現代の大阪市内のある家にて
「お母さん!テレビテレビ!」
「どうしたの、血相変えて・・・。」
「いいからテレビ見て!」
『今入ったニュースです、今日午前11時ごろ、瀬戸内海で釣りをしていた霧先友成さん17歳が行方不明になっていることが分かりました。
友成さんは今日祖父と釣りをしていたところ、海上自衛隊に撤収するように言われ作業を行っている途中で突如、落雷に打たれ行方が不明になりました。
また一緒にいた祖父の霧先勝成さんの証言では友成さんのほかに彼の荷物と漂流していた女性がいなくなっているとのことです。
現在は防衛省と警察庁、海上保安庁が連携して友成さんと女性を捜索中です。』
「そんな、友成が・・・。」
「どうしよう、お兄ちゃん大丈夫かな・・・。」
「とにかくお父さんに連絡しないと!」
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ここは日本の横須賀にある横須賀鎮守府。
ここには約200近い艦娘が所属生活している。
普段なら非番の艦娘達の楽しそうな会話が聞こえる時間帯だが現在鎮守府内は警報が鳴り響き慌ただしくなっていた。
『緊急警報発令!緊急警報発令!横須賀上空に謎の航空機が巡回中!予備第一、予備第二艦隊所属の艦娘は敵勢力迎撃のため直ちに出撃!第三、第四艦隊所属の艦娘は鎮守府防衛のために出撃せよ!』
謎の航空機が横須賀上空に現れたことによって慌ただしくなる鎮守府の中で一人の海軍軍人と思しき男は資料を眺めながら静かに座っていた。
その佇まい、そして肩についている『大将』の階級章から見て確実にこの鎮守府の提督であることが伺える。
提督「海上自衛隊・・・第二次大戦が終結した後にできた海上保安庁内の海上警備隊が発展して出来る予定だった組織、1954年に組織される予定だったが、53年の深海棲艦の出現により日本国海軍に変更、事実上は存在しない組織か・・・何故そんな組織が・・・。」
陸奥「提督、失礼します。」
提督「ん、陸奥か。」
提督が海上自衛隊に調べていると秘書艦である陸奥が執務室に入ってきた。
陸奥「第一、第二艦隊、出撃完了しました。」
提督「よし、諸君聞いてくれ航空機がいるという事は発艦するための艦がいるという事だ予備第一、予備第二艦隊には敵艦隊の索敵、迎撃、戦力偵察を、第三、第四艦隊は鎮守府の防衛を命ずる、各員敵勢力の攻撃を絶対に横須賀に向けさせるな!」
提督は館内放送用のマイクを取り艦娘達に命令を下した。
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少し前
友成「本当に血が流れることになるのはこの横須賀になるかもしれません。」
長門「そうだろうな。」
長門さんはわかってたんだ、ここで起きる可能性を。
友成「ともかく、被害は最小限に押さえます、みらいさん、梅津艦長に連絡、作戦会議を行うことを具申すると伝えてください。」
みらい「了解!」
角松「これより横須賀近海に置いての作戦行動について会議を行う、今回の作戦は横須賀基地・・・この世界では横須賀鎮守府だがその周辺、および日本国海軍の力量についての偵察になる。作戦内容は簡単、海鳥による偵察と哨戒を行うこれだけだ。」
友成「しかし、相手が攻撃してくる場合も考えられるのでは?」
長門「いや、提督のことだ、此方から攻撃しない限り攻撃はしては来ないはずだ。」
梅津「決まりだな、海鳥による偵察を行い、相手との会談の場を設ける、それが今回の目的だ。自衛目的以外の砲撃は禁止する、各員配置につけ!」
全員「了解!」
こうして海鳥が鎮守府に向かうことになった。
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現在CIC内では艦長の梅津以下角松二佐、CIC所属の自衛官と友成、みらいが海鳥と交信していた。
佐竹『フォーチュンインスペクター、シーフォール、発艦に異常なし、視界内クリア。』
自衛官「シーフォール、横須賀上空まで30分。」
菊池「艦長、いくらHSリンクで映像を送受信しても、危険では・・・。」
梅津「危険は覚悟の上だ、横須賀に入港出来るかどうかがこの偵察飛行で決定される編集不可なライブ映像を自分の目で確認して隊員に判断を下して欲しいのだ。」
佐竹『フォーチュンインスペクター、シーフォール、目標インサイト、上空まで20分、雲量2、視界きわめてクリア。』
自衛官1「おぉ!横須賀だ!」
自衛官2「パッと見、現代と変わらないように見えるが・・・。」
自衛官たちは食いつく様にテレビのライブ映像を見ていた。
一方、海鳥は横須賀上空に到達していた。
佐竹「横須賀市、横須賀港が見えます。現在、高度2800フィート・・・港沿いに高度500フィートまで降下するぞ。」
森「500は危険です!」
佐竹「おぉい、俺の腕を」
森「信じてますよ、でなきゃガンナーは務まりません、ですが・・・。」
森は機内に設置されたサイドミラーを見る、そこには既に「みらい」の姿は無かった。
佐竹「ですが?条件付きの信頼なんぞ豚に食わせとけ!」
佐竹「行くぞ!」
海鳥は一気に高度を下げ低空飛行になる。
佐竹「シーフォール、これより湾内に降下します。」
菊池「湾内右手洋上に物体が見えるが船か飛行機か分かるか?」
佐竹「待ってください、旋回します・・・見えます!洋上に標的らしき小型船舶二隻、その後方に・・・水上機と思われます。」
自衛官1「あぶねぇぞ!見つかったら!」
自衛官2「逃げ切ってくれよ・・・。」
柳「・・・!」
佐竹「湾岸には兵舎と思われる構造物、現代と同じ横須賀鎮守府の建物が見えます!間違いなくここは現代ではありません!」
自衛官1「やっぱりか・・・帰れないんだ俺達・・・。」
自衛官2「でも、霧先が宛てがあると言っていた・・・少なくとも日本には帰れるんだ!」
そんな会話がある中、佐竹らに危機が迫っていた。
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海鳥が横須賀上空に来る前
綾波「夕張さん、どうしたんですか?」
夕張「綾波ちゃん!実は倉庫にしまいっぱなしだった二式水上戦闘機を見つけて整備してたのよ。」
そう言う夕張の顔は満面の笑みだった。
綾波「動くんですか?」
夕張「今から試すとこ・・・!?何あれ!」
綾波「て、敵襲―!敵襲ー!」
綾波が叫ぶと同時に警報が鳴り始める。
夕張「仕方ない・・・妖精さんお願い!」
妖精「了解しました!」
妖精は敬礼をし、二式水上戦闘機に乗り込み、海鳥を追いかけはじめた。
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森「七時の方向距離1500!二機あがってきます!速力230!水偵にしては早すぎます!」
佐竹「230!?」
海鳥に向かって二機の水上機が迫りくる。
佐竹「こいつら!ただの偵察機じゃないぞ!」
森「目標!急速接近!此方の最大速力に届いています!」
佐竹「エマージエンシ―コール!日本軍機の接敵を受けました!」
梅津「いかん!」
菊池「シーフォール、直ちに全作戦を中止!離脱せよ!」
佐竹「了解!直ちに帰還します!」
自衛官1「見ろ!二機食いついているぞ!」
自衛官2「危ない!振り切って逃げろ!」
その時艦内放送が響く。
艦内放送「対空戦闘よーい!」
放送を皮切りに自衛官たちは一斉に持ち場につく。
角松「霧先一佐、あの偵察機の武装は?」
友成「偵察機?あれは偵察機じゃありません二式水上戦闘機という20ミリと7.7ミリ機銃を二門ずつ備えた戦闘機です!」
角松「何っ!」
横須賀上空では追われている海鳥がバンクを振っていた。
森「何のために翼を振ったんですか佐竹一尉!?」
佐竹「バンクといってな、当時の味方機だという合図だ、どこまで通用するか分からんが・・・。」
妖精1「日の丸をつけているけど、海上自衛隊なんて隊は海軍には無い、バンクを振っておいてなぜ逃げるの?」
みらい艦橋では尾栗がマイクを持ち抗議していた。
尾栗「何をグズグズしているんだ!海鳥を見殺しにする気か!柳の話じゃ、あれは水偵じゃない!二式水戦ってフロート付きの!」
角松「戦闘機だ。」
尾栗「分かっているならさっさと発砲を許可してください!佐竹は迎撃機をどうにかしない限り帰って来れない!奴らをみらいに案内することになるからだ!」
角松「分かってる!」
尾栗「だったら見つかった以上、向こうを撃ち落とすしか手は無いんだ!」
菊池「尾栗、発砲は許可できん。」
尾栗「菊池!佐竹がやられたらお前の責任だぞ!」
ついに堪忍袋の緒が切れたのか尾栗は怒鳴る。
梅津「副長、もう一度、海鳥に念を押してくれ。」
みらい「待ってください梅津艦長!発砲を許可してください!」
角松「ダメだ!お前が「みらい」なら専守防衛を守らなければならないことはわかっているだろ!」
友成「そう言ってまた森二尉を見殺しにする気ですか!」
角松「何だと、どういうことだ?」
みらい「私が過去の世界に飛んだ時、今と同じような状況があったんです、その時同じく搭乗していた森二尉は二水戦の機銃を受け殉職しました。」
友成「みらいさんにとって、これは悪夢のリプレイなんです!お願いです、発砲許可を!」
角松「だが・・・。」
??「それなら私の出番ですかね?艦長!」
そこにいた全員が振り返る、そこには海鳥の搭乗員が着る服と同じ深緑色のつなぎと白いヘルメットをかぶった妖精がいた。
角松「何だコイツは!?」
海鳥妖精「酷いですね角松二佐、自分はみらいさんの艦載機、海鳥のパイロット妖精ですよ。」
友成「海鳥の妖精・・・。」
海鳥妖精「それで艦長、どうします?自分とガンナーの妖精は準備万端ですよ。」
友成「・・・わかった、海鳥発艦と発砲を許可する!但し目標は相手のフロート部のみ!責任は全部僕が取る!」
海鳥「了解!海鳥、発艦準備に入ります!」
友成「みらいさん、艦首で発艦して来て下さい。」
みらい「了解!」
みらいさんは敬礼をしてCICを出て行った。
菊池「いいのか、歴史に手を加えるんだぞ!」
友成「もう、第二艦隊と交戦している時点で歴史に手は加えています、後はどれだけ犠牲を少なくするかです、菊池三佐。」
もう、後戻りはできない。
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角松『佐竹一尉、現在そちらにもう一機の海鳥が向かっている、サイズは小さいが十分に戦える装備をしている、本艦が発見されても良い、すぐさまその海鳥と共に直ちに帰還せよ!』
角松『海軍機がこちらに来てもなんとかする・・・・・全責任は俺が取る!
角松『先制攻撃をしないのは我々が守るギリギリのルールだ、不利な状況で戦う必要はない帰還しろ!これは命令だ!!佐竹一尉!』
佐竹「先制攻撃を禁ず・・・・創隊以来それでやってきたんですからね・・・慣れてますよ。」
佐竹はヘルメットについているゴーグルを下ろし気合いを入れる。
佐竹「捕捉されたのは私の責任です、絶対に振り切って帰ります。」
佐竹が言うのと同時に二式水上戦闘機が動き始めた。
佐竹「動いたぞ!」
森「背後の射線を狙ってます!」
佐竹「
ダガガガガガガガ!!!!
佐竹「!!始めやがった、
森「了解!」
二式水上戦闘機が放った7.7mm機銃は惜しくも海鳥に避けられてしまう
しかし彼らにも考えはあった。
森「もう一機の姿が見えません!ロストしました!」
佐竹「上だ!」
ダガガガガガガガ!!!!
ガカカカカカカカ!!!!
もう一機の二式水上戦闘機が放った7.7mm機銃は海鳥に確実に被弾しダメージを与えた。
佐竹「やるじゃねぇか・・・破損状況チェック、電装品・操縦系統共に異常ないな・・・・・・・・燃料タンクも無事・・・・・損傷軽微カスリ傷だ!」
海鳥は被弾したものの装備等には損害はそれほどなかった。
佐竹「森二尉、今度はこっちの・・・・」
確かに海鳥「には」被害は無かった・・・・。
佐竹「森っ!?」
搭乗員を除いて・・・。
佐竹「森ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
ガンナーの席と窓に森二尉の血が飛び散った光景を見た佐竹一尉の悲痛な叫び声が横須賀上空に響き渡った。
どうも、そろそろ横須賀沖海戦です。
次回はストック切れのため亀更新になるのでご了承ください
では、次回予告
二式水戦妖精1「手ごたえはあったけど・・・浅かった・・・止めを刺すわよ!」
角松「シーフォール、発砲を許可する!ただし、照準はフロート部のみだ!」
菊池「それでもだ、相手は必ず攻撃を仕掛けてくる。その時どうするつもりだ?」
友成「護衛艦の艦長を務めている以上、搭乗員の人命と日本国民である艦娘の皆さんを護るために自衛隊法第95条を適応します。」
状況は時に最悪の未来を選ぶ。
次回「第拾壱戦目「攻撃命令」」
それでは次回に向けて、撃ちぃ方ぁ始めぇ~!