高校生艦長と自衛艦の航海日誌   作:みたらし饅頭

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第弐拾伍戦目「勘違い」

母さんと買い物に行ってから数日後。

僕とみらいは甘味処「間宮」に来ていた

このお店は間宮さんが営業しているお店で様々な甘味が置いてある。

そのなかでも人気なのがアイスクリームだ。

今回ここに来たのは先日の買い物でみらいに告げずに行ったお詫びとしてそのアイスクリームを奢る為だ。

 

「~♪~♪」

「・・・・・・・さらばわが財布。」

 

嬉しそうにアイスを頬張るみらいの前で僕は薄くなった財布を片手にうなだれた。

 

「・・・・・大丈夫?友成君。」

「大丈夫です間宮さん・・・。」

 

間宮さんが心配そうに声をかけて来てくれたけど既に僕の財布は大破していた。

 

 

 

 

 

「美味しかったです~♪」

「嬉しそうで何よりです・・・・。」

 

みらいは満面の笑みで満足しているようだ。

・・・・今度からちゃんと伝えて外出しよう。

 

「おっ!霧先少佐!デートですかな?」

「ブフッ!尾栗三佐!何言っているんですか!」

「そ、そうですよ航海長!大体隊内でそういう関係は・・・。」

「ハハッ!別にいいじゃねえか。俺は雅行ほど厳しいわけでもないし多少の事なら見逃すぜ?」

「だとしても限度というものがあるでしょう・・・・。」

 

まぁ、青葉さんじゃなくて尾栗三佐だっただけマシか・・・。

 

「そう言えば言い忘れてたが今度俺達も訓練をしたいんだ。」

「訓練?水上でですか?」

「そうそう。既にここに来てから2週間が経つ。練度維持のためにも訓練をしないとな。」

「では提督に演習申請書を貰って記入、演習許可書を受け取って僕かみらいに渡してください。」

「了解だ。それとデートなら外に連れて行った方が良いぜ?俺のカミさんもそうだったしな。」

「「だからデートじゃないです!」」

 

何だかいじられてるよ・・・・・。

 

 

 

 

 

 

尾栗三佐にからかわれた後、僕は工廠長室に戻った。

一緒にいたみらいは第六駆逐隊の面々に連行されていった。

 

「と言っても今日の業務は朝のうちに終わらせたし現在1145・・・微妙な時間だな・・・。」

 

特にやることないので椅子に座って天井を眺める。

 

「海軍少佐かぁ・・・。」

 

ふと壁にかけている第一軍装と第二種軍装が目に入った。

制帽と共にかけられている軍服には少佐の階級章がつけられていた。

 

「・・・・・実感ないなぁ。」

 

そんなことをしていると扉が開けられた。

 

「あの、工廠長?」

「綾波?どうしたの?」

 

入ってきたのは綾波だった。

 

「あの、少しお話しがしたくて・・・。」

「そうなんだ、丁度仕事もないしいいよ。」

「ありがとうございます!」

「それじゃあジュースでも・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

戦艦土佐は書類片手に工廠長室に来ていた。

偶然執務室を通りがかったところ提督に書類を渡すように頼まれたのだ。

 

「よし・・・。」

 

土佐がノックしようとしたとき中から声が聞こえてきた。

 

「(誰かいる?)」

 

土佐はそっと聞き耳を立ててみた。

 

 

「綾波・・・・そこまでしなくても・・・。」

「綾波にお任せ下さい・・・・・わぁ、工廠長の・・・・大きい。」

「まぁ・・・男だからね・・・。」

「が、頑張ります・・・・んっ。」

「あぁ・・・気持ち良いよ・・・。」

「もっと強くしますね・・・・。」

 

 

「う、嘘・・・・工廠長が・・・・・。」

 

土佐は書類を落として走り去った。

 

 

 

 

 

 

「そんな・・・工廠長と綾波ちゃんがあんな関係だったなんて・・・。」

 

土佐は落胆しながら歩いていた。

実は彼女自身友成に好意を抱いていた。

建造されて出て来た時に初めて見た優しそうな彼に一目惚れしたのだ。

そんな彼が既にそんな関係を築いているとなると彼女の思いは届かない。

その事実が分かった今、土佐はフラフラと彷徨っていた。

 

「土佐、どうしたの?」

 

土佐に声をかけてきたのは彼女の姉、加賀だ。

フラフラと生気の無い顔で食堂に歩いていた彼女を心配して声をかけたのだ。

ふと土佐が振り向き加賀を見て抱き付いた。

 

「本当にどうしたの?」

「実は・・・・。」

 

土佐は自分が聞いたことを加賀に話した。

ここで思い出してほしい。

現在時刻は1154、更にここは食堂である。

つまり多くの艦娘が昼食を食べるこの時間にこんな話をすれば当然。

 

「・・・・・。」

「し、敷波お姉ちゃん?」

「野郎オブクラッシャー!!」

「ヒィ!」

 

火に爆薬とガソリンを投げ込むこととなる。

 

「フフフフフフフフフフ・・・・。」

「しょ、翔鶴姉・・・・?」

 

「い、伊勢?」

「扶桑姉さん、ちょっと用事を思い出しちゃった。」

 

「土佐、少しここに居なさい。」

「え?う、うん。」

 

こうして怒りを胸に艤装を手に取って黒いオーラを纏った艦娘達が向かったのは工廠長室だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、肩をもんでくれてありがとう。」

「いえ、これ位では・・・。」

「さて、そろそろ食堂に向かおうか?」

「そうしましょう!」

 

僕は部屋を出ようと扉に向かった、すると。

 

ドゴォオオン!

 

「キャッ!」

「DOOR!」

 

いきなり扉が吹き飛んで僕と綾波は爆風で吹き飛ばされた。

 

「いったい何が・・・・うはっはぁ!」

 

状況確認をしようとしたらいきなり艦載機が機銃攻撃を仕掛けてきたので咄嗟に机に隠れた。

艦載機が飛んで行ったのを確認してそっと机から頭を出してみた。

 

「えーっと、皆さんどうかなさいましたか?」

 

その場にいたのは加賀さん、翔鶴さん、伊勢さん、敷波だった。

全員艤装をつけているため扉が吹き飛んだ理由が分かった。

 

「ドーモ、変態工廠長=サン、敷波です。ハイクを詠め、カイシャクしてやる。」

「アイエエエエ! シキナミ!?シキナミナンデ!?」

 

敷波がいきなり主砲を向けてきた。あっこれ終わった。

 

 

 

 

 

その日、工廠長室は謎の爆発で壊滅しました。

 

 

 

 

 

「それで?結局勘違いが元でこうなったと?」

「「「「「「ハイ・・・。」」」」」」

 

現在執務室では土佐さん、加賀さん、翔鶴さん、伊勢さん、敷波が正座をして提督と母さんに説教を受けている。

一方僕は打撲、骨折という重傷を負ったために高速修復材で完治して説教に参加していた。

 

「まったく・・・ちゃんと聞いていないのにその情報を鵜呑みにするな!」

「「「「「「申し訳ございませんでした・・・。」」」」」」

「俺じゃなく友成に謝れ!」

「・・・・・少し折檻が必要ですかね提督?」

 

母さんが笑った瞬間全員が冷や汗を滝のように流した。

しかたない、母さんは笑っているが黒いオーラがバリバリ出ている。

僕でもちびりそう・・・。

 

「あー・・・別に僕が死んだわけでもないし今回位許してあげようよ。」

「・・・・・・友成が良いなら今回は見逃してあげましょう。」

 

なんとか皆は守れた。

というより母さんも怖すぎだって・・・。

 

「まぁ、今回は友成が許してくれたからいいが本来なら軍法会議物だからな。今後気をつけろ、解散して良い。」

 

提督がそう言って全員が静かに退出して行った。

 

「さて、友成。お前の部屋が吹き飛んだわけだが再建には一日かかるそうだ。今日は別の場所で寝ることになるな。」

「もちろん私たちの部屋で寝るわね?」

 

母さんが僕にそう聞いて来た。

何だか期待を込めた目をしているのは気のせいだろうか?

 

「えっと・・・停泊しているみらいに寝るところがあるから・・・。」

 

僕がそう言った瞬間母さんは落ち込んだ様子になった。

 

「そ、そうよねそういう年頃よね・・・。」

「あっいや、偶には誰かと一緒の部屋で寝たいなぁー・・・。」

「じゃあ私たちの部屋に来てくれる・・・?」

「う、うん他に行く部屋もないし・・・。」

「それじゃあ準備しておくから夜に来て。」

 

母さんはそういって上機嫌で部屋を出て行った。

 

「・・・・大丈夫か霧先?」

「最近母さんが分からなくなります・・・。」

「まぁ、一種の欲求不満を解消したいんだろう。息子を愛でたいというな。」

「そんなの普通にすれば良いと思うんですが。」

「昔のイメージがある以上簡単には出来んのだろう。」

 

そういうもんなのかなぁ・・・。

 

「そうだ友成。今度大本営から視察が来る、これが詳細書だ、確認しておいてくれ。」

「了解しました。」

 

僕は受け取った書類に書かれた名前を見た瞬間驚愕した。

そこに書かれた名前は・・・。

 

「日本国海軍通信参謀・・・草加拓海少佐・・・!」

 

黄金の国「ジパング」を夢見た男の名だった。

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