼龍「伊勢、まだ目を覚まさないんだね。」
友成「一応容体は安定していますが起きた時が大変ですね。」
蒼龍「だから鉄砲を持ってるんだね。」
蒼龍さんは苦笑いしながら僕が持っている9mm機関けん銃を見た。
反動の制御が結構難しく、あくまで近距離戦での自衛を想定した火器だから今回の状況にはうってつけだった。
因みに今はスリングを付けて左肩から掛けて所持している。
友成「気が付いたらこの時代から約40年、彼女が艦艇だったころから約60年後の軍艦の中、そんな中で正気を保つこと自体が難しい話ですよ。」
蒼龍「そうだよね・・・そうだ!」
何か思い出したのか蒼龍さんがいきなり声をあげた。
蒼龍「ねぇ友成くん、私のことは呼び捨てでいいよ。」
友成「えっ?でも・・・。」
蒼龍「私は堅苦しいのは嫌いだからさぁ・・・ね?」
僕は反論しようと思ったが恥ずかしそうに頬掻きながら言う蒼龍さんを見て反論するのも気が引けた。
友成「分かったよ。」
蒼龍「ありがとう!あっ、私も呼び捨てで良いかな?」
友成「もちろん良いよ。じゃあ、これからもよろしく蒼龍。」
蒼龍「よろしくね!友成!」
そんなこんなで僕と蒼龍さんは仲良くなった。
伊勢「うっ・・・ん?」
友成「あっ!気が付いた!」
蒼龍「伊勢!大丈夫!?」
伊勢「ここは・・・?」
友成「僕が臨時艦長を務めている艦です。」
伊勢「艦?・・・蒼龍!大丈夫なの!?」
意識が完全に回復したのか伊勢さんは飛び上がって蒼龍さんの肩を掴んだ。
蒼龍「大丈夫だから・・・あっ、こっちはこの艦の艦長で私を助けてくれた命の恩人の霧先友成だよ。」
友成「どうも、臨時艦長の霧先友成です。」
伊勢「ご丁寧にどうも、伊勢型航空戦艦一番艦伊勢だよ。蒼龍を助けてくれてありがとう、それでこの船はどこの所属なの?」
友成「海上自衛隊、横須賀基地です。」
僕が所属を応えると同時に伊勢さんの目つきが変わった。
伊勢「っ!私たちを捕まえて何が目的なの!?」
友成「酷く無いですか!?」
蒼龍「そうだよ!友成は伊勢を海に飛び込んで助けたんだよ!?」
伊勢「え?・・・じゃああの時引き上げてくれたのって・・・。」
長門「蒼龍、主砲の再装填は終わっ・・・。」
伊勢「すみませんでした!!」
長門「どういう状況なんだ・・・。」
友成「ははは・・・。」
そりゃそう言いたくもなるよね・・・。
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みらい「艦長、先ほどリュックサックとボストンバックを見つけたのですが・・・。」
友成「え?あぁ!僕の着替えと買ったものだよ。一緒に来てたのか。」
艦長席で外を眺めていた僕の元にみらいさんが持ってきたのは僕の着替え、夏休みの宿題、街で買い物したものが詰まった黒のリュックサックと陸自迷彩のボストンバックだった。
蒼龍「何が入っているの?」
友成「着替えとかその他諸々・・・ん?」
僕は鞄の中に見慣れない箱があるのを見つけて取り出す。
縦30㎝、横20センチ位の木で出来た箱だ。
伊勢「何が入っているの?」
友成「さぁ・・・僕も初めて見ます。とにかく開けないことには分かりませんし開けて見ます。」
僕はその箱を作業台に置いてゆっくりと開けてみる。
友成「よっと・・・これは?」
まず目に入ってきたのは魚雷発射管、しかしよく見てみると所々凹んでいる。
次に指先が無い上腕の半分くらいまでありそうな砲塔のようなものが付いた手袋。
最後に鉢金、と言うよりこれ見たことが・・・えっと・・・。
友成「そうだ!艤装だこれ!」
日向「待て!ただの艤装では無い、これは沈んだ神通の物だ!」
長門「何だと!」
日向さんの行った声に始まり、みらいさんを除く艦娘全員が驚く。
友成「どういう事なんです?」
赤城「実は横須賀鎮守府には昔、神通と言う艦娘がいたんです・・・ですが改二と言う強化をしてから暫くしてからある作戦で深海棲艦に囲まれて・・・第一艦隊を逃がすために囮になり轟沈しました。」
瑞鶴「そしてその艤装が沈んだ神通さんが持っていた特徴的なものなのよ。」
そうだよね、確か神通の艤装の手袋は指先が出て無かったはずだし。
友成「でもなんで僕の荷物の中に入っていたのかな?」
赤城「それが分かればいいのですが・・・。」
??「それについては私が説明します!」
当然した声に全員が驚き声がした方を見る。
其処にはヘルメットをした子を含め数人の小さな女の子がいた。
友成「もしかして・・・ダメコン妖精さん?」
ダメコン妖精「よくわかりましたね!流石、神通さんのお子さんです!」
・・・いま何かとんでもないこといったよね?
加賀「今の言葉、もう一回言ってくれるかしら?」
ダメコン妖精「え?流石、神通さんのお子さんです・・・。」
友成「・・・ファアア!?」
みらい「今、人間とは思えないような声が聞こえましたよ・・・。」
友成「ごめんなさい、それより・・・。」
武蔵「友成が神通の子供とはどういうことだ?」
普通に台詞とられた・・・。(´・ω・`)
艤装にふさしって書いてやろうか!ヽ(`Д´#)ノ
ダメコン妖精「それは・・・。」
ダメコン妖精さんは詳しく話してくれた。
赤城さんが言っていた作戦で沈んだ神通・・・つまり僕の母さんは轟沈した後、謎の渦で僕がいた現代に飛ばされた。
そこで偶然出会った父さんに助けて貰った後、二人は相思相愛になり父さんがコネを使って戸籍を取り結婚した。
でも僕が生まれてすぐ母さんは元の世界に戻ることになった。
どうやら世界を移動したときに出来た歪みのようなものが母さんを元の世界に磁石のように引っ張っていたらしい。
そして万が一の時のために艤装を僕に残していなくなったそうだ。
翔鶴「そんなことが・・・。」
ダメコン妖精「あの時の友成君のお父さんがした決断は凄かったよ、愛した人がいなくなるのに「神通が元の世界に戻っても俺がしっかり友成を育てて一人前の男にしてやるからお姉さん達に元気な姿を見せな!」ってね、神通さんが帰って行った後も泣くことなく嬉しそうな顔で「必ず戻れよ。」ってね、しっかし友成君も良い男になったよね。」
友成「知らなかった、母さんが・・・。」
僕はダメコン妖精さんから貰った古い写真を見ていた。
其処には父さんと赤ちゃんの僕を抱いた母さんが写っていた。
ダメコン妖精「友成君のお父さんが死んじゃったのは残念だったけどお母さんはまだ生きてる、多分横須賀に住んでいるんじゃないかな、別れる前にそう言っていたからね。」
友成「そうなのかな・・・でもなんで母さんは僕に艤装を?」
ダメコン妖精「そりゃ、これを装備して使えるからだよ。」
友成「まじで!?」
ダメコン妖精「マジ、いざってときには着けなよ、私たち妖精が全力でバックアップするからさ。」
友成「わかりました、その時はよろしくお願いします。」
僕が敬礼すると妖精さんたちも敬礼で返してくれた。
こうして僕は母さんがいなくなった意味を知った。
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みらい「艦長、後1000㎞で横須賀です。」
友成「丸三日・・・やっと横須賀に来たか。」
現在梅津艦長が乗艦しているみらいが先導艦となり横須賀へ近づいていた、丸三日の航海である。
食料も(主に一航戦の人達の所為で)底を着きかけていたので嬉しい限りだ。
因みに僕が艦娘の血を引いていることは梅津艦長には報告していない。
友成「だけど・・・。」
みらい「艦長?」
友成「この横須賀は全くの他国、他国の軍が入って来ようとしているときに軍隊がすることはひとつだ・・・。」
みらい「まさか・・・。」
友成「手持ちのカードでは相手には決定打を与えることはできない・・・みなさん。」
僕はこれから起きることを話した。
友成「本当に血が流れることになるのはこの横須賀になるかもしれません。」
そして、僕は戦争の意味を知ることとなる。
どうも、みたらし饅頭です。
ついに明らかになった友成の母親の行方。
しかし横須賀では非常ベルが鳴り始める。
異世界から来た自衛隊と高校生、艦娘が下す決断とは!?
サジタリウスの矢は放たれてしまうのか!
次回「第拾戦目「戻ってきた横須賀」」
それでは次回に向けて、撃ちぃ方ぁ始めぇ~!