第弐戦目以降は後程投稿します。
「どうしよ~皆きっと心配しているよ~。」
「・・・・・とにかく落ち着いて下さい。」
「でもぉ~。」
泣きそうになる蒼龍を何とか慰めようとする友成であったが、こういう事態に遭遇して経験が無いためうまく対応できていなかった。
その時、巨大な艦が漁船に接近してきた。
「何だアレは?」
勝成が見た先には、日本の神の盾と言われる、イージス艦の「こんごう」「きりしま」「あたご」「あしがら」の四隻の姿があった。
これだけを見れば海上自衛隊に詳しい人物は異常だと思うだろう。
本来、イージス艦というものは複数の対空目標を正確にかつ迅速に迎撃するためにアメリカが開発した冷戦時代の産物である。
それにこれらの艦はそれぞれ各方面隊に散り散りに配備されている。
それが一度に集結するなどリムパック演習位の大事なのだ。
「何で海上自衛隊のイージス艦が・・・・?」
「イージス艦って?」
「端的に言えば・・・神の盾です。」
「その割には貧相な巡洋艦みたいだけど・・・。」
不思議そうに「こんごう」を見る蒼龍の問に友成が答える。
意味としては友成の答えは一切間違っていない。
イージスとはギリシャ神話で神の盾を意味し、名付けられた理由もそこから来ている。
空からの攻撃を守る「盾」、一見しただけでは蒼龍にはただの貧相な巡洋艦にしか見えないかもしれない。
蒼龍が不思議そうにイージス艦を眺めていると、「こんごう」から拡声器を持った自衛官が出てきた。
「すみません!これから任務のため、この辺り一体を封鎖します!直ちに港に戻って下さい!」
「何だ、いきなり来て封鎖だと?」
「とにかく戻ろうよ、蒼龍さんの事を自衛隊に知られたら不味いし・・・雲行きが怪しくなってきている。」
いきなりの事で憤りを隠せない勝成を友成が何とか抑えようとする。
現に友成の言う通り、蒼龍の事を認知されることも危惧される上、少し雲行きが怪しくなっていた。
その現状を思い出した勝成は友成の言葉に納得し、拡声器を手に取った。
「分かった!今から港に戻る!」
「ご協力、有難うございます!」
勝成が拡声器を置き、漁船のエンジンを掛けた時ゴロゴロと空から重い音が鳴り始めた。
「ん?・・・あっ!爺ちゃん!蒼龍さん!危な・・・!」
友成がそこまで言うと、突如視界がホワイトアウトするほどの強烈な光が漁船を襲った。
「!!大丈夫ですか!」
「いたた・・・友成、大丈夫か?」
自衛官が漁船で倒れている勝成に声を掛ける。
どうやら命に別状はないらしく、起き上がった勝成が友成を呼ぶ。
しかし友成が答えるはずがなかった。
「友成?」
先程までそこにいたはずの友成は荷物と蒼龍と共に姿を消し、そこには居ない。
ただ彼や蒼龍、荷物があった場所が黒く焦げてるだけだった。
「友成!!」
突然孫を失った勝成の悲痛な声は空しく瀬戸内海に響き渡った。
その頃、霧先は何処かの艦の艦内ベットらしきところで倒れていた。
「うっ・・・・。こ、ここは?」
霧先は見慣れない所で目が覚め、辺りを見回す。
しかし周辺には2段ベットがあるだけで人影はない。
「あれっ?確か自衛隊の人に港に戻るように言われて・・・その後に雷が・・・そうだ!雷に打たれたんだ!」
霧先はそこまで思い出して完全に意識が覚醒した。
そして現状を確認するべく、まずは起き上がって周辺の状況確認を始めた。
「ここは・・・・居住区かな?」
まず廊下に出てみた霧先は部屋の扉にある札を見てみる。
そこには居住区と書かれていてここが日本の護衛艦の艦内であることを示していた。
「誰も居ない・・・・。」
廊下には誰もおらず、静寂だけが居た。
少し不安になる霧先だがまずは人がいそうな場所を探すことにした。
「とにかく艦橋に行ってみよう、流石に艦橋には人がいるでしょ。」
そう考えた霧先は早速、艦橋への道を探すために艦内を彷徨い始めた。
丁度その頃、日本の横須賀にある横須賀鎮守府では空母「赤城」が提督に報告していた。
彼女は「艦娘」。
突如、世界の海に現れ制海権を奪い、人類に敵対する「深海棲艦」に対抗する在りし日の戦艦が実体化した存在だ。
「提督、艦隊が帰投しました。」
「ご苦労様・・・・飛龍?どうかしたのか?」
赤城の報告を聞いた「大将」の階級を付けた第一種軍装を纏う提督と呼ばれた長身の男性が、オレンジ色の着物を身に着ける空母「飛龍」に声を掛ける。
「提督、蒼龍を見ませんでしたか?」
「飛龍、実はだな・・・。」
同僚で親友の空母「蒼龍」を探す飛龍に戦艦「長門」が申し訳無さそうに言う。
そして次の長門の言葉で場が沈黙してしまった。
「蒼龍が消えたんだ。」
「「えっ?」」
提督と飛龍がマヌケな声を出し場は沈黙してしまった。
唐突な部下、同僚の消失という奇想天外な言葉が彼らの思考回路を停めてしまっていた。
「ドッキリ的な何か?」
「違います!私も見たのです!」
ドッキリかなにかと勘違いした提督に大きな声で駆逐艦「電」が言った。
「私も見たわよ、蒼龍が私達の目の前に居たの。」
「そしたらいきなり雷が落ちてきて!」
「居なくなったと?」
「そうよ!」
電の姉である駆逐艦「雷」も加わり提督に必死に説明した。
「雷電の言ってることは本当デース。探そうにも、深海棲艦の攻撃と天候が激しくて無理デシタ。」
そう言うのはイギリス生まれの戦艦「金剛」。
雷と電の言葉が真実であることを提督に告げた彼女は溜息をついた。
「ふむ・・・。」
提督は三人の話を聞き、考えこむ。
通常ならばおかしな話だが、現状行方不明となっている蒼龍を助け出すことが最優先という考えにまとまり、すぐに指示を下した。
「補給をした後、直ぐに長門、金剛、翔鶴、赤城、電、雷は蒼龍を探しに向かってくれ。」
「了解!」
その場にいた全員が敬礼をして応えた後、出撃の為に出撃ドックへと向かう。
それを見た提督は唯々、蒼龍の無事を祈っていた。
艦隊が準備を行っている頃、霧先はやっとの事で艦橋を発見していた。
「やっと見つけた・・・・。」
艦内は狭く、乗組員ではない霧先が艦橋への道を知っているはずもなく、かなり迷った挙句、艦橋へと辿り着いた。
霧先は鉄製と思しき重い扉を開けて艦橋を覗く。
「すみません、誰か居ますか?」
霧先の言葉に誰も答えない。
そこに居るべき自衛官が居なかったのだ。
「誰も・・・ん?」
霧先はここにも誰もいないと思い、艦橋を後にしようとした時、誰かが艦の舵をとっているのを見た。
少し不気味にも見えるが女性が舵を取っていた。
霧先は勇気を出して女性に声を掛けた。
「あの・・・。」
「あっ、お目覚めになりましたか。」
舵をとっていた女性は霧先に気づくと安堵の表情を見せた。
女性は、蒼龍のように上は和服、下はスカート、そしてイージス艦を小さくしたようなものを腰につけていた。
「あの・・・お名前を聞いてもよろしいですか?」
「分かりました。」
その女性は蒼龍と同じ様に敬礼をしてから、霧先に自己紹介をした。
「海上自衛隊、横須賀基地所属、ゆきなみ型護衛艦のみらいです!」
その言葉を聞いたときに霧先の脳裏にはあることがよぎった。
しかし、それがまだ確定的になっていない今は言うべきではないと考えて言葉を飲んだ。
その代わりに霧先自身も自己紹介をする。
「僕は霧先友成と言います。」
「友成さん、初めまして。」
「初めまして。」
お互いの自己紹介を終えた後、霧先はみらいに気になったことを聞いた。
「そう言えば、僕以外に人は?」
「蒼龍さんが甲板に居ますが・・・それ以外に人は確認していません。」
「爺ちゃんは居ないか・・・、無事かな・・・。」
「すみません、私は甲板に現れた居たお二人を運んだだけですので・・・。」
「大丈夫ですよ、爺ちゃんはそう簡単には死なないし。」
祖父がそう簡単に死なないぐらい元気に生きていることを知っている霧先は笑って答えた。
その時、みらいが霧先に尋ねた。
「あの、霧先さん。一つお願いがあるのですが・・・。」
「何でしょうか?助けてもらいましたし、僕に出来る事なら良いですよ。」
「有難うございます、では。」
みらいは一呼吸置いてから霧先に言った。
しかし、それは霧先を驚愕させるのに十分な言葉だった。
「私の艦長になってもらえませんか?」
「ええっ!?」
さて今回登場した、みらいさん、知っている人は知っているでしょう、あのジパングのみらいさんです。
とりあえず容姿とかを書いておきます。
名前:DDH-182 みらい(ヘリコプター搭載護衛艦)
容姿等:黒髪ロングで頭の下の方をゴムで止めている。(ポニーテール)
服装は上は和服(藍色)下はスカート(膝丈)に白のハイソックスにスニーカー(P○MA製)
背中、肩、手にイージス艦の装備を小さくしたものを身につけている。
身長は170cm位、胸はEカップ位。
兵装:VLS29セル・アスロック(MK50短魚雷)
・スタンダードミサイル
・トマホーク(対艦ミサイルHE弾頭)
VLS48セル・短SAMシースパロー
OTOメララ127mm54口径単装砲×1
68式3連装短魚雷発射管×2(MK50短魚雷)
RGM-84ハープーン対艦ミサイル4連装発射管×2
高性能20mm多銃身機関砲(CIWS)×2
RBOCチャフ発射機×4
搭載ヘリコプター:・MVSA-32J海鳥
・SH-60J
こんな感じですかね。
では次回予告です。
日本を出発したイージス艦「みらい」
ミッドウェー付近で異常な暴風雨に巻き込まれた「みらい」はもう一隻の「みらい」に出会う。
次回「二隻のイージス艦」
それでは次回に向けて、撃ちぃ方ぁ始めぇ~!