高校生艦長と自衛艦の航海日誌   作:みたらし饅頭

48 / 64
今更ながら「World of Warships」にハマりました。
対人戦強すぎぃ!
次々回あたりまたまた新艦娘登場!予想してみてください。


第肆拾壱戦目「第六駆逐隊、カレー洋作戦!(なのです!) 上」

作戦指揮室では長門と陸奥が話し合っていた。

表情からしてかなり真剣な話の様だ。

 

「ついにこの時が来たわね。」

 

そう言いだしたのは陸奥だ。

 

「あぁ・・・来てしまったな。」

 

低い声で言う長門。

物凄く真剣な表情だ。

 

「良いの?」

「私は秘書艦となった以上。この鎮守府に己の全てを捧げる覚悟はとうにできている。」

「貴方はいつもそう。何もかも自分一人で抱えて・・・そして一人で泣くの。」

「それが艦娘としての私の使命だ。」

「本当・・・・不器用なんだから。」

 

姉の覚悟に陸奥は泣きそうな声で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入渠ドックではある四人組が遠征帰りの汗を流していた。

 

「かゆいところは無い?電。」

「大丈夫なのですぅ。雷お姉ちゃんは髪を洗うのが上手なのです!」

「いいのよこれくらい。もっと私を頼ってくれてもいいのよ!」

「甘やかし過ぎよ!一人で髪を洗えないなんて一人前のレディになれないんだから。」

 

電の頭を洗ってあげている雷にそう言う暁だが自分もシャンプーハット無しで洗わない点ではブーメランな発言だ。

そこを指摘しない雷は優しさにあふれているだろう。

 

「ってこら響!アンタまだ髪洗ってないでしょ!?」

「髪が濡れるのは好きじゃない。」

 

暁の指摘にさっぱりと答える響だが単に面倒くさ画っているようにしか見えない。

そして頭は一番汚れやすいところでもあるので洗わないと大変汚い。

 

「それが艦娘の言うこと!?」

 

暁の言葉が最もに聞こえるのも珍しいだろう。

その時誰かの笑い声が響いた。

電を除く全員が声がした方を見ると知恵の輪で時間潰しをしている赤城がいた。

どうやらまた被弾して入渠の様だ。

友成のストレスに余計拍車が掛かっているに違いない。

 

「仲良しさんですね。」

「あら、赤城さん。」

「えっ?あっ、ど、どうもなのです!」

 

赤城に気付いた雷が挨拶をすると泡で前が見えない電も挨拶をした。

 

「みんなで遠征任務の汗を流しているのよ!」

 

ない胸を張る暁の「遠征任務」という単語に赤城は食いついた。

 

「遠征!?もしかして!!」

「ボーキサイトなら大量。」

 

赤城の期待に答えるように響がサムズアップして言った。

 

「本当?流石ですね。」

「と、当然よ!それが暁たち、第六駆逐隊のお仕事なんだから。」

 

そう言って胸を張る三人だが電は泡で前が見えず不安になり皆を探し始めた。

 

「み、みんなはどこなのです?」

 

そして突然立ったのが悪かった。

 

「はわわ!!」

 

ドスンという音と共に電は勢いよく泡で足を滑らせて頭を床に打ち付けた。

そのドスンという音に反応し、全員が目をつぶる。

かなり痛そうだ。

 

 

 

 

その後、何とか軽傷で済んだ電は偶然ジュースの補充に来ていた霧先に治療してもらっていた。

 

「これでよしっと。大丈夫、電?」

「大丈夫なのです。工廠長さん、ありがとうなのです。」

 

電の頭を優しく撫でる霧先の横で雷は美味しそうに牛乳を飲み干した。

 

「プハー!気分スッキリ!明日の遠征任務も頑張るわ!ね?暁!」

「はぁーーー・・・・。」

 

元気な声で言う雷とは裏腹に暁は浮かない表情だ。

 

「ど、どうしたのです?暁お姉ちゃん、遠征嫌なのですか?」

「嫌なら言ってくれれば僕が編成を変えるよう提督に具申するけど・・・・・。」

 

電と霧先が心配して暁に言うが暁が思っているのは別の事だ。

 

「遠征任務は別にいいのよ。でもね、やっぱりあれだけは無いわ!!」

 

暁の言うあれとは輸送用ドラム缶の事だ。

 

「あんなの絶対レディらしくないもの!」

「まーた暁のレディが始まったわね?」

「そうよ!レディならもっとこう・・・優雅でエレファントじゃないといけないの!」

「ブフォォ!!フォッハハ!!」

「暁お姉ちゃん、それを言うならエレガントだと思うのです。」

 

暁の盛大な間違いに思わず霧先は吹き出し笑いを必死に堪えた。

電の訂正に暁は顔を赤らめた。

 

「そ、そうとも言うかもね・・・・。」

「エレファント・・・・フォッホホ・・・・。」

「いつまで笑ってるのよ!!」

 

未だ霧先は笑いを堪えている。

それに怒った暁は大声で言った。

そんな状況をしり目に響は壁に張られたポスターを眺め始めた。

 

「ん?どうしたの響?」

 

雷がポスターを眺める響に声をかけた。

 

「これ。」

 

全員が響が見ていたポスターをみる。

そのポスターには「鎮守府カレー大会」の文字が書かれていた。

 

「鎮守府カレー大会?自慢のカレーで優勝を目指せ・・・。」

「(そう言えば寸胴鍋の開発要請があったけど・・・これが原因か。)」

 

暁たちがポスターを眺めているとドックに高雄と愛宕がやってきた。

 

「あら、第六駆逐隊の皆に・・・友成君?」

「ジュースの補充と設備チェックに・・・・。」

「そうだったの。」

「ヤッホー。パンパカパーン!」

「「パンパカパーン!」」

 

高雄が霧先と話す横で愛宕は雷と響と一緒に謎の儀式をしていた。

 

「「それ挨拶なの?」」

 

そこに暁と霧先は突っ込んだ。

 

「ぱんぱかぱーん・・・なのです。」

「(可愛い・・・。)」

「付き合わなくていいのよ?それよりどうかした?」

 

霧先が可愛いものを見る目で電を見ていると高雄が注意した。

高雄が聞くと電が言った。

 

「え、えーっと、これなのですけど・・・。」

「?」

 

高雄と愛宕は電が指差したポスターを見る。

 

「またこの日が来たのね・・・。」

「去年は楽しかったわねぇ~。」

 

2人の言動から察するにこの大会は毎年行われているようだ。

第六駆逐隊が疑問符を浮かべていると高雄が説明した。

 

「鎮守府では週に一度、金曜日にカレーの日があることは知っているわね?」

「はいなのです!」

「海上勤務の多い艦娘達が曜日感覚を失くさない為と前世からの慣わしでしょ?」

 

電が答え、響が詳しくいうと高雄は頷き続けて話した。

 

「いわば艦娘にとってカレーとは日々の道しるべたる崇高な料理。この大会の優勝者にはそのレシピが一年間採用されるという名誉が与えられるわ。」

「なんかすごい!・・・かも?」

「(僕も最近は書類関連が多くなって曜日感覚が薄れてるなぁ・・・。)」

 

雷が興奮する横で霧先はボケーっとそんなことを思っていた。

 

「つまり優勝者こそが、鎮守府お料理ナンバーワン!と言って差し上げますわ!」

「お料理ナンバーワン・・・・・!」

 

高雄の言葉に暁は目を輝かせた。

 

 

 

その後、第六駆逐隊と霧先は甘味処「間宮」に来ていた。

 

「暁たちも鎮守府カレー大会に出るわよ!!」

「「「え?」」」

 

姉の唐突な発言に三人は疑問符を浮かべる。

 

「お料理といえばレディのたちなみ!・・・嗜み・・・。」

「(噛んだ。)」

「(噛んだわ!)」

「(難しい言葉を使おうとして噛んだのです!)」

「ブフッ!!」

 

電だけ評価があれだが気にしないでおこう。

カウンター席にいた霧先はブラックコーヒーを噴き出しかける。

 

「つまり!優勝してお料理チャンピオンになるのがレディの近道なのよ!」

「(チャンピオン・・・・?チャンピオン=一番・・・つまり・・・・旗艦!?)」

 

『貴方こそ私たちの旗艦よ!』

『『よろしくお願いします!』』

『良いのよ!もっと私に頼って頂戴!』

 

「それ、良いわね!」

 

謎の発想により赤城と高雄、愛宕が自分を崇める妄想をする雷。

如何したらこの考えに行きつくのだろうか。

 

「でしょ?」

「二人がやるならお手伝いするのです!」

「付き合おう。」

「そう言ってくれると思ったわ。」

「それでこそ第六駆逐隊!よーし!ファイトー!」

「「「「オー!(Yes!)」」」」

「「「「え!?」」」」

 

全員が手を重ねて気合を入れるが一人だけ全く違う言葉を発した。

四人が声をした方が向くとそこには金剛がいた。

 

「な、なんで金剛さんがここにいるのよ!!」

「フッフーン・・・残念ながらCurry大会優勝は私のモノネー!ツッキー、響、雷電!」

「「名前を纏めないで!(なのです!)」」

 

金剛は第六駆逐隊に高らかに宣言し雷と電から名前を纏めないように指摘を受ける。

その様子を聞いていた霧先はコーヒーを飲みつつ問題が起こらないことを祈る。

 

「まさか金剛さんもカレー大会に?」

「Yes!私のspecialにHotな英国式Spicy curryで優勝を狙イマース!そしてこれから一年、私のCurryをテ―トクに味わってもらうのデース!」

 

そう言う金剛に異論を唱える者が店に入って来た。

 

「甘いわね金剛!」

「何者デース!?」

 

金剛が振り返った先にいた者は。

 

「「「「足柄さん!?」」」」

 

足柄だった。

彼女は鎮守府内でも料理上手として知られている。

 

「ちょっとやそっとの辛さで私のワイルドでハードな極辛カレーに太刀打ちできると思って?優勝は私で決まりよ。」

「面白いネー足柄。流石は英国で飢えたWolfと言われただけはアリマース!」

「暁たちも忘れないでよね!辛いだけがカレーじゃないんだから!!」

 

金剛と足柄の対立から除け者にされている暁は「ぷんすか!」というような擬音が聞こえそうな様子で二人に突っかかる。

 

「ツッキーもどうやら本気の様デスネー。」

「なら心しておきなさい。優勝を狙っているのは私たちだけじゃないのよ?」

 

足柄の言う通り、他の艦娘も優勝を狙っている。

その数ももちろん多い。

 

「では、決戦の日を楽しみにシテマース!!」

「首を洗って待っていることね。」

 

そう言い残すと二人は店から出ていった。

 

「結局・・・あの二人何がしたかったんでしょう?」

「さぁ・・・?せめて注文はしてほしかったです・・・。」

 

何をしに来たのか分からない霧先と間宮は首を傾げていた。

 

「なんか燃えてきたわ!もうぜーったい負けないんだから!」

「やるからには勝つ。」

「わ、私も頑張るのです!」

「ええ、絶対優勝して暁たちがレディだって認めさせるんだから!」

「「「「おぉー!」」」」

 

意気込む雷、響、電、暁の四人を長門はコッソリ陰から見ていた。

 

「長門さん・・・あれで隠れているつもりなんでしょうか?」

「滅茶苦茶障子にシルエットが出ていてモロバレですが・・・・。」

 

但し間宮と霧先にはガッツリばれていた。

 

 

 

 

 

 

 

その後、甘味処「間宮」を後にした第六駆逐隊は鳳翔に頼み、台所を貸してもらっていた。

 

「それじゃあ・・・・。」

「早速作ってみるわよ!!」

「あ、ちょ!なんで雷が仕切るのよ!それは暁型一番艦の暁の仕事でしょ!?」

「雷なら大丈夫よ!」

「理由になってなーい!」

 

珍しく暁が真面目なことを言っている気がするがそれもそうだ。

実際雷は会話のキャッチボールではなくドッジボールをやっているのだ。

 

「はわわ!喧嘩はいけないのです!」

 

そこに宥めようと電が二人に言った。

 

「それで?カレーはどう作るんだい?艦艇の時の記憶ではバラバラだしあれから20年立っている今、作り方も具材も変わってるかもしれないよ。」

「「「あ゛っ!」」」

 

響の突っ込みに三人は固まった。

そもそもスタート地点にすら立っていなかったのだ。

結局三人は鎮守府内の資料室に収められている料理本を片っ端から読んで調べていくことにした。

そんな中、四人はある艦娘とであった。

 

「あら、貴方達は第六駆逐隊の・・・・・。」

「あ、伊152さんなのです!」

 

潜水艦伊152だった。

着物をまとった彼女は今現在「第一特殊艦隊」所属で霧先の直属の部下となっている。

普段は潜水艦娘に教鞭を執っているが今日は違うようだ。

 

「貴方達も探し物?」

「そう、カレーの作り方。」

「そうだったの。カレーは人の個性が出やすい食べ物だから頑張って作ってね。」

「伊152さんは何しに来たの?」

 

雷に聞かれた伊152は微笑みながら答えた。

 

「ちょっと雷撃関連の本をね・・・・カレー大会、頑張ってね。」

「大丈夫よ!」

 

フンスと胸を張る暁に少し笑った伊152は自分の目当ての本を探すために第六駆逐隊と別れた。

その後、様々な本を読んでレシピを考えた四人は再び厨房に戻った。

 

「さぁ!今度こそ!」

「作り方も分かったし作るわよ!!」

「だからなんで雷が!」

「良いから私に任せればいいのよ!!」

 

こうして喧嘩していると外見年齢相応と言えよう。

だがしかし末っ子の電はそれを許さなかった。

 

「もう!だから喧嘩はダメなのです~!!」

 

電の見事なまでのグルグルパンチが炸裂し二人は喧嘩を中止せざるを得なくなった。

その様子を見ていた次女である響はヤレヤレと言う様子であった。

結局、電の仲介で四人は作業を開始することにした。

雷は器用にジャガイモを包丁で剥き、その隣で電は盛大に失敗しジャガイモが小さくなり涙目になっていた。

一方暁も玉ねぎの化学反応によって涙目になっていた。

先に冷蔵庫で冷やすか化学反応が起こる前に切るようにしなければこうなる。

誰しもが経験したことであろう。

そして響も順調にニンジンを切っていく。

が、自分の指をも切ってしまい出血。

慌てた三人はすぐに救急箱を持ってきて大慌て。

そんなドタバタを交えつつも食材を切り、煮込むところまでやって来た。

 

「さぁ!後はこのままよく煮て具材が柔らかくなるのを待つだけよ!」

「シンプルイズベストね!」

「これはいい出来だ。」

「そしてよく煮えたら一度火を止めてカレー粉を溶かすのです!」

 

暁、雷、響、電は鍋を囲み、じっと見つめる。

しびれを切らした暁はすぐに言った。

 

「まだ煮えないのかしら?」

「一分もたってないのです。」

 

そして電の言葉が帰ってくる。

まだ一分も経っていないというのに暁は辛抱が出来ないようだ。

 

「もう、そんなに簡単に火は通らないわ。」

「なら、もっと強い火力で・・・。」

「でもこれ以上強い火力なんて・・・・。」

 

雷の言うことを逆に考えた響は火力を上げることを提案した。

しかし今コンロは現在強火だ。

これ以上は強く出来ない。

強い火力はないかと考えた電はあるものを思い出した。

 

「あるのです!!」

 

電は早速四人と鍋をもってある場所に向かった。

そのある場所とは霧先が責任者を務める工廠だった。

工廠の倉庫で四人はあるものを鍋に向けていた。

 

「「「「よいしょっと!」」」」

 

それは「高速建造材」だった。

このバーナーの火力なら大丈夫と電は考えたのであろう。

 

「準備完了なのです!」

 

電によって準備完了の旨が伝えられた。

それを聞いた暁は高らかに言った。

 

「それじゃあ、高速クッキング~開始!!」

 

その言葉の後、物凄い炎が鍋を直撃する。

 

「完成なのです!あっ!!」

 

電が完成と言ったがよく見てみると鍋は消し炭になっていた。

金属製の鍋が消し炭になるほどの火力は相当なものだろう。

 

「暁が煮えるのを待てないなんて言うから・・・・。」

「あ、暁の所為だっていうの!?」

「最初から私に任せておけばよかったのよ!!」

「なんですって!?カレー大会に出るって決めたのは暁よ!!」

「二人とも悪くないのです!変なことを思い付いちゃった電が悪いのです・・・・!」

「大体雷はいつも出しゃばりなのよ!暁の方がお姉さんなんだからね!」

「そのお姉ちゃんが頼りないから私が頑張ってるんじゃない!」

 

全くもって子供の喧嘩そのものである。

暁と雷の口喧嘩はヒートアップして手が付けられない状態になり電は喧嘩の原因は自分だと泣き出してしまった。

かなりカオスな状況になりつつある現状を打破したのは響だ。

 

「てい。」

「あっ!」

「わっ!」

「はにゃ!」

 

彼女は三人に近寄ると頭を叩いた。

 

「少し落ち着こう。」

「「「響(お姉ちゃん)。」」」

「第六皆で優勝するんだろう?」

「・・・・そうね。皆で一人前のレディを目指すんだもんね!」

「金剛さんたちに煽られて、ちょっと熱くなりすぎてたかも。」

「反省なのです・・・・・。」

 

全員が冷静になったところで雷が切り出した。

 

「でも、鍋はどうする?これじゃあとても変わりが欲しいなんて司令官や工廠長に言えないわ。」

「「「う~ん・・・・・。」」」

 

四人が悩んでいると誰かが倉庫のドアを開けた。

振り向くとそこにはオレンジのつなぎにハンマーを持ち、某宇宙最強のエンジニアのようなフェイスガードを着けた人物が立っていた。

気のせいか「コホー、コホー」と某暗黒面の騎士のような呼吸音も聞こえる。

 

「「「「キャーーー!!」」」」

 

普段凛々しい響も姉妹とそろって叫び声を上げて縮こまる。

それを見た繋ぎの人物は慌てて素顔を見せた。

 

「ちょっ待ってよ!ほら私!!」

「ゆ、夕張さん!」

 

電が声をあげた。

オレンジつなぎの正体は夕張だった。

 

「もう!驚かせないでよね!!」

 

暁が大きな声で言うとさらに誰かが来た。

 

「夕張さん、どうしたんですか・・・・って暁たちじゃないか!」

「こ、工廠長!?」

 

やって来たのは霧先だ。

普段のラフなふくそうであるところから仕事の休憩の合間に来ていたのだろう。

 

「ちょっと驚かせちゃって・・・・。」

「だから叫び声が・・・・そりゃ某宇宙最強のエンジニアみたいなそれ着けてれば誰でも出合い頭に叫びますよ・・・・。」

 

霧先は眉間を押さえながら言った。

夕張は笑いながら四人に話掛けた。

 

「あはははは・・・・ごめんね?装備の開発中だったのよ。皆も装備開発?魚雷?電探?」

「え~っと、実は・・・・。」

 

電は事の顛末を二人に話した。

 

「成程・・・と言うかよくその発想が出たね。見事に金属製の寸胴鍋が焦げた鉄屑に・・・・・。」

「そう言うことならお姉さんに任せなさい!!」

「本当!?」

 

霧先が関心して鍋だったものを眺めている横で夕張が自信満々に第六駆逐隊に言った。

それを聞いた四人は目を輝かせた。

 

「丈夫で熱伝導率の高い超高性能鍋を作ってあげる!よ~し!燃えてきたぁ~!!」

「・・・・・・・えっ?」

 

ハンマーを巧みに手で回して意気込む夕張の横で霧先は嫌な考えと予感を巡らせた。

夕張は嬉々としてボーキサイトを持ってきて鍋を作り始めた。

ハンマーで叩いて成形する為、金属同士がぶつかりカーン、カーンという音が響き渡る。

しかし第六駆逐隊と霧先は耳を押さえながら悶えていた。

 

「何かわからないけど・・・・。」

「妙にぞわぞわする音なのです・・・・。」

「僕は悪寒と震えと気持ち悪いのが収まらないよ・・・・・。」

 

顔を青ざめ、今にも吐きそうな霧先言い終わった後、夕張の作業が終わった。

 

「さぁ!完成よ!」

 

そこにはピカピカに光る金色の鍋があった。

 

「「「「わぁ~!!」」」」

「皆が遠征で運んでくれたボーキサイト、たっぷり使っちゃった!ちょっとやそっとじゃ壊れない最高のアルミなのよ!」

「「「「ありがとう(スパスィーバ)!夕張さん。」」」」

「いいって!後で感想聞かせてね?」

 

第六駆逐隊は嬉しそうに鍋をもって倉庫を後にした。

そしてそれを見送った霧先は夕張の肩に手を置いた。

 

「さぁ、夕張さん。資材の無許可消費の件、一緒に提督に頭下げに行ってから大淀さんのお小言をもらって、その後始末書を書きましょう。」

「えぇ!?友成君がいたからOKじゃ・・・・・。」

「装備はね。あれは私用で使ったから・・・・・。」

 

夕張はがっくりとうなだれ霧先と共に執務室へと向かった。

 

 

 

 

一方、第六駆逐隊は間宮に美味しいカレーの作り方の極意を教えて貰いに行っていた。

 

「美味しいカレーの作り方?そうね、愛情という名のスパイスかしら?」

「「「「そういうのはいいです。」」」」

「い、意外と現実的なのね・・・・。」

 

夢のある話を四人に揃ってばっさり切り捨てられた間宮はたじろぐ。

だが間宮の愛情という名のスパイスがあればどんな料理も激うまになるだろうと思う。

ばっさり切り捨てられた間宮はショックからかある噂を思い出した。

 

「ちょっと眉唾だけど・・・東のボーキボトムサウンドにあるっていう幻のボーキサイトを隠し味に使うと、どんな料理も最高の味になるって聞いたことがあるわ。」

 

但しそれは艦娘しか食べられないだろう。

良くても霧先だ。

ボーキサイトはとてもじゃないが人間は食せない。

それをすっかり忘れている四人は遠征と称して大淀からお小言を貰っている霧先とそれを難しい表情で見ている提督に許可をもらい出撃ドックへと向かった。

全員がいるのを確認した後、プレートを踏んで出撃準備に入った。

 

「暁の出番ね!見てなさい!」

「了解、響、出撃する。」

「雷、出撃しちゃうねっ!」

「電の本気を見るのです!」

 

こうして第六駆逐隊は意気揚々と遠征を開始したのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。