高校生艦長と自衛艦の航海日誌   作:みたらし饅頭

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なんでか短くなる。
不思議!


第拾捌戦目「演習開始」

~工廠・ドック~

 

「本当に申し訳ない・・・。」

 

入るなり高屋提督は僕に頭を下げてきた。

 

「あの・・・もしかして演習の件ですか?」

「そうだ、折角歓迎パーティーの計画も水に流れてしまって・・・。」

「いえいえ!あの時は僕もカッとなっていて受けて立つと言ってしまって・・・。」

「だが・・・。」

「それに演習で先に僕達の実力を見せておいた方が良いでしょう?」

 

それは提督自身が「みらい」の力を見る口実にもなる。

そうすればたとえ外部に情報が漏れても高屋提督が相手に脅しで歯止めをかけることが出来る。

 

「僕たちは準備万端です。あとは許可さえあれば演習は可能です。これからの事も考えて今回の演習は重要ですよ?」

「・・・・・分かった。これから編成に加わる者の力量を知るのも大切だからな・・・演習は明日の1500に演習場でどうだ?」

「了解です。1500に演習場で。」

「では、失礼する。」

 

そう言って高屋提督はドックを後にした。

 

「艦長、大丈夫ですかね?」

「弾薬以外はね・・・。」

 

唯一の問題点はそこだ。

 

「明石さん、通常の演習はどうやるんですか?」

「確か演習用の札を艤装に張り付けて演習弾とする方法と演習弾を使う方法の二択があるはずよ。前者は簡単だけど資材消費が少し多くなるの、だから前まで新参者の育成の為に使われていたけど今はあまり使用しないの。後者はより実践に近くなって消費資材も現実的になるわ、だからこっちが主流ね。」

 

成程、なら前者を使えば・・・。

 

「みらい、賭けになるかもしれないが前者の手法で行こう。」

「でも、もしもの場合は?」

「一応、各弾薬は一発づつ研究用に置いてあるから無くなっても複製完了まで頑張ればいい。」

「それはかなりの賭けよ?」

「分かってますよ明石さん。しかし手持ちのチップ(仲間の艦)では拿捕されそうになった時に足りない。だから手持ちのロイヤルストレートフラッシュ(戦闘兵器)をみせる必要があるんです。」

 

これは海上自衛隊とみらいの安全を確実にするための演習でもあるんだ。

 

「じゃあ、さっさと準備しないとね。立ち合いをお願いできるかしら?」

「分かりました。みらい、すまない。」

「いえ、艦長の決断なら私は従います。」

 

演習を乗り切れば此方に優勢になる・・・・・ことを祈ろう。

 

 

 

 

 

 

 

翌日 ~演習場~

 

翌日、午前6時の演習場には大勢の艦娘が集まっていた。

 

「すごい人ですね艦長。」

「約130人も艦娘が集まればこうなるよ。」

 

僕たちは演習場で自己紹介をするために艦娘全員の前に立っていた。

前にいるのは僕とみらいだ。

 

「全員集まったようだな。これから大演習を行う、この演習の目的は今回来た最新鋭艦「みらい」の性能を全員に知ってもらうことにある。まずはその艦の関係者を紹介していく。」

 

高屋提督は言葉を続ける。

 

「まずは「みらい」臨時艦長、霧先友成。彼については聞いている艦娘もいるかもしれないが沈んだと思われていた神通の息子だ。じゃあ紹介を頼む。」

「わかりました。今回演習にて「みらい」の指揮を執る霧先友成です。よろしくお願いします。」

「その隣が今回演習で対戦することになる「みらい」だ。」

「初めまして!ゆきなみ型護衛艦三番艦「みらい」です!」

「そして、今回は観客席に多数の軍人がいる。彼らに粗相のないように頼む、以上だ。」

 

勿論軍人と言うのは海上自衛官の人達の事だ。全員正装で着席している。

僕達の紹介が終わりルールについて説明が始まる。

 

「次は演習時のルールだ。まず演習はいつも通り6対6で行って貰う。そしてトーナメント方式で勝ち進み、最後になった艦隊と「みらい」が6対1で演習を行う。」

「6対1!?」

「気でも狂ったの?」

 

ざわざわ

 

「静かに!」

 

シーン

 

高屋提督の一言で一気に静かになった。

 

「続ける。今回戦うのはくじで決めた4つの艦隊だ。まず一つ目は木曾、神通、暁、那珂、山城、如月。」

「面白そうな演習だな。」

「が、頑張ります・・・。」

「レディーの力を見せてやるんだから!」

「那珂ちゃんいっきまーす!」

「不幸だわ・・・。」

「(何が不幸なのかしら?)」

 

「二つ目は天龍、摩耶、飛龍、瑞鳳、霧島、榛名。」

「やってやるぜ!」

「さっさと勝ってアイツを叩きのめすぞ!」

「大丈夫かなぁ・・・。」

「が、頑張りましょう飛龍さん。」

「相手は・・・作戦は・・・。」

「霧島、始める前から考えすぎるのも・・・。」

 

「三つ目は白雪、ヴェールヌイ、飛鷹、古鷹、衣笠、妙高。」

「皆さん?ご一緒にがんばりましょう。」

「最後まで行きたいな。」

「必ず勝ち進むわよ!」

「演習でも全力で行きます!」

「演習も衣笠さんにお任せ♪」

「皆さん頑張りましょう。

 

「四つ目は最上、利根、大井、北上、夕立、若葉。」

「よし、頑張るぞ!」

「出来れば川の字の甥と戦いたいのぉ。」

「北上さん!頑張りましょう!」

「うん、がんばろーねー。」

「最後までパーティーぽい!」

「それは少し違う気がするぞ?」

 

「最後に審判を務める物から一言。」

 

その言葉の後にマイクの前に立ったのは母さんだった。

 

「皆さん、お久しぶりです。神通です。分かりにくいので今後は先代神通と名乗ります。今回はこの演習の審判を務めます、ですが息子にはひいきはしませんのでご安心を。正々堂々と戦って下さい、以上です。」

 

「ではこれより大演習を行う!まずは第一艦隊と第二艦隊の演習だ!」

 

高屋提督の言葉で演習は始まった。

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